加藤拓3安打完投!優勝戦線に踏みとどまる/法大3回戦

野球慶大
法大3回戦
慶 大
法 大
(慶)◯加藤拓-郡司
◇(二塁打)山本瑛、柳町

 見事なまでの完投劇だった。前日の試合で勝利し、法大との対戦成績を1勝1敗とした慶大。勝ち点が懸かる一戦のマウンドに上がったのは、やはりエース加藤拓也(4年)でだった。前々日に行われた1回戦で127球を投じた疲れを一切見せず、球速は終始140キロ台を記録。7回に1点は失ったものの、打線から受けた3点の援護を守り切った。チームは2つ目の勝ち点を死守し、優勝への望みをつないだ。

 ピンチにも動じない堂々たるマウンドさばきがこの日も光った。初回、2者連続で四球を与えてしまうが、後続を打ち取り無失点で切り抜ける。2回以降は制球力を取り戻し、法大打線を前に凡打の山を築いていった。唯一の失点は、7回。2死から走者を背負うと、連打を浴びて1点を献上した。しかし、次打者をしっかりと三振に切って取り、この回を最少失点。試合終盤も球威は衰えず、エースとしての貫禄を見せつけた。これで加藤拓は今季3勝目。2つ目の勝ち点獲得に大きく貢献した。

3安打8奪三振で完投した加藤拓

 好投するエースを援護したい打線は2回、先頭打者の山本瑛大(4年)が二塁打を放ち、早速好機をつくる。続く打者が犠打をきっちりと決めて走者を進めると、打席には郡司裕也(1年)。3球目を振り抜いた打球は適時左前打となり、先制点を獲得した。また、5回も先頭の柳町達(1年)が二塁打で出塁。加藤拓が犠打を決めて、さらに好機を拡大させた。四球を挟み、1死一、三塁。続く1番・沓掛祥和(4年)の放った打球は浅めの右フライであったが、三塁走者・柳町が右翼手の捕球後すぐさまスタートを切る。相手捕手に右翼からの鋭い球が返ってきたが、タッチをくぐり抜けるような見事なスライディングを見せ、2点目を追加した。少ない好機で確実に走者を進め、1点ずつ相手を離していく。無駄のない攻撃がこの日は顕著に表れた。さらに打線は7回にも1点を加えて3点目。好投する加藤拓の期待にしっかりと応えた。

先制打を放った郡司。1年生ながら打率は3割を超えている

 1回戦では先発をしたものの、9回に勝ち越しサヨナラ打を許し、悪夢を見た加藤拓。この日は、相手打線を3安打1失点に抑える好投を見せ、雪辱を果たした。また、打線はクリーンアップに犠打をさせることもいとわない攻撃で、確実に得点を重ねていった。これでチームは勝ち点2。4位に付けて、優勝の可能性に望みをつなげた。次週対するのは、現在2位の立大。最下位の東大に1敗を喫したものの、投打ともに手ごわい選手がそろうチームだ。優勝へ向け、さらには最終週に控える早慶戦に向けても勢いをつけたいところ。ここからがまさに慶大の正念場だ。

(記事 杉田陵也、写真 末満まろか、中丸卓己)

東京六大学秋季リーグ戦星取表
順位 明 大 立 大 早 大 慶 大 法 大 東 大 勝ち点 勝率
明 大 10/22
10/23
10/15
10/16
○3-0
○5-0
○10-2
○8-4
○9-2
○7-4
1.000
立 大 10/22
10/23
○5-3
●2-3
○10-7
10/15
10/16
○9-3
○7-5
●3-4
○7-4
○6-0
.750
早 大 10/15
10/16
●3-5
○3-2
●7-10
10/29
10/30
●5-6
○8-7
○5-2
○4-2
○4-0
.625
慶 大 ●0-3
●0-5
10/15
10/16
10/29
10/30
●4-5
○7-1
○3-1
○8-0
○9-6
.571
法 大 ●2-10
●4-8
●3-9
●5-7
○6-5
●7-8
●2-5
○5-4
●1-7
●1-3
10/22
10/23
.200
東 大 ●2-9
●4-7
○4-3
●4-7
●0-6
●2-4
●0-4
●0-8
●6-9
10/22
10/23
.111
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