勢いに乗る相手を止められず18失点/明大4回戦

野球慶大
明大4回戦
明 大 18
慶 大
(慶)●小原大、原田、清水洋、亀井、太田、藤原-須藤
◇(二塁打)清水翔

 23日から続く明大との4連戦はあっけない幕切れとなった。お互いに1勝1敗1分けで迎えたこの試合。前日に接戦を制した慶大は、勢いそのままに勝利をつかみたいところであった。しかし、序盤に3点のリードを許すと、7回には満塁本塁打でさらに4点を献上。続く8回には一挙9点を失い、終わってみれば18失点。これまでの4試合で総力を使い果たしてきただけに、慶大にとっては大きな敗戦となった。

 この日の慶大は勝利のために手段を選ばなかった。初回、先発の小原大樹(4年)が4連続四死球で先制点を許すと、即座に大久保秀昭監督が動く。早くも投手を代え、この回を最少失点で切り抜けた。また、ベンチにいるメンバーもグラウンドの一球に集中し、ビハインドの場面でも声を絶やさない。3回以降は投手陣も安定し、4イニング連続で明大打線を三者凡退に切って取った。しかし、そんな勝利への執念を見せるも、ここ3試合で2得点と鳴りを潜める打線はこの日も元気がなかった。得点圏に走者を進めるも、あと一本が出ず無得点。この試合をどうしても落としたくないだけに、徐々に慶大に焦りが出始める。

初回で無念の降板となった小原大

 長めのタイムを取った直後のことであった。7回表2死満塁。ここまで明大を完璧に抑えていた3番手・清水洋二郎(3年)は、この試合初めてピンチの場面を迎えた。すかさず大久保監督がベンチから飛び出し、マウンドに向かう。いつもよりかなり長い時間を掛けてバッテリーに指示をする背中からは、これ以上追加点を与えられないという緊迫感が漂っていた。そして、球審からプレーが掛かり試合再開。その1球目だった。明大の3番・佐野恵太(4年)に高めの球を捉えられ、打球は中堅後方へ。高く上がった球は風に乗り、バックスクリーンへと突き刺さった。この一発で一挙に4点を加えられ、7点差。それは慶大にとって、あまりにも大きな差であった。そこからは、まるで糸が切れたように集中力を欠いたプレーが目立ちだす。ベンチからの声も徐々に少なくなり、慶大に敗戦ムードが広がった。極め付きは8回表。四球を挟み7連続安打を許すなど、この回だけで9安打9失点。慶大史上初の東京六大学リーグ戦1イニング10失点はなんとか避けたが、反撃する力は残っていなかった。

打線はこの日もつながらなかった

 明大とのし烈な戦いの最後は大差での敗戦となった。結果的に勝ち点を逃した慶大。ここまでの4連戦、9回裏の土壇場で追いつかれ引き分けに終わった1回戦で勝ち切れなかったことが、いまとなっては悔いに残る。しかし、立ち止まっている時はない。続く相手は、今季勢いに乗る東大だ。慶大は現在、立大と並び2位。ここまで東大以外の全チームに勝ち点が付き、混戦となっている春季リーグ戦。シーズン終盤は勝率の差で順位が付くことも予想されるため、どうしても連勝したいところだ。ここから春季リーグ戦も中盤。もう一度チームを立て直し、優勝争いに名乗りを上げたい。

(記事 杉田陵也、写真 中丸卓己、熊木玲佳)

東京六大学春季リーグ戦星取表
順位 明 大 慶 大 立 大 早 大 法 大 東 大 勝ち点 勝率
明 大 △1-1
○10-0
●0-1
○18-0
5/21
5/22
5/14
5/15
5/7
5/8
○1-0
●2-3
○12-3
.667
慶 大 △1-1
●0-10
○1-0
●0-18
5/14
5/15
5/28
5/29
○11-1
○8-2
4/30
5/1
.600
立 大 5/21
5/22
5/14
5/15
○4―1
○1-0
○5-4
●1-5
●6-8
5/7
5/8
.600
早 大 5/14
5/15
5/28
5/29
●1-4
●0-1
4/30
5/1
○1-0
○8-0
.500
法 大 5/7
5/8
●1-11
●2-8
●4-5
○5-1
○8-6
4/30
5/1
5/21
5/22
.400
東 大 ●0-1
○3-2
●3-12
4/30
5/1
5/7
5/8
●0-1
●0-8
5/21
5/22
.200
関連記事

沓掛の一振りで勝負あり!加藤拓、2戦連続の完投で勝利をつかむ/明大3回戦(04/25)

投壊10失点…打線も沈黙、明大に惨敗/明大2回戦(04/24)

土壇場で追いつかれ、延長戦の末に引き分け/明大1回戦(04/24)