総力を結集し明大を下す／明大１回戦

　先週は強力打線がその実力を見せつけ連勝で勝ち点をつかんだ慶大。この日からは昨季の王者・明大と対戦。試合は初回、横尾俊建（３年）の２点適時打で先制し、主導権を握ったかに見えた。しかし先発の加嶋宏毅（３年）が明大の反撃を止められず、２度追い付かれてしまう。波に乗れない慶大に５回から登板した２番手の三宮舜（３年）が流れを呼び込む。粘りの投球で５回を無失点の好投。その後、８回に相手の失策で得た１点のリードを守り４－３で白星を挙げた。

　先週東大相手に２試合で２０点をもぎ取った自慢の打線が初回からつながる。明大の先発は山﨑福也。現役最多勝利数を誇る好投手の立ち上がりを佐藤旭（４年）、山本泰寛（３年）の連打で攻める。ここで４番の横尾が甘い球を逃さず中前へはじき返し２点を先行。続く２回にも１点を加えた慶大であったが、その後は本塁が遠い。しかしようやく光が見えたのは８回。四死球で好機を得ると、藤本知輝（４年）の一邪飛でタッチアップを試みた谷田成吾（３年）が一塁手の悪送球を誘う。その間に三塁走者の山本泰が生還し、１点を勝ち越し。リーグを代表する好投手に９安打を浴びせ、最後は運も味方につけ、勢いを見せつけた。

先制打を放った横尾

　対する投手陣では、２人の投手の明暗が分かれた。先発の加嶋は打線の援護に応える投球を見せたいところであったが、明大打線がそれを許さなかった。初回に４、５番の連続適時打ですぐさま同点とされると、３回にも再び追いつかれる苦しい投球が続く。流れを変えたのは５回から救援した三宮。切れのある球で明大打線を翻弄（ほんろう）し、５回を投げ被安打３、奪三振７の快投を見せる。相手打線を無失点に抑え、うれしい初勝利をつかんだ。昨年のエース白村明弘（現北海道日本ハム）が卒業した投手陣にとって、新戦力となる左腕の台頭は優勝への大きな原動力となる。

試合を締め、ガッツポーズを見せる三宮

　昨秋に連敗を喫した明大に先勝した慶大。きょう力を発揮した打線、新戦力の活躍があった投手陣の力を結集しあすは勝ち点の奪取に挑む。開幕３連勝の陸の王者は６季ぶりの頂点に向け最大の強敵を全力で迎え撃つ。

（記事　三井田雄一、写真　田島光一郎、芦沢仁美）