打線が機能せず、勝負は３回戦へ／明大２回戦

　前日に行われた１回戦ではエース・白村明弘（４年）の好投やここまで不調だった藤本知輝（３年）の２点本塁打などで先勝した慶大。勢いそのままに、連勝で勝ち点を手にしたかったが、この日は思うような試合ができない。相手先発の関谷亮太に対して打線は沈黙。守備の乱れが重なり、小刻みに加点を許す苦しい展開となる。最後まで流れを変えることはできず、悔しい完封負けとなり、勝負は３回戦へと持ち越された。

好機で結果が出ず、うつむく佐藤旭

　次々にバットが空を切った。序盤は走者を出すものの、後続が続かずに得点することができない。次第に調子を上げていく関谷に対し、４回には３者連続三振を喫するなど、攻略の糸口が見えなくなってしまった。その中でも特にブレーキだったのは谷田成吾（２年）と横尾俊建（２年）。共に４打数無安打に終わり、谷田は３三振と不調が際立っていた。慶大打線に連打が出たのは７回のみ。しかし、ここでも佐藤旭（３年）が空振り三振に倒れて好機を潰し、バットを地に叩き付けて悔しさをあらわにした。終わってみれば、１５三振を奪われ、完封を許すという結果となった。藤本は２安打を放つなど、安打数だけを見れば明大を上回っていただけに、あすの試合では打線のつながりが求められる。

　投手陣もいまいち締まりがない。先発した加嶋宏毅（２年）は３回に２死二、三塁とされると、迎える打者は中嶋啓喜。内野ゴロに打ち取ったかに見えたが、二塁手・北村祐樹（２年）の悪送球により二人の走者が一気に本塁へと帰り、先制点を許した。その後も危ない場面はあったが、藤本の好捕にも助けられ、５回２失点でマウンドを降りた。加嶋の後を受けた山田貴大（４年）と渡邉義（１年）は共に制球が定まらない。山田は四球で走者を出し、自らの暴投で１点を献上。渡邉義も四球から得点を許した。４番手で登板した明大貴（３年）も失点こそなかったものの、２つの四球を与えるなど、中継ぎ陣は一人相撲となる場面が目立ち、今後に向けて課題が残った。

５回２失点とまずまずの投球を見せた加嶋

　あすの３回戦では、なんとしても優勝へと望みをつなぎたい明大は総力戦で挑んでくるに違いない。しかし、勝ち点を得たい気持ちは慶大も同じ。先発が予想される白村が１回戦と同様の投球を見せれば、対等な試合展開に持ち込むことができるであろう。あとはきょうは鳴りを潜めた打線のつながりが出れば、慶大にも勝機が見えてくる。伝統の早慶戦に向け、弾みをつけるためにも――。『陸の王者』の戦いはまだまだ続いていく。

（記事　井上雄太、写真　浦井拓也、川口真由）