東大1回戦 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 |
慶大 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 | 0 | 4 | 4 | 0 | 11 |
東大 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 |
(慶)白村―手錢、小笠原 |
---|
春季リーグ戦(リーグ戦)序盤2カードを消化していまだ勝ち点なしの1勝4敗と苦しい戦いが続いている慶大。10年秋の早大2回戦から50連敗中の東大に連勝し、勢いをつけたいところだ。互いに勝利を渇望する両校の一戦は中盤まで流れの読めない展開となるが、慶大は1点を追う4回に逆転に成功すると、7回にも連打で追加点を奪い11-2で大勝。課題としていた1回戦を白星で飾った。
安定の投球を見せた白村
背信投球が続いていたエースの背中に自信と貫禄が戻ってきた。先発の白村明弘(4年)はここまで3試合で14失点と安定感を欠いていた。きょうも初回から安打を許すなど決して絶好調とは言えなかったが、得点圏に走者を置いた場面では要所を締め走者を返さない。3回、1死二塁から2つの暴投を犯し、自らのミスで先制点を奪われてしまう。逆転した直後の守りでも二塁打と守備の乱れから1点を失い、点差を縮められる。だが、5回以降は徐々に本来の投球を取り戻した白村。変化球でカウントを取りつつ140キロ台後半の直球を投げ込み、赤門打線を寄せ付けない。最後まで1人で投げ抜いた白村は9回を10奪三振2失点で今季初完投。エース復活の兆しを見せた。
高々と舞い上がった打球は快音だけを残し左翼スタンド中段へ吸い込まれていった。慶大打線は1点を追う4回、白村の安打などで1死一、二塁と好機を演出すると打席には8番・山本泰寛(2年)。東大先発・白砂謙介の4球目を捉えた打球は、長い滞空時間でスタンド中段に突き刺さる3点左翼本塁打となり逆転に成功する。7回にも5番・横尾俊建(2年)の適時中前打を含む4連打で一挙4点を追加し、追う東大を突き放す。続く8回には3番・谷田成吾(2年)の3点適時三塁打などで4得点と攻撃の手を緩めない。終わってみれば11得点と慶大打線が東大投手陣を圧倒する結果となった。
最終打席で三振し浮かない表情の横尾
エース・白村の快投で初戦をものにした慶大。打線では谷田が4打点、横尾も2打点と下位打線と1、2番で出塁した走者を中軸で確実に返す形ができつつある。ここまでは投打が思うようにかみ合わず苦しい戦いが続いていたが、このままで終わるような慶大ではないはずだ。まずは連勝で勝ち点を奪取し、浮上のきっかけをつかみたい。『陸の王者』が反攻に向け再スタートを切った。
(記事 市川祐樹、写真 高橋千秋、川嶋悠里)