TEAM | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 |
東大 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
慶大 | 3 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | × | 5 |
○加嶋―小笠原 ◇(本塁打)谷田 |
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東大1回戦で14残塁1得点と拙攻に苦しみながらも勝利をつかんだ慶大。2回戦は先発の加嶋宏毅(2年)が東大打線を四球のみに封じ込め、見事ノーヒット・ノーランの偉業を成し遂げる。打線も奮起し5-0と快勝。勝ち点を3として、2年間遠ざかっている優勝へ向けまた一歩前進した。
27人目の打者の関正嗣を空振り三振に仕留めた瞬間、加嶋は両手を空へと突き上げて喜びを表現した。ノーヒット・ノーランは、今春に完全試合を達成した高梨雄平(スポ3=埼玉・川越東)以来24度目。慶大では2010年春(平22)の竹内大助(現トヨタ自動車)以来の快挙だ。8回には、カウント3-2からの内角直球がわずかにストライクゾーンを外れ、完全試合を逃した。それでも、動じることのなかった左腕の球威は最後まで衰え知らず。9回を無安打で投げ抜いて見せた。
偉業を達成し喜ぶ加嶋
この日の加嶋は、初回からエンジン全開だった。3者連続三振で絶好のスタートを切ると、その後も三振を量産。直球とスライダーのコンビネーションがさえ渡った。2回に二遊間を抜けようかという当たりを山本泰寛(2年)が滑り込みながら好捕。唯一許した四球の走者も盗塁刺でアウトとし、守りに助けられながら打者27人で片付けた。
慶大打線も相手からもらった好機を確実に生かし、加嶋を援護する。初回、敵失と四球で1死一、二塁とすると、谷田成吾(2年)が打席へ。ボール先行が続いた東大先発の辰亥由嵩の2球目を振り抜き、右越えの3点本塁打を放った。5回には山本泰、松本大希(4年)の連続犠飛で2点を追加し、計5得点。適時打こそ出なかったが、効率の良い点の取り方でリードを広げた。
今季初の本塁打を放った谷田
これまで6回を投げきることができず、第二先発の座を確固たるものにできなかった加嶋。最近の試合で登板過多となっている白村明弘(4年)の負担を減らす意味でも、長いイニングを任せられる先発は重宝されるだろう。この偉業達成で、今後一皮むけた姿を見ることができそうだ。秋季リーグ戦もいよいよ大詰めとなった。厚みを増した投手陣を軸に、次カードで優勝の行方を左右する明大戦に臨む。
(記事 塩澤毅志、写真 栗坂美祐、廣瀬元宣)