立大ディフェンスを攻略 無傷の開幕5連勝!

米式蹴球
TEAM 1Q 2Q 3Q 4Q TOTAL
早大 BIG BEARS 14 10 13 44
立大 RUSHERS 16 23

 1次リーグを全勝で通過した早大BIG BEARS。2次リーグ初戦は前節で日大相手にヘイルメリーパスを決めて勝ち上がってきた立大と対戦した。試合は開始早々に先制TDを献上するも、すぐさま追いつき、逆転に成功する。2ポゼッション差で前半を折り返すと、後半最初のシリーズでRB安村充生(文構3=東京・早実)が74ydの独走TDランを決めるなど、得点を重ねて突き放す。4Qに立大の猛攻を受けるも、2枚目以降の選手が躍動を見せ、44―23で見事に勝利を収めた。

試合前の整列

  立大レシーブで試合開始。相手QBの宅和にパスを決められて自陣への侵入を許すと、勢いを止め切ることができず、先制TDを献上する。それでも、その後の立大のオンサイドキックが失敗し、早大は敵陣でオフェンスを開始すると、QB國元孝凱(社3=東京・早大学院)が立て続けにパスを決めてフレッシュ獲得。そして、RB安村充生(文構3=東京・早実)が相手をかわしながらエンドゾーンまで駆け抜けてTD。すぐさま同点に追いつく。さらに、前節大活躍の花宮圭一郎(文構3=東京・足立学園)のランで好機を演出すると、QB國元の絶妙な背後からのパスをWR佐久間優毅(政経4=東京・早実)がエンドゾーンでキャッチし、逆転に成功。そんなオフェンス陣の躍動に呼応するかのごとく、ディフェンス陣も奮闘を見せる。オフェンスの反則により好機を逃した直後のディフェンスで、DL若原碧飛(社4=東京・早実)が流れを引き寄せるインターセプトを決めてターンオーバー。WR上野陸(社3=東京・早実)やWR佐久間へのミドルレンジのパスがヒットすると、最後はWR中尾公亮(社3=東京・早実)へのTDパスがきまり、21―7でリードしたまま前半を折り返す。

エンドゾーンまで駆け抜けるRB安村

  後半の立ち上がり、最初のオフェンスでRB安村が74ydの独走TDランを決めて相手を突き放す。その後は一進一退の攻防が続く中で、RB萩原奎樹(政経4=東京・早大学院)のランでFG圏内に進入すると、K/P曽木聡(スポ3=東京・国学院久我山)がこれを落ち着いて沈めて3点を追加する。大幅リードで迎えた第4Q、立大が2つのTDと2ポイントコンバージョンを決めるなど勝利への執念を見せるのに対し、早大もRB花宮のTDランが決まるなど、そう簡単にモメンタムを明け渡さない。終了間際、第4Qから入ったQB八木義仁(政経2=東京・早大学院)がWR山﨑夕暉(スポ4=大阪・早稲田摂陵)へのTDパスを決めて勝負あり。44―23で開幕から無傷の5連勝を収めた。

今節も存在感を発揮したRB花宮とブロックが光るWR佐久間

 今節もオフェンスが爆発し、立大を上回る『執念』で快勝を収めた早大BIG BEARS。今節の結果により、秋季リーグ戦優勝争いの行方は早大と昨年度の最終戦で敗れた法大との一騎打ちとなった。それでも「全ての試合に勝って甲子園に行くことが大前提」という監督の言葉の通り、強敵明大を破った上で、勢いそのままに法大との一戦に臨みたい。

(記事 安齋健、写真 田部井駿平)

※掲載が遅くなり、申し訳ございません

担当記者のPICK UP PLAYER

QB國元とRB安村

 今年度の早大オフェンスは4年生中心の強力なOL陣が魅力的だが、昨年からオフェンスの核として活躍している3年生のこの2人にも注目していただきたい。1人目は正確かつ思い切りの良いパスが魅力のQB國元。前節の中大戦は前半をビハインドで折り返すキャッチアップの展開となったが、國元のテンポの良いショートパスがチームにいいリズムを与え、タイブレークでの勝利につながった。今節でも安定感のある活躍を見せ、チームを勝利に導いた。「負ける気はない」と語る次節の明大戦においてもチームを勝利に導くプレーに期待したい。2人目は派手なランプレーが魅力のRB安村。元U18日本代表RBである安村は、花宮、萩原と合わせて早大RB三銃士の一翼を担っており、今節でも2TDランを決めるなど勝利の立役者となった。この他にも、WRの上野、中尾、嘉屋、目黒、TE重村など、次代のオフェンスを担うであろう3年生の活躍に要注目だ。

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コメント

髙岡勝監督 (平4人卒=静岡聖光学院)

――2次リーグ初戦を迎えるにあたり、選手にかけた言葉を教えてください

立大さんは数年前に連敗していて、相手の中山くんがすごくいい選手なので、キッキングゲームがカギなるだろうという話をしていました。

――立大の印象なども含め、今日の試合を振り返っていかがですか

序盤に立大の岩月くんがいいランをしていて、彼のランを止めようっていうディフェンスから入りました。宅和くんのスクランブルで攻められて先制されたっていうのは嫌な感じではあったのですが、そこから学生が自分たちのフットボールをやり切れたので、いいかたちで前半を折り返すことができたのかなと思います。

――後半は2枚目以降の選手も出ていました。亀井主将が「雰囲気が緩んでいた」と振り返っていた後半ですが監督がいかがですか

前半に2ポゼッションでリードした時、特に出ていないメンバーが緩んでいたのが見られたので、後半の前に2ポゼッションの危うさというか、フットボールで2ポゼッションというのは逆転されるパターンが多いので、そこはもう一度締め直しました。メンバーはそこまで落としていないのですが、TDに繋がってしまったこと、しかも2ポイントコンバージョンも決められたっていうのは反省です。

――今日の試合に勝利したことで優勝争いは早大と法大に絞られましたが、明大戦はどのように戦いますか。試したいことなどありますか

我々の目的はあくまでも甲子園で勝つことですが、全ての試合に勝って甲子園に行くことが大前提です。次の明大戦で何かを試したいとかではなくて、自分たちのやるべきフットボールを、個々が本当に強い明大さん相手にどれだけやれるか、春の試合を見ても優勝候補だったチームですから、どうやって勝ち切るかということで我々にとって大事な試合ですので、丁寧に試合をしていきたいと思っています。

OL亀井理陽主将(法4=東京・早実)

――1次首位通過を決めた後、今日の試合まで2週間ほど空きましたが、チームの調子や雰囲気はどうでしたか

チームとして中大にあのような試合をしてしまったという反省はあったので、この2週間は少なからず覚悟はあったのかなと思います。

――リーグ戦で初めて午前中の試合でしたが、何か影響がありましたか

そういうところも懸念して午前中の練習を何度かしたので、そういった部分で入りは悪くなかったなと思います。

――今日の試合のゲームスローガンを教えてください

今日のゲームスローガンは『執念』というものにしました。ここからの2次リーグは気持ちが大事になると思っていて、立大もヘイルメリーパスという勝ちへの執念から生まれるパスで勝ってきたということで、それを上回る気持ちを見せようということで執念にしました。

――立大ディフェンス相手に前半からランやパスで崩せていたと思いますが

やりたいことはできていて、自分たちが理想としていたことはできていたので良かったかなと思います。

――後半は2枚目以降の選手が出た中で、最後に点を取り切れたことは収穫だったと思います。振り返っていかがでしたか

後半、僕は最後のハドルにもいたのですが、どうしても点差が開いてくると緩むというか、オフェンス、ディフェンスともに緩みがちでした。そういった部分は今後通用していかないと思うので、引き締めようということを最後のハドルで言いました。

――次戦、明大戦への意気込みをお願いします

昨年に明大は自分たちに負けているので、そういった部分で復讐心を持ってやってくると思います。僕らも甲子園へ行くために負けられない一戦なので、しっかり弾き返したいと思います。

DL金子智哉副将(教4=大阪・豊中)

――2次リーグの初戦でしたが、試合に向けての雰囲気はいかがでしたか

自分たちとしてはまず立大に勝たないと目標の日本一は見えてこないので、全員が集中して取り組めていたと思います。

――今日のディフェンスではチームとして何を意識していましたか

QBがよくスクランブルすることがわかっていたので、自分たちからラッシュをして勝負していこうと意識していました。その中で課題も見えてきたので、次の試合までにつぶしていきたいです。

――前半、立大に先制TDを許しましたが、それ以降は0点に抑えました。チームとして修正したところはありましたか

もちろんアジャストの話もしましたが、それよりも立大に攻められた後もグラウンド内で今までにはなかったような声かけなどがあり、試合ごとにピッチ内の選手のコミュニケーションが良くなっていると感じています。それを継続していきたいです。

――層の厚さが課題でしたが、今日出場した2枚目以降の選手はいかがでしたか

後半のDLはほとんどBチームの選手で臨みました。各々春の課題だった層の厚さも克服しつつあると思います。すごく2年生が頑張ってくれているので、そこは期待しています。

――次戦の明大戦について意気込みをお願いします

僕たちの目指している日本一は、関東での負けは許されないので、チームがどういう方針でも、明大戦は絶対勝たないといけないです。明大に勝って、しっかり法大にも勝ちます。あと2戦負けられない戦いが始まるので、しっかりやっていきます。

QB國元孝凱(社3=東京・早大学院)

――今日の試合を振り返っていかがでしたか

今日の試合は先制されてしまいましたが、オフェンスはいい意味でそれを気にせずに自分たちのオフェンスをして、結果的にいつもより点も取れたので良かったです。

――今日の試合で個人的な意気込みはありましたか

立大の10番の宅和と5番の中畑は、小学校の時にワセダクラブで一緒にやっていたので、強い気持ちを持ってプレーしました。

――WRの佐久間選手、上野選手を中心にパスを出されていましたが、パスユニットの調子はいかがでしたか

調子は良かったです。最近の練習でもコーチにたくさん指摘されていますし、最後までやるのがウチのオフェンスなので、そこをしっかりやって球際だったり、自分の判断だったりでパスユニットとして勝てた試合だなと思います。

――今日の試合で出た課題はありますか

全シリーズでタッチダウンを取れたわけではないので、チーム・オフェンス・個人として、決めきれなかったところを反省していきたいです。

――明大戦に向けての意気込みをお願いします

明大には高校時代のスター選手がたくさんいますが、今の自分たちは負ける気はないです。チームスローガンの『一丸』を、オフェンスで体現しつつ、個人としても活躍してチームを勝たせたいです。

RB安村充生(文構3=東京・早実)

――今日の試合に向けての意気込みは

前節はRB花宮が活躍したので、自分も負けないように頑張らないとなって感じでした。

――2TDを含む活躍でしたが、今日の試合を振り返っていかがですか

相手のディフェンスがやりやすかったので、自分が頑張ったというよりも相手が簡単だったかなというイメージです。

――豊富な早大RB陣ですが、お互いに意識していることはありますか

デプス争いという点で言うと、タイプがそれぞれ違いますし、自分は花宮とは別のタイプの人間だと思っているので、プレーコーラーの作りたいプレーの時に僕を使いたいか花宮を使いたいかっていうことだと思っています。デプス争いの意識というよりはお互いに切磋琢磨してやれているのかなと思います。

――明大戦への意気込みをお願いします

明大戦は必ずしも勝つ必要あるゲームではなくて、ゲームスローガンやゲームプランがどうなるのかは分からないのですが、出場するとなったらしっかりヤードを稼いでTDしてっていうプレーをしていきたいと思います。