【連載】関東大学秋季リーグ戦直前特集『We Are One』【最終回】髙岡勝監督

米式蹴球

 最終回は今年で就任6年目を迎えた髙岡勝監督(平4人卒=静岡・聖光学院出身)が登場。約200人の選手、スタッフ、コーチ陣をまとめ上げている髙岡監督に、春シーズンの振り返りや秋季リーグ戦への意気込みをお伺いしました!
※この取材は8月19日に行われたものです。

春シーズンの振り返り

春シーズンを振り返る髙岡監督

――3年ぶりに立命大、関大との交流試合があった春季オープン戦を振り返っていかがですか

髙岡 関西との試合が本当に久しぶりでした。その中で、立命大さんと関大さんともに見ての通りの結果となりました。数字が一番物語っていると思いますので。春シーズンの関西もベーシックなところと戦ってきますので、そういった意味で我々の力がどこまであるのかということがよく分かった試合でした。

――春の対談では、「(春季オープン戦で)試したいメンバーがいる」というお話をされていましたが、振り返っていかがですか

髙岡 関大さんと試合の時は特にケガ人が多くて、その後の日大さんとの試合も2年生がかなり出場することができたので、そういった部分では底上げというか、2年生の台頭が見えてきたというのは嬉しい収穫でした。

――その中でも特に、この春で伸びたなという選手がいたら教えてください

髙岡 オフェンスだったらレシーバー陣の2年生ですね。試合では佐久間(優毅、政経4=東京・早実)の活躍がスポットライトを浴びていましたが、それ以外でも、昨年からの主力のメンバーが出ていない中で2年生が出てきて、入江(優佑、商2=大阪・関西大倉)にしても小鮒(晴、文2=神奈川・鎌倉)にしてもいい活躍をしてくれたのがオフェンスでは目立ちましたね。ディフェンスは未経験だったDL堤(祥悟、教2=東京・早実)やDBの木村(大地、法2=東京・早大学院)、粕田(俊、商2=東京・早大学院)、鈴木(晴貴、基理2=神奈川・鎌倉学園)がいいレベルに上がってきたというのは本当によく見られました。

コロナとの戦い

――毎回の試合後に、たくさんのコーチが集まって話をしているのが印象的でした。例年コーチ陣の入れ替わりなどあると思いますが、今年度のコーチ陣との連携や意思疎通はいかがですか

髙岡 私が今年で6年目になるのですが、主要なコーディネーターが全て早大OBで揃ったことと、他大出身の若いコーチ陣たちも非常に近い思いでやってくれているので、比較的コーチ陣が一つになってできているというのが、今年のチームの特徴だと思います。

――コロナの影響で厳しい部分もあったとお伺いしましたが、合宿に入る前には選手にどのようなことを伝えていましたか

髙岡 世間的にも昨年よりも今年の方が感染者数も非常に増えていて、症状はそこまで重くはないものの、うちの部でも陽性者が増えていました。大学のレギュレーションも昨年より厳しい状態で合宿に臨まなければいけなかったので、選手たちには、2年前のシーズンで出場辞退せざるを得なかったことや昨年も合宿後に軽率な行動で数名陽性者が出たということをしっかりと思い出させるとともに、チーム全体として危機管理をしっかり行っていくということを伝えました。

――コロナの影響で一部の選手が途中参加になったとのことですが、具体的な合宿の中身を振り返っていかがですか

髙岡 事前の準備段階で陽性疑いの者が出たので、万全を喫して中日からの参加ということを判断せざるを得ませんでした。スタート時は人数が少なかったものの、最初から参加した選手たちも危機意識はしっかりありましたし、途中参加になった選手たちもしっかり体を作ってきてくれましたので、当初、途中参加者は差が出るかなと思っていましたが、最終的にはしっかりと練習ができました。100点というわけではなかったですが、合宿としてはそれなりにできたのではないかと思います。

――チームスローガンを『一丸』として始まった今シーズンですが、合宿を終えた現在、春と比較してチームの雰囲気はいかがですか

髙岡 今年のチームカラーなのかもしれませんが、みんな優しい雰囲気なので、長年やってきて感じることですが、もう少し上げていかないとブレイクしないのかなと思います。自分たちがやらなければいけないことを4年生たちがどれだけ感じられているかですね。

――その亀井理陽主将(法4=東京・早実)をはじめとする4年生の現在の姿は、監督にどのように映っていますか

髙岡 全体を見ることはできていると思います。ただ、厳しい幹部ではないと思うので、それを見て下級生がどう思うか、同じ思いになれるかが一番のポイントですね。

「いいチームで強いチームに」

――合宿を終えて、今年のBIG BEARSの特徴は何ですか

髙岡 合宿中も言ったのですが、今年はすごくいいチームだと思います。ただ、いいチームが強いチームということではなく、我々が求めているのは、いいチームで強いチームなので。それをどのように証明できるかというのが秋シーズンなので、初戦の横国大戦から、いいチームで強いチームだということを世の中に知らしめられるように、私も含めて一人一人が同じ意識で戦っていきたいと思います。

――TOP8のチーム数が増えたことなど、よりチーム層の厚さが試されるタフな秋季リーグ戦だと思います。1戦1戦どのように戦っていきますか

髙岡  1戦1戦しっかり勝っていって、1次リーグを1位で突破することが大事だと思っています。初戦、2戦目、3戦目、4戦目と試合のピッチが違うので、そこをどのようにコントロールしていくかというのを、我々コーチ陣と幹部でしっかり作っていくことが肝になってくると思います。あとは、連盟の(コロナに関する)レギュレーションが出て、まだコロナとの戦いがありますので、そういう意味では敵が2ついます。つまり、対戦相手とコロナをどのようにコントロールしていくかをうまくマネジメントして戦っていきたいと考えています。

――最後に、秋季リーグ戦、そして甲子園ボウル制覇に向けた意気込みをお願いします。

髙岡 今まで言ったことの総括になりますが、気をつけるべきことに気を付けて、どのようにして1戦1戦をチーム一丸となって戦うかが最終的なゴールに近づいていくと思いますので、全員がやるべきことをしっかり果たして、結果を出していきたいと思います。

――ありがとうございました!

(取材・編集 安齋健、田部井駿平)

3年ぶりの甲子園へ。髙岡監督のマネジメントに期待です!

◆髙岡勝(たかおか・まさる)

静岡・聖光学院高出身。1992(平4)年人間科学部卒。過密な試合日程やコロナウイルスのレギュレーションによる厳しさ中でも、監督、コーチ、選手、スタッフ、応援が「一つに」なって、関東大学秋季リーグ戦優勝、そして、悲願の日本一を目指します!