【連載】関東大学秋季リーグ戦直前特集『We Are One』【第5回】OL飯田星河×QB八木義仁

米式蹴球

 第5回はBIG BEARSの未来を担う早大学院出身の2年生、QB八木義仁(政経2=東京・早大学院)とOL飯田星河(法2=東京・早大学院)が登場。収穫と課題が浮き彫りとなった春シーズンを振り返り、今後の意気込みを語っていだたきました!

「(飯田は)必ず結果を残してくれる」(八木)

早大学院時代を振り返るお二人

――お互いのことを紹介してください

飯田 八木ちゃんは高校の時の主将で、選手としては一番信頼感がありました。例えばコロナの時期にそれぞれで自主的に練習しなさいという時があって、自分は結構さぼったりしたこともありましたが、八木ちゃんは絶対にやっているだろうなとみんなから思われているキャプテンでした。

八木 飯田はプレイヤーとしては圧倒的に強くて、必ず結果を残してくれることが魅力かなと思います。私生活では結構アクティブなので、一緒にいると楽しくなる存在です。

――早大学院時代を振り返っていかがですか。印象に残っている部分とか試合とかあれば

八木 最後の秋大会の足立学園戦です。僕たちの代は特に期待されていた代で、過去に足立学園に勝ったこともあり、勝つ自信があって臨みました。しかし試合前の1週間はみんな練習中に気合が入りつつもどこか慢心しているところがあり、試合で負けてしまいました。慢心は良くないと感じたことが一番印象に残っています。

飯田 早大学院時代は、今以上に同期内で俺たちはこれでいいのかと話し合っていました。例えば練習内で、この練習は本当に日本一を目指している中で必要なのか、みたいなことをたくさん話し合っていました。

――いつ頃から大学でもアメフトを続けようというのを考えていましたか。学院に入る前から大学はアメフトをやるということを考えていましたのか

八木 僕は小学1年生からずっと早稲田クラブでフラッグフットボールをやっていて、BIG BEARSに入りたいとずっと思っていました。それを叶えるために早大学院でアメフトを続けていました。

飯田 僕は元々6歳上の兄が戸山高校でアメフトをやっていて、当時公式戦で連勝中だった早大学院を戸山が破った試合を偶然見に行っていました。雨の中、ジャイアントキリングした兄がめちゃくちゃかっこよくて、自分が高校の間に名を残せるとしたらアメフトしかないと感じるようになりました。当時は敵だった早大学院に入学した時から大学でもやることを見据えていたので、兄の影響はとても大きかったです。

「ヒットの強さには自信があった」(飯田)

――昨シーズンはコロナの影響もあり、なかなか厳しいシーズンだったと思いますが振り返っていかがですか

八木 大学に入ってフットボールのスピードもだいぶ速くなりましたし、ディフェンスも高度になった分オフェンスが考えることも多くなり、フットボールがすごく難しくなったと感じました。その中で春の試合に出してもらう機会があったのですが、そこで気負いすぎてうまくいきませんでした。自分でももったいないミスもあり、秋の試合に大きく絡めなかったのがすごく悔しかったです。

飯田 昨シーズンは自分の中で目標を決めていて、数プレーでもいいから試合に出ようと決めていました。(1年生が出場する)新人戦が終わったあたりから上級生と合流するのですが、そこで自分が高校でやってきたことが大学でも通用するなと感じました。それでもやっぱり4年生はめちゃくちゃ強くて、この中で自分が試合に出るにはどうしようと考えた時に、総合力では勝てなくてもヒットの強さには自信があったので、オフェンスコーディネーターの坂本(智信、平19教卒=東京・早大学院)さんにアピールしようと思いました。その結果秋シーズンで、ゴール前のヒットが重要なプレーの時に、自分が出る場面を作ってもらいました。取り組みは間違っていなかったなと(笑)、大成功したなと思いました。

――それぞれの春シーズンの取り組み振り返っていかがですか

八木 僕は昨年の反省としてディフェンスのリードができていなくて。プレーが始まる時にあれもこれも考えるせいでうまくいかないのかなと冬の練習がない期間で考えました。なので、春シーズンの取り組みはきちんとディフェンスをリードできるようになろうと、その日の練習でやるプレーを想定されるディフェンスを含めて絵に描いて練習に臨んでいました。そのおかげで試合では落ち着いてディフェンスを見てプレーすることができたので、春に自分がクリアしようと思った課題をちゃんと克服できたのはすごく良かったです。

飯田 春は自分の中で本格的にAチームに上がりたいと思ったときに、OLの中で一番プレースタイルや考え方が似ている笹隈(弘起副将、スポ4=東京・早大学院)さんに自分の苦手なことを練習中にできるだけ質問するようにしました。ありがたいことにAチームには上がれたのですが、立命大戦で肉離れしてしまい、ケガを治すことに集中することになりました。

――合宿を振り返っていかがですか

飯田 自分は合宿で(ケガから)復帰して、長い間やっていなかったので体力的にもきつかったですし、OLはコーチが組んだ一番しんどい練習を毎日やっていたので、よりきついなと思いましたが、そのおかげで復帰してからゆっくり自分の調子を戻すのではなく、一気に自分のもとの力まで戻せました。自分の中で合宿での目標はAチームへの復帰と練習できなかった分を取り戻すことだったので、それができて良かったです。

八木 僕の合宿はもちろんきつい練習もありましたが、普段よりできるプレー数が多くなる合宿でもQBは一人しか出ることができないので、一本目の人と比べるとそれ以下の自分が一日にやれるプレー数がすごく少なかったので、チーム全体では多くプレーしているところで僕が少ないことで差が開いているのをより実感しました。だからこのままではいけないなと思いましたし、早大学院の頃から一個上の國元さん(國元孝凱、社3=東京・早大学院)と一緒にやってきて、なかなかそこで自分の評価が上回ったことがなかったので、もっと互角にスタート争いできるようにならないと自分が練習できる機会もなかなか与えてもらえなくなるなと感じたので、もっと実力を付けたいと思った合宿でした。

お気に入りの後輩は…

――お気に入りの後輩はいますか

飯田 ちょっとずつユニットにも入っている早大学院の後輩の原くん(康介、法1=東京・早大学院)ですかね。まあとんでもなく強いです(笑)。人に当たる力だけ見たら4年生と比べてもトップクラスです。一度、試合形式の練習で原くんに当たったんですけど、視界が真っ白になりました(笑)。やばいなという感じです。

八木 合流してから一緒に練習している吉規(颯真、政経1=東京・早大学院)君がやっぱりうまいなと思いますね。体はすごく細いのですが、早大学院時代からキャッチだけじゃなくて投げるのもうまくてQBもやっていました。大学に入って体格差はすごくありますが、確実なキャッチをしてくれるレシーバーは、すごく安心できる魅力的なプレイヤーだなと、吉規君を見て改めて思いました。

――注目している、もしくは仲の良い同期はいますか

八木 今日来れなかった塚田(隼也、商2=東京・早大学院)は高校の時はレシーバーだったので僕とよく一緒に練習していました。大学に入ってからはDBとして、すごくオフェンスの気持ちをわかっている守りをしてくる印象です。大学からDBを始めたのにすごいなと思います。

飯田 木村(大地、法2=東京・早大学院)と石黒(哲、政経2=東京・早大学院)ですね。中学の時から部活もずっと一緒でつるんでいます。木村は今CBで1年の時から試合に出ていて、石黒は実績はないですけど2人ともめちゃくちゃうまいですよ。中学から仲のいい3人で大学アメフトをやっているのはうれしいですよね(笑)

――尊敬している先輩をあげるとするなら

飯田 さっき言った笹隈さんは技術とかプレーを参考にしているので、困ったら笹隈さんに聞いています。遊んでくれるのは直野さん(永田直野、創理4=埼玉・早大本庄)とたかしょーさん(高橋将太、商4=東京・都市大付)です。二郎が好きなのでみんなで行っています(笑)

八木 僕は4年のQBの石原勇志(スポ4=東京・足立学園)さんですね。すごく話しかけてくれるので仲がいいのと、僕とはタイプが違うQBで、他のQBと比べても走力がある選手なので、僕もあれくらい走れれば選択肢が増えて楽になるので参考にしたいです。

「QBとしての存在感を」(八木)

――現時点でチーム内での自分の立ち位置や役割というのをどう理解していますか

八木 僕はチーム内でQBの二枚目になったり、三枚目になったりという状況なので。スターター争いというよりはバックアップの中で競争している感じなので、もっと実力付けないとチームに厚みが出ないなと感じています。キックのホルダーで昨年は試合に出ていて、ホルダー自体にはプライドを持ってやっていますが、なかなか試合を左右するプレーをするわけではないので、QBとして存在感を高めていけたらなと思いますし、チームからしてももっと存在感のあるQBになってほしいと思われていると感じています。

飯田 自分はOLのプレーや技術に関しては自信があります。チームとして、試合になったらプレーする選手が一番重要だと思うので、プレーで引っ張ることを心がけています。それと、試合中は勝っている時も負けていてみんなが落ち込んでいる時も、自分は冷静でいようと思っています。

「かましたろっていう気持ち」(飯田)

――秋シーズンも含めて今後の意気込みをお願いします!

八木 高校の時に競った試合に勝ってチーム全員で喜んで、僕ももちろんうれしかったのですが、自分がプレーしないで試合に出ていても嬉しさより試合に出ていない悔しさが大きかったのを覚えていて。今年は日本一を目指して頑張りますが、自分がプレーをして大きく貢献して日本一になりたいです。外から傍観している日本一はうれしいよりはつらいと思うので、今後はプレイヤーとして大きく成長してチームの中で勝利に貢献できるようなプレイヤーになりたいと思っています。

飯田 自分は4年生のOLと一番仲良くしてもらっていて。めちゃくちゃ強いと思っているので先輩に勝ってほしい気持ちもありますし、自分が甲子園の舞台で勝ちたいというのもあります。入部して2年ですが、この代に賭けなきゃなと思っています。(入部して2年しか経っていないことに)ビビるんじゃなくてかましたろって気持ちで臨むようにします!

――ありがとうございました!

(取材・編集 安齋健、田部井駿平)

笑顔が素敵なお二人の今後の活躍に注目!!

◆八木義仁(やぎ・よしひと)(※写真左)

東京・早大学院高出身。政治経済学部2年。183センチ。83キロ。QB。早大学院時代には主将を務め、キャプテンシーを発揮してきた。Aチームの試合では重要なホルダーとして出場することが多いが、目指すところは1番手QB奪取。試合前のご飯は牛丼で、その前はうどんを食べることが多いそうです!

◆飯田星河(いいだ・せいが)(※写真右)

東京・早大学院高出身。法学部2年。182センチ。108キロ。OL。春シーズンこそケガに苦しんだものの、常に上級生から一目置かれているOL。OL亀井主将とのコンビは相手チームにとって大きな脅威になるだろう。ゲン担ぎはミルキー(キャンディ)と炭酸抜きコーラを摂取すること。