【連載】関東大学秋季リーグ戦直前特集『We Are One』【第1回】OL亀井理陽主将

米式蹴球

 いよいよ、関東大学秋季リーグ戦が9月3日に東京ドームで開幕する。第1回は早大BIG BEARSの絶対的な主将としてチームをけん引する亀井理陽主将(法4=東京・早実)が登場。絶対に負けられないラストシーズンへの意気込みを語っていただきました。
※この取材は8月19日に行われたものです。

「まだまだ日本一になる資格がないと感じた」

春シーズンを振り返る亀井主将

――3年ぶりの関西遠征などありましたが、春季オープン戦を振り返っていかがですか

亀井 チームとしては、この春で僕たちは初めて関西のチームと戦えたのですが、そこで差を見せつけられて、まだまだ日本一になる資格が無いと感じました。関東勢には何とか全勝することができたとはいえ、関西に対してはフィジカルでもプレーでも圧倒的にやられてしまったというのが正直なところです。個人としては通用する部分もあって、自分としては成長が感じられたシーズンだったと思います。大学3年時までは正直結果を残せていなかったのですが、この春シーズンで、個人としては納得できるものが増えてきたので、そういった部分で成長を感じることができました。

――通用した部分というのは具体的には何ですか

亀井 入部してから、パスプロテクションに関してはかなり重点的に取り組んできていて、自分が今まで練習してきたことを試合の中で発揮できたので、自分の中では少し自信になったかなと思っています。

――合宿に入る前、チームに対してどのようなことを伝えて合宿に臨まれましたか

亀井 とにかくこの合宿で、『弱さ』を全員が自覚して、その上で、自分たちが秋シーズンを通して勝っていくための『強み』を見つけていこうということを全員に伝えました。春シーズンで立命大、関大に圧倒的にやられてしまって、各々が弱さを自覚できたと思うので、その弱さを再確認すること、例えば立命大戦ではランを11回やって7ydしか出せなかったというOLとしては屈辱的な数字でしたし、ディフェンスもタックルミスで何点も献上するということがあったので、そういった弱さを認めた上で強くなるということを目的としてやっていました。

――具体的な中身を振り返っていかがですか

亀井 コロナの影響もあり全員が最初から最後まで参加できた合宿ではなかったのですが、その中でも全員が勝つための行動をしてくれていました。普段みんなで寮生活をしているわけではないので、生活の中のコミュニケーションなども含め、合宿でしかできないことをしっかりやることができましたし、当たり前のレベルが高まっていったので、かなりチームのスタンダードが上がったのかなと思います。

――春の対談時には、「チーム全体としてまだ日本一に向かいきれていない」というお話がありました。合宿までを終えた現在のチームの雰囲気はいかがですか

亀井 シーズンが深まってきたということもあり、全員の勝ちたいという思いはかなり大きくなってきたとは思います。ただ、1年生も混ざってきて、僕たちが掲げている(チームスローガンの)『一丸』というのは、1年生から4年生まで全部員が日本一に対してコミットしていくことですので、1年生を一つにしていくこともそうですし、まだまだ下級生や4年生の間でも思いの差というのがありますので、そのような部分を秋シーズンに向けて一つにして高めていくということが重要なのかなと思います。

――成長が著しい後輩や同期を教えてください

亀井 オフェンスはWRの目黒(歩偉、スポ3=東京・佼成学園)です。彼はケガの関係もあって、合宿から復帰になったのですが、もともとチームの中でリーダーシップがあって存在感を示していて、プレーでも積極的に攻めたプレーをしてくれますし、チームに良い影響を与えてくれています。ディフェンスはLBの堀田(峻平、文構3=東京・早実)です。LBは僕と常に当たる存在なのですが、プレーの中での存在感というか、思い切りも良さも一緒にやっていてすごく分かるので、ディフェンスの中で一番印象に残っているのは堀田かなと思います。

「しっかりと伝える」「泥臭く勝つ」

――主将として、ご自身の中で春と比較して心境の変化だったり、成長して部分だったりはありますか

亀井 主将としてというよりは、人間としてということかもしれませんが、自分の思っていることをしっかりと伝えることができているのかなと感じています。もともと人前で話すようなタイプではなかったのですが、主将として自分が思っていることをしっかり伝えないといけない立場になって、自分か何か感じた時に感じたままのことを、選手を集めて伝えるということを合宿でもやってきたので、伝えるという部分ではかなり成長できたのではないかと思います。

――春シーズンの関西との試合でフットボールの文化の違いや、個々の力の差を見せつけられたと思います。そのような差を埋めるべく、秋のBIG BEARSはどう戦っていくのか。早大が勝つためのポイントを教えてください

亀井 先ほどは関西との差という話をさせていただきましたが、秋はどのチームも日本一を獲りにきているので、関東でも絶対に気を抜くことはできません。初戦の横国大戦から(リーグ戦第4戦の)中大戦までは相手が決まっている中で、スカウティングなどをしっかり行って、どんな相手が来ても絶対に勝つということを、全員が一丸となってやっていきたいと思います。

――春シーズンの終わりには、WR佐久間(優毅、政経4=東京・早実)とQB國元(孝凱、社3=東京・早大学院)のホットラインは一つの武器になるという話をされていました。この他にも言える範囲で教えてください!

亀井 ディフェンスは特殊な体系をしている上に、それぞれの選手に委ねられている部分が多くあって。選手一人一人の考え方や、相手のプレーを壊していくということを現在取り組んでいて、そこは強みにも弱みにもなりうるので、強みにしていけたらというところです。オフェンスに関してはWR佐久間とQB國元のホットラインというのはもちろんあるのですが、レシーバー主任の植田(善紀、政経4=東京・早大学院)をはじめ、上野(陸、社3=東京・早実)や先ほど挙げた目黒など、昨年試合に出ていたメンバーが復帰してきているので、そういったレシーバー陣の厚さは強みになってくると思いますし、OLも自分を含め、春の立命大戦でランを7ydしか出せなかったという事実を受け入れて、合宿ではどのユニットよりもやってきた自信があるので、今年はランでもパスでも圧倒して数字を残していきたいと思います。

――最後に、秋季リーグ戦、そして甲子園ボウルに向けての意気込みをお願いします!

亀井  このチームでここまでやってきて、この秋シーズンにかける思いは特に4年生は強いですし、自分が主将として挑むこのシーズンにこれまでの全てを賭けたいと思っているので、秋は結果だけにこだわって、どんな形でもいいので、どのチームに対しても真摯に向き合って泥臭く勝っていって、最終的には日本一になります。

――ありがとうございました!

(取材・編集 安齋健、有川隼翔)

さらに『一丸』となって悲願の日本一へ

◆亀井理陽(かめい・りょう)

東京・早実高出身。法学部4年。184センチ。115キロ。OL。春シーズンを通して、選手としても主将としても確かな成長を証明した亀井主将。選手、スタッフ、監督から絶大な信頼を寄せられています。そんな亀井主将の勝負メシはトンカツ。