第1回はOL笹隈弘起副将(スポ4=東京・早大学院)とDL金子智哉副将(教4=大阪・豊中)が登場。OL亀井理陽主将とともにチームをと牽(けん)引するお二人に、今シーズンの意気込みを伺った。
※この取材は4月2日に行われたものです。氏名に旧字体を含む場合は、原則として新字体に直して掲載しております。
4年生がどう行動するか
質問に応じる金子副将
――金子選手は浪人時代を経験されていますが、当時からアメフトを大学でも続けると決めていたのか、早大への憧れというものがあったのか教えてください
金子 僕自身が2016年の立命館大に1点差で負けた甲子園ボウルを観戦していて、そこでBIG BEARSというチームを知りました。それまで関東は日大や法大が強かったなかで、自分の高校の先輩でもある村橋主将(村橋洋祐、平28スポ卒=大阪・豊中)がチームを引っ張っていて、すごく熱い試合をしていたというのが憧れを抱いたきっかけです。それでBIG BEARSに入部するために浪人したという感じですかね。
――笹隈選手は高校時代は野球部で主将をされていましたが、大学に入ってアメフトを始めたきっかけは何ですか
笹隈 もともと大学で体育会に入りたいと考えていました。その1番大きい理由としては、早大卒の母親の影響です。母親は体育会に入らず普通に過ごしていましたが、やはりそれだと埋もれてしまうというか、早大に入ったのにすごくもったい無いと幼少期から言われていて。そこで、大学ですることができるスポーツって何だろうと考えたときに、僕の中ではアメフト部の新歓が魅力的に感じました。アメフトは出場している11人で勝たないといけないというコンタクトスポーツならではの面白さというか、意識の違いが野球とはあって。野球はどうしても自分が他人を蹴落としてでも出ていくという意識が強かったのですが、アメフト部には1年生からでもしっかり育て上げてくれるようなシステムがあるというのを感じたので、入部を決意しました。
――ご自身の3年間の取り組みを振り返って
金子 僕は1年時には肩の手術、2年時には肘の靭帯を損傷し、長期アウトしてしまったのですが、それに加えてコロナの影響で部が活動停止になり、下級生の時は自分が思い描いていたフットボール生活とは程遠かったかなと思います。3年生になって笹隈と一緒にキッキングリーダーとしてチームの日本一に貢献するチャンスを与えていただいたのですが、3年生にしてようやく自分自身の中で最大のターニングポイントを迎えられたかなと思います。そこでチームに対する取り組み方や感じ方がすごく変わっていったので、下級生の頃のケガがすごく苦しかったのですが、3年生になってでようやくBIG BEARSの一員として何かチームに貢献できる部分を見つけることができて、そこから大きく変わっていったかなと思います。
――試合に出られるようになったのも3年生からということですか
金子 そうですね。
――笹隈選手はいかがですか
笹隈 僕は未経験者として入部して、右も左も分からず、「アメフトって何?」という状態から始まりました。その状態から僕のことを引っ張っていってくれた橋口さん(橋口慶希、令3創理卒=東京・早実)という2つ上の先輩がいて。橋口さんはずっと自主練習に付き合ってくれて、僕は毎日その人の背中を見ながら練習していました。2年生になっていざ試合に出場できるとなった時にコロナの影響で活動がなくなり、公式戦も数試合で終わってしまって、自分はこのチームに何を還元することができたのだろうかと思いました。もっとアクションを起こしていかなければいけないと思った時に、キッキングリーダーというオフェンス、ディフェンスを繋ぐリーダーをしました。その後、スタメンで試合にも出場できるようになり、地道に続けていた努力が3年生になって花開いてきたっていう感じですかね。
――この3年間で印象に残っていることは
笹隈 やはり負けた試合が印象的で、2年生だったら秋の明大戦、3年生だったら法大戦がすごく印象に残っています。昨年の法大戦に関しては自分が出場していたのですが、そこで自分が何ひとつ活躍することができずに終わってしまい、自分のユニットや自分の力不足で負けてしまったことにすごく後悔が残っていて。やはりその後悔を今年は日本一という形で払拭したいというか、そんな気持ちで今はやっています。
金子 何か具体的な出来事というよりは、BIG BEARSの特徴にもつながると思うのですが、入部した時の4年生の存在感がすごく印象に残っています。2年生の時も3年生の時も、このチームは4年生が引っ張るという強い思いみたいなものは、高校からアメフトしていた自分からしてもすごく印象的でした。BIG BEARSは4年生のチームで、4年生がどう行動するかでチームが変わってくるんだなというのを強く感じました。
――1年時に出場した甲子園ボウルはどのように見ていましたか
金子 僕はケガをしていたので仕事人として携わらせていただいていました。1年生ではなかなかチームに携わることが難しくて、勝ちたいという欲はありましたが、今に比べるとチームに対して思うところは少なかったかなというふうに感じています。それでもやはり池田さん(池田直人、令2法卒=東京・早大学院)を含めた4年生のリーダーシップというか、「絶対に勝ちに行くんだ」という、法大に逆転勝ちしてからのチームの雰囲気というのが今でもすごく忘れられなくて。僕がそれまでアメフトをしてきた中で1番チームが日本一を意識してたのがあの期間だったので、4月から始まる新チームであの気持ちをどのように維持するかを幹部として考えながら行動しています。
笹隈 僕自身は何も仕事がなくて、ただ甲子園にいただけでした。オフェンスが盛り上がった時はワーって盛り上がってディフェンスが止めた時も盛り上がって、本当にいなくても良いような存在ではありました。僕は幼少期から野球をやっていた影響で甲子園には強い憧れがあり、実際に甲子園の芝を初めて踏んだ時は幼少期からの夢が達成できたというか、そこに立っただけでもすごい嬉しかったです。それと同時に、いずれは自分がチームを引っ張ってここで勝ちたいと強く思いました。
――チーム一丸となって日本一を目指していく中で、3年生以下が甲子園ボウルを経験していないというのは大きな影響があると思いますか
金子 僕はないと思いますね。今の4年生の代も深く関わった人っていうのは2人くらいしかいなくて、全員が日本一に対して何をしたら良いのかは、結局不透明なままの状況なわけで。4年生も基本的には日本一になるために何をしたらいいのか分からない、けど、やらなければいけない、それをどのように考えていくかというのがうちのチームの特徴だと思うし、うちのチームがやらなければいけないことだと思うので、下級生が甲子園の舞台を踏んでないからと言って僕らと大きな違いが生まれること思います。今年のスローガンは一丸ですし、とにかく全員一緒に今までなったことのない日本一に対して、どうしたらなれるのかを全員が考えながら行動するという点であんまり変わらないのかなと思ってます。
笹隈 僕自身はあると思います。甲子園をかけた法政戦の緊張感や甲子園で逆転したような緊張感や勝てるぞって思った瞬間というのはやはりBIG BEARSでアメフトをしていく上ではすごく重要なポイントだったなと思っていて。それを経験できていない下級生はもったいないとは思いますが、ただ僕がそう感じただけなのかもしれないですし、(チームスローガンの)「一丸」を体現して着実に力をつけていけばその緊張感や日本一を獲る機会を作ることができると思います。
チーム力の底上げを
OLとして存在感を示し続けた昨秋の笹隈副将(52番)
――法大に敗れてからのオフシーズンはどのように過ごされていましたか
笹隈 法大に負けてからは4年生ミーティングが毎日ありました。自分たちや自分自身を見つめ直す日々を過ごしていました。その中で、僕の意見が周囲に伝わってないというふうに感じたので、僕自身も自分を見つめ直すきっかけとしてすごく良かったです。OLユニットとしては新しいコーチがいらっしゃって、基礎からアメフトのブロッキングのやり方を変えることになり、それを教わって僕もすごく新鮮な気持ちでアメフトに打ち込むことができています。その方のおかげで法大戦が終わってから成長できたのではないかと思っています。
金子 4年生ミーティングがあったことで4年生の特徴や、全員が持っている日本一に対する意識に若干の差があることが分かりました。僕自身4年生をどうひとつにできるか、どのようにしたら4年生が熱くなれるかというのを常に考えながらオフシーズンを過ごしました。DLユニットとしては、昨年の主力が引退して今年はゼロからのスタートなので、一番下の層を含め、全体の層の厚さを上げていかなければいけないと思います。スター選手がいない以上、ユニット全体のレベルを上げる必要があるので、後輩のユニットリーダーである広瀬(灯遥、スポ3=埼玉・立教新座)に相談しながら、4年生のDLやパートリーダーと一緒に考えていったという感じです。
――笹隈選手にお聞きします。OLユニットの雰囲気や課題を教えてください
笹隈 OLのパートリーダーである村山(浩暉、法3=埼玉・西武文理)がOLをすごく仕切ってくれていて、日々のパート練習やユニット練習のなかで出た課題を一つ一つ改善しながらどうすれば良いのかっていうのを模索している状況で、僕としては順調に成長してるのではないかと思っています。OLユニットの課題としては、やはり層の薄さですね。昨年から試合に出場していたメンバーは多いのですが、1人でもけがしたら試合が崩壊してしまうのではないかと危惧しています。そういった面で僕たちが下級生に寄り添ってチーム力の底上げをしていかなければいけないと思っています。
――副将に就任したきっかけは
金子 大前提として自分がチームを引っ張りたいという思いが強くありました。自分にしかできないことというか、発信力や洞察力の部分で自分が副将になることで引っ張っていける部分があると感じたので副将に立候補したという感じです。
笹隈 きっかけに関しては3年生の時にキッキングリーダーになったことが大きかったです。キッキングリーダーとして自分が管轄してるポジションのユニットをどう成長させていくかっていうのを考えてた中で、ポジション別で成長していてもチームは勝てないっていうのを感じました。チーム全体の実力やモチベーションをどう上げていけば良いのかというのを考えた時に幹部という立場で発信していかないと人は変わっていかないと思ったので、幹部になろうと思いました。
――今のチームの強みを教えてください
金子 今年のチームは素直なのかなと思っています。トレーニングなど何か行動するとなった時に指摘や注意に対してすごく素直に反応してくれるので、チームの雰囲気として昨年よりは素直かなと思います。素直って言うとあまりいい印象じゃないかな(笑)
――以前よりも風通しが良くなったという感じですか
金子 それは俺らが4年だから説があるな(笑)
笹隈 僕が感じたのは風通しの良さというよりは、一人一人が考えているなって感じていて。例えば僕たちの指摘に対して「はい」で終わるんじゃなくて「ここの点はもっとこうした方がいいんじゃないですか」みたいに、後輩から意見してくれる人が多くなったかなと思います。僕が1年生の時は4年生にそんなこと言った記憶はなくて、4年生に言われたことをただ「はい、わかりました」ってやるだけで、今の下級生みたいに意見することはできなかったので、それはすごく良い雰囲気だなと思います。
――現時点でチーム全体の課題を教えてください
笹隈 僕は昨日のハドルでもいったのですが、当たり前の意識がすごく低いと感じています。僕たち幹部が求めている当たり前と部員が思っている当たり前の感覚に相違があって、そこがモラル的な面というか生活態度というか、プレーの態度に出ていると思っていて。それが最近顕著で、そう言った点を直していくというのが大事なのではないかと思います。
金子 池田さんの代の「闘志」というチームスローガンがあったのですが、その「闘志」という点ではこのチームに足りないと感じています。素直で優しくて良い子たちなので円滑に物事が進んでいくのですが、僕としてはチームが向上していくための衝突が起こっても良いと思っています。そういった自分達の熱い部分のぶつかり合い、闘志といった部分ですごく不足しているのかなと感じます。
――プレー面や雰囲気づくりにおけるお二人の魅力を教えてください
金子 なんか就活みたいだな(笑)
一同 (笑)
笹隈 プレーに関しては僕が何よりもこだわっているスピードだと思います。体重にしては人よりは動けてるのかなと。OLは体が重いイメージがあると思うのですが、人より俊敏に動くことができるというのは一つのストロングポイントだと思っていて。プレー以外の面で言えば、自分やチームがどうすれば良くなるかということを常に考えていて、自分がプレーしている動画を見て改善点を日記とかにまとめているのもありますし、下級生に対しても一人一人にアプローチするようにしているので、日本一になるためにどうすればよいかと言うのを常に考えて行動できているのではないかなと思っています。
金子 プレーに関しては、僕は人よりも秀でている部分は持っていないですね。これ、良いのかな(笑)
笹隈 じゃあ、僕から言いますね(笑)。僕はOLなので(DLである金子選手とは)トイメンでよく当たるのですが、昨年、すごく上手くなったなと感じました。金子は他のDLより体重がない中で、どう自分が活路を見出していくかっていうのに注力していて。低く早く刺すということに関しては、ほかのDLよりも秀でていて、体重がない割にインパクトがあるなと感じていました。
金子 じゃあ、言い直しますね(笑)。訂正させていただくと、プレー面に関しては「刺し」というのはすごく意識しています。自分自身の特徴はスピードを活かした「刺し」だと思っていて、人よりも体重が少ない分どうやって自分がDLとして生きていくかっていうのは下級生の時から考えていています。そこで一つ見出せたのが「刺し」なのかなと考えています。あと一つ意識していることは、キッキングでの携わり方です。キックは6部門ある中で多くの選手は1、2部門のみに関わるのですが、僕自身今年は6部門全部に関わりたいという思いでいます。自分の特徴はラインズにしては動ける、バックスにしては体重が重くて強いという、要はオールマイティ的な立ち位置だと考えているので、ディフェンスのみならずキッキングでもあらゆる部門でプレーヤーとしては活動していきたいなと考えてます。人間的には、チームのことを考えてるという面でいえば笹隈と被る部分があります。ケガ人として1年間過ごしてきた中でも、当時の4年生の良くない部分であったり、直した方がいい部分であったり、そういったことを伝えてたりもしてたので、チームが今やらなきゃいけないこととかを考えて、それを発信する力っていうのはあるのかなと思います。
――他の部員の方が「(笹隈と金子は)自分の意見を物怖じせず言える」とおっしゃっていましたが、その点で意識されていることはありますか
金子 副将になって例年よりは意識していますが、基本的にはこの立場だからというよりかは、現在のチームの課題であったり、何をしなきゃいけないのかっていうのを考えながら行動していたらそういう印象になったのではないかなと思います。
笹隈 僕はそんなに意識していないです。というのも、僕自身が練習の雰囲気を上げてみんなで楽しく互いに高めながらやるというのが一番成長できるんじゃないかなと思っていて。僕が1、2年生の時の4年生の方がすごい背中で引っ張っていってくれて、僕たちが4年生に喜んでもらいたいとか褒めてもらいたいっていう一心ですごい頑張った自分がいたのでやっぱりそういった面で下級生に還元したいなって、下級生に同じ思いさせてあげたいなって思っていて僕もやってるっていう感じですかね。
イチオシの後輩は…
――下級生とのコミュニケーションを積極的に取られている印象ですが、イチオシの後輩はいますか
笹隈 それ僕考えていたんですよね(笑)。来る時に自転車に乗りながら今日絶対聞かれるだろうなと思って考えていました。下級生であれば、僕はOLの飯田(星河、法2=東京・早大学院)と新橋(寛斗、国教2=東京・早大学院)ですね。
金子 2人はずるくない(笑)
笹隈 じゃあ、飯田でお願いします(笑)。飯田は今年、チームの核となる選手だと思っています。なんで注目してほしいかというと、僕が尊敬するくらい「おかしいな」って思ったところは「おかしい」って言ってくれますし、「どうしたら上手くなれますか」って僕に聞いてきてくれる人間で、僕もそういった後輩に関してはすごく可愛がって成長させてあげたいなって思いますし、上手くなりたいっていう思いが誰よりも強いんじゃないかなとい思っているので、飯田を推薦します。
――金子選手はいかがですか
金子 難しいな。2年生と3年生で1人ずつでも良いですか?
笹隈 さっきずるいって言ってたのに(笑)
――2人でもいいですよ!
金子 まず3年生は先程もパートリーダーで挙げさせていただいた広瀬です。彼はBIG BEARSでアメフトをやりたいから一浪して早大に入学した人で。3年生で主任は大変だと思いますが、今年のDLの4年生が大人しいというか、優しいメンツが多い中で広瀬がすごくリーダーシップ発揮して、いろんなDL内での改革だったり、どのユニットの4年の主任よりも3年の主任である広瀬が1番チームのDLのために毎日考えてやってくれているんで、すごくそこは尊敬してますし、頼りになってます。副将としても、DLの4年としても、この1年間(広瀬選手に)すごく期待してるというか、楽しみな選手かなと考えています。2年生は、堤くん(堤祥悟、教2=東京・早実)を挙げます。堤は未経験者で、早実の野球部時代にみっちり鍛え上げられてきたというのもあると思うのですが、他の2年生と比べて向上意欲が半端ないなって思います。DLの2年生は未経験者が多い中でも、向上意欲の塊みたいな連中ばっかりなんですけど、その中でも堤が1番リーダーシップを発揮していて、同期内で怒ってくれたり、僕たちが見えないところでリーダーシップを発揮してくれているっていうのも聞いてるのですごくそこは期待しています。
ーープライベートでも下級生の方と関わりはありますか
笹隈 僕は遊びに行きたいんですけど、なかなか行けてないですね。どうしてもこういう状況なので、行きたくても行けないという感じです。
金子 僕もそうですね。本当は行きたいですね。
ーー亀井理陽主将(法4=東京・早実)の印象を教えてください
金子 プレー面では関東で1番上手いOLだと思っています。申し分ないというか1番頼れる選手で、彼がオフェンスいるだけでオフェンスユニット自体のレベルも全然変わってきますし、強さも全く違いますし、彼一人のプレー面での影響力はすごく強いのかなと思っています。主将像としても、すごく理想的な主将像かなと思っていて。全体を見ていますし、その全体を一つの方向に修正する力があります。やっぱり組織ですからいろんな意見を言う人がたくさんいますが、亀井が一言何か言うだけで、全員がバッとその方向に向いていく組織ではあるのかなと。それはやっぱり亀井の統率力とまとめる力があるからだと思うので、そこは僕自身尊敬していますし、頼り甲斐があります。
笹隈 僕は同じポジションなので亀井の凄さっていうのはもう十二分に分かっています。本当に関東を代表するようなOLで、ランとパスのどっちを取っても1番上のレベルにいる人なのかなと思ってます。人格的な面では軸がぶれない人だなと思っていて、亀井が言ってることがチームの正解で、間違った言動をしないっていうところが良いなと思っています。主将の軸がぶれてしまうと、選手は「この前と言ってることが違うぞ」ってなってしまう中で、亀井は軸がぶれないので、僕も支えることがすごく簡単ですし、そういった面では理想というか、いいキャプテンだなと思います。
――春季オープン戦では関西の大学とも対戦の機会がありますが、意気込みを教えてください
笹隈 やっぱり関西を倒さないと、日本一にはなれなくて。毎年早大はそこで負けてきましたし、そういった面で自分達の現在の立ち位置が分かるいい機会なので、すごく楽しみです。僕は関西のチームと当たったことがなくて知らない部分も多いのですが、気性が荒くて生きるか死ぬかの感じで僕達のことボコボコにしてくると思うので、気持ちで負けないで相手がどんなことしてきても僕たちのプレーを続けるっていうのは重要なことだと思ってます。
金子 僕自身高校時代は関西でアメフトをやっていて大学から東京に出てきて思ったのは、やはり関西の方が気性が荒いですし、フットボールに対する向き合い方というか、笹隈からもありましたけど生きるか死ぬかでアメフトをしているなっていう印象はあったので、そこに久しぶりに戻れるおもしろさみたいなのはすごく感じています。早大は代々関西に負けて目標を絶たれているので、この春シーズンで久々に関西と試合ができるというのはチームにとって(この試合を)1番大きく位置付けて頑張っていかないとなっていう感じですね。
――今シーズンの個人的な目標を教えてください
金子 僕はQBサックで記録を狙いたいなと思っています。自分の強みを活かせる1番のポイントで昨年からずっと取り組んできたことでもありますし、パスラッシュの部分で数値の目標は掲げているかなという感じですね。
笹隈 OLは記録を数値で表せなくて、具体的に言うのは難しいのですが、八木さん(八木研作助監督)がいつもハドルで「どんな下手なQBやでもパッシングで1位にできたり、ラッシングで1位に出来るのはOLがいるから」と仰ってくれていて。縁の下の力持ちのようなポジションなのですが、そのランやパスで最高の成績を作ることこそが日本一になることだと思うので今年はそれを目指してやっていきます。
――ラストイヤーにかける意気込みをお願いします
笹隈 僕は(卒業後に)競技を続けることはほぼ無いと思っているので、学生生活最後のスポーツということで、そこにかける1プレー1プレーというのは今までよりもはるかに質が高いものをやってきた自負があります。日本一になることによって僕たちが努力してきたことを証明するしかないと考えているので、日本一を意識してこれから試合をやっていきたいと思います。
金子 自分はアメフトで日本一になりたいという思いで早大に入学しているので、今年にかける思いは人一倍強いしですし、日本一になったことがない中で、日本一に対して4年生がどのように行動していくかを自分たちで考えることがすごく大事だと思うので、とにかくチーム一丸となって日本一になれればと思っています。
――ありがとうございました!
(取材・編集 安齋健、宮下幸 写真 宮下幸、佐藤桃子氏)
チームを牽(けん)引するお二人の活躍に期待です!
◆金子智哉(かねこ・ともや)(※写真左)
大阪・豊中高。教育学部4年。179センチ。91キロ。DL。低学年時はケガに苦しんできた金子副将。ラストイヤーは主力のDLとして、低く早く刺すタックルで勝利に貢献します!
◆笹隈弘起(ささくま・ひろき)(※写真右)
東京・早大学院高。スポーツ科学部4年。176センチ。100キロ。OL。他の部員から「チーム1熱い男」と称されている笹隈副将。練習からチームを盛り上げ、春季オープン戦から活躍することを誓ってくださいました!