創部初の日本一へ。2021年度の早稲田大学米式蹴球部BIG BEARSを率いるのは永山開一主将(教4=東京・足立学園)だ。2年時から試合に出場しDLの中心選手としてチームに貢献してきた。チームメイトから「熱い男」と称される永山主将に新チームやDLユニットの現在の状況について伺った。
※この取材は4月3日に行われたものです。
「ビッグプレーやロスタックルを起こせるような存在になっていきたい」
日本一へチームを引っ張る永山主将
――まず初めに、主将になられた経緯を教えていただけますか
永山 自分は2年生の頃から試合に出場させてもらっていて、おととしと昨年で悔しい思いをしてきて、今年こそ絶対日本一になりたいという思いがありました。やっぱり自分がプレーで1番存在感を示して引っ張っていけると思ったので主将に立候補させていただきました。
――新体制が始動してチームの雰囲気はいかがですか
永山 下級生がすごく頑張ってくれているなという印象です。すごい元気よくはやれているのですが、技術的な面で見るとまだまだという部分が各ポジションあると思うので、そこはしっかりこれから修正していけたらなと思っています。
――チームスローガンが『愚直』に至った経緯を教えてください
永山 今のチームに何が足りないかということを幹部で話し合った時に、やはりハングリーさ、1プレーに対する集中力という部分が足りないなと思っていたので、そのような部分を選手1人1人が1プレーに懸ける思いというのをしっかり持ってほしいという願いを込めて『愚直』というスローガンに今回はさせていただきました。
――吉澤祥副将(スポ4=東京・成蹊)と石丸圭吾副将(政経4=埼玉・栄東)の印象はいかがですか
永山 吉澤は、自分と一緒で2年生の頃から試合に出場していて、お互い切磋琢磨(せっさたくま)してきた存在で、アメフトのこと、ウエートのことやチームのことについて話してきてはいました。お互い試合に出てという同じような道をたどってきたという所があるので、選手としても信頼していますし、副将としても信頼していますね。石丸の方はすごく努力家です。吉澤も石丸も努力家なんですが。下級生の方からずば抜けてうまかったわけではなかったのですが、努力して体をつくって昨年やっと試合に出られるようになったというのを自分は近くで見てきたので、1番信頼している所はあります。
――逆に永山主将はチームメイトからどのような人だと言われますか
永山 「怖い」じゃないですかね(笑)。下級生からは怖いと思われているのかなと思います。後は、あまり頭よくないんじゃないかこいつとか思われているんじゃないですか(笑)。
――大人数の組織をまとめるためのコミュニケーション等で何か工夫されていることはありますか
永山 基本的に緊急事態宣言下では、対面でのミーティングなどというのは制限されているので、やっぱりズームを活用してミーティングを行うなどですね。あとは少人数程度なら対面では軽くできるので少人数だったら対面で行うなど、状況に応じてミーティングなどは行ってきましたね。
――今年の4年生の印象はいかがですか
永山 1人1人が主体的に行動してほしいというのを自分は他の4年生に言ってきたのですが、最近はやるべきことというのを1人1人が頭の中で明確に整理できて、それをしっかり行動に移せる4年生が最近増えてきたと思っています。そこをもっとこれからしっかり4年生全員がそのようになるようにしっかりやれていけたらなと思います。
――今年のチームの持ち味はどの辺りにありますか
永山 まだ試合が始まっていないので分からない部分も多いのですが、元気ではあるなと思っていて、今は2年生から4年生までで、元気よく練習をやれているなっていう部分がすごく良い所かなって思っております。
――昨シーズンについてです。永山主将は全試合に出場されましたが振り返っていかがでしたか
永山 昨シーズンは桜美林大戦は結構良くて、自分でもビッグプレーが生み出せた部分もありました。その後練習ができない状況もあった中で、自分のベストパフォーマンスというのは明大戦とか東大戦は出せませんでした。正直悔いは残っているので今年は春の1戦目からフルで自分の最大のパフォーマンスができるようにしたいと考えております。
――DLユニットでは、今は特にどのようなことに取り組んでいますか
永山 DLは、ディフェンスはDLが弱いとどうしようもないので、本当に自分たちが全部止めるではないですけど、パスもランも自分たちが全部止めるということを意識しています。その中で、今は春なので基本的なことをとにかく取り組んでいて、ヒットや手を使う練習や基礎的な体力系などを重点的にやっている感じですね。
――永山主将ご自身の課題とかはありますか
永山 パスラッシュに関してはどのレベルにでも通用すると思っていますが、ランブロックに関してはまだまだな部分が多いので、そこの課題をしっかりつぶしていけたらなと思います。
――DLユニットで永山主将が期待している選手はいますか
永山 下級生ですとやはり山田琳太郎(商3=神奈川・川和)ですね。彼は身長が196センチくらいあって、パワーもスピードも兼ね備えているので、彼は今年は絶対に活躍しないといけない存在だと思っているし、活躍できると思っています。その部分ではすごく期待しています。
――今年はどのようなディフェンスチームを作り上げていきたいですか
永山 主将としてもチームとしても掲げていることでもあるのですが、石丸ディフェンスリーダーのもと「個」が強いディフェンス、1対1で圧倒できるという局面を作れるようなディフェンスというのを作りたいなと考えていています。
「今年の早稲田はやばいぞと思われるような試合にしたい」
昨シーズンの桜美林大戦では試合を決定づけるロスタックルを決めた
――春シーズンについてです。今年は昨年対戦できなかった関西の強豪校と試合がありますが、意識などはされていますか
永山 意識しているのは、やっぱり立命大ですね。立命大との対戦で今年のチームはどれぐらいのチームなのかが分かると思うので、やっぱり立命大戦でどれだけの結果を残せるかっていうのをしっかりやっていきたいなと思っています。そこまでに慶大戦と関大戦とあるのですがそこもしっかり勝って、立命大にも勝てるように基礎からやっていきたいと思います。
――春シーズンは全試合無観客試合となりますがそこに関してはいかがでしょうか
永山 正直、観客がいた方が楽しいですけど(笑)、やることは別に変わらないので日本一という目標が自分たちの目標なので、そこは気にせずではないですが。盛り上がらないのかというのはありますが(笑)、しょうがないのでチームの今の目標をしっかり理解した上で、試合に臨めたらと思います。
――永山主将は個人としてどのような目標で春シーズンを戦っていきたいですか
永山 自分の目標としている選手が、自分が1年生の時に4年生で主将をされていた斉川さん(尚之、平31スポ卒=現富士通フロンティアーズ)で、自分が1年生の時に春シーズンの斉川さんを見ても、1人別格というか、レベルが違うなという印象がありました。自分もそのレベルに達しないと絶対日本一のチームになれないと思うので、自分自身がビッグプレーやロスタックルを起こせるような存在になっていきたいなと考えています。
――ありがとうございました!
(取材・編集 小野寺純平)
意気込みを書いていただきました!
◆永山開一(ながやま・かいち)
176センチ。97キロ。東京・足立学園高出身。教育学部4年。チームメイトから絶大の信頼を寄せられる主将。DLの中でもトップクラスのスピードを持ち、ボールキャリアーに襲い掛かる。一撃で仕留めるヒットにも注目です!