早大米式蹴球部には毎年多くのアメフト未経験者が入部してくる。最初はルールから何まで分からなかった選手たちも、4年の時を経て一人前のフットボーラーに成長した。現在チームのスターターに名を連ねるDL二村康介副将(文構4=東京・獨協)、DB渡辺大地(教4=東京・早実)も未経験からの入部だった。今回はそんなお二人に、未経験からアメフトを始めたきっかけや、これまで、そしてこれからののアメフト人生を伺った。
「恐怖心というか慣れない部分は最初はありました」(二村)「思っていた以上に細かい動きが多くて」(渡辺)
入部当初のアメフトへの思い出を語る二村(写真右)と渡辺
――アメフト部に入部する前からアメフトはご存じでしたか
二村 知っていました。漫画の『アイシールド21』ですね。僕らの世代くらいで人気だったのでなんとなくスポーツとしては知っていましたね。
渡辺 自分も小学校の時に『アイシールド21』を見ていたのと、中学校3年生の時にアメリカにホームステイしに行ったんですけど、泊まらせてもらっていたところがシカゴ州で、NFLのシカゴ・ベアーズファンの家族だったので。向こうは地域ごとにアメフトを応援しているので、そこでアメフトの存在を知ったという感じですね。
――早大アメフト部に入部しようと思ったきっかけはどこにありましたか
二村 僕は元々京都大学のGANGSTERSというチームに憧れがあって、大学も京都大学にいければいいなと思って勉強はしていました。文武両道で頭もいいし、体育会としても関西の1部で戦っているのはすごいかっこいいなと思って始めたいなと思っていました。それで、合格したのは早稲田だったんですけど、アメフトっていうスポーツにチャレンジしたいなと思って始めました。
――京大GANGSTERSに憧れを抱いたのはいつごろでしょうか
二村 高校2年生くらいの時に知って、そんなにかっこいいチームがあるんだなというのを知りました。憧れを抱いたきっかけはあまり覚えてないんですけど、調べている中でふと出会ったみたいな感じでしたね。全員が京都大学に入れるくらい頭のいい人たちで、2013年くらいに関西の強豪の立命大に勝っていたりもして、熱い思いを持ってアメリカンフットボールに取り組んでいて、それでいて強い相手に勝つというチームの在り方がかっこいいなと思ったところですね。
――渡辺選手はいかがですか
渡辺 高校の野球部の時の先輩が1個上にいて、その人の誘いでっていうのが大きなきっかけかなと思います。あとは高校3年生の時に野球で甲子園に出たんですけど、その時に甲子園の中にある甲子園博物館みたいのがあって、そこに行ったときに甲子園ボウルの歴史がずらずらと書かれているのを見て、「アメフトって甲子園でもやっているんだ」と知ったのもきっかけで。自分の中で、高校で甲子園で日本一になれなかったっていう思いがすごいあったので、違うスポーツですけどアメフトで日本一になりたいという思いがあって始めました。
――入部前の早大アメフト部のイメージはいかがでしたか
渡辺 当時は自分たちが高校3年生の時に久しぶりに甲子園ボウルに出て負けてしまっていた時だったので、そこまで甲子園常連校というほどの意識は今ほどはなかったですね。自分が高校の部活を引退した後とかは甲子園ボウルをちらっと見ていたりもしたので、関東では強いんだなという印象で見ていました。
二村 僕は正直全然知らなかったですね。昨年の主将の斉川さん(斉川尚之前主将、平31スポ卒=現富士通)は僕の高校の一個上の先輩だったので、斉川さんが大学でアメフトをやっているっていうのを知っているくらいで、BIG BEARSがどういうチームかというのは知らなかったですね。
――高校時代は二村選手はサッカー、渡辺選手は野球をやられていたとのことですが、入部当時他のスポーツと比べて難しいなと思った点はありましたか
二村 僕は新人練習に入り始めて、だんだん人とぶつかるっていう段階になった時に「こんなめちゃくちゃ当たるんだ」って思ったのと、体中が次の日の朝に痛いなっていうのがありました。やっているときは痛みを感じることはそんなになかったんですけど、結構体に負担がかかっていたんだなと思って新鮮でしたね。
――サッカーでも接触はあったと思いますが、そこと比べてはいかがでしたか
二村 キーパーをやっていた分、飛び込んで地面にぶつかることも多かったので、衝撃には慣れてた部分もあったんですけど、やっぱり人と人が頭に近い位置でぶつかるというのは、恐怖心というか慣れない部分は最初はありました。
――渡辺選手はいかがですか
渡辺 自分は今までコンタクトスポーツをやってこなかったので、人に当たるっていうところで恐怖心がぬぐえなかった部分はありました。あとは自分はスキルポジションなんですけど、最初からそれなりにできるだろうと、簡単だろうと思って入ったんですけど、ステップの動きであったり足の動かし方とかでも思っていた以上に細かい動きが多くて、今までそこまで考えてスポーツに取り組んできたことがなくて、それまで深く追求していかないと上手くなれないんだというところにすごく難しさを感じました。4月に新入生を歓迎するビッグベアーズフェスタっていうのがあって、二村も一緒の班だったんですけど。
二村 そういえばそうだ。
渡辺 フラッグフットボールをやったりして、そこでは遊びなので「意外といけるんじゃね?」と思ったりしていたんですけど、実際は全然違いましたね。未経験の選手はアメフトってどういったスポーツかっていうのを学ぶところから始まるので、試合に出れるようになるまでに時間がかかったなという気がしますね。
「多様性っていうのは魅力だと思います」(二村)
アメフトの魅力を語る二村
――未経験から始めたお二人は様々な苦労をされてきたと思いますが、アメリカンフットボールを楽しいと思い始めたのはいつですか
二村 僕は楽しいって思ったのは新人戦の時ですね。相手にいいタックルをした時に「ナイス!」って同期や先輩に褒めてもらって、うれしい気持ちがありましたね。そういう時にこうプレーすればいいんだっていうのを段々と知っていって、始めて数ヶ月の段階で楽しいなとは思っていました。DLは動きも単純ではあるので、秋の試合とかにも1年生の時から出させてもらっていたので、割と早い段階から楽しいなと思っていましたね。
――1年時の秋に出場された時はまだアメフトを始めて半年ほどだったと思いますが、不安などはありませんでしたか
二村 なんか逆に深く考えないでプレーできたみたいなところがありましたね。わけも分からないままとりあえず一生懸命やろうみたいな感じだったので、後々から1年生で出るって結構責任があることなんだなと気づきました。
――渡辺選手はいかがですか
渡辺 僕は本当に最近ですね。今年の4月29日にあった早慶戦で初めてディフェンスのスタメンとして出ていたんですけど、それまでは苦しさというか、試合に出られない歯がゆさというのが大きかったので。アメフトが本当に楽しいなとは思えたのは、今年試合に出始めてからなのかなと思いますね。
――試合に出場する楽しさというのはやはり大きいでしょうか
渡辺 そうですね。やっぱりフィールドに立ってプレーするというところで、チームスポーツと言えども実際にプレーして勝利に貢献するっていう部分の重みっていうのはなかなか大きい部分であると思うので、試合に出るというのはなかなか大きい部分であるとは思いますね。
――他競技と比べたらアメリカンフットボールの魅力はどこに感じられていますか
二村 アメフトとサッカーでは全然違うんですけど、僕はキーパーをやっていたので、僕だけ他の選手とは動きが全然違いました。アメフトは全部のポジションがそれぞれ違う役割を担うというところで、分業しているみたいなところでは雰囲気的に馴染みやすい感じはしましたね。やっているスポーツは同じだけど、やっている内容は全く違うというところですね。他のポジションがやっていることは意味がわからないというくらいの感じなので。(笑)大学生活4年間のアメフト生活って言っても、どのポジションかによって全く違うものになっていると思うので、そういう多様性っていうのは魅力だと思いますね。
――もともと憧れていたポジションなどはありますか
二村 もともとアメフトをやろうと思った時にYoutubeとかで動画を見ていると、WRとかがかっこいいキャッチをしたり、RBがすごい走りをしているのを見て、僕はRBに憧れていましたね。かっこいいなって思っています。大きくて強いNFLのRBに憧れていますね。
――渡辺選手から見たらアメフトの魅力はいかがですか
渡辺 二村の話につながると思うんですけど、アメフトって一言で表すと究極のチームスポーツなんじゃないかなと思っていて。それぞれが違うことをしていてても、最終的にはチームが勝つために一つの方向に向かってやっているというところですね。それはもちろん選手だけじゃなくて、スタッフであったり監督コーチであったりもです。アメフトっていうスポーツは、もちろんフィールドに立っている選手もそうなんですけど、サイドラインにいる選手全員にユニフォームを着てフィールドに立つ権利があるので。オフェンス、ディフェンス、キッキングの全てのポジションを合わせると88個のポジションが細かく分けるとあるというところで、それだけの大人数でチームの勝利のために向かっていく姿は、僕が今までやってきた野球はベンチに入れる人数も限られていますし、同じチームスポーツと言えどもアメフトっていうのはその究極形なんじゃないかなと思っています。それぞれ一人一人の役割があって、それぞれがその役割を果たすことによってチームの勝ちにつながるという部分でそう思いますね。
――今シーズンについて振り返っていただこうと思います。今年1年間のこれまでを振り返って、どのようなシーズンになっていますか
渡辺 今年は自分の中でも一番得るものが大きかった1年ですね。先ほどもお話ししたと思うんですけど、今年からスターターとして試合に出るようになって、どうしてもDBというポジションは信頼されないとなかなか試合に出られないポジションなので、一番後ろを守っているポジションですし、自分が抜かれてしまうとTDで相手に得点を与えてしまうというところで、勝敗を大きく左右してしまうポジションなので、自分みたいな未経験の選手は点差が付いている試合じゃないと出してもらえない状況でした。そこに関しては悔しさを感じていた部分はあったので、「どうしても試合に出たい」という思いがありました。実際にスタメンを勝ち取れて思ったのが、試合に出てプレーするのと練習で分かるものってだいぶ違いがあるといいますか、どれだけ練習しても試合じゃないと分からない部分ってあると思っているので、そこを知ることをできたっていうのはアメフトが楽しくなった一つの要因でもありますし、自分が実際フィールドに立って勝ちに貢献できている部分というのが、今年はあるなと思います。
――試合に出て学んだことがあるとのお話がありましたが、具体的にどのような点でしょうか
渡辺 自分はディフェンスなので、相手のオフェンスが次にどういったプレーをしてくるのかっていうのを想像しながら、相手の体型とかクセによって考えてプレーするというのが今年1年間で学んだことですね。それが実際に当たったりすると自分のいいプレーにつながったりするので、大きい学びかなと思います。
――二村選手は今年1年間のこれまでを振り返っていかがですか
二村 昨年スタメンで出ていたDLの選手は4年生が中心で、僕もスタメンに食い込めるか食い込めないかギリギリのところでした。今年のメンバーは僕以外はスタメンとして出ていなかった人たちというところで、自分が引っ張っていかなきゃいけないなと思っていたんですけど、春はけがが重なってしまって全然試合には出られていなくて。その面で自分としてはアメフトの試合をする経験というのはまだまだ回数として足りていないなというのが現状なので、もっと試合に出たいなというのは今思っていますね。昨年の春も僕はけがをしていて、秋はけがをしないで甲子園に出ることができたので、甲子園は特別な場所で特別な試合だったこともあって楽しかったので、そういう思いをまた味わいたいなという思いはありつつ、そういう試合は自分の中でもまだできていないような気はするので、残りシーズンも僅かとはなっているんですけど、自分の中で楽しい試合をあと何試合できるかっていう風に期待をしている部分はありますね。
――けがをされている期間はどのようなトレーニングをされていますか
二村 他のできる箇所のトレーニングであったり、目は健康なので周りの指導であったりとか、チームメートを上手くすることが自分の中でも競争を活性化させることにもなりますし、その面で周りを育てるということは自分の成長にもつながるし、チームの成長にもつながるということで取り組んでいましたね。
――チームやDLユニットを引っ張っていく意識というのはいかがでしたか
二村 実際、1本目として昨年出ていたメンツがいない中で、僕が不甲斐ないプレーをしていられないなというような思いというか、プレッシャーはありましたね。
「一戦一戦それなりに力をつけていっている印象はあります」(渡辺)
今シーズンのディフェンスを振り返る渡辺
――先日の法大戦はディフェンスの奮闘がありましたが、現状のディフェンスの出来というのはどのように捉えられていますか
渡辺 一戦一戦それなりに力をつけていっている印象はありますね。初戦を戦って「うわ、この先どうなるんだろう」っていう不安はあったんですけど、池田(LB池田直人主将、法4=東京・早大学院)がいつも言っているように1試合1試合テーマを掲げて強くなろうっていうのを少しずつ体現できているかなと思います。それが法政戦の最後の粘り強さに出たんじゃないかなという風に思いますね。
二村 ディフェンスの出来としてはまだまだですね。最後のタックルの甘さであったら、テクニックの甘さであったりは最終節の明治戦でも結構見られていて。それはずっと取り組んできたことなので、そこが甘いというのはディフェンスとして大きい課題かなと思います。ポジティブに捉えればまだまだ成長の伸び代がある部分なんですけど、ここら辺を直さないと日本一にはなれないかなと思います。
――いまのディフェンスに100点満点で点数をつけるとしたら何点くらいでしょうか
二村 甲子園で戦うチャンスが残っているという点で50点くらいですかね。赤点ギリギリくらいですかね。
渡辺 そうですね。50点くらいですね。
――その点数をつけた理由としてはいかがですか
渡辺 関西のチームのビデオを見た時に、自分たちが当たった時にどうなるかっていうのを考えるとまだまだ怖い部分、不安な部分が拭い切れないというのが正直なところですね。
二村 力としてまだまだ足りていないなというのが自分の中でもあって、チームとしてもまだまだ個々人のレベルというのは足りていないですし、DLとしても相手を圧倒するようにしようっていうのはコーチからも言われているんですけど、目立った結果っていうのはDL全体としては出せていないので、その面で合格点出すにはもう少しかなというところですね。
――合格点という言葉がありましたが、関西に勝つためには何点以上の完成度が必要になってくると思いますか
二村 戦うっていうだけなら何点でも変わらないと思うんですけど、勝つってなると限りなく100に近づけていかないと勝てない相手で、全体として100に上げていくという方向性が必要だなと思います。
渡辺 僕は最低ラインとしても80点は必要だなと思いますね。自分が思うのはタックルの部分で、関西相手にタックルでずるずるやられてしまうと1ヤード奥に止めるか、1ヤード出されるかで喪失ヤードはだいぶ変わってくると思いますし、そういったところでしっかり決めきるという部分でも、止められるところを止めていかないとやられてしまうと思うので、まだまだそこは課題かなと思いますね。
――渡辺選手は同期で同じポジションのDB高岡拓稔選手(商4=東京・早大学院) と春からポジション争いをされてきましたが、渡辺選手にとっての高岡選手はどのような存在ですか
渡辺 高岡はずっと下級生の頃から試合に出ていて、今もディフェンスリーダーをやっていますし、小さい頃からアメフトをやっていたのでアメフトについてすごい知っているプレーヤーだと思います。だからこそ負けたくないなという思いもありますね。ただ、もちろん彼の方が知っている部分もあるので、自分が疑問に思うことがあったらしっかりと答えてくれますし、今までずっとスポーツをやってきた中でもこういった、同期でこれだけライバル意識を持ちながらお互い高め合ってる関係っていうのはなかなかなくて、お互いいい刺激になっていますね。どうしても関西相手に昨年負けた悔しさを晴らすっていうのを掲げているんですけど、越えるべき相手っていうのが実際にはどれくらいの力量かっていうのはビデオでしか分からないんですけど、自分は高岡が隣で練習していて、お互い意識しながら取り組んでいくことによって気がつかないうちにお互いのレベルが上がっているのかなとはすごく感じますね。
――高岡選手は小学校の頃からフラッグフットボールを始めていることもあり、未経験から大学でフットボールを始めた渡辺選手とは経験値では大きくことなっていると思いますが、すごいなと思う点などはありますか
渡辺 プレーの考え方で、「そういう考え方もあるんだ」と思う場面は多いですね。パスコースを分析してる時も自分が思いつかないことを高岡は予測していますし、セーフティーっていうのはすごく頭を使うポジションなので、先の先まで考える力っていうのは自分には足りていないところなので、彼のすごくうまいところだなと思いますね。
――実践経験を通じて学んでいくということはやはり大切でしょうか
渡辺 そうですね。やっぱり試合に出て学ぶことっていうことが、今年1年を通して一番大事なことなんじゃないかなと思うようになりましたね。
――甲子園ボウルについて伺っていきます。二村選手は副将として挑む甲子園ボウルですが、昨年と比べて気持ちの変化はありますか
二村 昨年までも甲子園に出ていたことはあったんですけど、連れて行ってもらっていたという思いがありましたね。その点で他人よがりな気持ちっていうのは今と比べるとあったのかなと思いますね。今年は自分たちの代ですし、負けたら終わりというシーズンを過ごしてきて、やっぱりチーム全員で勝ち取ったチャンスなので、ここまでこれたというのは一つ目標としてはクリアできているかなというのはありますね。
――二村選手にとって甲子園という舞台はどのような舞台ですか
二村 昨年プレーして楽しかったので、楽しい舞台というイメージはありますね。相手にわけも分からずプレーを出されていたりもしたんですけど、一対一の場面では戦えていた部分が自分の印象ではあって。相手にタックルをした場面もあったので、長い試合時間の中でやられる場面もやり返す場面もあったので、フットボールをしていて楽しいなと思いましたね。試合中に楽しいなって思ったのはあの時が初めてだったので、そういう経験ができればいいなと思いますね。
――どういった部分で試合中に楽しさを感じられていましたか
二村 相手が関学で、自分の中でも最強のチームという印象があって、最初はボコボコにされるんだろうなというイメージで。そこから上手くなっていこうっていうくらいの気持ちで捨て身の精神で挑んでいたんですけど、意外と相手も人間で同じ学生で戦えた部分っていうのを自分で発見して、その中でいいプレーができたりしてっていうのが楽しいなと思いました。
――渡辺選手は高校時代も野球で甲子園に出場されましたが、、渡辺選手にとって甲子園というのはどのような舞台ですか
渡辺 甲子園は自分の憧れの場所ですね。そもそも野球を始めたきっかけというのも、斎藤佑樹さんが優勝した時に実際に甲子園を見に行っていて。自分の夢も野球選手になりたいというよりかは甲子園に出たいという夢の方が大きかったです。高校では日本一になれなかったので、最後の大学4年生で、甲子園で日本一になれるチャンスがあるっていうのは最高ですね。そこで自分の目標を達成したいなと思いますし、特別な場所だなと思います。
――これまでの4年間のアメフト生活を振り返っていかがですか
渡辺 苦しかった。(苦笑)
一同 (笑)
渡辺 試合に出られない悔しさが自分の中では一番大きかったですね。それに加えて、チームとしても勝てなかったもどかしさですね。僕たちが入部してから2回甲子園に出てどちらも関学大に負け、自分たちが2年生の時も日大に負け、その日大が日本一になったり。負ける悔しさっていうのをすごく味わってきた代でもあると思うので、あと一歩で届かない悔しさがあった過去3年間だなと思います。
二村 僕は長くて短い期間だったなと思います。きつい練習をしているときは「これが一生続くのか」と思いながら練習していたりしつつ、シーズンが始まると2週間に1回試合があるので、負けたらほぼ終わりみたいな状況で、最後佳境を迎えていくにつれて「こんなにシーズンを過ごしたんだな」とあっという間だなと思うような感じでしたね。なのであっという間だなという感じですね。なので長いようで短い印象ですね。
――今年のディフェンスの雰囲気はいかがですか
渡辺 仲はめちゃめちゃいいですね。
二村 圧倒的にビッグプレーを起こせる人がいないので、個人個人がどれだけ頑張るかみたいなところで、いい意味で仲が良いなと思いますね。
――最後になりますが、ラストイヤーで迎える甲子園ボウルへ向けた意気込みをお願い致します!
渡辺 最後の1年でこれだけのチャンスを貰えてるっていうのはありがたいことだと思います。今までのBIG BEARSの先輩方が成し遂げれなかったことを成し遂げられる可能性があるというのはうれしいことですね。かといって日本一に現状なれるかと言ったらまだまだ力は足りないと思うので、本当に最後の最後まで、練習でも1プレー1プレーにこだわって、今まで悔しい思いをしてきた分を甲子園の舞台で晴らせるように頑張りたいなと思います。日本一を獲りたいなと思います。
二村 僕もそうですし、OBであったり応援してくださっているファンの皆さんであったりも、もう負けるのは飽きたと思うので、なんとしてでも勝って、日本一になるというのは絶対に成し遂げなくちゃいけないなという思いがあります。あとは学生として日本一に挑戦できる最後のチャンスなのでそこで獲らないわけにはいかないなと思っています。
――ありがとうございました!
最後に、甲子園ボウルへの意気込みを色紙に書いてくださりました!
(取材 小田真史 編集 涌井統矢 写真 朝岡里奈)
◆二村康介(ふたむら・こうすけ)
1996(平8)年10月30日生まれ。178センチ、116キロ。東京・獨協高出身。文化構想学部4年。DL。多くのけがに悩まされてきた二村選手。数々の苦難を乗り越えた副将が、甲子園の舞台で躍動する姿に期待です!
◆渡辺大地(わたなべ・だいち)
1997(平9)年7月30日生まれ。170センチ、78キロ。東京・早実高出身。教育学部4年。DB。高校時代は『鬼軍曹』とも呼ばれていたほど、熱い心意気を持っているファイター渡辺選手。甲子園でも気魄のこもったプレーに注目です!