ライバル明大に完敗、この雪辱は必ず秋に果たす!

米式蹴球
TEAM 1Q 2Q 3Q 4Q TOTAL
早大 BIG BEARS 14
明大 GRIFFINS 26


 「いつか出てくるだろうなと思っていた」(高岡勝監督、平4人卒=静岡聖光学院)---


  ROOTS BOWL2戦目の相手は昨年関東学生秋季リーグ戦(リーグ戦)2位、先日の関学大との一戦では土壇場でヘイルメリーパスを決め逆転勝利を収めるなど本来の実力を発揮してきている明大。春シーズンの成果を見せたい早大であったが、ランプレーを軸に雨の中でも着実にパスを決めてくる明大に翻弄(ほんろう)され、14-26で完敗。課題の多く残る春シーズンの締めくくりとなった。

パスが決まらず、苦戦を強いられた


 第1クオーター(Q)開始早々にミスが起こる。雨の影響かボールセキュリティーが甘くなり、RB荒巻俊介(法3=東京・早大学院)が自陣でファンブルロスト。明大にエンドゾーンまで残り42ヤードからの攻撃権を与えてしまう。ディフェンスが奮闘しFGに抑えるも、先制点は明大に。切り替えていきたい早大であったが、ここでも痛恨のミスが起こる。キックオフのボールをリターンチームがファンブル。転がったボールを明大のカバーチームにリターンされ、自陣深くからのディフェンスに。パスで大きくゲインを許しゴール前1ヤードまで進まれてしまう。ここでディフェンス陣が2度中央のランを止め意地を見せるも、あと一歩のところでモメンタムを持ち込めず。4thダウンでギャンブルを選択した明大にオプションプレーで左大外をまくられTDを献上。反撃したい早大であったが、「(パスを)連続で決められずにチームに流れを作れなかった」(QB柴崎哲平副将、政経4=東京・早実)と試合序盤から流れをつかめず。第2Qに入ると「タックルのアプローチであったりだとか、相手を捕まえにいってしまった部分とかが問題だった」(LB池田直人主将、法4=東京・早大学院)とランプレーでロングゲインされ、最後はスピードもテクニックもある明大WR陣に振りほどかれエンドゾーンへのパスで失点し厳しい展開に。2ミニッツオフェンスではWR福田晋也(社4=東京・早実)、WR小貫哲(教3=東京・戸山)へのパスでゴール前まで侵攻し、WR田窪大渡(政経2=東京・早大学院)へのパスで7点を返すも、7-16のビハインドで試合を折り返す。

ディフェンスは奮闘も、課題のタックルでミスがみられた


 後半最初のディフェンスをパントで抑え、迎えたオフェンス。小貫へのロングパスがヒットし敵陣レッドゾーンへ。荒巻が左大外を駆け抜けTDを奪う。14-16とFGで逆転という状況に持ち込み流れを引き寄せたかに思えたが、続くキックオフで明大にビッグリターン。自陣35ヤード付近まで進まれると、FGを決められ試合の流れは明大に。その後もオフェンスが噛み合わず。ディフェンスもTDを追加され万事休す。昨年のリーグ戦でも苦しめられた明大に完敗を喫した。

「きょう負けた悔しさというのを晴らす」(柴崎) 秋では必ず雪辱する


 序盤から2つのファンブルで明大優位の展開に持ち込まれ、試合を通して雨に苦しめられた感は否めない。晴れていえば試合展開も全く別のものになっていた可能性もあるが、勝負の世界にたらればは無い。天候に左右されないメンタル、テクニックの向上が求められる。また、「オフェンスの波がある」(高岡監督)というように、良い時と悪い時で全く違うチームになってしまうというのは今シーズンのオフェンスの特徴だ。モメンタムをつかんだ早大のオフェンスの勢いは凄まじい。エンドゾーンまで、まるでディフェンスがいないかのごとく進んでいく。しかし、噛み合わないときはとことん噛み合わない。厳しいフィールドポジションで攻撃を終えることも多く、ディフェンス陣を苦しめている場面も多いだけに改善が求められる。こういった状況で悪い流れを1つのプレーで一気に変えてきたビッグプレーメーカー・WRブレナン翼(国教4=米国・ユニバーシティラボラトリースクール・アメリカ)の不在は大きいが、「ブレナンに頼らないことだったり、パスもランも含めて全てで成長していかないといけない」と柴崎が語るように、チーム全体の底上げが必要だ。ディフェンス面での一番の課題はタックルだ。一発で仕留めきれず、ギリギリのところでダウンを更新されてしまうシーンも見受けられる。そこを止め切れるかで試合展開が大きく変わってくるため、タックル技術の向上は必須だ。


  「なんとなく勝つ、なんとなく負けるという試合がなかった」(高岡監督)、「(成果や課題は)明確ではある」(DB高岡拓稔、商4=東京・早大学院)というように春シーズンを通してチームの現状を理解し、秋へ向けてやるべきことは見えてきた。近年最終節まで優勝争いがもつれる展開が多いだけに、その対戦相手となる明大との一戦が重要な意味を持つことになる試合になることは間違いないだろう。「きょう負けた悔しさというのを晴らす為に夏死ぬ気でやって絶対に甲子園に行く」(柴崎)。この雪辱は必ず秋に果たす。

(記事 涌井統矢、写真 林大貴、関飛人、小野寺純平、杉原優人)

※記事の掲載が遅くなり申し訳ございません

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得点経過
TEAM PLAY PLAYER(S) PAT PLAYER G/NG スコア
明大 FG #3埒見 0-3
明大 RUN #32小泉 #3埒見 NG 0-9
明大 PASS #4西本→#7渡邊 #3埒見 0-16
早大 PASS #1柴崎→#14田窪 #96髙坂 7-16
早大 RUN #22荒巻 #96髙坂 14-16
明大 FG #3埒見 14-19
明大 RUN #32小泉 #3埒見 14-26
コメント

高岡勝監督(平4人卒=静岡聖光学院)


――雨の中の試合でしたが、試合序盤にファンブルロストが2度続きました

相手のボールがゴムボールだったので、試合直前に気がついてリターナーの練習はさせたんですけどやっぱり普段と違うボールの感覚があったみたいで。オフェンスの方は起こりうる話なので仕方がないですね。


――試合を通してパスがあまり通らない印象でした

QBとWRのタイミングが合っていなかったので。オフェンスの波があるのをどう修正していくかっていうので大事なのはランプレーだと思うんですけど。まぁ、これが我々の実力ですよ。


――それに対して明大には重要な場面でパスを通されてしまいましたが、明大の印象としては
いかがでしたか

明治さんはリクルートも本当にうまくやっていて、いつか出てくるだろうなと思っていたので、想定通りの強いチームでしたね。


――ランで大外をまくられる場面でのタックルミスが目立ちました

そうですね、きょうも課題がね。最後の左奥の残りショートヤードの場面も奥に刺して止められなかったなというところでね。うちのチームの現状ですね。


――チームとして毎年雨の試合を苦手にされている印象がありますが、そこへ向けた対策などはされていますか

雨の日もちゃんと練習はしていもものの。雨っていう条件は相手もイーブンなので、その中でミスを犯したら負けるっていう典型ですよね。


――この試合で新人戦を除いた春シーズンの試合は最後でしたが、春シーズンを通しての収穫や課題はありましたか

今まで試合に出れなったメンバーが活躍してくれて、きょうも福田がキャッチしていましたし。そういう意味では色々な選手が頑張っている姿を見ることができたシーズンだったかなと思います。逆に、課題がいっぱい浮き彫りになってきました。なんとなく勝つ、なんとなく負けるという試合がなかったので悪いところをどう修正していくかというところですね。


――2週間後には新人戦が行われますが、そこへ向けての練習などは始動されていますか

段々とフットボールらしい練習をしてきています。今年の1年生は楽しみだなと思って見ています。


――きょうの試合を終えて秋へ向けた取り組みの期間になりますが、どのような点をチームとして強化されていきますか

さっきもいったようにタックルであったり、キックオフカバーでもきょうはだいぶ出されてますから、どうフルスピードでコンタクトできるかどうかというところの取り組みですね。フットボールの原点である走る、当たる、タックルするというところにフォーカスしていければなと思います。

LB池田直人主将(法4=東京・早大学院)


――きょうの試合を振り返っていかがですか

僕はディフェンスなので、あまりオフェンスの方は見れていないんですけど、相手のRBが良くて、ディフェンスのタックルミスをしてしまったりだとか、勝負どころで止めきれなかったのが今回の負けにつながった要因かなと思います。キックでのロングゲインであったりだとか、FGのミスだとか要所で決めきれなかったのも良くなかったところかなと思います。


――明大の印象であったり、それを踏まえたきょうのゲームプランというのは

僕たちのスローガンである『闘志』を出していこうという気持ちで臨んだんですけど、明大が強かったというか、それを上回ってきたのが現状でしたね。


――雨天がプレーに影響した部分はありましたか

雨を言い訳にはしないようにやっているんですけど。ファンブルが2回あったということで、そこで雨のための練習ができていなかったり、ディフェスであっても、雨の日のボールキャッチの練習ができていなかったのがきょうの直接の負けにつながった部分はありましたね。雨の練習がしっかりできていなかったです。


――相手のRBにサイドをまくられる場面が見られましたが、スピード面での対応に苦しんだかたちでしょうか

スピードというよりは、タックルのアプローチであったりだとか、相手を捕まえにいってしまった部分とかが問題だったと思います。そこはDB、LBを中心に全員で取り組んでいく必要があると思います。


――明大は関東大学秋季リーグ戦の最終戦で対戦する相手となります。次戦に向けて改善点としては

全ての試合でも言えることなんですけど、特に明大は良いRBがいるので、タックルで一発で仕留められるようにすることですね。ディフェンスもいいように試合をコントロールされてしまったので、まずしっかりランを止められるようにして、その上でパスも止められるようにしなければいけないので、きょう出たランの課題をディフェンス面ではつぶしていきたいと思います。


――きょうの試合で春のシーズンは一区切りついたかたちとなりました。ここまでを振り返っていかがですか

若い選手や、新しい選手が活躍してくれたというのは収穫ですね。ただまだまだ去年から活躍している選手が活躍できていなかったりだとか、他にも気持ちが入っていないプレーが多かったので、実力以前の問題も浮き彫りになってきたので、そういったところもこれから突き詰めていきたいです。今年はターンオーバーが多かったりだとか、キックでのミスも目立ったので、そういったミスを防げるようにキックにも力を入れていきたいと思っています。


――今後へ向けてはどのような取り組みをしていきますか

いつも言っているのはスピードの面で、今年僕らは目標としているので、しっかりスピードを鍛えられるように、ウエイト等に取り組んでいきたいと思います。技術的な面でもディフェンスであればタックルだとか、オフェンスの面ではヒットの強さなど、まだまだ初歩的な課題があるので、基礎の部分からしっかりやって精度を高めていけるようにしたいです。

QB柴崎哲平副将(政経4=東京・早大学院)


――試合を振り返っていかがでしたか

自分が前半を含めてパスがどうしても連続で決められずにチームに流れを作れなかったというのが全てだと思います。


――パスプレーを振り返っていかがでしたか

単発でしかなくて、繋がれば簡単に前半の2ミニッツみたいにTD取れるのを連続して決められなかったので、本当にパスとしての脅威が皆無だったなと思います。


――明大ディフェンスの印象はいかがでしたか

ある意味ユニットとして周りでしっかり全体としてやられてしまったなという印象があります。


――春シーズンを振り返っていかがでしたか

勝ち切れるチームでは全然なくて、勝てないチームになってしまっていて、やっぱりまだまだ練習から追い込めていなかったり、そういう詰めの甘さが試合に出ているので、今はそういった現状かなと思っています。


――課題や収穫はありますか

課題としてはチーム全体でしっかり最後決めきるという際の所の部分であったりがまだ完全にディフェンスもタックルとかで浮き彫りになってると思います。収穫としてはきょうも11番の福田(WR福田晋也、社4=東京・早実)であったりとか試合に出てこれなかったメンバーが少しずつ試合に慣れてきているのは収穫かなと思います。


――秋のリーグ戦に向けてオフェンスとしてどのような取り組みが必要だとお考えですか

本当にチーム全体としてそれこそブレナンに頼らないことだったり、パスもランも含めて全てで成長していかないといけないと思うので本当に課題は山積みだなと思っています。


――秋のリーグ戦に向けての意気込みをお願いします

きょうの悔しさ、特に最終節で当たる明治にきょう負けた悔しさというのを晴らす為に夏死ぬ気でやって絶対に甲子園に行く。まず甲子園に行って、関西に勝てるようにやっていきます。

OL香取大勇(スポ4=東京・佼成学園)


――きょう試合を振り返ってどうでしたか

最初の方はランもパスも出てていいリズムだったんですけど、少しのボールのミスからテンポが崩れて悪い流れになってしまったんで、そこは改善する必要があるんじゃないかと思います。


――明大はどのような印象でしたか

もともと戦いやすい相手だという印象があったんですが、きょう実際やってみて、学生主体でやっていて粘り強さがあったチームだったんじゃないかなと思います。


――OLユニットとして秋シーズンを振り返ってどうでしたか

決めきれない部分が課題として出てきたので、そこは夏合宿で秋に向けて改善していくべきだと思います。


――個人としてはどうでしたか

1試合1試合で自分の出てきた課題を潰すことはできました。きょうの試合でも新しい課題が出てきたので、夏合宿を超えて秋に繋げられるようにしたいと思っています。


――秋シーズンに向けての意気込みをお願いします

この春シーズン、勝ててない試合が何度かあったので、秋にはしっかりとチームとして改善した上で、勝ちに向かって進んでいきたいと思っています。

DB高岡拓稔(商4=東京・早大学院)


――きょうの試合を振り返っていかがでしたか

悔しいの一言です。


――明大の印象はいかがでしたか

予想通りといえば予想通りだったんですけど、それに対して自分たちの実力が劣っていたというところですね。


――ディフェンス全体として振り返っていかがですか

際が甘いというところですね。自分が特になんですけど。良い時はモメンタムも持ってこれたりして良いんですけどね。狙ってはいたんですけど、ターンオーバーが少なかったところがまだまだ取り組みが甘いってところだと思います。


――明大のWR陣にはレベルの高い選手が揃っていましたが、マッチアップしてみていかがでしたか

あんまりパスを投げてこなかったので、DBは逆にそっちに気を取られすぎて、ランを止められなくなってしまったっていう感じでした。


――春シーズンを振り返っていかがでしたか

挙げられている成果もあれば、見えている課題もあるんですけど。そういうところは明確ではあるので、課題をどう克服していくかというところですね。これから夏合宿とかで潰していくしかないので、僕がやることは本当にシンプルです。あとはそれを一人一人がどれだけ認識しているかというところだと思います。


――タックルミスの多さという部分はどのように捕らえられていますか

自分もきょうミスがあって、タックルに関しては悔しい結果になっているんですけど。チームとして練習していることをもっともっと量も質も上げないといけないかなというところですね。やっている方向性は正しいので、取り組む姿勢ですかね。そこを変えていかないと、良いバックスは止められないかなと思います。きょうに関しては、しっかり奥でタックルしようというところで気持ち的には受け身になるところはそんなになかったと思うんですけど、技術的なところは積み重ねていかないとうまくなっていかないので。どれだけ試合レベルのタックルを東伏見でやっているかなというところですね。


――ディフェンス全体として、秋シーズンへ向けてどのような取り組みをされていかれますか

とにかくきょうの悔しさを忘れないこと。それが第一です。どのアサインメントをやるにしても僕らの目標は日本で1番のディフェンスを作ることで。秋に向けて自分たちの実力や立ち位置っていうのは分かったと思うので、上にいるやつらをどれだけ乗り越えていけるかというところですね。この先試合もあんまりないので、チーム内での練習の中でどれだけ外の世界を意識できるかっていうところがキーなので、ディフェンスリーダーである僕が先頭に立って、引っ張ってやっていきます。


――秋のリーグ戦へ向けた意気込みをお願いします

日本一になるべくしてなるディフェンス。どれだけオフェンスが辛くても、キッキングでミスが出てもディフェンスでもメンタムを取り返す。そんなディフェンスを目指します。

WR福田晋也(社4=東京・早実)


――試合を振り返っていかがでしたか

ファンブルが最初のプレーであって、そこで流れに乗れなくて、前半でついてしまった点差というのを後半で巻き返せなかったのが1番の原因かなと思います。


――春シーズンを振り返っていかがでしたか

個人としては躍進できた春シーズンだったと思うんですけど、チームとしては、やっぱり立命にも同点だったし関大にも負けてしまったので勝ち切れない試合が多かったのかなと思います。


――立教大戦に続き好プレーが目立ちましたが、ご自身としての手ごたえはありますか

いいプレーはあったんですけど、反省もいっぱいあったのでそれは東伏見に持ち帰ってしっかりと練習していきたいと思います。


――DBからWRに転向されたとのことですが、ポジションの難しさなどは感じられていますか

レシーバーも難しいんですけど、ただ、最初はDBをやっていたのでその相手の心理というか動きというのが自分には分かるという強みがあるのでそこを生かして相手の裏を突くような動きというのを今後していけたらなと思います。


――4年生としてレシーバーユニットの現状をどのように捉えていますか

昨年度、絶対的な存在だった4年生が抜けて、今年自分たちがレベルが低い中で1人1人が切磋琢磨してやっていかなくてはいけないと思うので、今けが人とかも多い状況からだんだんみんな復帰してきたんで、そこからより一層1人1人が相乗効果で高めあえたらなと思います。


――今後どのような取り組みをしていきたいですか

やっぱり勝ち切れる、きょうの試合もそうですし、関大、関学というすごく強い相手がいるので、そういうところに勝ち切れるように1人1人が本当に追い詰めてより殻を破って成長していかなければいけないなと思います。


――秋のリーグ戦への意気込みをお願いします

今年、春あまり結果がよくなかったので、チームとして絶対勝って、甲子園で関学に勝つというのと、個人としてもチームを勝たせるようなプレーというのが今後もできたらいいなと思います。