豪雨の中の頂上決戦――結果は厳しいものに

米式蹴球
TEAM 1Q 2Q 3Q 4Q TOTAL
早大 BIG BEARS
日大 PHOENIX 14

 冷たい晩秋の雨が降り注ぐ中、互いに4戦全勝で迎えた強豪・日大との天王山。関東制覇、そして悲願の日本一を果たすために、関東随一の実力を誇る宿敵の撃破は絶対条件であった。しかし、厳しい現実がそこには待っていた。第1クオーター(Q)で日大にTDを許し主導権を握られると、早大はミスや反則も相まって流れをつかむことができない。第3Qにランプレーからチャンスを得ると、K長谷川絢也(社2=東京・早実)がFGを決め追い上げを見せたが、その直後に反則からピンチを招き試合を決定づけるTDを決められ万事休す。甲子園への切符が大きく遠のく、今季初黒星を喫した。

 最初の日大の攻撃シリーズを難なくしのぐと、2回目の攻撃シリーズもLB池田直人(法2=東京・早大学院)のパスカットなど好プレーも飛び出し、出だしは好調のように思えた。しかし、試合の均衡を破ったのは日大だった。DLのタックルミスも響き、ランによるゲインを重ねられると、パスを織り交ぜた攻撃は勢いを増していく。一気にエンドゾーン付近まで攻め込まれると、そのままランTDを奪われ先制を許した。この日の早大オフェンスは、QB柴崎哲平(政経2=東京・早大学院)を中心にラン主体ながら積極的にパスを狙うプランだったが、「ランもなかなか出なくて、勝負どころでコールされたパスもうまくいかなくて、オフェンスは本当手詰まりでした」とWR斎藤健(法4=東京・早大学院)が言うように、日大ディフェンスの素早い寄りと正確なパスカバーに苦戦。第2Q終了間際には、WR斎藤が弾いたボールをインターセプトされるなど、良いところなく前半を終えた。

激しい雨でミスが相次ぎ、攻撃にテンポが出なかった

 第3Qに入ると、早大はいきなり好機を迎える。相手のインターフェアで敵陣30ヤードまで進むと長谷川が約40ヤードのロングFGを見事成功させ、1TDで逆転というスコアまで追い上げる。しかしその直後の日大の攻撃で、早大は不用意な反則を連続で犯し自陣8ヤード地点まで詰め寄られると、必死のディフェンスも虚しく4thダウンでボールは無情にもエンドラインを越えた。「防げた失点だった」(DL仲田遼、政経4=東京・早大学院)。勝負を決定づける痛恨のTDを自ら献上してしまう形となった。この日の早大にこの劣勢を覆す力はなかった。第4Qは日大にファンブルリカバーされるなど後半もオフェンスは精彩を欠き、好機を演出することすら叶わず、今季初めてTDを奪うことができないまま3−14で完敗。肩を落とし整列する選手たち。この試合に勝つことを1つの目標として取り組んできただけに、その表情には悔しさがにじみ出ていた。

リーグ最高得点率を誇る日大オフェンスを2TDに抑えた

 「執念の部分で日大に劣っていた」(RB元山伊織、商3=大阪・豊中)。チームの大黒柱であるQB坂梨陽木主将(政経4=東京・早大学院)を欠いていたとはいえ、実力としては決して劣っているわけではなかった。「ベーシックなファンダメンタルの部分で詰めきれていないというのが試合に出た」と高岡勝監督(平4人卒=静岡聖光学院)が言うようにパスミスやタックルミスといった基礎的なプレーの精度の差が結果として現れてしまった。その中で2DLの布陣を敷くなど工夫を凝らし、強力な日大オフェンスを14点に抑えたディフェンス陣は健闘したと言える。しかし、重要な局面で不用意な反則を取られたりターンオーバーを許すなど、自分たちで自分たちの首を絞める展開も多く見られた。この敗戦で甲子園への道のりに黄色信号が灯ったことは事実だ。それでも監督、選手たちが口を揃えて述べたように、全国制覇の夢が完全についえたわけではない。残り2試合、法大、慶大と強豪との試合が続く。負けるわけにはいかない。覇者の意地に懸けて。

(記事 林大貴、写真 加藤耀、石名遥、新津利征)

うなだれながらベンチサイドに戻る選手


得点経過
TEAM PLAY PLAYER(S) PAT PLAYER G/NG スコア
日大 RUN #33中野 #4篠原 0-7
早大 FG #20長谷川 3-7
日大 RUN #5ウィリアム #4篠原 3-14
星取表(10月29日現在)
早大 慶大 法大 日大 中大 立大 明大 日体大
早大 11/26 11/12 3●14 10○7 31○7 23○7 31○13
慶大 横浜 13●17 11/12 10○6 10/15 20●20 10●20
法大 横浜 17○13 11/27 21●21 28○18 31○7 66○31
日大 14○3 横浜 横浜 20○17 42○7 45○7 45○19
中大 7●10 6●10 21○21 17●20 11/26 11/12 6○0
立大 7●31 川崎 18●28 7●42 横浜 17○10 11/11
明大 7●23 20○20 川崎 7●45 横浜 10●17 11/25
日体大 13●31 20○10 31●66 19●45 0●6 アミノ アミノ
コメント

高岡勝監督(平4人卒=静岡聖光学院)

――オフェンスではTDを取ることができませんでした、振り返っていかがですか

きょうは雨というのも分かっていたし、ゲームプランもシンプルなものでいこうということで、2週間しっかり取り組んできました。やはり、日大の方が一対一を含めて強かったですね。

――一対一以外のチームとして足りなかった部分はありますか

雨でもQB柴崎(哲平、政経2=東京・早大学院)を使ってパスを投げていたんだけれども、やはりそのパスがショートになってしまったり、良いタッチでいってもWRが落としてしまったり。ずっと取り組んできた、ベーシックなファンダメンタルの部分で詰めきれていないというのが試合には出たかな、と思います。

――ディフェンスではランを止めきれていなかったり、反則が目立ちました

勝負どころでディフェンスは粘って止めてはいたんだけれども、そういうところで反則やタックルミスなどの直そうとしていたところを詰めきれていなかったです。そういうところは反省ですね。ただ、強力なオフェンスに対して2本で止めることができたのは、選手は頑張ったと思います。

――強い相手に対して詰めきれていない部分が出て、敗戦につながったのでしょうか

オフェンスが出ないとディフェンスも時間が長いので、そういう風に映ってしまったのかも知れないです。

――激しい雨でしたが、試合の入りの雰囲気やテンションはいかがでしたか

本当に日大に対しては非常に気持ちを作ってきてくれていました。そこに対する不満などは全くないですね。純粋に勝負で負けています。そこまで持ってこられなかったというのは私の責任です。

――これで1敗ですが、これからのリーグ戦をどう戦っていきますか

去年も1敗ですけど、何があるか分かりません。学生にも言いましたけど残り2戦をどうやって戦うか。我々はまだあきらめていないですし、この戦いで我々の価値も決まってくるのでしっかり、しっかり準備して二つの試合には臨みたいと思います。

QB坂梨陽木主将(政経4=東京・早大学院)

――日大対策に何か特別に準備したことはありますか

特別に準備したというよりかは春から大切にしてきた、チームスローガンでもある『執念』を前面に押し出した練習を心掛けてやってきました。

――ラン中心の攻めでしたが、あまり決まりきらなかった印象もありますが

それでもコンスタントに出ているというイメージはあったのですが、最後の最後で取りきれなかったというのがあるのかなと思います。

――先制を許し0-7で前半を終えました。前半を終えたところまでのチームの出来をどのように見ていましたか

出来としてはオフェンスは苦しい場面が多かったのですが、後半に向けて下を向かないで前を向いて頑張っていこうという話をみんなにはしました。

――ロングパスでチャンスをつかんだ場面もありましたが、その後が続きませんでした

そうですね。ロングパスに関しては柴崎(哲平、政経2=東京・早大学院)が頑張ってくれたのですがその後続かないのが悔しいところですかね。

――終始ビハインドでの試合展開でしたが焦りなどは

いや、焦りはなかったです。点差は関係なくとにかく目の前のプレーを1プレー、1プレーを大切に、全力で積み重ねるということが大事だと思っていたので焦りはなかったですね。

――結果的に0TDでした

やはりオフェンスがTDを取らないとディフェンスがきつい思いをしますし、勝てないと思います。それが一番悔しかったです。

――これからチームとしての課題は

最後の最後で(得点を)取りきれなかった部分も含めて、もっともっとオフェンスとディフェンスがコミュニケーションを取って、これからやっていかないとな、と思います。

――再来週の法大戦に向けて

まだシーズンは終わっていないですし、ここで終わるようなチームではないと思っているので2週間後の法大戦に向けて頑張っていきたいと思います。

DB久保颯(国教4=東京・早大学院)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

オフェンスはよく分かりませんが、ディフェンスとしては、形ではきちんと止まっているけど、タックルミスだったり、大事な場面での反則だったりで勿体無いゲインがすごく多かったです。結果的に14失点と予想よりも点を取られてしまいました。

――全勝対決となった今回、どのような意気込みで臨んだのでしょうか

実質頂上決戦と言われていて、事実この試合に勝っておけば大分優勝が近づくという状況の中で、個人としては、チームの勝利に貢献すると言っても、自分はディフェンスの一つのポジションを担っているわけで、それを全うしてその結果勝てればなあと思っていました。自分としてはいつも通りでしたね。

――日大のQBやレシーバーと当たってみて、印象はいかがでしたか

正直あまりレベルの差は感じなくて、むしろスキルではこっちが勝っているかなという印象でした。QBについては、1年生の選手だったのですが、雨の日でも晴れの日のようなパフォーマンスをするというのができていたので、そこはうちのオフェンスが雨で手詰まりになっていたのとは対照的で、そこの差だったのかなと思います。

――パスディフェンスについて、DBユニット全体ではどうでしたか

きょうの試合は、今までゾーンで守っていたのが結構マンツーマンが増えて、一対一の勝負なのでやることはシンプルで、一対一で勝とうという話をしていました。

――個人としてはいかがでしたか

結構仕事ができたのかなとは思うのですが、第3Qのインターセプトできそうな場面で取れなかったり、第4Qの結構大事な4thダウンでインターフェアを取られてしまったりして、そういうミスもあるので、そこはしっかり反省して次につなげたいです。

――激しい雨の中での試合となりましたが、雨は気になりましたか

気にならないと言ったら嘘になりますが、相手のQBは雨の中でも結構普通にプレーできていたので、そこは雨だろうが、ランが多くなるとか考えずに、自分はしっかり仕事をしたと思います。

――リーグ戦初の黒星となりましたが、今後の2試合に向けての思いをお願いします

正直きょう負けてしまって自力優勝は厳しいと思うのですが、自分たちが優勝するためにはあと2戦勝つしかありません。去年もそうだったのですが、他の学校が自分たちが思ったような結果になることを信じて、自分たちはあと2試合、勝つだけです。

WR斎藤健(法4=東京・早大学院)

――試合を振り返っていかがでしたか

結果が全てですね。オフェンスのミスが多くて、それが1番の敗因かなと思います。

――オフェンスはどのようなゲームプランでしたか

まずはやはりランを出そうというプランで、そこから徐々にパスを展開していこうっていう感じでした。でも、きょうはランもなかなか出なくて、勝負どころでコールされたパスもうまくいかなくて、オフェンスは本当手詰まりでした。

――日大ディフェンスの印象はいかがでしたか

ボールへの集まりが早くて、パスもうまくカバーされてしまっていました。そこらへんは他のチームとの違いがありましたね。

――激しい雨が降る中での試合でしたが、レシーバーユニットを振り返っていかがでしたか

自分がミスをしたり不甲斐ないプレーをしている中で小原(嶺、法3=東京・早大学院)であったり遠藤(健史、法3=東京・早大学院)であったりが良いプレーをしていて、ロングゲインもありましたし、雨が降って難しい状況の中よくやってくれていたかなと思います。

――大事な場面でショートパスが通らない場面がいくつかありました

ショートパスの場面では相手のプレッシャーが結構かかっていたとは思うんですけど、そこで決めきれなかったのはレシーバーの責任でもあるし、オフェンス全体の責任でもあると思います。

――QB坂梨陽木主将(政経4=東京・早大学院)に代わって出場したQB柴崎哲平(政経2=東京・早大学院)選手の印象はいかがでしたか

――相手のプレッシャーもかかる中でうまくアボイドしていて、レシーバーにパスを供給してくれていたと思うので、本当によくやってくれたと思います。

――リーグ戦初黒星となってしまいましたが、今後の試合に向けての意気込みをお願いします

結構厳しい状況にはなってしまいましたが、自力優勝がない中で、僕達ができることを精一杯やって2試合とも勝ちたいと思います。

DL仲田遼(政経4=東京・早大学院)

――きょうの試合を振り返っていかがでしたか

14点目を取られた2つ目のTDに関しては、イエローで一回パントで抑えたところを更新されちゃって、そのあとFGで抑えたのにそれもまたイエローで更新されて結果TDを許してしまって。0点で抑えられたところを自分たちの自滅で取られてしまって、その部分は本当に反省点ですし、絶対に今後はないようにしていかないと優勝はないと思いました。

――日大戦に向けてどのようなディフェンスプランで臨みましたか

新しく今までのディフェンスとちょっとやり方を変えて、ボールに対してリアクションするディフェンスを日大戦と言うことで準備して臨んだんですけど、いまいち完成度が低く、詰めきれていない部分があったかなという印象です。

――新たなプランの試合での手応えはいかがでしたか

途中でなるべく使いたくはなかったんですけど、2DLを使って、あれもボールにリアクションするディフェンスなんですけど、きれいに対応されてしまって。日大も自分たちがそのディフェンスを敷いてくると読んでいたのかなという印象でした。

――雨天が予想されていましたがどういった準備をしましたか

前回も雨だったんですけど、ディフェンスとしては相手のボールにリアクションしていって、ターンオーバーを狙う意識だったんですけど、相手のそこの徹底もしっかりしていて、ディフェンスとしてはターンオーバーが少なかったかなという印象です。

――相手QBに対する対策はありましたか

1年生なんですけど、オールラウンダーでパスも投げれて、走ることもできるので、それに対する警戒はしていました。身長は結構低いんで、それに対してDLはハンズアップでプレッシャーをかけていこう、パスを弾いていこうという意識の徹底はしていました。

――日大のランに苦しむ場面が多く見られました

ポイントポイントでは止められていた部分はあったんですけど、やっぱりタックルミスに尽きると思います。完全にディフェンスの形としては止まっているのに、最後に詰めが甘かったかなと思います。

――そういった部分を踏まえて、きょうDLとして見えた課題はありましたか

今言ったタックルミスはもちろんそうですし、ディフェンスとしてはそんなに悪くはなかったんですけど、細かい、ファンダメンタルな部分で詰めきれていなかったかなと思います。

――きょうリーグ戦初黒星を喫して全国制覇を目指す上では手痛い敗戦になったと思いますが、どのように捉えていますか

正直、この試合が本当に天王山で、事実上の決勝戦のつもりで、チーム全体として必死にやってきた2週間だったんですけど、結果としてこうやって負けてしまって。その結果は変えられないので、まだ優勝の道が完全に途絶えたわけではないので、残り2試合、法大と慶大を徹底的に準備して勝てればと思います。

――お話にもありましたが、今後の2試合、法大、慶大と強豪との試合が続きます。どういった意識で取り組んでいきたいですか

昨年の5節も慶大に負けて、一度は優勝が厳しい状況になったんですけど、その中で全体として意識を変えて取り組んで、残りの2戦勝って、最終的に甲子園ボウルを決めたという経験があるので。あと残りの2試合、チーム全体で意識や雰囲気を変えて取り組んで、本当に細かい部分にこだわっていくことで、勝ちにつながると思います。

LB長尾裕二朗(スポ4=愛知・海陽学園)

雨の中での試合となりましたが、全体振り返っていかがでしたか

オフェンスは見ていないのでわかりませんが、ディフェンスは形としては止まっていたのですが、タックルミスがあったりしたかなと思います。練習ではタックル無しの練習をしていて、そこで止まっていた部分がちょっとずつ崩されてしまった形です。最終的に完全には崩されてはいないのですが、14点取られてしまって、もっと抑えられたのではないかなと思います。

前半でQBサックに見えたプレーがありましたが、振り返っていかがですか

ファンブルかなと思って動きました。パス失敗の判定で、審判の方が決めることではあるのでしょうがなかったかなと思います。

日大のランを止められなかった点についてはいかがですか

練習では止まっているのですが、タックルの精度であったり、みんな前寄りに行っているところであったり、ギャザーであったり、といったような部分がまだ甘かったのかなと思います。

自力での優勝はなくなってしまいましたが、シーズン終盤に向けてどのようなプレーをしていきたいですか

とにかく残り2試合を勝つだけなので、他の大学のことは考えずに、自分たちの試合に向けて、必死に残り1ヶ月やるだけです。

次戦に向けて意気込みをお願いします

勝つために、今までと同じように2週間準備をして、きょう気付くことができた足りない点などを詰めていくだけです。

WR小原嶺(法3=東京・早大学院)

――負けられない試合だったと思います。今節へはどういう意気込みで臨みましたか

自分と遠藤(健史、法3=東京・早大学院)のポジションが一緒で、そこがキーになるとスカウティングでも言われていました。QBも2年生だったので自分たちがやるしかないなと思っていました。

――お話にもあった通り、きょうはQBが柴崎哲平選手(政経2=東京・早大学院)でした。印象はいかがでしたか

高校のときからずっとやっていたので、全然不安とかはなくてむしろ準備はしっかりできたかなと思います。

――では試合は振り返っていかがでしたか

自分としては準備は抜かりなくできたイメージでしたが、それ以上に日大が準備をしていたのだと思います。

――オフェンスとしてはTDを取ることができませんでした

結局ディフェンスに頼ってばっかりでそういう風になってしまって。ディフェンスの選手に試合前「絶対止めてやる」と言われて自分たちはやるしかないなと思っていたのですが、結局僕たちが点を取らないと勝てないので本当に悔しいかぎりです。

――苦しい試合でしたが、その中で何か収穫はありましたか

準備したことはそこそこ出せたかなと思ったのですが、細かいところで負けていたので全然まだまだです。

――この数試合、勝負どころでパスをキャッチしていますが、ご自身の中で成長を感じる部分はありますか

第3節まで全くボールが来なくて、レシーバーとしてはフラストレーションがたまっていたので、来たら絶対取ってやろうという気持ちは強くなったと思います。

――自力優勝は厳しくなってしまいましたが、残りの試合への意気込みをお願いします

本当に恥ずかしい話なのですが、試合が終わった瞬間泣いてしまって。本当に先輩が好きなので、先輩とできる試合を増やすためにやるしかないので、頑張ります。

RB元山伊織(商3=大阪・豊中)

――全勝対決で落とせない試合だったと思います。きょうの結果をどのように受け止めていらっしゃいますか

今は純粋に甲子園ボウルが遠退いてしまって、ショックですね。

――ランがなかなか出ませんでした

雨がひどくてラン主体で行くオフェンスプランだったのですが、OLが開けてくれている場面で自分がセカンドエフォートでもう少し稼げていたら、苦しい中でも活路が見出だせたのかなと思います。OLが頑張ってくれていたのに対して、自分は全然だめだったので、悔しい気持ちでいっぱいです。

――相手のディフェンスの印象はいかがでしたか

一つ一つのタックルに気持ちがこもっていて、接点の部分で気持ちで相手を凌駕(りょうが)できなかったから、セカンドエフォートできなかったのだと思います。気持ちで負けていた部分があったと思います。

――その中でも、元山選手のプレーから少しでも前に出ようという気持ちを感じました。ご自身のプレーを振り返っていかがでしたか

僕もOLを信じているし、OLも僕を信じてくれている中で、OLが開けてくれた穴を思い切り走るだけです。彼らの気持ちに応えられなかったのと、4年生を勝たせてあげられなかったことが悔しいですね。

――オフェンス全体で、チャンスを生かし切れなかった原因は何だと思いますか

オフェンスのターンオーバーや、ディフェンスの反則など、紙一重の部分が多かったです。そういう部分でどれだけ勝利への執念を持っていたかが、どちらに勝利の女神が微笑むかというところだと思うので、その執念の部分で早大は日大に劣っていたのかなと思います。

――残りの試合に向けての意気込みをお願いします

まだ甲子園ボウルへの道が完全に閉ざされたわけではなくチャンスはあるので、状況は厳しくなってしまったのですが、目標である甲子園に向けて、残りの試合ただただ全力で相手に勝つことだけに集中して頑張っていきたいと思います。

LB池田直人(法2=東京・早大学院)

――大切な日大戦でしたが、敗れてしまいました。今のお気持ちはいかがですか

悔しいです。ディフェンスとしては、不完全燃焼ですね。どこへ出されたのか、今話してもわからないという感じなので、悔いが残っています。

――ミーティングなどでは、池田選手がキーマンに上がっていたとうかがいました

今回は、いつもとは違うシステムを使って、自分が相手のプレーを壊しにいくという役割でした。自分としては、その役割を最低限遂行できたと思っていますが、負けたのでいけないですね。

――ディフェンス全体での評価はいかがでしょう

さっき先輩たちとも話し合ったのですが、なんで出されたのかわからないと言っているということは、コミュニケーションのミスというか、ディフェンス陣の中でコミュニケーションが取れていないところが問題だったかなと思います。

――最低限役割を遂行できたという話がありましたが、ご自分のプレーを振り返るとどうですか

自分が生きてタックルするというシーンはあったのですが、ブロッカーを後ろのマイクに抜けさせないという点で、(相手の)ランが出ているということは、できていなかったのかなと思います。

――最後に、まだ法大戦や慶大戦が残っています。意気込みをお願いします

まだ、甲子園に行けないと決まったわけではないので、自分的にも、チームとしても、これからどういうディフェンスをするかはわかりませんが、また気を引き締め直していきたいです。去年も、他力本願という形だったので、最後まで勝機があるならそれを取りにいかない手はないので、最後の2戦は絶対勝てるように、頑張っていきたいです。

QB柴崎哲平(政経2=東京・早大学院)

――坂梨選手が本調子ではない中でどのような準備をして試合に望みましたか

自分がスターターで出るということは言われていて、雨だということもわかっていたので、この2週間、雨対策やスカウティング、今まで以上にビデオをたくさん見たり、今まで以上に先輩方とタイミングを合わせたりして望みました。

――具体的にはどういったパスを主体に攻めようとしていましたか

今回の試合は結構単純なパスで攻めようというのがプランで、特にワイドサイドのパスを今までやっていなかったので、試合の中でもワイドサイドに投げる場面が多くなりました。

――1回目のインターセプトされた場面は、どのような狙いのパスでしたか

練習でもよく決まっていたパターンで、もう投げ切るしかなくてタイミングで投げたのですが、あまりしっかりとデフェンダーを見ることができていなかったのもあってインターセプトにつながってしまったと思います。

――パスが短くなることがいくつかありましたが、雨の影響ですか

雨の影響で、ボールが滑るなどしてしまいましたが、それも自分の力不足です。

――いいプレーもいくつもありましたが、得点まで結びつかなかったのは、相手のディフェンスが良かったのが要因ですか

相手のディフェンスがすごく良くて、でもそれもわかっていて、タイミングを一つ逃したらインターセプトやカットされるのはわかっていた中で、タイミングが遅くなってしまったり、球がショートしてしまったりしたのが要因なので、オフェンスが得点できなかったのは自分の責任だと思います。

――最後に次戦への意気込みをお願いします

本当にもうやり切るしかないので、あと2戦はきょうのような後悔は絶対しないために、やり切ります。