苦しいシーズンを超えて――。関東二連覇を達成!

米式蹴球
TEAM 1Q 2Q 3Q 4Q TOTAL
早大 BIG BEARS 14 27
日大 PHOENIX

 『3、2、1』。スタンドからのカウントダウンに続いて響き渡ったホイッスル。それは幾度となく立たされた苦境も、ケガで苦しんだ日々も、言い知れぬ不安も、すべてを『超越』した瞬間だった。強豪、日大相手に27-0での完封勝利。リーグ戦最終日のこの日まで、3校に優勝の望みが残される大混戦となった今季、最後に笑顔を咲かせたのはエンジの戦士たちだった。悲願の関東二連覇、そして東日本代表決定戦への出場権獲得。いまだ一度もたどり着いていない日本一の頂へ、大きな一歩を踏み出した。

 試合は立ち上がりから早大ペースだった。第1クオーター(Q)の第3シリーズ。早大オフェンスは多彩な攻撃パターンを惜しみなく披露する。前節でも機能したスペシャルプレー、ワイルドキャットのさらに裏をかくプレーでボールを任されたのはWR遠藤健史(法2=東京・早大学院)。そのまま65ヤードを独走、エンドラインを駆け抜けた。トライフォーポイントも確実に決め、7点を先制する。一方ディフェンスは1DLを採用。この作戦が功を奏し、柔軟な対応で相手の攻撃を封じ込める。第2Q序盤、オフェンス陣が細かいミスを重ねてしまう中でもその落ち着きは失われなかった。日大のフレッシュ獲得を許さず、あっという間に攻撃権を取り戻す。守備陣の奮闘にコールするようにRB北條淳士(社4=東京・佼成学園)、QB坂梨陽木(政経3=東京・早大学院)のラン、WR西川大地(商4=東京・早大学院)へのパスを織り交ぜた攻撃を展開し、ボールはFG圏内へ。K長谷川絢也(社1=東京・早実)のキックで10-0。点差を広げた。前半終了間際にはDB小野寺郁朗(社2=東京・早大学院)がロングパスをカット。隙を見せないこのプレーは、完封の兆しだったのかもしれない。良い流れで試合を折り返す。

LB加藤は3度のロスタックルを決める大復活

 後半開始。強まる雨の中、オフェンスはランを中心に攻撃を組み立てる。TDには持ち込めなかったものの、再びFGのチャンスを創出。放物線を描いたボールはクロスバーを超えてゴールポストの中央を通過した。立ち上がりから続く守備の安定感は後半になっても崩れることはない。DB久保颯(国教3=東京・早大学院)とLB加藤樹副将(商4=東京・早大学院)が連携のとれたプレーを見せ、攻撃の芽をすかさず摘んでいく。最終第4Q。ここで輝きを放ったのはRB北條に代わってフィールドに立ったRB片岡遼也(法2=東京・早大学院)、そしてエースRB須貝和弘(創理4=東京・早大学院)だった。Q開始直後、RB片岡は50ヤード地点でボールを手にすると、他の追随を許さずアウトサイドを疾走しTD。「OLが完璧にブロックしてくれていた。オフェンス全体で取った得点だったと思う」(片岡)、という言葉通り全員でもぎ取った7点を追加する。続く日大の第2シリーズの攻撃を敵陣16ヤードで食い止めると、次の攻撃権でRB須貝がとどめのTDラン。スコアは27-0に。試合終了間際、相手も意地を見せパスで攻め込んでくる。しかしDL箕輪京介(社1=東京・早大学院)がQBサックを見舞わせ、残り時間わずかで攻撃権を得た早大。最後まで反撃を許さず、強豪のオフェンスを沈黙させた。このプレーによって勝利が決定的となり、あとは歓喜の瞬間を待つのみ。そして聞こえた試合終了のホイッスル、冷たい雨が降る横浜に喜びと安堵の声が響いた。

2年連続で関東の覇者となった

 優勝の行方が他校の結果に左右されることとなった今シーズン。それでも全員で目の前の一戦だけに集中し、常に前だけを見て戦ってきた。そうして一丸となってこじ開けた扉の先に待つのは、東日本一、そして日本一への道だ。「いまやっと頂上が見えてきたが、山登りはここからがきついところ」と濱部昇監督(昭62教卒=東京・早大学院)も述べるように、ここからの道はさらに険しさを増していく。「あと3つ勝って最後に笑うというのがこのチームのすべきこと」(OL松原寛志主将、創理4=東京・早大学院)。戦いは次のステージへ。BIG BEARSは止められない。

(記事 太田萌枝、写真 新津利征、大槻竜平)

RB須貝はリーグMVPに

得点経過
TEAM PLAY PLAYER(S) PAT PLAYER G/NG スコア
早大 RUN #13遠藤 #20長谷川 7-0
早大 FG #20長谷川 10-0
早大 FG #20長谷川 13-0
早大 RUN #30片岡 #20長谷川 20-0
早大 RUN #28須貝 #20長谷川 27-0
個人記録(※一部のみ掲載)
ラン 回数 ヤード TD 最長
#28 須貝和弘 17 86 16
#30 片岡遼也 76 50
#13 遠藤健史 65 65
#6  北條淳士 35 10
#1  坂梨陽木 34 12
パス 回数(試投) ヤード TD 最長
#12 笹木雄太 13(7) 57 25
レシーブ 回数 ヤード TD 最長
#4  西川大地 33 25
#21 ブレナン翼 19
#36 山崎龍哉
インターセプト 回数 ヤード TD 最長
#3  安部修平
QBサック 回数 ヤード SAF 最長
#7  加藤樹
#90 箕輪京介
ファンブルリターン 回数 ヤード TD 最長
#10 栗田嵩大
ロスタックル 回数 FUMF SAF
#7  加藤樹
#48 池田直人 1.5
#3  安部修平
#10 栗田嵩大
#90 箕輪京介
#33 山口昂一郎 0.5
星取表(11月29日現在)
早大 日大 法大 慶大 明大 中大 日体大 立大
早大 27〇0 32○14 14●21 52○7 13○12 24○24 38○0
日大 0●27 24●27 6●27 35○14 21●27 45○7 48○14
法大 14●32 27○24 34〇28 21○7 41○7 20○14 59○21
慶大 21〇14 27〇6 28●34 21○17 30○21 41○3 42○20
明大 7●52 14●35 7●21 17●21 7●26 21○14 10●41
中大 12●13 27○21 7●41 21●30 26〇7 3〇0 7●14
日体大 24●24 7●45 14●20 3●41 14●21 0●3 6●16
立大 0●38 14●48 21●59 20●42 41〇10 14〇7 16〇6
コメント

濱部昇監督(昭62教卒=東京・早大学院)

――リーグ優勝おめでとうございます。いまのお気持ちはいかがですか

正直良かったです。ここからがまたしんどいですけど、また楽しくやっていきたいなという感じです。

――ここまでを振り返ってどんなシーズンでしたか

ことしは本当にいろいろなことがあって、僕自身苦しい時期も悩んだ時期もあったんですけど、その分新たなことに気づいたり勉強できたりしたので、成長できたシーズンなんじゃないかなと思います。

――試合全体を振り返っていかがですか

やはり雨の影響が大きくて、思ったようにパスを展開できなかったのが厳しいところだったんですけど、その中でラインが良くブロックしてくれて、バックスもしっかり走ってくれて、ディフェンスも良く耐えてくれたと思います。

――ディフェンスでは相手を0点に抑えました。要因は何だったのでしょうか

一番は準備がしっかりできていたということですね。あとは相手のQBがまだ若くて、オフェンス全体も雨の影響を受けてしまったのがあるかなと思います。ただ、完封できたことは素晴らしかったです。

――オフェンスはどのような意識を持って臨んだのでしょうか

日大はケガ人が多くて若い選手が多く出ているんですけど、個々のフィジカルやスピードの部分、プレーに対しての激しさというのはトップレベルなので、そういうチームだと意識して準備するということをずっとやってきました。彼らの反応の早さみたいな良いところを削ぎながら、自分たちの強みを出していこうと考えていました。

――前節の法大戦に続き、QBの使い分けが機能していました

そうですね。いまは二人の良いところを引き出して展開できるような形でオフェンス全体をコーディネートしているので。きょうも二人が自分の役割をしっかりと理解して、プレーに集中してくれたので、それが結果につながったんだと思います。

――最後に今後に向けての意気込みをお願いします

きょねんの東日本では随分苦戦しましたし、甲子園ボウルでもああいう結果になったので、短い時間ではあるんですけど、またしっかりと成長できるように準備をしていきたいです。いまやっと頂上が見えてきたところなんですけど、山登りはここからがきついので、やるべきことをきっちりやって、とにかく一歩ずつ階段を上っていければと思います。

OL松原寛志主将(法4=東京・早大学院)

――優勝を決めた今の気持ちを聞かせてください

わずかな可能性に懸けたかたちだったので、率直に嬉しくてしょうがないです。

――きょうの試合に向けてはどのような準備を

色々な方が何度もおっしゃっていたのですが、前の試合の結果次第で優勝できない可能性があるが、僕らが勝たないことには次はないと。その意味で、自分たちにできることをやるということをチーム全体で遂行できたのかと思います。

――チームの雰囲気はいかがでしたか

法大が勝つことを信じた上で、自分たちが勝つしかない状態でした。とにかくやるしかないという気持ちで試合に臨めたのではないかと思います。

――きょう実際に法大が勝った時の心境は

当然そうなるものとして信じて準備してきたので、それが現実になった時は嬉しかったですし、やるしかないなという気持ちでした。

――その時のチームの雰囲気は

一段とギアが入ったかなというのを感じました。

――きょうの試合を振り返って、オフェンスの出来は

ずっと立ち上がりが課題で、今回も課題が残る結果となりましたが、オフェンスとして最低限やらなくてはならないことができたのではないかと思います。

――きょうの試合はランがよく出たように見えましたが

天候が雨だったため、パスが減ってランが増えました。結果は素直に嬉しいのですが、少ない機会を必ず得点に持っていかなければならないので、もっと精度を高めていきたいです。

――きょうはディフェンスの奮闘があり、完封することができましたが、どのように見ていましたか

ディフェンスの時は、基本はフィールドを見ず、ディフェンスを信じるようにしています。きょうもただ信じていたのですが、のびのびとプレーしてくれて結果を残してくれたので良かったです。

――後半、得点を重ねて勝利が近づいていく中でどのようなことを考えていましたか

きょう勝って嬉しいのは事実なのですが、去年甲子園ボウルで勝てなくて、その悔しさがこのチームの中心にあると思います。そのため、次に向けて、残りの4Qを成長できずに終わってしまうのか、それとも成長して次につなげることができるのかというところで、結果としてはつなげることができたと感じています。

――勝利が決まった瞬間の心境は

去年、優勝を決めた時もオフェンスがフィールドに立っていました。今回もディフェンスがフォースダウンを止めたことで、オフェンスが最後のフィールドに立ちました。何かツイてるなと(笑)。嬉しくてしょうがなかったです。

――慶大戦で敗れながらも、このチームが連覇することができた要因は

チームとして、秋シーズンで負ける悔しさというのを1年生は当然知りませんし、2年生も甲子園ボウルに出場したためその悔しさを味わっていませんでした。それを慶大戦で知ったことで、より勝ちに執着し貪欲に取り組めたのかなと思います。チームが成長していった結果だと思います。

――今後に向けての抱負をお願いします

終わった後すぐ選手たちに言ったのですが、あと3つ勝って最後に笑うということがこのチームのすべきことだと思うので、そこに向けて一歩一歩進んでいきたいと思います。

OL樋口央次朗副将(創理4=東京・早大学院)

――リーグ戦優勝おめでとうございます。今のお気持ちを聞かせてください

嬉しいです。単純に嬉しいですね。あと、ほっとしました。

――前の試合の慶大の勝敗が気になったと思いますが、試合前はどのような雰囲気でしたか

前の試合の勝敗が気になるというのはそうなんですけど、そこはチーム全体で自分たちがコントロールできるのは日大に勝つということしかないので、そこに集中しようと話していました。

――27点での勝利ということで、オフェンスの出来はいかがでしたか

目標は35点を掲げていたので、それを越したいなという気持ちで終盤もずっとやっていました。それに関してはまだ満点ではないです。でも自分たちがやることをやればオフェンスは出るので、そこはある程度自身は持てました。

――前節からOLの働きは素晴らしいものだったと思います

法大戦でのパスプロテクションに関してはそもそも、法大のパスラッシュにかける人数が少なくて、それで止まっている風に見えたというのもあると思います。細かいところを見ていくとまだまだ課題点があったので、そこをつぶして日大戦に臨もうという話をしていました。あくまでやることは練習でやってきたことと変わらないので、そこにしっかりフォーカスしていきました。

――東日本代表決定戦は甲子園ボウルを控えての難しい試合になると思いますが、どのように臨みますか

一戦一戦勝っていくことが大切なので、まずは甲子園関係なしに東日本決定戦にしっかり勝って甲子園への切符を手にしたいと思います。

――甲子園ではどのようなプレーをしたいですか

そこでも本当にやることは変わらなくて、練習でやってきたことをやれば確実に勝てるという確信を持っているので、そこにフォーカスして練習していきます。

OL島崎貴弘(スポ4=神奈川・横浜立野)

――試合全体を振り返っていかがでしたか

あとはやるだけっていうのはわかってたんですけど、割と出だしこっちもバタバタしてしまって。そこから立て直せたのは良かったです。それもランプレーでリズムがつくれて、最後点も重なって締められたかなと思います。何より勝てて良かったです。

――今回の試合で、ご自身のハイライトはどこだと思いますか

どこですかね…。OLはよく言うんですけど、結局5人で1つのユニットなので、誰か一人が頑張って、っていうのはあまりないんですけど、やっぱりランプレーが出ていたので、OL全体としてはすごく良かったかなと思いますね。

――勝てば関東優勝という大一番でしたが、その前の緊張や高揚、どのような感情が大きかったですか

寮から出たときは楽しみだなという気持ちがあって、ぱっと目覚められてなんか体の調子がいいなって感じがあったんですけど、スタジアムに来て、着替えているときくらいからやっぱり緊張し始めて。マイナスというよりはいい緊張で、いよいよ来たなって感じでした。結果はみんな見ないようにって思ってたんですけど、法政と慶應がいい試合をしてて、法政がリードしてるっていうので、本当に結果に左右されず日大に向けてみんなで頑張ろうとは言ってたんですけど、やっぱり気にしちゃってソワソワしちゃって。見てる人の話を聞いたりもして、ようやく来たかという感じでしたね。結果を聞いて、アップをしてるときはいよいよかという気持ちでした。

――フィジカルの大きい選手と戦ってみていかがでしたか

去年立命と戦って、すごく、自分も含めてチーム全体でもフィジカル面が足りないなと思ったんですけど。今日見る限り、バックスがタックルされても去年だったら痛んでたなっていうのもある中で、みんなむしろ自分から当たりに行ったりもしてて、そういう部分ではフィジカルが付いたおかげで自信も付いて、そういうことができたのかなとは思ってます。自分、ウェイト主任でフィジカルのほうも選手としてやっていて、そういう部分では良かったかなと思います。大きい選手と当たれて成長を感じられたいい試合だったと思います。

――残りの試合に対する意気込みをお願いします。

もう1戦1戦やるしかないので、その中で自分も成長し続けることを大切にして、最終的には社会人相手になるのでそこでもっともっと成長して、集大成を飾りたいと思います。

QB笹木雄太(法4=東京・早大学院)

――優勝おめでとうございます。率直ないまのお気持ちは

素直に嬉しいという感情と、今回僕はあまり活躍できなかったので、次回の試合では活躍してチームを勝利に導きたいなと思っています。

――試合内容はいかがでしたか

ラン、パスともに出すというのが今回のシナリオだったんですけど、天候であったり、僕自身の不調だったりでランに重きを置いていました。それがうまく出てよかったです。

――雨の影響はあるものなのでしょうか

そうですね。でもそれを見越して準備する、日本一になるチームはそういうところをしっかりしなくてはならなくて、今回学んだことを次回に生かせればいいなと思います。

――優勝に向けて負けられない一戦でしたが、どのような意気込みで臨まれましたか

自分は、あんまりやるぞという気持ちになると失敗しがちなので、まず試合を楽しむということを第一の目標において、試合を楽しめるということは実力も発揮できてワクワクできる試合になるということだと思うので、そういう意味では気楽に楽しくいこうとしていました。

――今シーズンを振り返っていかがでしたか

このリーグ戦では、僕はほとんど先発の機会がなくてずっと坂梨(陽木、政経3=東京・早大学院)がQBとして出ていたんですけど、それでも自分にできることはあってそれでチームを勝利に導けた試合もあったので、結果的にトータルで見ると良かったと思います。

――笹木選手個人としての課題はありますか

環境に左右されずにパスを通すこと、あともっと早く判断できると思うので、そういった判断力をもっと磨いて次の甲子園、ライスに挑めたらいいなと思います。

――次戦への意気込みをお願いします

東日本は、去年大差で勝てていなくて結構苦戦した試合で、そういった意味では油断してしまっていたので、今回はしっかりと準備をして挑みたいです。

RB片岡遼也(法2=東京・早大学院)

――優勝おめでとうございます!いまの率直な気持ちを教えてください

素直に嬉しいです。出る準備はもちろんしていたのですが、北條さん(淳士、社4=東京・佼成学園)がケガされて、急に出るってなったときはすごく焦ってしまって。でもそのときにOLの先輩や試合に出ている先輩が励ましてくださったことで、1プレー目から思い切り走ることができて本当に楽しかったです。

――第2試合の結果を受けて優勝へのチャンスが残されました。試合前はどのような心境でしたか

チーム全体でも「よっしゃー!」という風にはなったのですが、それでも前の試合の結果がどうであれ僕たちがやるフットボールは変わらないということは監督や先輩からずっと言われていたのであまり意識はしないようにしていました。

――先日の対談でRBが仕事をすればチームも良い状況になる、というお話をうかがいました。きょうはまさにRB陣の活躍が光った試合となりましたがいかがですか

そうですね、今回もRBが走れたから勝てたと思います。RBが走って勝てたら嬉しいなと感じました。

――片岡選手もロングランでTDを決めましたが振り返っていかがですか

あれは本当にOLが完璧にブロックしてくれていて、自分はその間をスルスルっと走っただけだったので、自分の得点というよりもオフェンス全体で取った点だったと思います。

――ご自身の良かった点をあげるとどちらでしょうか

きょねんの日大戦ではフォルススタートをしてしまったり、サードダウンのショートヤードを取れなかったりしたのですが、今回はフォルススタートの反則もしなかったですし、サードダウンの勝負どころで走ってファーストダウンも取れたので、そこがきょねんから成長したところだなと感じました。

――逆に課題は何かありましたか

まずはケガを治すことですね。他にもたくさんあるのですが、やっぱり試合に出たときに焦ってしまうことですかね。もっとビデオを見たりとか準備をしっかりして、試合に出たときも緊張しないようにメンタル面を強化していきたいと思います。

――ケガは試合中にされたのですか

いや、一昨日の練習でしてしまって昨日まで腕を釣っていました。きょうは4年生のお2人どちらかがケガをしたら出る感じだったので。痛かったですがそれよりも嬉しさが大きいです。

――最後に東日本代表決定戦に向けての意気込みを教えてください

どこのチームが来ても自分たちがやることは変わらないと思います。日本一になるための大事な一戦なので、ランで勝ちたいです。

WR西川大地(商4=東京・早大学院)

――きょうの試合にはどういった意気込みで臨まれましたか

とにかく前の法政対慶応の試合で法政が勝つことだけを想定して気持ちの準備をしっかりして甲子園に出てやろうという気持ちで試合に臨んでいました。

――きょうの試合を振り返っていかがですか

オフェンスは入りはあんまり良くなかったんですけど、段々相手の動きとかが分かってきて日大の強いタックルにも対応できて、その結果大きな点差で勝つことができたかなと思います。

――WR鈴木隆貴(法4=東京・早大学院)副将が怪我でいなかったですがそのことについてはどうですか

隆貴がいないことを変に意識しないようにいつも通りの気持ちでプレーするように心がけていました。隆貴を甲子園に連れて行ける結果になったことはすごく嬉しいです。

――キャッチに雨の影響はありましたか

ボールは濡れてはいたんですけどあんまり気にならなかったです。いつも通りプレーできました。

――パスユニットが好調ですが要因は何だと思いますか

慶応戦の敗戦からQBとコミュニケーションを取ってパスのタイミングを合わせていくことがパスで試合に勝つために必要だと分かったので、法政戦からQBとのミーティングの量を増やしてしっかりとタイミングを合わせる練習をしました。これが要因かなと思います。

――最後に次戦への意気込みをお願いします

去年リーグ優勝が決まってから気が緩んでしまってその次の試合でいいパフォーマンスが出来てなかったので、気を緩めることなくミーティング、練習を重ねて勝つことにこだわっていきたいです。

DL佐野泰弘(スポ4=愛知・千種)

――優勝おめでとうございます。いまの心境を聞かせてください

とりあえずよかったですね。よかった。一個上の代がタレントぞろいで、それを僕はコンプレックスに思っていたのですが、僕らは下級生も含めて一丸となったことが功を奏したことがよかったです。

――1DLの場面もありましたがどういう意図がありましたか

今後も使うと思うので企業秘密ということで(笑)。フレッシュな気持ちでそれぞれ出ることができるので、そういう意味ではこの戦略に助けられている部分もありますね。

――きょうは完封でしたが

僕というよりもDL仲田(遼、政経3=東京・早大学院)とかDL斉川(尚之、スポ2=東京・独協)とかの後輩が頑張ってくれました。しかも最後、点差のついた中でもDL箕輪(京介、社1=東京・早大学院)のサックもありましたし、DL二村(康介、文構1=東京・獨協)もいいラッシュしてたと思うので本当に助けられてなんとか抑え込むことができたという印象です。

――今季のリーグ戦を振り返っていかがでしたか

日体大戦、中大戦と「大丈夫かな」とか「俺らやってること合ってるかな」と思うような試合が続いたのですが、そこからなんとか立て直して慶大戦でもう一度、自分らのプライドというか方向性というものを見つけて法大、日大とアジャストすることができたのがよかったです。結果的によかったですけど、その時は大変でしたね。

――それでは次戦の東日本代表決定戦(東日本)に向けて一言お願いします

去年は高をくくって苦しめられたので、ことしはしっかり甲子園で勝てるようなプレーをまず東日本でできるように頑張りたいと思います。

DB小野寺郁朗(社2=東京・早大学院)

――優勝という結果になりました。まずは率直な感想をお願いします

自分たちの力を信じて、一生懸命やっていれば絶対に優勝できると思っていたので、素直に嬉しいです。また、最後に完封で終わることができたので、ディフェンスとしてとても嬉しいです。

――達成感がありますか

そうですね。

――試合を通してディフェンスで意識したことはありますか

日大はオフェンスの選手がとても多いですし、ディフェンスとしては苦しくなると思っていました。自分たちが止めていれば、味方のオフェンスが点を取ってくれると思い、相手を止めることだけを意識していました。

――オフェンスのパスプレーが強い相手ですが、対策はいかがでしたか

日大のエースQBの高橋遼平さんが出ていなかったのですが、相手はパスオフェンスが強いチームなので、対策はしっかりやってきました。パスはあまり通されませんでしたし、ランも止められていたので、QB対策はできたと思います。

――課題があるとしたら、どのような点になりますか

タックリングと、カバーの上で空いているところがあったので、そこは詰められるところです。また、DBとして、プレーの精度を上げて、甲子園ボウルやライスボウルで通用するように、DBユニットを作り上げて行きたいと思います。

――最後に、今後の試合への意気込みを、チームとして、個人として、それぞれお願いします

チームとしては、日本一を絶対に成し遂げるという気持ちでやっていきたいです。ディフェンスとしては、自分たちのディフェンスが日本で一番強いということを証明するようなプレーができたらいいなと思います。個人としては、インターセプトを決めて、あのコーナーバックには投げてはいけないと相手に思われるような活躍をしたいです。

DB山口昴一郎(社3=東京・佼成学園)

――リーグ戦優勝おめでとうございます。今のお気持ちを聞かせてください

春にけがをしていてチームに迷惑をかけてしまっていた分とても嬉しいですね

――自力の優勝ができなくなった状況でチームの雰囲気はどうでしたか

慶大に負けた後の法大戦のときは特に、チームとしてしっかり一丸となっていましたが、(前の試合で)法大が勝って、少し・・・(笑)。でも、この後の東日本代表決定戦や甲子園ボウルに向けて気を引き締めてやっていきたいと思います。

――ディフェンスを振り返っていかがでしたか

日大のエースQBが出てこなかったのはディフェンスとしては大きかったです。その分ランストップに特化できたので、後半パスがきたときにもすぐに対応するようにしました。タックルミスなどは少しありましたが、プラン通りに出来たと思います。

――完封での勝利でしたね

立大戦ぶりの完封だったので、満点に近いディフェンスが出来たと思います。

――相手のスペシャルプレーへの対応もよかった印象でした

リバースとかは法大にもやられましたし、それ以外でもありました。しっかりミーティングをしてレビューをして、次は絶対に止めようと練習をしていたお陰で、しっかりと止められました。

――ディフェンスは試合を通して落ち着いていましたが、全体で共有していたことはありますか

前の試合で法大が勝ってくれたお陰で、他力になっていた状況で僕らの優勝が見えてきました。しかも日大前までの試合でディフェンスはトップ8の中では良い結果を出していたので、加藤さん(LB加藤樹、(商4=東京・早大学院))と杉田さん(AS杉田雅仁、法4=神奈川・浅野)を中心に一丸となってやっていけたのがよかったのかなと思います。

――これからに向けて意気込みをお願いします

去年はけがをして甲子園だけは出させてもらったんですけど、後悔があるのでしっかりあの場所にもう一回立って、後悔を残さないように甲子園ボウル、ライスボウル勝って日本一になれるようにやっていきたいです。