TEAM | 1Q | 2Q | 3Q | 4Q | TOTAL |
早大 BIG BEARS | 7 | 17 | 0 | 7 | 31 |
慶大 UNICORNS | 3 | 0 | 0 | 14 | 17 |
エンジ色に染まったバックスタンドが揺れ、チームメイトの笑顔がはじけた。2年ぶりの勝利を目指し、チームが一体となって臨んだ第63回早慶アメリカンフットボール対抗戦(早慶戦)。BIG BEARSのプレーは爽快そのものだった。先制を許した直後、すぐさまオフェンスが80ヤードのTDドライブを完結させて逆転に成功。その後はスーパーキャッチやターンオーバーといったビッグプレーがさく裂する。鮮やかなプレーを見せたBIG BEARSが最終スコアを31-17とし、駒沢陸上競技場に集った大観衆を興奮の渦に巻き込んだ。
スタンドを埋める観客のため、そして早大の誇りを保つため、決して譲れない早慶戦。しかし、その気持ちの高揚は慶大も同様だった。BIG BEARS最初の攻撃でパントブロックを許すと、自陣25ヤード地点からディフェンスが始まった。慶大はここぞとばかりにエースRBである李卓(慶大)にボールを託す。しかし、この窮地を力に替えられるのが今季のディフェンスの強さなのか。ここでの失点をFGによる3点にとどめる。続くオフェンスの第2シリーズ。QB政本悠紀(創理4=東京都市大付)からWR岡田義博(教4=東京・早実)へのパスがつながると、立て続けにパスがヒットし敵陣へと進攻する。最後は政本からRB山崎龍哉(文講2=東京・佼成学園)へのパスが決まり待望の逆転TDを挙げた。「このシリーズで決めないとモメンタムを持ってこれないと思っていた」と政本。これで波に乗った早大は、続く慶大オフェンスをパントに追い込み、LBコグラン・ケビン副将(商4=東京・早大学院)が華麗にブロック。フリーボールをDB久保颯(国教2=東京・早大学院)がそのまま持ち込み追加点を奪取した。普段見られない好プレーは大舞台に映える。BIG BEARSは試合の流れをがっちりとつかみ、24-3で前半を終えた。
村橋主将のQBサックがチームを勢いづかせた
BIG BEARSの洗練されたプレーに、スタンドのボルテージも高まりを見せる中迎えた後半。第3クオーター(Q)でも、BIG BEARSが追及するテンポの良いオフェンスが実現された。QB笹木雄太(法3=東京・早大学院)が投入されると、RB北條淳士(社3=東京・佼成学園)のランやWR鈴木隆貴(法3=東京・早大学院)へのパスを足掛かりにレッドゾーンへと迫り、TE田島広大(法2=東京・早大学院)がスーパーキャッチ。試合を決する7点が追加された。早大オフェンスは316ヤード31得点を奪う活躍。このまま試合を締めたい早大だったが、食い下がる慶大オフェンスにパスで崩され、第4Qだけで2本のTDを献上した。この試合でも浮き彫りになったDBのパスカバー。細かい一つ一つの動作を磨くしかないだろう。終盤は追い上げられたが、泥くさいブロックや球際の強さ、そして鋭い出足が光った。この執念こそ、勝敗を分けた要因だろう。
ランでチームに貢献した北條
早大としての自覚とプライド。これを持つための準備がしっかりとできていた。それはコグランの「絶対に悔しい思いはしたくないという気持ちを持って臨んだ」という一言に凝縮されている。それでも濱部昇監督(昭62教卒=東京・早大学院)は「決してここで満足はしていない」と、かぶとの尾を締めた。悲願の『日本一』へ――。パンチ力と機動力を兼備したオフェンスとスピード溢れるディフェンスを洗練し、『日本一』になる姿を描きながらトレーニングを重ねていく。大きな喜びと次戦への課題を残し、BIG BEARSの2015年は幕を開けた。
(記事 和泉智也、写真 大槻竜平、近藤廉一郎)
得点経過 | |||||||
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TEAM | Q | PLAY | PLAYER(S) | PAT | PLAYER | G/NG | スコア |
慶大 | 1 | FG | #11手塚 | G | 0-3 | ||
早大 | 1 | PASS | #10政本→#36山﨑龍 | K | #16佐藤敏 | G | 7-3 |
早大 | 2 | FG | #16佐藤敏 | G | 10-3 | ||
早大 | 2 | PR | パントブロックを#24久保がリターン | K | #16佐藤敏 | G | 17-3 |
早大 | 2 | PASS | #10政本→#11諸口 | K | #16佐藤敏 | G | 24-3 |
早大 | 4 | PASS | #12笹木→#87田島 | K | #16佐藤敏 | G | 31-3 |
慶大 | 4 | PASS | #12米内→#9寺園 | K | #11手塚 | G | 31-10 |
慶大 | 4 | PASS | #12米内→#9寺園 | K | #11手塚 | G | 31-17 |
★過去10年間の対戦成績
過去の戦績 | |||||||
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第53回 | 早大 | ●21-23○ | 慶大 | ||||
第54回 | 早大 | ○24-20● | 慶大 | ||||
第55回 | 早大 | ○24-14● | 慶大 | ||||
第56回 | 早大 | ○24-17● | 慶大 | ||||
第57回 | 早大 | ○47-3● | 慶大 | ||||
第58回 | 早大 | ●24-28○ | 慶大 | ||||
第59回 | 早大 | ○27-12● | 慶大 | ||||
第60回 | 早大 | ●21-24○ | 慶大 | ||||
第61回 | 早大 | ○38-7● | 慶大 | ||||
第62回 | 早大 | ●28-35○ | 慶大 |
コメント
濱部昇監督(昭62教卒=東京・早大学院)
――2年ぶりの早慶アメリカンフットボール対校戦(早慶戦)勝利おめでとうございます
どうもありがとうございます。
――試合の全体としてはどうでしたか
ライン戦で良い動きができていたかと思います。ディフェンスはすごく安定していたので、オフェンスはミスが多かったんですけれども比較的落ち着いてできたかと思います。
――QBの三選手の中でこの試合は笹木雄太選手(法3=東京・早大学院)がいい働きをしていましたが
笹木はすごく安定感のあるプレーをしてくれたので良かったと思います。政本(悠紀、創理4=東京都市大付)も悪くはなかったですが、決めるべきところで決めきれなくて、エースになる人は勝負どころできっちり決めるというところで試合の流れがガラッと変わってくるので、その意味ではもう一頑張りしてほしかったと思っています。坂梨(陽木、政経2=東京・早大学院)は坂梨でもう1年生ではないので、甘えも許されなくなってくる中で、精度の高いプレーをできるようになってほしいなと思います。
――ランオフェンスでは北條淳士選手(社3=東京・佼成学園)、パスオフェンスではWR陣が要所要所でいいプレーをしていましたが
パスオフェンスでは昨年、慶大の厳しいカバーをやられて、勝負どころでパスを決められなかったので、ことしは、そういうところでいかに決めるかということをずっと練習をしてきたので、まだまだだけれども、少しずつ成果が出たり、磨いていけたらなと思います。
――慶大の李卓選手をうまく止められていた印象がありましたが
やはりLBの2人がすごくいい動きをしていましたね。あとDLもしっかりと役割を徹底してやってくれたので、比較的ランプレーなどは止められたのかなと思います。あとパスディフェンスの精度がより上がってくればディフェンスも安定してくると思います。
――村橋主将(洋祐、スポ4=大阪・豊中)がQBサックを決めた場面、一段とチームの士気があがっていた印象ですが
本当にいいことですね。村橋は早大のチームのリーダとして、引っ張っていてくれているので、村橋が活躍してくれると士気が上がるし、チームも盛り上がるので。
――第4クオーター(Q)に2本目の選手を出している状況でしたがまだ気の緩みを感じる場面が見受けられましたが、その点に関しては
その気の緩みに関しては、ハーフタイムにも怒ったんですが、前半あのような展開で気が緩んでしまって、昨年も結局後半でひっくり返されているので、そういうところを課題としてやってきたチームなので、その点に関してはまだまだ甘いので、もっともっと一人一人が自分でやることを理解していかなければいけないかなと思います。
――春シーズンの初戦を勝利で飾ることができ好スタートを切りましたが今後はどのように戦っていきたいですか
おととしはいい入りをしてそのあと失速してしまったので、その点では本当に緊張感を持って、決してここで満足はしていないので、練習にしっかり取り組んで勝利を重ねていきたいです。
DL村橋洋祐主将(スポ4=大阪・豊中)
――早慶戦勝利おめでとうございます
ありがとうございます
――試合全体としてはいかがでしたか
勝てて良かったんですけど、第4Qに点を取られていますし、序盤有利になって後半に気が緩んでいるのではないかというところがあったので、チームとしてはまだまだダメですね。勝ったことは本当に良かったんですけどね。
――試合序盤パントキック失敗から相手に流れがいきかけましたが村橋主将自身のQBサックなどで、FGで食い止めましたね
序盤にミスが起きて苦しい状況だったんですけど、それをどうにかカバーするのがチームだと思っていて、そこで自分のプレーで少しでも流れを持ってくることができたので良かったと思います。
――慶大の李卓選手を中心としたランオフェンスと止められていた印象でしたが
フロントで相手のOLをコントロールできていたと思うので、李卓を止めるというよりも走る場所をなくしたって感じでした。李卓には一対一でやられている場面も多かったですし、まだまだかなという部分はありますけど、コントロールできたという点は良かったです。
――この試合を通じて今季の慶大の印象はどのように感じましたか
オフェンスがアップテンポでノーハドルでやっているので早いなという印象がありますし、嫌なプレーを愚直にやり続けてくるのでその点は厄介な存在だと思います。
――パントブロックからのリターンでディフェンスが得点したことに関しては
あのプレーも良かったです。前日にコグラン(ケビン副将、商4=東京・早大学院)と僕が話し合って、少し工夫してやったらそれがうまくいってうれしかったですね。
――第4Qに少し気の緩みを感じた部分がありましたが
出ているメンバーが変わっていたりということもあると思うんですけど、それでも出ているメンバーが早大のプライドを背負っているので、そこは止めなければいけなかったと思います。
――春シーズンの好スタートを切れたと思うんですが今後の意気込みのほうをお願いします
まだ中大、立命館大、関大と強豪校とできるチャンスがあるので、そこで『日本一』につながるような試合をして、その上で全勝をしたいと思います。
LBコグラン・ケビン副将(商4=東京・早大学院)
――早慶戦に勝利されたいまの気持ちを教えてください
ラストイヤーに勝つことができて本当にうれしいです。社会人になってからも自分たちの代は早慶戦でどっちが勝ったのかずっと言い続けることができると聞いていたので、本当にうれしく思います。
――4年目の早慶戦になりましたが、やはり特別な思いはありますか
秋のリーグ戦と早慶戦は絶対に負けてはいけないという気持ちでやっているので、リーグ戦に匹敵するくらいの試合だと思って臨んでいます。
――試合に向かうチームの雰囲気はどのように感じましたか
プレー面では最初は少し浮足立っていて、早大もパントブロックされてしまうなど出だしはよくなかったと思います。しかし試合前の話で言えば、昨季は3連敗していたので絶対に勝つという気持ちでやっていました。慶大が勝って喜ぶビデオをみんなで見て、絶対にそのような悔しい思いはしたくないという気持ちを持って臨むことができたと思います。
――QBが変わった慶大の印象はいかがでしたか
まだ春の段階なので底力は分かりませんが、現時点では自分たちの方が一生懸命やってきてその結果が出た、それだけだと思います。
――先日の対談ではパスに対してのディフェンスが課題という声が多かったのですが、その点についての手応えを教えてください
前半は危なげなく止めることができていてよかったと思いますが、後半TDを奪われたところは相手にやられていたので、課題はまだ残っていますね。
――4Qは攻め込まれた印象もありましたが、原因はどのようなところにあると考えていますか
4Qは2本目の選手も出ていたのですが、層の薄さが顕著に出てしまいました。秋シーズンを勝つためには、けが人も出るためみんなが試合に出られるレベルでないと勝てないと思うので、そこはこれからも強化していきたいです。
――ディフェンス全体を通してパントブロックを始め流れを変えるプレーが多かったように思いますが、振り返ってみていかがですか
全体としてはDLも一対一で勝っていましたし、DBもマンツーマンで勝っていたので、LBとしてはすごくやりやすかったです。一体感を大事にしてきたので、前半は特に体現できたかなと思います。
――試合終了を告げる笛が鳴ったときの気持ちはいかがでしたか
本当にうれしくて、やったぞという気持ちで、早くみんなで喜びたいと思っていました。
――ここから先もシーズンは続いていきますが、今後の意気込みを聞かせてください
秋はもっと厳しい試合が待っていますし、慶大を含めこのままでは絶対に終わらないと思うので、秋を見据えて気を引き締め、一日一日を全力でできることをやっていきたいと思います。
DB寺中健悟副将(教4=東京・早大学院)
――早慶戦の総括をお願いします
最初は良い感じで止めていて、ディフェンスとしては良い形でスタートを切れました。ですが、やはり後半ズルズルと出されてしまって2本目が出た時もズルズルと出されてしまったというのは層が薄いというか昨年からずっと言われている課題をつぶせていないなと思いました。
――高校時代から合計すると7回目の早慶戦でした。どのような意気込みで臨みましたか
慶大に負けるという感覚はあまりなくて、そのまま大学に来て昨年は負けて、自分の中では悔しさとふがいなさがずっとあって、それを一年間持ち越していました。ことしはラストイヤーかつ昨年負けているので個人的にもチームとしても絶対勝とうという強い決意を持って臨みました。
――試合前練習の雰囲気などはいかがでしたか
慶大に勝ちたいという気持ちは全員一緒で、村橋主将を中心に伝染していて、チームとしても慶大に絶対勝つという一体感が出ていたので良かったと思います。
――パント失敗でピンチを迎えましたが、FGの3点に抑えました
準備してきた通りに相手がやってきたので、自分たちがやるべき事をやればTDは取られないと思っていたし、ピンチの時こそテンションの上がるのがディフェンスなので、抑えられて良かったです。
――エースRBの李卓(慶大)はいかがでしたか
思ったよりといいますか、でもやはり一歩のカットは上手いなと感じました。ですが、一線を抜かせなければ形通りしっかり止まるなと感じました。
――CBとの連携はいかがでしたか
十分取れていて仕掛ける所はしっかり仕掛けていけたので、問題はなかったと思います。
――SFのゾーンでパスを通されTDされる場面がありました
自分がミスりました。裏のプレーで前に意識がいっている所で裏をかかれてしまったので反省しています。
――本日の試合で一番良かった部分はありますか
李卓にタックルしたのは良かったです。最後はやや足が止まってしまいましたが、ランストップには効果的に絡めたのでそこが一番良かったと思います。
――春シーズンの目標を教えて下さい
誰が出ても、どんな試合でもしっかり勝つ。全勝というのをしっかりと目標としてやっていきたいです。個人的にはインターセプトが最近ないので一試合につき2本は決めたいなと思います。
QB政本悠紀(創理4=東京都市大付)
――早慶戦の総括をお願いします
全体として、オフェンスはスコアできたシリーズは多かったのですが細かいミスが目立っていて、具体的には自分のスローだったりWRの球際なのですが、結果的には勝てましたが、そこをもっとつめていかないと日本一を目指すチームとしてはまだまだだなと感じました。
――試合前練習の雰囲気などはいかがでしたか
オフェンスから気迫が足りないという指摘があったので、4年生を中心に話し合って気迫を持ってやろうというという事を徹底してきました。
――最後の早慶戦でした。どのような意気込みで臨みましたか
最後というのは意識していなくて、勝つという事をそれ以上に意識していました。最後にこだわった取り組みと言うよりも、目の前の相手にしっかり勝つという意識の方が強かったです。
――オフェンスのコンセプトなどはありましたか
フィールドを広く使うというのを意識していました。
――第二シリーズはTDドライブとなりました
第一シリーズで3rdダウンアウトになってしまったので、このシリーズで決めないとモメンタムを持ってこれないと思っていたので、とにかく集中して焦らず3rdダウンでも気負わずに普段通りやるという事を意識してプレーしました。
――パスが効果的に決まっていましたがパスの調子はいかがでしたか
調子はベストではありませんでしたが、その中でも自分の中で調整していってなるべく良いパフォーマンスができたかなと思います。
――諸口さんへのTDパスは絶妙なタイミングでした
あれは信頼関係ですね。一対一の信頼関係で成り立つプレーだったので、練習もしてきましたし、決まった時はすごく嬉しかったです。
――OLのパスプロテクションはいかがでしたか
きょうは本当に助けられて、プレッシャーをかけられる場面もほとんどなくて、相手のブリッツにも余裕を持って守ってくれたのですごく感謝しています。
――後輩QBのプレーはいかがでしたか
練習通り焦らずやってきた事を忠実にできていたので、頼もしいというか良いパフォーマンスだったなと思います。
――QBランもかなりゲインしていました
昨年の春と比べるとあまり走れなかったのですが、そのランが出るというのも、OLがしっかりとブロックしてくれているからで、プロテクションが保たれている中での最終判断として 走りました。パスプロテクションが漏れたから苦し紛れに走ったわけではないので、最終手段として走れたので本当にOLのおかげです。
――きょうの試合で特に良かった点をお願いします
パスのリード、パスをどこに投げるかという判断は良かったと思います。
――春シーズンの目標を教えて下さい
対戦校がどこであっても全て勝つことと、リードはこれからも高めていって、四年間ずっと精度が課題になっているので確実にパスを決められるように頑張りたいと思います。
WR岡田義博(教4=東京・早実)
――率直に今の感想をお聞かせください
ラストイヤーだったので勝つというのが絶対条件の中、しっかり勝つことができてよかったです。
――昨年の悔しい敗戦から一年、試合前チームではなにを話しましたか
借りを返すというのはもちろんのこと、レシーバーとしては相手のDBがつかんでくるので手をしっかり切れと。リリースと球際を中心に練習してきました。
――4年生として迎えたこの試合、どのような意気込みで試合に臨まれましたか
最後の年ということで、家族や友達のいろんな人が試合を見にきてくれた中、そういう人たちに満足して帰ってもらいたいということと、4年生としてプレーで引っ張って慶大を圧倒したいなと思いました。
――第1クオーター(Q)でビハインドを負ってすぐのプレー、ロングパスを好捕しその後のTDの足がけとなったシーンを振り返っていかがですか
QBの政本(政本悠紀、創理4=東京都市大付)が同じ4年生でいつもずっとコミュニケーションの練習をしていて、目が合っておれにくるなと思ったので良いパスが来ると信じて走って、最後にしっかり捕れてよかったです。
――あの好捕の後、試合の流れが変わり得点ラッシュにつながったのではないでしょうか
ことしのレシーバーユニットは体のサイズはないんですけど、スピードや球際、テクニックの部分は4年間で一番良いできだと思うので、その強さを見せられたのはよかったです。また試合の流れを変えられるユニットというのを目指していて、それを体現できたのは本当によかったです。
――後半は得点が伸びませんでしたが
前半に大差をつけるとハーフタイムに気持ちが緩んでしまうというのがあって、ことしもその反省を生かし切れず緩んでしまった雰囲気が後半に点が取れなかったことに結びついていると考えています。その反省が春の一番最初の試合に出たのは良いことで、これからこの反省を生かしていきたいです。
――大観衆となったスタンドに勝利を届けることができました
来てくれるだけでうれしくて、最後に挨拶をしたときにあんなに大きな拍手をしていただいてのも初めてで、本当に勝ててよかったです。
――今季に向けての抱負をお願いします
ポジションリーダーとして自分がプレーで流れを変えるというのはもちろんのこと、勝利に近づけるようなプレーをレシーバーユニット全員ができるように練習していきたいなと思います。
WR諸口貴則(政経4=東京・早大学院)
――2年ぶりの勝利おめでとうございます
ありがとうございます。
――試合を終えて率直な感想は
立ち上がりすごくダメだったんですけど、次のシリーズも厳しいシチュエーションが回ってきたときに、レシーバーのキャッチで流れを持ってこれたのかなと思うので、レシーバーとしては良かったです。
――この試合、WR陣が要所要所でいいプレーができていましたが
この試合はラン攻撃を多く使うということになっていた中で、パスオフェンスが3rdダウンに回ってくると思っていたので、3rdダウンのパスを的確に取るということを意識して、球際で厳しいところがあったのですが泥くさく取りにいけたのは良かったと思います。
――QBは三選手とも出場しましたがこの試合の印象のほうはいかがでしたか
三人ともタイプが別々で、政本はフィジカルのある中で球も速いし、笹木は自分のテンポで正確にオフェンスのコントロールができていましたし、坂梨は球の落としどころやスピードがいいので、やっていてその三人に合わせながらWR陣も動けていたと思います。
――慶大のディフェンスに関しては
慶大のディフェンスはスカウティング通りという感じで、本当に嫌なことをしてくるディフェンスだったんですけど、自分たちの力が通用したのかなと思います。
――TDも奪いましたが
あのプレーは本当は違う選手が出ることになっていたんですけど、ちょうどいなくて僕が出たっていう感じだったので、運が良かったのかなと思います。
――好スタートを切れたと思いますが春シーズンどのような戦い方をしていきたいですか
春シーズンはチームとして全勝を掲げているので、あと何試合かありますが全部勝っていきたいと思います。
OL上石一輝(創理4=東京・早大学院)
――勝利という結果についていかがですか
本当にこれまでの練習の成果が実ったかなという感じですね。昨年負けたのが悔しくて、それをばねに頑張ってきたかいがありました。
――効果的な攻撃が何度もありましたが、ラインの果たした役割は大きかったのではないでしょうか
最初ランを出せたのはよかったと思います。後半アジャストされてランが出なくなってしまったことは課題です。一対一の勝負ではまだ弱いので、そこを改善できれば強いユニットになるのではないかと思います。
――具体的に前半と後半を振り返っていかがでしたか
慶大がスタンツとかブリッツをどんどん入れてきて、オフェンスを崩そうとしてきて受身になってしまった部分がありました。最初はうまくさばけていましたが、後半アジャストされて、前半でミスしていた部分を何度か攻められるという場面があったので、慶大のアジャストがすごいなと思いましたし、自分たちはまだまだ弱いなと思いました。
――ご自身のプレーを振り返っていかがですか
まだまだですね。一対一で負けてしまう部分もあったので、強くなっていきたいと思います。
――今後に向けた意気込みをお願いします
まだまだ時間はあるので、OLユニットを強くして、日本一を狙えるユニットにしていきたいと思います。
DL庭田和幸(創理4=東京・早大学院)
――早慶戦勝利ということですが、いまの率直なお気持ちを教えてください
単純に嬉しいですね。昨年まで3連敗していて、勝てて良かったです。
――パントのミスで深い位置からのディフェンスで試合が始まりましたが、そこでFGに抑えたことは大きかったと思いますがあの場面振り返って
個人としては足が止まっていて、もっと出だしから頑張らないといけないですね。チーム状況としてもキックはチームの総合力と言われるので、そういう面でもパントでミスが出たのでもっと気を引き締めて試合に臨まなくてはいけなかったです。
――その後3Qまで慶大を3点に抑えましたが、具体的によかったところは
個々で圧倒していたのもそうなんですけど、みんなが思い切りできていて、僕はあんまりいい印象はなくて、もっともっと自分たちのよいところも悪いところも改善して伸ばしていかなきゃいけないなと。ブリッツとか関西は強いチームもあるので、それを考えたときにまだまだ自分たちのやることはあるなと思います。もっと成長していきます。
――ことしの慶大はQBも変わり今回改めて対戦しましたが、どんな印象を受けましたか
いいチームだと思います。最後までしつこかったし、最初のスタートもいいし、ライバルとしていいチームだと思うのでしつこさとかは見習っていかなきゃなと思います。
――第4Qは慶大に得点を許す場面も多かったですが、要因はありますか
下級生、控えの選手も出て経験を積めたのはよかったですけど、自分たちはまだまだ層が薄いので、上の方のレベルも上げますし、下級生たちのレベルも底上げしていかなきゃなと思います。第4Qは早大のチームのいまを示していると思うので、控えの底上げをしていかないといけないと思います。
――今試合を終えてこれから改善していきたいことは
個人としてはスタミナ不足もあるし、フィジカル不足もあるし接点の面でまだまだ勝ててない面があるので、接点勝ち続けるという意味でもっとフィジカルの面でも鍛えていっていきたいなと思います。チームしてはキックのミスが多かったので総合力という面でもまだまだ一人一人が他人事ではなくてサイドラインも、(試合に)出ている人も出ていない人も主体的にチームのことを考えて行動していかないといけないので、自覚というのを高めていければいいなと思います。
――今後への意気込みをお願いします
とりあえず慶大に勝ててよかったんですけど、課題はすごく多かったし、そういう意味では慶大には感謝してるし、その課題を見つけただけじゃなくてここから改善していってどれだけ自分を上に伸ばせるか、チームが伸びるカギになると思うので自分の成長にもフォーカスするし、チーム全体のことも考えて成長していけたらいいなと思います。
RB北條淳士(社3=東京・佼成学園)
――勝利を挙げ、いまどのようなお気持ちですか
単純に嬉しいです。僕が早大に入って僕が出た試合で慶大に勝ったことがなくて、高2のときも負けて引退してたので、よかったです。
――早慶戦には独特の雰囲気などあるんですか
そうですね、観客の数が多いというのはありますけど、昨年までの僕だったら結構それで変なところを意識したりとかしちゃったと思うんですけど、昨年色々とメンタルの部分で鍛えられたところがあったので普通の試合だとシンプルに思って冷静にできたと思います。
――試合を振り返っていかがですか
練習はタッチなので、OB戦もフルコンタクトだったんですけど久々のフルコンタクトで、試合慣れがまだまだできてないと思います。しっかりフルコンタクトの慣れ、相手との接点というのが課題なのでよくしていけたらよいなと思いました。
――OLのブロックはいかがでしたか
頼もしいですね。いつも走路をあけてくれてあとはRBが自信もって走るだけなので。いつも感謝しています。
――北條選手の調子はいかがでしたか
僕は全然きょうはダメだったと思います。自分的にはまだまだだと思っています。なので、今後また頑張りたいので、応援よろしくお願いします。
――アメリカ研修を経て、得たものは
アメリカ人が一番違ったのは、フィジカルとかフットボールに対する思い入れで、そういった面でフットボールを違った角度から見ることができて、アメリカ人らしく楽しんでいるフットボールがわかったので、今後それもプラスになればいいと思います。
――自身の強み、得意とするプレーは
特別足がずば抜けて早いわけではないので、密集の中でのクイックネスとカットバック、ボディーバランスとかですかね。そういうタックルのシーンを外して、ぬるぬるじわじわと進んでいくのが得意だと思います。バランス系ですね。
――現在強化されていることは
やっぱりフィジカルですね。それもアメリカ研修で学んだんですが、フィジカルの違いというのが大前提にあって、フィジカルが強ければ強いほどフットボールも落ち着いて有意義に展開できると思います。今季はウエイト主任もやらせて頂いているので、しっかりと春シーズンフィジカルを見直して強いLBになって帰ってきたいです。
――今季の目標をお願いします
とりあえず、早大のRBのエースになりたいです。信頼されるランナーになってショートヤードとかでも持たせてもらえる。あと課題であるパスプロテクションなどの苦手なことを潰して頑張っていきたいと思います。
LB加藤樹(商3=東京・早大学院)
――率直に今の感想をお聞かせください
早慶戦は昨年負けて悔しかったので勝ててよかったという感じです。
――昨年の悔しい敗戦から一年、試合前チームでどのようなことを話しましたか
昨年は慶大に3敗していて、その借りを返すために完膚なきまでにボコボコにしようとチームでは話しました。
――加藤選手個人としてはどのような気持ちでこの試合に臨まれましたか
相手に良いRBの選手がいて、その選手と対峙できるのはうれしかったですし自分のためにもなるので、貴重な試合だと考えました。
――この試合では昨季よりも内側のポジションでプレーに関与していましたがその点に関してはいかがですか
昨年のDBのローバーという外側のポジションからコンバートして初めての試合で、内と外の両方のプレーに関わることができて楽しかったです。
――第4クオーター(Q)では相手のパス攻撃がよくつながってしまいましたが、そのときのパスに対する守備を振り返っていかがですか
第4Qでは選手を交替してやっていたんですけど、そういうときの選手層がまだ薄いなというか、ディフェンスをちょっと変えたぐらいであのように崩されるのは課題だと思います。
――オフシーズンでのウエイトトレーニングの成果はでましたか
スピードを落とすことなくパワーアップできたかなとは思いますけどもっともっとトレーニングをやっていきます。
――大観衆となったスタンドに勝利を届けることができました
このような観衆の中で試合をやることは初めてだったので本当に楽しかったですね。
――今季に向けての抱負をお願いします
ポジションをコンバートして初めての試合だったんですけど、反省点がまだ結構あってケビンさん(LBコグラン・ケビン、商4=東京・早大学院)とのコンビネーションをもっとうまくできたと思うのでそこを詰めていきたいです。
RB山崎龍哉(文講2=東京・佼成学園)
――早慶戦の総括をお願いします
前半で点数が取れて、後半は集中力が欠けてしまったかなと思います。
――第2シリーズでTDを決めました
プレーが始まって走り出した時に自分がフリーになっている事が分かって、パスが来るなと思っていました。キャッチがあまり得意ではないので不安がありましたがしっかりと捕球できて良かったです。
――ランにパスにフル回転でしたが調子などはいかがでしたか
ブロックがちょっと慶大のディフェンスにビビッてしまう部分があったので、最初は足が止まっていましたが徐々に決まるようになっていって、パスも捕れたので良かったと思います。
――この試合一番の収穫は何ですか
TDできた事によって、パスへの自信が深まりました。
――北條淳士選手(社3=東京・佼成学園)から受ける影響はありますか
北條さんとは中学生時代から一緒でことしで8年目なのですが、北條さんのプレーや性格から元気をもらって、自分も同じくらい頑張ろうという気持ちになったり、活躍したいという気持ちが生まれています。
――今後の課題は何ですか
体が小さいので、大きい相手に当たり負けしないような体を作っていきたいと思います。後は足が遅いので、早くしたいと思います。
――春シーズンの目標をお願いします
チームとしては全勝です。個人的には足を止めないでブロックするという事です。
TE田島広大(法2=東京・早大学院)
――勝利を収めたいまのお気持ちは
僕はいま2年生なんですけど、昨年新人早慶戦から3連敗してしまって一年越しの勝利ができて嬉しかったですね。
――試合を振り返ってみていかがですか
僕が第4Qでタッチダウンできて、オーバーセレブレーションを取られてしまったんですけど。でもタッチダウンできて自分がチームの勝利に貢献できたのは嬉しかったです。
――昨年は惜敗でしたが、ことしは見事快勝しました。その勝因は何ですか
昨年3連敗を喫したということもあって、すごく慶大を意識して毎日練習に取り組んでいたので、今回その努力が報われてこういう形で勝利できたのかなと思います。
――慶大のTE、DLは強い印象でしたが
慶大は途中途中で、シリーズごとでDLのメンバーを変えたりしているので、とてもフレッシュな状態で相手は来ていて、僕たちは結構長いのですごくバテバテな状態でやっていて、その中でフレッシュな動きをされて足がついていかないことも多かったんですけど、それでも僕たちの準備をしてきたことで、足がついていかなかったとはいえ、しっかりとブロックができているっていう状態ができていたと思うので頑張れたと思います。
――TDの時はナイスキャッチでしたね
途中、きょうの試合の1発目のパスで1回落としてしまって、きょうはやばいなと思いながらやっていて、ああいうスペシャルプレーでいいところにボールが飛んできて本当に無我夢中で手を出したらキャッチできたなという感じですね。
――それは練習を重ねたからでしょうか
その練習は結構練習後に先輩と合わせて、佐々木(OL佐々木洋宣、教3=東京・足立学園)さんというレシーバーとかQBの人とかに色々合わせてできた結果なので嬉しかったです。
――早慶戦に向けてチームではどんな話し合いがありましたか
チームで話し合ったことは、慶大はオフェンスが強いのでディフェンスが止めてくれるんですけどそれ以上に点を取ってあげないといけないという状態で、すごくスコアを意識してやっていて。1シリーズ目が止められてしまって大丈夫かなと思ったんですけど、2シリーズ目、3シリーズ目でどんどん点を取っていったんですごく僕らのゲームのプラン通りに進んだなと思いました。
――今季の個人の目標を教えてください
目標はTEとして絶対に毎試合1本取っていくということですね。
DB久保颯(国教2=東京・早大学院)
――今季初スタメンということで、どういった思いで試合に臨まれましたか
自分は下級生なので、上級生みたいなビッグプレーはできなくても思い切りの良いプレーでディフェンスを盛り上げられるようにしたいと思っていました。
――セーフティとの連携はきょういかがでしたか
練習から頻繁にコミュニケーションを取るようにしていたので、練習通りそこは出せました。
――ショートパスに即タックルしていましたが、狙い通りでしたか
コールがマンツーマンだったので、自分が担当しているレシーバーに対して思い切り突っ込みました。
――それは試合前から狙われていたのですか
そのプレーがあることは分かっていました。コールがマンツーマンで当たって、結果オーライみたいな感じですね。
――GLでアップのタッチダウンを許しましたが、そこについては
それが来ることは分かっていたのですが、競り合いに負けてしまいました。実力不足だったので、もっと練習して勝てるようにしていきたいです。
――これからどういった練習をしていきたいですか
自分は結構身長があるので、体を寄せてぶつけるのではなく、腕を伸ばして競り合いに勝てるようにしたいですね。腕の伸ばしを意識したので、次は体の入れ方を工夫してうまくやっていきたいです。
――初の早慶戦でしたが、この試合に対する思いは
僕は早大学院だったので早大5年目で、慶大には負けたくない気持ちが強いので、気合いを入れて臨みました。
――これから目指したい選手像などありますか
自分はタックリングが得意なので、パスカバーを完璧にしたいですね。また、まだ下級生だからと許されている部分もあると思うので、もっと周りに信頼されるような、「コイツになら任せられる、コイツのところなら大丈夫」と言われるような選手になりたいです。
――久保選手自身秋から留学されてしまうということですが、今後への意気込みをお願いします
4年生の方々とプレーできるのはこの春が最後なので、ラストイヤーのラストシーズンという気持ちでやっていきたいです。個人としては一年のブランクが空いてしまうので、帰って来てからすぐチームに合流して試合に出られるように、この春にいかに経験値を積むかだと思っています。なので気合いを入れてやっていきたいです。
DB山口昂一郎(社2=東京・佼成学園)
――早慶戦の総括をお願いします
僕は何もしていませんが、前の先輩がしっかり止めてくれたので余裕を持ってプレーできたかなと思います。
――寺中さんやCBとの連携はいかがでしたか
練習の時から連携を取ってLBやCBに伝えるという事はしていて、会場は広かったのですが普段通りできたかなと思います。
――きょうの試合で一番良かった点は何ですか
前回の日体大戦の時よりも落ち着いてプレーできた事です。
――早慶戦でしたが、どのような意気込みで臨みましたか
昨年は新人早慶戦で負けて、チームも3連敗したので、その悔しさをしっかりとぶつける事ができたかなと思います。
――試合序盤にパント失敗でピンチを迎えましたが、FGの3点に抑えました
一回CBがインターフェアをして1stダウンを取られましたが、その後も我慢のディフェンスができたかなと思います。
――試合を通してご自身の動きはいかがでしたか
一回パスで自分のレスポを取られてしまったのが悔しかったので練習を積んでいきたいと思います。ランは、タックルもしっかりとできました。SFなので、TDされないように、最後の砦として頑張りたいと思います。
――春シーズンの目標をお願いします
まずは先発の座を射止めるということと、秋以降を見据えて先輩方とも連携を取りながら理解度を深めていきたいと思います。