【連載】『第63回早慶戦直前特集』 第3回 WR岡田義博×WR諸口貴則×WR鈴木隆貴×DB藤原健太郎

米式蹴球

 昨季リーグ編成に変化があった大学フットボール界。選手たちはTOP8という強豪校との試合が倍増した過密日程を戦い切った。冬のオフシーズン、BIGBEARSは来季を見据えたトレーニングに励んでいた。目を見張るのは、雪辱に燃えるWRとDBの猛練習。WRからは主任の岡田義博(教4=東京・早実)、諸口貴則(政経4=東京・早大学院)、鈴木隆貴(法3=東京・早大学院)、DBからは藤原健太郎(政経4=東京・早大学院)に話を伺った。かつてない練習量をこなしているというオフシーズンの取り組みと、早慶戦に懸ける思いとは――。

※この取材は3月27日に行われたものです。

アメフトの魅力に思慕した高校時代

WR主任として奮闘する岡田

――皆さん高校時代からアメフトをされていますが、アメフトを始めた理由を教えて下さい

藤原 高校に入学するまでアメフトというスポーツは知りませんでした。それまではずっとサッカーをしていたので高校でもサッカーをやろうと思っていたのですが、体験に行ったときにピンと来なくて、早大学院のアメフト部の勧誘はすごいので半ば無理やりグラウンドに連れて行かれました。やってみたら楽しかったので始めました。

鈴木隆 僕は高校に行ったときは藤原さんと同じくサッカー部に入ろうと思い、見学に行ったのですがかなりの量を走らされました。正直そこまで走りたくなかったので違うなと思っていたときに、アメフト部の方に勧誘され、いざ行ってみると人工芝で魅力的だなと思って始めました。

諸口 高校入学前からアイシールド21を読んでいて、アメフトってかっこいいなと思っていました。そこで、高校に入って何をしようかというときに流れでアメフト部の見学に行って、流れで入ってしまいました。

岡田 僕は中学から始めていて、理由は担任がアメフト部の顧問で誰もいないから入ってくれと言われたからです。初めはかっこいいから野球部に入ろうと思っていたのですが、野球をやっていたわけでもなかったのでいいかなと思って始めました。

――なぜ大学でも続けようと思ったのですか

藤原 僕は高校3年時の秋シーズンに大きなケガをしてしまい、満足に試合に出られませんでした。決勝だけプレーしたのですが、満足のいくプレーができず、結果としても10-10で同時優勝というすっきりしない終わり方で、このままアメフト終わるのは納得がいかないしもったいないと思ったので、高校卒業したと同時に大学でも続けようと思いました。

鈴木隆 高校を通じて多くのことを経験するにつれてアメフトって楽しいなと感じるようになりました。アメフトには大学に行っても高校のコーチとして続けようと思っていました。ですが、高校3年の決勝のときに優勝はしましたが自分の中では消化不良という形でした。引退してからも何もない生活を送っているとさびしくなってきて、せっかくだから続けようと思い入部を決意しました。

諸口 高校を卒業してからすぐにアメフトのU-19を受けて落ちました。アメフトはもういいかなと思っていたのですが、することが見つからなくて親にも何してるんだと言われ、だったらやろうかなと思いもう一回やって見ようと思いました。

岡田 僕の場合は高校が弱くて、アメフトはそれなりに楽しかったのですが自分のレベル自体が高いところでやったらどうなるのかな、もっと本気でアメフトに取り組みたいなと思っていました。高校に入ってからもなんとかく大学に入ってからも続けるんだろうなとぼんやり考えていてよし、と思って入りました。

――実際にレベルの高いBIG BEARSに入部していかがでしたか

岡田 最初はケガをしていて、半年くらいやっていなくて、ケガ人の視点から見るところが多かったです。正直、WRに関してはそこまで変わらなくて、スピードだったりという部分で見ても高校でWRやっていた人はそれなりに通用するかなと思いました。

――早大学院出身の三方は実際に入部してみていかがでしたか

藤原 プレーに関しては、僕はフィジカル面での差が大きいなと感じました。それは、ヒットしたときに当たり負けをしたりとか単純なスピードだったりとか、QBが投げる球の速さも全然違うといったことです。BIG BEARSはその差に対してウエイトやフィールドトレーニングでそれに立ち向かうための対策をしっかりとやっていると思いますし、高校時と一番変わったのはウエイトの量です。高校の時もやってはいましたが、メニュー自体が増えたし、きつかったのでフィジカル面でのギャップはすごく感じました。

――フィジカル面の手ごたえは感じていますか

藤原 (WR陣に向けて)どうですか?(笑)

諸口 僕は大学に入ってから体重がかなり増えました。僕は人と違うところを伸ばそうと考えていて、その面でフィジカルをしっかりやってフィジカルのあるWRになろうと思っていたのでその意味では手ごたえは感じています。

藤原 何キロ増えましたか?

諸口 15キロ増えました。

――鈴木隆さんも近年フィジカル系WRとしての地位が固まりつつあると思いますがいかがですか

鈴木隆 ちょっと今シーズンのオフシーズンに減量して、スピード系に目覚めました。(笑)

――藤原さんはなぜDBというポジションを選んだのですか

藤原 高校でも大学でも同じポジションをやっているのですが、勧誘で連れて行かれた時になんとなくDBのマンツーマンという練習をしました。足は速かった方なので、勝負に勝ててしまって、そこで先輩からもいいDBになると言われていいかなと思ってDBを始めました。

――DBならではの楽しい部分と苦労する部分を教えて下さい

藤原 僕はDBの中でもSFというポジションをやっていて、SFはCBと比べて全体を見ながら多くのプレーに絡めます。自分を生かすことができれば目立てるという部分が楽しいところかなと思います。DBは一対一で勝負することが多いポジションなのでミスが目立ちやすいというか自分の責任で相手に一発タッチダウン(TD)を取られることもあります。なので、責任が大きいというか自分たちがミスをすればそれがチームの失点、敗戦に繋がってしまうというところで、重圧が楽しい部分でもありますが辛いところでもあります。

――WRを選んだ経緯を教えて下さい

鈴木隆 僕も体験のときでなんとなく行ったのがWRで、ボールを捕るということが新鮮で好奇心からWRを始めました。大学ではいままでの経験を生かせると思ってそのまま続けています。WRはけっこう結果が目に見えるというか、捕るか捕らないかの世界なので、そこがWRの魅力でもあり苦労する部分でもあるのかなと思います。

――TDへの強いこだわりなどはありますか

鈴木隆 WRはパスを捕ってそのままTDするとそのまま注目されるし、そういう部分でTDを捕りたいというこだわりは常に持っています。

諸口 僕も体験で様々なポジションをやって見て、球を捕ることが得意だなと自分の中で思ったので始めました。ずっとWRをやっていたのでそのまま大学でも続けています。

――どんなときにやりがいを感じますか

諸口 WRはQBから投げられたボールは全部WRの責任になると思っています。難しいボールが飛んできて、それを捕れば一気にチームに流れは傾きますし、もし簡単なボールを落としてしまったらいままでの流れは崩れてしまいます。チームの流れをつくるという部分ではボールを捕るという意味でやりがいを感じます。

岡田 僕は中学からずっとWRをやっていて、フラッグフットボールを始めはやっていて、フラッグは投げる人と捕る人しかいなくて、捕るのが楽しかったので大学までWR一本でやっています。

――WRはQBとのコミュニケーションだったり、複雑なアサイメントだったり、苦労も絶えないと思います。その中ですっとWRを続けられてきた一番の理由は何でしょうか

岡田 まず、最初は信頼がないと投げられないのですが、練習であいつに投げれば大丈夫だという信頼関係を築いていって、それがチーム全体に波及していく過程がすごくいいなと思います。

――ご自身の持ち味を教えて下さい

藤原 僕は自分のスピードを生かして早く刺すことや、背が高い方なので相手に競り負けない部分が持ち味だと思います。平均すると日大や法大の方が足の速いWRは多くいるので、そういったWR陣と互角に勝負できるかなと思います。

――昨シーズンの日大、法大戦はその持ち味は出せましたでしょうか

藤原 単純なスピードだけで言ったら負けてなかったと思います。ただ、マンツーマンでつくときにスキルやテクニックの部分で劣っているなと思うときもあって、持ち味を生かし切れなかったなと思います。今年は細かなステップなどを磨いて、スピードを生かせるようにしたいです。

――早大守備は、マンツーマンはよく使われるのですか

藤原 そうですね、昨年は勝負ところでブリッツを入れることが多くて、そうすると5,6人のラッシュが入るのでゾーンで守ることは難しいということで必然的にマンツーマンを敷くことが多いのでDBは試合を通じてスタミナや精神力が求められていたなと思います。

鈴木隆 僕はボールの寄りや球際を意識しています。あとは、プレーの理解度と相手のカバーを瞬時に判断することです。視野広く相手を見て、自分の動きを変えるという部分が持ち味かなと思います。

――それが実践できた試合などはありましたか

鈴木隆 一番できたと思ったのが昨年の明大戦でのロングキャッチを決めたときで、あのときも相手が引くのは分かっていたのですがそのときにDBがどのように守っているのかというのをしっかりと見て駆け引きをして、ボールを捕れたというのが今でも印象に残っています。

諸口 僕はWRの中でもフィジカルがある方なので、そこだけは負けないようにやっています。あとは一発TDを持っていくようなタイプではないので、短いパスなどを落とさないようにしています。

――昨シーズンはショートパスが多かったように感じます

諸口 短いパスはファーストダウンに使うことが多いので、落としてしまうとそのあとが厳しい状況になってしまうので、ラックなどは考えずにまずは捕るということを一番に考えています。

岡田 ここの人たちよりはなるべく上を目指したいと思う心意気は一番かなと思います。具体的にはYouTubeなどで動画を探して、こういう動きをしたいとか無理だなと思ってもやってみたり、イメージして動くことはできているかなと思います。

――ランアフターキャッチへのこだわりも強いのではないでしょうか

岡田 昨シーズンは相手を完全に交わすことが考えてしまってそのあとに追いつかれてタックルされてしまったので、今季は最小限に相手を交わしてパシューターからも追いつかれないように動きたいと思います。

一体感を求める一年に

今季、副務を務める諸口

――4年生の学年の雰囲気はいかがですか

藤原 ことしは村橋洋祐(スポ4=大阪・豊中)というキャプテンがいて、みんな全員で言っているのですが、一体感を大事にしようと言ってきていて、僕ら4年生は下級生に4年生を勝たせたいと思ってくれるような学年にしたいと思っています。その中で、4年生の取り組みを認めてもらえるように、この人たちなら一緒に戦っていけるし、最後に勝ってほしいと思ってくれるように、ということを目指してやっています。

――藤原さんは高校時代、キャプテンでしたが

藤原 いまは特に幹部ではないので、幹部がチーム全体に気を使わなければいけない中で、幹部じゃないからこそ見える部分に目を向けたいと思っていますし、下級生からの不満なども吸い上げられるのは自分達だと思っているので、細かい部分だったりチームに転がる小さい問題を自分たちがどれだけ解決したりとか、幹部にどれだけ伝えられるかというのが大事になると思います。常に客観的にチームを見たいと思います。

諸口 一体感を掲げているのでそれに基づいたチームつくりはできていると思います。

――ことしのチームスローガンは何ですか

諸口 チームスローガンは『覚悟』で、それは4年として僕らが一番やるということで掲げました。そこに下級生が付いてきてもらってチームとして一体感を持って成長したいと考えています。

岡田 4年生の個人的な感じは面白い人が多くて、個が強いです。それでもグラウンドに立つとみんなが日本一に向かって練習している姿はすごくいいなと思っています。

――4年生のはやりなどはありますか

諸口 紺碧寮ではNINTENDO64のスマブラがはやっています。

藤原 ゲームははやっています。

――どなたが強いのですか

藤原 てらけん(寺中健悟、教4=東京・早大学院)です。最近は紺碧寮だけなのですが、4年生が11人住んでいて、みんなゲームをしたり、あとは就活ですね。お風呂のときは就活話です。スーツを着ることがはやりです。(笑)

諸口 基本的に合うスーツはないので、みんなオーダーメイドでしっかりつくっていると思います。

――3年生の雰囲気はいかがですか

鈴木隆 3年はすごく自由な学年だなと思っていて、でも4年生がしっかりやってくれていることに甘えないということは意識しています。4年生が就活等でいなくなってしまったときにチームの運営が回らなくなってしまっては困るのでそこはしっかり3年生がリードしてしっかりやっていこうということは年初めのミーティングからずっと話しています。

――はやっていることはありますか

鈴木 寮生が増えていますね。僕も入ります。帰る時間もロスというか時間がかかるので、その部分をケアなどに使えるので、有意義に時間を使えると思います。

日本一のユニットを目指して

鈴木隆のTDパスで勝利に貢献できるか

――岡田さんはWRの主任に就任されました

岡田 個人としてはみんな日本一を目指しているわけですが、WRユニットとして、試合に出ているメンツもそうでないメンツもユニットとして日本一のユニットをつくり上げたいと考えています。

――そのためにどのようなことを実践していますか

岡田 僕が日本一のWRになることです。下級生などへ言葉で伝えるのが苦手なので体で示したりとか、あとは時間があるときに個別に教えたりしています。

――下級生から見てことしのWRユニットはいかがですか

鈴木隆 練習量は増えたなと感じています。昨年はどのユニットから見ても一番やっていないユニットだったと思います。でも、ことしは練習量が多くなったし内容も濃くなってきてまとまってきたというか充実した練習を送れています。

――ことしのDBユニットはいかがですか

藤原 DBは人数が多くて、全部で17人いるので人が多くて考え方とか人間性も様々で、その中に寺中という主任がいます。彼一人ではまとめるのが難しい部分ではあるかなと感じているので、いまは個人のスキルであったりフィジカルを増やすことにフォーカスしていて、全体練習とは別にパート練習でひたすらしんどいことをしています。しんどいことをみんなでやっていく中で一体感だったりは出てきたかなと思います。まだ誰が試合に出るかとかは決まっていませんが、なんとなく全員で取り組もうとする意識はあるかなと思います。

――具体的にはタックル練習ですか

藤原 いまは試合でスタミナ不足が課題になっていて、下半身に負荷をかけて4クオーター(Q)を走り切る脚力を付けるという意味でチューブトレーニングを行っています。前と後ろに人がいて、ゴム製のチューブで繋いで、前の人が全力で走って後ろの人が引っ張られながら走るという練習です。後ろの人がいつもより早いスピードで無理やり引っ張られながらひたすら走ります。そのスピードを体に覚えさせるというのが意図です。あとは、引っ張られながらバックペダルをしたりしています。前腿に負荷をかけるという練習です。しんどいです。

――WRは例年と異なる取組み等はしていますか

岡田 例年と違うというよりはどこのキャンプにいっても重視しているのは基礎で、なぜこのトレーニングをしているのかというのを下級生に理解させるのが大事だと思っているのでいまは基礎を徹底して練習しています。

――DBから見てことしのWRはいかがですか

藤原 取り組みは僕らDBから見てもことしはすごくやっているなというのは感じます。単純に練習の量が昨年より全然増えているというのはもちろん感じます。昨年は正直全体練習以外でアフターやビフォアなどチームの中でもやっているポジションとやっていないポジションがあってWRはことしはやっているポジションに入っているのかなというのは感じます。いまこの取り組みができているということはこの先これがスタンダードになってくるということにもなるので、今後も常に続けて行ければ高いレベルのユニットができるのではないかと思います。

――WRから見てことしのDBはいかがですか

岡田 昨年スタメンだったCBの二人が抜けてしまうので、ことし誰が出て来るのかはすごく楽しみです。そういった意味でも今年は競争があると思うのでその中での相乗効果に期待したいと思います。

鈴木隆 本当に圧倒的な練習量。チーム一やっていると思っていて、そこに結果も付いて来ると思うのですごく期待しています。

――ヒットなどをお互いにしてみての印象はいかがですか

岡田、諸口、鈴木隆  やばい、やばい、やばい(笑)

藤原 フィジカルにおいては、昨年は金澤さん(秀明、平27教卒=東京・早大学院)という身長が高くてヒットも強い人がいて、その人と正面で当たって勝負するというのは嫌でしたが、ことしは一対一でWRと勝負するとなった時に本当に嫌だなと思うWRがたくさんいるかと言われればそうではなくて、下級生はまだヒットが弱くて体が小さいのでそういうところでWRとしては驚異に感じる選手がもっと増えてほしいかなと思います。

――マンツーマンなどはいかがですか

諸口 ことしのDB陣は嫌なことをやってきて、バンプだったり、みんな色々なことをやってきて、つかんだと見せて引いて来るときもあるし、駆け引きをしてくるのでやりづらさはあります。

プライドを懸けた戦い

得意のスピードで慶大を止められるか

――それでは、昨シーズンを振り返ると共にご自身で成長できた部分を教えて下さい

藤原 SFというポジションをしていて、プレー以上にディフェンス全体を見てコミュニケーションを取ったりだとか一番後ろから見ているので、一番後ろではないと見れないところは多数あるのでそれをチームに伝えたりとか、まとめたりとかできる力が求められています。うちのディフェンスはコールがたくさんあって複雑なので、それに対して綻びが出ないように各コールの強みと弱みを理解したり、フロント陣との動きがバラバラにならないように前に合わせて後ろのコールを変えてみたりという臨機応変に対応することを心がけてきました。SFとしてのインテリジェンスは昨年ずっと取り組んできたことなので、それをことしも生かしていきたいです

鈴木隆 昨シーズンは負けた試合3つとも最後の一本が出なかったと思っていて、ことしは改善した部分を見せたいと思います。個人的にはシーズンを通して試合に出場できたということで経験を積むことができて、その中で相手との駆け引きができるようになったり、大学生ならではのパワー、スピードに対して自分がどのように対処していけるかというのを考えられたシーズンだったかなと思います。

諸口 試合で結果を残したというのはなくて、納得いかないことが多かったのですが、WRとしては2ミニッツ(試合終了まで残り2分)の際どいシーンでボールを捕れなかったり、チームの負けにつながるようなプレーをしてしまったことが多かったので、チームを勝たせられなかったユニットとして挙げられると思います。成長できた部分は、TOP8に変わって全試合相手が強いということで力やフィジカルが負けていないと思えたので、今年はそこを頑張れば今年こそ勝てると思いますし、WRとしてもチームの命運を握っているユニットだということを改めて実感できたので今年はそこを考えながらプレーしたいと思います。

岡田 昨年はスタメンとして出させていただいて、TOP8の中でも下位チームとの試合はスピードだけを頼りに勝負していましたが、強いところが相手だとスピードだけではやっていけないなと気づけたことが収穫で、ことしはスピードに加えてもっと自分の力をコントロールして相手の力もコントロールすべくテクニックを磨いていきたいと思っています。

――チームとしてはいかがでしたか

藤原 最後の一本が出なかったというか、3Qまで勝っていたのに最後に勝ちこされてしまったので、4Q勝負がシーズンを通して継続できなかったのが反省です。それは、スタミナはもちろんですが最後まで戦う精神力や集中力という部分でもそう思うし、最後の詰めの部分でチームとして甘かったなと思います。それは何でかっていったら、普段からそのようなシチュエーションや最後の一歩にしんどいときにどれだけ出せるかという部分だったと思います。昨年はそれを普段の練習からやっていたかと言われればそうではなかったと思います。最後の駆け抜けまでしっかりやるとか1プレー1キャッチ1タックルにどれだけ集中してできるかにフォーカスして、その重みを感じながらやっています。昨年以上の取り組みを目指してやっています。

鈴木隆 昨シーズンはラストでの集中力と最後の一歩というところでメンタル的な部分も大きいと思いました。WRとしては最後のシリーズで落球してしまったことは一人の責任ではなくて、ユニットの責任だと思っていて、そこをチームとして取り組んで行かなければ絶対に変われないので、取り組むことがことし日本一になるかならないかの分かれ目なので、今年はいまのところやれているかなと思います。

諸口 チームとしては中村さん(洸介前主将、平26スポ卒=東京・日大三)という絶対的な主将がいて、その人を絶対に勝たせたいという気持ちがあってやっていたと思いますが、いま一つまとまり切れずに最後の最後で負けてしまうということが多かったので、最後の最後での詰めが甘かったと言えばそれまでなのですが、チームとしては中村さんを勝たせたいという気持ちでやってこれたかなと思います。

岡田 WRのことを言うと、昨年は競争がなかったと思っていて、全員が絶対に試合に出たいという強い気持ちがなかったと思います。結果、その一人一人の層の厚さが少なかったのでことしはそれを変えたいと思います。まだ実力が開いていてこいつを超えようという下級生がなかなか出てこないので、それじゃだめだよということを日々促しています。

――それでは、早慶戦の印象と意気込みをお願いします

藤原 早慶戦はやはり早大と慶大のプライドを懸けた戦いで、僕らは4年生の時の早慶戦の結果はずっと付いてまわると言われているので、ある意味人生を懸けてというか一生を懸けてやっているので意気込みはすごく強いです。

――ことしの慶大オフェンスの印象はいかがですか

藤原 RBにいい選手がいるので、その選手をしっかりランストップできるかというのが一つの勝負の分かれ目だと思います。慶大は近年パスチームになってきていて、ことしはどうなるかまだ分かりませんが的を絞るにはランストップしなければならないので、そのいいRBをいかにうちのディフェンスが止められるかというのがカギになると思います。

鈴木隆 早慶戦は早大と慶大のプライドを懸けて戦うというのと、年間を通して見ても早大関係者が一番多く見てくれる試合だと思うので、観客数も1万人も来てくれるので、やっている方は楽しいですし、その環境でプレーできるというのが一番の魅力かなと思います。

――具体的にこのようなプレーをしようなどのイメージはありますか

鈴木隆 やはりWRなので、しっかりとパスを捕ってTDするというのを狙っています。

諸口 早慶戦は、あのような多くの観客の前でプレーする機会は他にないのですごく楽しみにしていて、昨年でいったら春も秋も負けているので、一年生のためにも勝たなければいけないと思います。

――自信はありますか

諸口 はい、あります。

岡田 見どころは、個人個人、部員全員が絶対に負けたくないという気持ちを持っていることです。僕も友人たくさん呼ぶので見に来ていただいた方に後悔させない試合をしたいと思います。

――ことしの慶大ディフェンスの印象はいかがですか

岡田 昨年の主将だった選手が抜けてDBのキープレーヤーはいなくなったと思うので、パスオフェンスで切り崩して行きたいと思います。

――WRとしての目標はありますか

岡田 主任である僕が一番目立ちたいと思います。

一同(笑)

――では最後に新入生に向けてメッセージをお願いします!

藤原 僕らは他のチームと比べてスポーツ推薦が無くて、この対談メンバーは全員経験者ですが、未経験者や附属校以外の人も多く集まっている中で日本一という一つの目標を掲げているチームなので、ぜひこれからも色々な人に入部してほしいですし、色々な人がいた方がチームにはプラスの効果が生まれると思うのでちょっとでも興味がある人や、アメフトを知らなくても構わないので、一度グラウンドに来てほしいと思います。

鈴木隆 僕らはアメフトに大学4年間を捧げていて、何かに没頭して取り組む機会も社会人になってしまったら少なくなると思います。日本一に向かって毎日一生懸命熱くなってやっているので、色々な人に興味を持ってほしいと思います。そういう意味で早慶戦では僕らがどういった取り組みをしているのかというのと、そういう舞台で活躍する姿を見て、一緒にやりたいと思ってくれる人がいたら僕らはありがたいです。なので、早慶戦ではみんなに足を運んでいただいて僕らの勇姿を見てほしいと思います。

諸口 僕らアメフト部は一人一芸があれば、誰でも活躍できるので、一度グラウンドに来てほしいです。それで、共感してくれる人がいればなと思います。選手が厳しくても、トレーナー、アナライジングスタッフ、マネージャーとしても活躍する機会はあるので、僕らと日本一を目指したいという人がいればぜひ一緒にプレーして日本一を目指しましょう。

岡田 振り返ってみてここでの経験は何にも変えられないものだと思っています。入部したら後悔しないので、ぜひ一緒にアメフトをしましょう。

――ありがとうございました!

(取材・編集 和泉智也)

◆岡田義博(おかだ・よしひろ)(※写真左)

1994年(平6)1月5日生まれ。173センチ、78キロ。東京・早実高出身。教育学部4年。WR。中学時代から取り組んできたフットボール生活も残りわずか。クールな受け答えの中にもボイスレコーダーをマイクのように近付けて話していただくなど気の利く一面がありました!「早慶戦では一番目立ちたい」と意気込んでいる岡田選手。WR主任のTDに期待しましょう!

◆諸口貴則(もろぐち・たかのり)(※写真左中央)

1993年(平5)4月22日生まれ。177センチ、84キロ。東京・早大学院高出身。政治経済学部4年。WR。真面目な性格の諸口選手はチームのいじられキャラ?!藤原選手や鈴木隆選手に度々質問を振られるなど仲の良さを見せてくれました。関東屈指のフィジカル系WRである諸口選手。オフェンスのテンポの良さを体現する諸口選手の正確かつ迅速なプレーから目を離せません!

◆藤原健太郎(ふじわら・けんたろう)(※写真右)

1993年(平5)4月11日生まれ。177センチ、81キロ。東京・早大学院高出身。政治経済学部4年。DB。DBの主力として下級生のころから早大ディフェンスを支えている藤原選手。力強いタックルとボールキャリアへ一直線に到達するスピードは学生トップクラスです!スマートな思考力が問われるSFだけあって、取材中も丁寧に質問に答えていただきました!

◆鈴木隆貴(すずき・りゅうき)(※写真右中央)

1995年(平7)2月25日生まれ。178センチ、81キロ。東京・早大学院高出身。法学部3年。WR。高校時代からビッグプレーメイカーとして数々の試合を決するロングパスを捕球してきた鈴木隆選手。ことしの4月からは寮に入り、さらにアメフトに打ち込む環境が整うと笑顔で話してくれました。球際の強さが持ち味である鈴木隆選手のボールに食らい付く姿に注目です!