開幕戦勝利も、不安の残る内容

米式蹴球
TEAM 1Q 2Q 3Q 4Q TOTAL
早大 BIG BEARS 17 39
関東学院大 HURRICANES 12

 2年ぶりの秋季リーグ戦制覇を目指す早大BIG BEARSの戦いが、9月8日、東京・アミノバイタルフィールドにて始まった。主力を欠いたワセダは初戦の相手、関東学院大に39-12で勝利しながらも、特に守備陣には課題が残る内容となった。

コンバートRBとは思えない圧巻の走りで116ヤードを稼いだDB末吉

 関東学院大の攻撃で始まった試合は、第1クオーター(1Q)から動き始める。ワセダの最初の攻撃シリーズ、DB末吉裕一(商3=東京・早大学院)とWR橋本嵐(創理4=千葉・東葛飾)の小刻みなランと二人をターゲットにしたパスなどで敵陣深くまで攻め込んでいく。最後はWR橋本嵐が持ち前のスピードでスクリメージを抜け出し、21ヤードのTDランを挙げる。2Q中盤では、相手のキャッチミスをDB坂本悠太郎(文構4=東京・早大学院)がインターセプト。奪った攻撃権をQB福井裕二(政経4=東京・早実)のTDランにつなげるなど、ワセダは着実に点差を広げ前半を24-6で折り返す。

 そして迎えた後半、開始早々LB佐々木桂一郎(社3=東京・海城)のロスタックルでセーフティーを奪う。勢いづいたワセダは、その直後の攻撃ではWR橋本嵐の68ヤードの独走TDも飛び出し、さらに点差が広がっていく。時折見せるQB福井のミドルパスもうまく決まり、4Qには試合を決定づけるこの試合4つ目のWR橋本嵐のTDラン。しかし、ここから前半でも見られた守備のほころびが目立ち始め、試合終了間際にTDを決められるという後味の悪い展開で試合は終了した。

選手たちは試合後観客席へいつもより長く頭を下げた

 主力の欠場により急遽他のポジションからコンバートされたRB二人で4TDをもぎ取った攻撃陣とは対照的に、2TDを許した守備陣、特にパスディフェンスには課題が残った。試合を通してLB周辺のミドルパス、ショートパスを通されビッグゲインにつながった場面など、今後の課題の一つが浮き彫りになった形だ。他にも、試合後半にはペナルティも目立ち、チームとしての成熟度がこの先の試合では求められてくるだろう。不安が残る試合内容だったとはいえ、相手のランをたった13ヤードに抑えた守備陣ではDL庭田和幸(創理1=東京・早大学院)がフル出場、後半にはQB佐藤雅哉(政経1=大阪・府立箕輪)が出場するなど、1年生の活躍が明るい材料といえるだろう。甲子園ボウルに出場した2年前も3戦目で関東学院大と対戦し、同じように不安の残る内容だったが試合を重ねるごとに成長し、甲子園ボウルまで勝ち進んだ。この先復帰するであろう主力と現有戦力がどのようにマッチするのか、そして、2年前と同じような成績を残せるのか、それを判断するのは時期尚早でこの先も目が離せない。

(記事 井上義之、写真 生川花子、巌千咲)

★特集

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  • ★得点経過

    TEAM PLAY PLAYER(S) PAT PLAYER G/NG スコア
    早大 1Q RUSH 215 橋本嵐 #17 森 7-0
    早大 2Q FG #17 森       10-0
    早大 2Q RUSH #5 福井 #17 森 17-10
    関東学院大 2Q RUSH #33 中島 #2 田上 NG 17-6
    早大 2Q RUSH #21 橋本嵐 #17 森 24-6
    早大 SAF #41 佐々木       26-6
    早大 3Q RUSH #21 橋本嵐 #17 森 33-6
    早大 4Q RUSH #21 橋本嵐 RUSH TEAM NG 39-6
    関東学院大 4Q PASS #18 桜井→
    #10 工藤
    #2 田上 NG 39-12

    ★スターティンングメンバー


    オフェンス
    ディフェンス
    背番号 ポジション 氏名 学部

    学年
    出身校 背番号 ポジション 氏名 学部

    学年
    出身校
    78 OL 中村洸介 スポ2 東京・日大三 94 DL 木和田隆介 商4 東京・早実
    75 OL 福留悠斗 創理4 東京・早実 44 DL 岩谷享右 創理4 東京・早大学院
    70 OL 長瀬彗 創理4 東京・早大学院 97 DL 篠澤 慶 人3 埼玉・川越東
    56 OL 菅原大蔵 人3 長野吉田 90 DL 庭田和幸 創理1 東京・早大学院
    69 OL 大町慎太郎 社2 東京西 50 LB 西田啓佑 文構3 東京・早大学院
    87 TE 柳川 亮 政経3 埼玉・早大本庄 41 LB 佐々木桂一郎 社3 東京・海城
    21 RB 橋本嵐 創理4 千葉・東葛飾 40 LB 石川翔 スポ3 東京・早大学院
    98 RB 日高英祐 文4 神奈川・鎌倉 DB 坂本悠太郎 文構4 東京・早大学院
    WR 清水隆博 社4 東京・早大学院 31 DB 島川秀人 創理3 東京・早大学院
    80 WR 金澤秀明 教2 東京・早大学院 DB 芹澤暁良 人4 群馬・高崎
    QB 福井裕二 政経4 東京・早実 17 DB 森翔平 文構3 愛知・豊橋東
    17 森翔平 文構3 愛知・豊橋東 17 森翔平 文構3 愛知・豊橋東
    秋季リーグ戦1部Bブロック星取表
       法 大 中 大 早 大 慶 大 専 大 関学大 都市大 学習院 勝-負 順位 勝点
    11/11 10/28 10/21 10/7 9/30 9/16 ○99-0 1-0  
    横浜 10/20 10/28 9/30 10/7 ○87-0 9/16 1-0  
    アミノ アミノ 11/11 9/15 ○39-12 10/7 9/29 1-0  
    アミノ アミノ 横浜 ○35-18 9/15 9/29 10/6 1-0  
    アミノ アミノ アミノ ●18-35 11/11 10/28 10/20 0-1  
    アミノ アミノ ●12-39 アミノ アミノ 10/20 10/28 0-1  
    アミノ ●0-87 アミノ アミノ アミノ 夢の島 11/10 0-1  
    ●0-99 アミノ アミノ 川崎 夢の島 川崎 アミノ 0-1  

    ◆コメント
    朝倉孝雄監督(平3商卒=東京・早大学院)
    ――きょうの試合のゲームプランは
     関東学院大はラインがOL、DL兼任なので後半スタミナが落ちてくることは分かっていたので、ランプレーでゴリゴリ押していければと。
    ――きょうの収穫は
     主力を欠くということで急きょDB末吉とWR橋本嵐をRBとして起用しましたが、二人はよくやってくれたと思いますね。夏合宿から取り組んできたことがラインで形になったことも収穫としてあげられますね。若手で言えば1年生のQB佐藤はエクスチェンジミスなど基本的な部分で足りたいとことがありますが、ファンダメンタルをしっかりして成長してほしいなと。1年生のDL庭田はフル出場してよく頑張ったと思います。
    ――きょうみえた課題は
     オフェンスはランプレーはよく出ていたので、次の試合に向けてパスプレーを課題にしていきたいですね。ディフェンスは最後TDとられてしまったようにパスディフェンスに課題が残りました。相手の体型とワセダのサインの組み合わせという点で、的を絞ってディフェンスする必要があると思います。
    ――夏合宿で意識したことは
     走るメニューを多くして、スタミナをつけることを目標にして取り組みましたが、きょうの内容をみれば及第点かなと。

    OL福留悠斗(創理4=東京・早実)
    ――きょうの試合の感想を
    橋本嵐と末吉がとにかく頑張っていたという印象ですね。その2人がいなかたら勝てなかったので
    ――今日のゲームプラン
    ランでタイムコントロールをして勝とうということでした。
    ――終盤イエローが目立ちましたが
    メンツが変わっていて、初めて出るメンバーもいたのでその辺はテンパってしまったのかなという感じですね。
    ――夏合宿から意識して練習していること
    基本になるファンダメンタルを細かく徹底していくということを一番やっていました。あんまり実戦的な練習はなかったので、これからどんどん精度を上げて行きたいなと思います。
    ――次戦までの修正点は
    自分たちのやるべきことをどれだけ確実にこなせるかということです。