東日本大震災を受け米式蹴球部は年2回、東日本大震災被災地にてボランティア活動を行っている。震災当初はがれきの撤去作業を行っていたが現在は地元の子供たちの遊び場支援のための公園整備や漁師さんたちのお手伝いを主に活動。今回も2月25日から27日かけて、福島県いわき市にて日本財団学生ボランティアセンター(Gakuvo)の全面的なサポートのもと、被災地復興支援ボランティア活動を行った。
今回のボランティア活動では小学生とのフラッグフットボール教室や『オリーブプロジェクト』という活動を行った。初日に行われたフラッグフットボール教室ではいわき市立江名小学校にて小学生との交流。NPO法人ワセダクラブのコーチも参加し、デモンストレーションを交えながら、最終的には、選手との試合も実現した。「相手の視点に立って話すことの重要性を学んだ」(TE飯島渉、教3=東京・早実)と、小学生から元気をもらうだけではなく、交流を通して学ぶことも多くあっただろう。
現地の小学生とフラッグフットボール体験で交流
2日目には『オリーブプロジェクト』を行った。この活動は原発事故により風評被害を受け、広大な農地が損なわれた福島県の浜通りに位置するいわき市内で農業再建をかけて、現地の方とオリーブの植樹を行う。その際に、以前に植えたオリーブの成長に驚きや喜びを感じたという飯島。オリーブと共に自分たちも成長していると実感した瞬間だった。
オリーブの植樹に励む選手達
毎回、新たな発見が生まれるこの活動。「今後も申し出を受け入れて頂ける限りは継続していきたい」(飯島)。BIG BEARSが重視するのは社会の一構成員としての成長。これからも様々な経験を糧に、日本一へ向けまい進していくはずだ。
(記事 近藤廉一郎、写真 米式蹴球部提供)
コメント
TE飯島渉(教3=東京・早実)
――ボランティアでの体験はいかがでしたか
私は今回で参加するのが4度目になりますが、活動を通して得られるものは決して同じではなく、新たに気づかされることも多いので、今回も非常に有意義な活動となりました。現地では、地域の方からの差し入れなど、温かい心遣いを頂く場面が多いため、我々が活動できるのはひとえに、多くの方々の手厚いご支援、ご理解のおかげであると毎回改めて痛感します。また、体育会の学生は日頃トレーニングや練習に打ち込んでいるため、特に見識が狭くなりがちだと思うのですが、ボランティア活動を通して多くの人と触れ合うことで、様々な考え方や物の捉え方を知ることができ、人格の陶冶(とうや)につながったのではないかと思います。
――フラッグフットボール体験も行ったそうですが、この活動を通して学んだことは
< p>この活動を通して学んだことは、相手の視点に立って話すことの重要性です。子供は自分が聞きたくないことは聞いてくれないので、はじめは苦労しました。これは社会で生きていく上でも大事なことだと思います。加えて、私が歳を取るにつれ不思議と忘れてしまった元気の大切さです。元気があれば何でも、いつでも楽しくなれる、福島の小学生が教えてくれたことです。
――印象に残っていることは
第一に、オリーブの樹の成長です。1回目のときは、私の膝か腰くらいの高さだったものが身の丈を越すくらいに大きく成長していたのは、とても印象的でした。今回で参加するのは4回目で、活動場所は毎度大体同じ場所なのですが、本を読み直すと印象が変わるように、同じものを半年前に見て感じたことと、半年後に見て感じることはいつも違って、驚くと同時に、自分が半年の間に内面的にいくらか変われたのではないかと、少し喜びを感じました。
――今後も継続していくのでしょうか
私たちは、毎回のボランティアでいわき市の地域活性化プロジェクトであるオリーブプロジェクトに参加させて頂いています。その代表の方々に、BIGBEARSに先々もオリーブプロジェクトに携わってもらい、将来現役にOB達の思いを感じてほしいとのご厚意で「BIG BEARS FARM」の看板を立てて頂きました。そのうえ、我々BIGBEARSは社会の一構成員であることを念頭に置いているため、今回のようなボランティア活動や地域貢献活動を通じて社会貢献を行いたいと考えています。また、部をより良くしていくためにも必要な活動であると位置づけているので、今後も申し出を受け入れて頂ける限りは継続していきたいと考えています 。BIGBEARSは、様々な活動を通して得られる経験を糧に、日本一を目指しまい進していきますので、これからも変わらぬご声援の程、何とぞよろしくお願い致します。