TEAM | 1Q | 2Q | 3Q | 4Q | TOTAL |
早大 BIG BEARS | 0 | 0 | 14 | 10 | 24 |
東海大 TRITONS | 0 | 7 | 3 | 0 | 10 |
2部の拓大にまさかの敗戦を喫してから2週間、勝利を絶対条件に臨んだ東海大戦。立ち上がりからリズムをつかめない早大は先制を許すが、TE柳川亮(政経4=埼玉・早大本庄)のTDで同点に追いつく。その後2つのTDを決めて東海大を振り切り24-10で勝利するも課題が残る試合となった。
攻めこまれる場面も目立った
「勝利することはできたが内容はまったくついてきていない」(LB岩井康祐、商4=東京・早大学院)。試合後に振り返った言葉がまさにこの試合を表していた。最初の攻撃シリーズでインターセプトを喫して攻撃権を失うなど試合開始直後から全く流れに乗ることができない。第1クオーター(1Q)は攻め手を欠き、互いに無得点で終える。2Qに入り、相手のランを止めることができず自陣深くへ侵入を許すと、最後はパスを決められTD。いとも簡単に先制点を奪われてしまった。そのまま前半が終了し、0-7と劣勢のままハーフタイムを迎える。
逆転を狙う早大は後半開始直後、DL庭田和幸(創理2=東京・早大学院)のQBサックでディフェンスから流れをようやく掴む。相手の攻撃をパントに追い込むとそのボールをキャッチしたRB井上広大(教3=東京・早大学院)のビックリターンで好位置を獲得する。後半最初の攻撃はQB木村隆(教3=東京・早大学院)が右オープンとなっていたTE柳川へパス。集まってきたディフェンスにタックルをされるもそのままエンドゾーンへとなだれ込みTDを奪い、わずか1プレーで同点に追いついた。その後はFGを決められ勝ち越しを許すも、QB木村からWR竹村大和(人2=東京・九段中教校)へのロングパスをキーゲインにRB吉原猛(社3=東京・日大三)が中央突破し逆転のTD。その後はスナップミスでピンチを迎えるもフォースダウンギャンブルを阻止するなど守備陣が踏ん張り、24-10で勝利した。
逆転となるTDを決めた吉原
濱部昇監督代行(昭62教卒=東京・早大学院)が「前半は自分達のフットボールができなかった」と語るなど立ち上がりの悪さが目立つ試合となってしまった。若手中心で臨んだ専大戦、拓大戦と厳しい試合展開になることが多かったこの3試合。この後は関大、明大と強豪校との勝負が続き、主力選手が多く出場する予定だ。残り2試合は新生BIG BEARSの真価が問われる試合となる。
(記事 田中竣、写真 巖千咲、井上義之)
得点経過 | |||||||
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TEAM | Q | PLAY | PLAYER(S) | PAT | PLAYER | G/NG | スコア |
東海大 | 2 | PASS | #9石井→#2牧野 | K | #26平林 | G | 0-7 |
早大 | 2 | PASS | #5木村→#87柳川 | K | #16佐藤 | G | 7-7 |
東海大 | 3 | FG | #26平林 | 7-10 | |||
早大 | 3 | RUSH | #30吉原 | K | #17森 | G | 14-10 |
早大 | 4 | RUSH | #28井上広 | K | #16佐藤 | G | 21-10 |
早大 | 4 | FG | #17森 | 24-10 |
コメント
濱部昇監督代行(昭62教卒=東京・早大学院)
――若手中心で臨むとしていた3試合が終わって手応えなどは
練習から頑張っていた選手はやっぱり試合でもできていたと思います。でも、もっとできる選手は上級生も含めて伸び悩んでいるかな。若手中心とはいえ1本目の選手も出ているわけだから圧倒的な力を発揮して欲しいし、彼らが若手の足りない部分を補って欲しいですが、アベレージのプレーが出来ていない部分もある。もっと危機感やひたむきさを持って練習に臨んでほしいのですが、指導しきれなかった私の責任です。今、自分自身も試行錯誤している段階です。
――3Qからは主力も多く出場しましたが
ケガ人も多く、1Qは若手を中心にしようと。その後は試合勘を戻すためにローテーションで出そうと予定通りでした。でも前半は自分達のフットボールをできず、後半になってようやくという感じです。
――関大、明大へ向けて
必然的に上がってくるとは思いますが、今日の試合までに上げたかったですね。
OL小笠原知也主将(スポ4=東京・戸山)
――若手中心の試合が3試合続きましたが総括してみていかがですか
ことしの下級生は素直で真面目で物わかりが良くて日々練習にしっかり取り組んでいる反面、もっと下級生だからこそのびのびしてやってくれることも必要だなと思っていたんですけど、まだまだフィールド上では大人しかったり縮こまってやっていることが多かったので、もう少しミスとかを恐れずやってほしかったですね。
――前半はあまりオフェンスが出ませんでしたが
向こうがランプレーを止めにきてたのは分かっていて、それを押し切っていくだけのランプレーを継続して出せなかったです。もう一つは、ランプレーが出ないならパスプレーで状況を打開していかなければならなかったのに、QBがパスミスをするかレシーバーがキャッチをミスしてかみ合わなかったと思います。
――後半に入る前に話し合われたことは
11人フィールドにいる中で、もし投げるミスが起こったらそれはQB一人の問題です。でもその一人がミスしたら0ヤードで終わってしまうのがオフェンスだから一人一人がやることを集中してやろうということを話して、後半はそれがうまくできました。
――東海大戦に向けて取り組みたいことは
関大は毎年、春はチーム作りのほうに専念していて、勝敗にこだわってくるかは分からないんですけど、チームの活気は個々が持っているチームだと思います。そこに負けないフットボールの真剣さというところでまずは勝っていきたいなと思います。
LB岩井康祐(商4=東京・早大学院)
――試合を振り返っていかがですか
ゲームプランとしてはチームの選手全員を出場させて、チームとして必ず勝つということでしたが、結果は勝てたということだけで、結果的にはAチームの選手が出て勝利することはできましたが内容は全くついてきていないと思います。
――具体的にどのような課題が挙げられますか
相手はスカウティングビデオで見たプレーをしてきたので、相手の思い通りにさせてしまったということはこちらにミスがあったということです。個人がビデオをもっと見るなり、自分たちのサインとすり合わせてどういう風に対応すべきかを考えられなかったことが原因だと思います。
――前半、外から見ていてどうでしたか
下級生のLBが少し緊張しているというか、いつも通りの動きができていないと感じていました。
――フィールドに立っていたとき意識していたことは何ですか
自分がしっかりとタックルして相手の勢いを止めることを意識していました。相手は自分がしっかりとやれば止められるようなオフェンスをしてきていたので大丈夫だと思っていました。
――フォースダウンギャンブルの場面を振り返って
相手は力勝負で来ると分かっていたので、それに対応したまでです。こちらのフロントのDLががんばってくれたので、自分とLBコグラン・ケビン(商2=東京・早大学院)が力を出し切れば止まるようなプレーだったと思います。
――オープン戦5試合を消化しましたが振り返ってみてどうですか
うまくいっている反面、下級生やあまり試合に出ていない4年生のメンバーが伸びてきていないというのが現状だと思います。一方で新しいシステムの導入はうまくいっていて、今回の試合もいつもとは少し違うアジャストでこれからの相手に迫っていこうということでした。導入についてはうまくできているので、後は個人のやり方であったり力次第でこれ以降の春シーズンがどうなるかが決まってくると思います。
――関大戦への意気込みをお願いします
関大は個人の能力がとても高い選手が揃っていて、自分たちとは対局のチームだと認識しています。普段のファンダメンタルを生かしてヒットやタックルを繰り出したり、スカウティングをしっかりと行って相手の狙いを見極めた上で自分たちのやることを明確にしていきたいと思います。
RB吉原猛(社3=東京・日大三)
――今日の結果についていかかがですか
全然点が取れなかった印象です。RBとして一発のタッチダウンがなかったので、オフェンスとしての脅威を与えられなかったです。ロングゲインできたとしても、途中でタックルされてタッチダウンまで至らないという点が前半の悪循環の原因かなと思います。
――前半はサイドラインで見ていましたが、やはりそのように見ていましたか
そうですね。テンポを速く速くやるということはできていたのですが、その結果が伴ってこないというか、途中途中で誰かしらがミスをしてロスをしてしまったりしているというのはありました。
――今日の試合の位置づけとは
全員出場して、底上げを図ろうという狙いでした。これまで2戦の専大、拓大戦と同じような感じですね。
――RB陣も熾烈なスターター争いが続いていると思いますが
RBは一人一人の個性が強く出ています。井上広のような足の速さを持ち味にしている選手もいれば、自分のような当たってパワーで押すタイプがいたり、RB向山優士(先理2=東京・早大学院)のように一人一人カットで抜く選手もいます。その中で自分はまだまだスターターの確約などはありませんし、いつ落とされるかわからないので、その中でよい競争ができていると思います。
――関大戦、明大戦へ向けての意気込みをお願いします
関大はやはり関西のチームでスピードも速く当たりも強いので、ファンダメンタルから見直し、自分から当ったり、一瞬で見つけた穴を駆け抜けるという点などを意識てやっていきたいと思います。明大はスピードはとても速く、高校時代の先輩や同級生が多数所属していて負けたくないですし、自分としてもTBは今年からなので、何がなんでも走って、タッチダウンという結果を残したいと思います。