六大学定期戦は両クラスで優勝を果たす!

ヨット

 暦が10月にめくられた今日、秋季東京六大学定期戦が行われた。1日目、2日目とそれぞれ4レースずつを消化し、両クラスで優勝を飾った早大は総合優勝を成し遂げた。

 470級は第1レースから倉橋直暉(スポ4=福岡・中村学園三陽)・松山大祐(創理1=神奈川・逗子開成)組が1位でフィニッシュし、安定した走りを見せつける。しかし各校で順位に差がつかず、1日目を3位で折り返す。迎えた2日目、第5レースを倉橋は「内容も素晴らしく、初日のミーティングが大変生かされた瞬間」と振り返る。出場した4艇全てで好成績を残した。初日の結果から逆転をし、116ポイントで優勝を果たした。

 対するスナイプ級は初日から圧倒的な実力を示す。2位の慶大と50ポイント以上の差をつけて迎えた2日目、服部陸太(スポ2=神奈川・鎌倉学園)・河﨑元紀(スポ3=神奈川・鎌倉学園)組は首位を連取。第6レース目では「最後の最後で得意のダウンウィンドで追い抜きトップフィニッシュ」(服部)を飾った。白石誉輝(スポ3=神奈川・深沢)は同レースで早大勢が前に並んでいる光景を見て「早稲田は選手層が厚いと改めて感じたと同時に、厳しいレギュラー争いに勝たなくてはいけない」と言葉を漏らした。白石・青柳健佑(法3=早稲田佐賀)組も最終レースでは1位を奪うなど、結果的には113ポイントの大勝となった。

 来週に控える関東秋季学生選手権(秋インカレ)に向けて、勢いづく結果となった今大会。倉橋が「勝ちたいという気持ちがとても強い」と称する後輩らの活躍も見られた。この勝利を、秋インカレ、そして全日本学生選手権(全日本インカレ)につなげられるか。ますますの成長に期待がかかる。

※掲載が遅くなり申し訳ございません。

(記事 宮島真白)

結果

▽470級
倉橋/高田·松山組 1-7-2-4-2-1-2-2 21pts
飯田/金子組 6-5-5-5-1-12-5-1 40pts
青山/吉野·藤倉組 5-15-15-7-5-4-4-5 60pts
藤村/吉本組 15-8-16-13-9-15-13-16 105pts
早稲田大学 116pts 1位
▽スナイプ級
服部/河﨑組 1-4-1-7-1-1-2-5 22pts
大久保/根本組 7-6-2-4-3-5-22-13 62pts
白石/青柳組 9-1-4-12-6-4-3-1 40pts
桔川/鶴岡·大野組 RET-7-6-5-4-3-11-14 81pts
河田/中尾組 20-18-9-10-25-28-24-27 161pts
早稲田大学 113pts 1位
▽総合
早稲田大学 229pts 1位

コメント

470級スキッパー 倉橋直暉(スポ4=福岡・中村学園三陽)

――大会全体を振り返って

部員全員がいない中勝てたことは、現地の部員はもちろんのこと、国体に参加していた部員のモチベーションアップにも繋がったと思います。秋インカレに向けてとても良い大会になったと思います。

――意識していたライバルやチームはあるか

特にありません。意識しすぎては空回りすると考えていました。謙虚な姿勢を大切にし、自分たちのやるべきことをただやるという気持ちで臨みました。

――1日目終了時点で3位でしたが、470全体でどのような話をしたか

一度気持ちを切り替えて明日も戦おうという話をしました。今の470チームは一度失敗するとそれを引きずる傾向があります。そうならないように、その日の反省を振り返り、2日目はどのようなレースをしていくのかを明確にさせました。

――印象に残っているレースは

2日目の第1レースです。470チームに限られてしまいますが、出場艇の全艇がシングルでフィニッシュしました。内容も素晴らしく、初日のミーティングが大変生かされた瞬間でした。私自身、とてもうれしかったです。

――個人、チームそれぞれで良かったところは

個人として良かったところは堅いレースができたことです。ヨットレースはいかに順位を安定させられるかが重要です。そのために、順位を確定させるコース取りが必要ですが、今大会ではうまくできていました。チームで良かったところは挑戦する姿勢があったことです。これまで同じようなミスを繰り返す艇が多かったですが、今大会では改善しようと行動に移せていました。結果はどうあれ、大きな前進だと思います。

――反対に課題となるところは

個人の課題はレース終盤での爪の甘さです。レース後半は順位をキープすることがとても重要です。しかし、後ろの船を見ずに帆走していたことが多々あり、抜かれてしまうことがありました。この点は気をつけなければなりません。チーム課題はスタート成功率の低さと外に行きすぎるコース展開です。スタートは艇数が多くなり、プレッシャーのかかる場面になると普段できていることができなくなってしまいます。コース展開では全体の動きを見ていない時間が多く、早稲田の船は必要以上に外に出していることが多かったです。

――後輩の活躍に対しては

ただ「うれしい」の一言です。昨年度の4年生が引退し、競技力はかなり落ちました。とても不安でしたが、冬からこれまでの練習へのモチベーションの高さが今の結果に繋がっているのだと思います。後輩たちは勝ちたいという気持ちがとても強いです。来年はより成長してくれると確信しています。

――最後に、今後への意気込みをお願いします

まずは秋インカレで勝つこと。そして勢いをつけ、最高の状態で琵琶湖に乗り込み、全日本インカレ総合優勝を果たします。初めて部活に参加させていただいた日を鮮明に覚えていますが、その日から今までで取り組んできたこと、学んだことを振り返り、4年間の全てをぶつけたいと思います。

スナイプ級スキッパー 服部陸太(スポ2=神奈川・鎌倉学園)

――大会全体を振り返って

今大会は秋インカレ、全日本インカレに向けてのいい力試しになったかと思います。フリートレベルは劣りますが、関東の強豪校と安定した風の中、手合わせができて良い経験となりました。内容は反省点がいくつか上がりましたが、全日本インカレまでの残りの1カ月でなんとか修正して臨めるよう、残り少ない練習に励んでいきたいと思います。

――意識していたライバルやチームはあるか

他大学のエースはもちろん、同じチームの選手は良きライバルだと思います。直前の個人選(全日本学生個人選手権)では優勝争いをし、共にレベルアップできた気がしています。普段からも本気でぶつかり合って「相互研鑽」が実現できていると感じています。

――個人選を終えてからどのような練習をしてきたか

特に特別な練習をした覚えはありません。しかしペアが変わり、艇の変更もあったため、新しいものに迅速になれることが必要でした。海上練習以外に、整備には一番時間と労力を費やした1カ月になりました。まだ不完全ではありますが、まだまだ突き詰めていきたいです。

――印象に残っているレースは

印象に残っているレースは、2日目の第6レースです。前半他大学のエース艇に大きく差を離されましたが、最後の最後で得意のダウンウィンドで追い抜きトップフィニッシュを決めました。諦めないことの大切さを改めて実感し、同時に自信につながりました。

――良かったところと見つかった課題をそれぞれ教えてください

良かったところは、ペア・艇共に変更がありましたが、自分の長所が潰れなかったことです。僕の長所であるダウンウィンドはペア体重によって感覚が大きく変わってくると僕は思います。実際に変化は感じましたが、他大学に対してまだアドバンテージがあったことはとても良かったです。見つかった課題としては、リスクの大きい判断をしてしまった部分が多々あったことです。ケースが起きかねない場面であったり、大きく順位を落としてしまったりと、一旦冷静になって考える必要があるとペアで反省しました。

――河﨑さんと乗ってみていかがですか

インカレで勝って、「日本一のペア」と評価される二人となるために練習に励みます。

――最後に、今後への意気込みをお願いします

あと1ヶ月弱、今ある課題を日々克服し、チームの代表として全日本インカレで勝ちます。

スナイプ級スキッパー 白石誉輝(スポ3=神奈川・深沢)

――大会全体を振り返って

今レガッタを振り返ると非常に不安定な風の中でレースが行われ、コースの組み立てが難しいレガッタでした。個人の目標としては全レースをシングルで終えることだったのですがそれを果たすことができなくて悔しいですが、8レースを消化し一つ一つ学びがあったため、全日本インカレに向けて最大限の努力をして上達していきたいです。

――印象に残っているレースは

最も印象に残っているレースは6レース目です。理由は下マークを10番で回航したのですが自分以外の早稲田3艇が前にずらっと並んでいたからです。この光景を見て早稲田は選手層が厚いと改めて感じたと同時に、厳しいレギュラー争いに勝たなくてはいけないと感じました。

――最終レースを振り返って

最終レースではトップでフィニッシュをすることができたため非常にうれしかったです。今レガッタで最終レースが最も琵琶湖(今年度インカレの会場)のコンディションに似ていたように感じます。本番に向けて良い成功体験ができました。

――今後への意気込みをお願いします

インカレ優勝するために最後の最後まで成長し続ける気持ちで全力で取り組んでいきたいです。