女子インカレ 日大に届かず悔しさの残る2位

ヨット

 3年ぶりの開催となった関東学生ヨット春季選手権大会女子レース。470級に2艇、スナイプ級に1艇が出場し、早大からは計3艇が出艇した。1日目の3レースが終わった時点で470級はそれぞれ首位と5位、スナイプ級は2位につけた。総合優勝を目指す早大は、4ポイント差ある日大を追う。迎えた2日目、悪天候の中3レースが行われた。計6レースを終え、470級は2位と5位という結果に。スナイプ級は最終レースでついにトップでフィニッシュするも合計では1日目と変わらず2位となった。総合18ポイント、首位・日大とは6ポイント差の2位で、女子レースは幕を閉じた。

 470級に出場したのは飯田澪(スポ2=山口・光)・高田澪(社2=エルジンパークセカンダリースクール・カナダ)組と青山知央(スポ1=神奈川・鎌倉)・吉野満衣(政経3=ユナイテッドワールドカレッジ・アメリカ)組の2組。前3レースで1位、1位、2位と好成績を残した飯田・高田組であったが、最終レースでまさかの転覆。飯田も「焦っていつも通りのことができていなかった」と悔しさをにじませた。ルーキーと3年生の2人でペアを組んだ青山・吉野組も第5レースでリタイアをするも、その他は安定感のあるレースづくりで総合5位となった。

悪天候の中レースに挑んだ飯田・高田組

 一方のスナイプ級に出場したのは松尾華(スポ4=広島修道大鈴峯女)・鶴岡由梨奈主将(社4=東京・立教女学院)組。1日目は3レース全てで日大に首位を譲るというまさかの結果となった。2日目に入っても日大の強さは健在。5レースを終えて、全レースで首位をキープした。しかし、松尾が「ほぼ意地でした」と語る執念の最終レース。松尾・鶴岡組が念願の1位フィニッシュ。合計では6ポイント差ついたものの、最後は素晴らしい結果で今大会を終えた。

1年時からペアを組む松尾・鶴岡組

 男女混合で行われることの多いヨット競技であるが、年に数回だけ今大会のような女子レースが開催される。次は全日本学生女子選手権。舞台が全国へと広がり、より強さが求められるようになるだろう。しかし、それよりも先に選手たちが見据えるのはすぐ来週に迫った春季選手権大会決勝、通称春インカレ。そしてチーム全員が目標としている総合3連覇がかかった全日本インカレだ。今の早大が誇るベストメンバーで挑んでいく。勝利に向かって、気合は十分だ。

男子部員も応援に駆けつけた

(記事 宮島真白、写真 宮島真白、足立優大氏)

結果

▽470級
飯田・高田組 7pts 2位
青山・吉野組 26pts 5位
▽スナイプ級
松尾・鶴岡組 11pts 2位
▽総合
早大 10pts 2位

コメント

鶴岡由梨奈主将(社4=東京・立教女学院)

――今日のレースを振り返っていかがですか

 今回のレガッタを通しては、最初から質の高いレースをすることの重要性を感じました。自分たちは最後に納得のいくレースができたのですが、1日目、特に1上までで順位を上げられず、苦しい展開でレースをすることが多かったです。今回は日大さんに力負けしたというのが率直な感想ですね。

――チーム全体としての出来はどのように感じられていますか

 470級の飯田・高田組には本当に助けられましたし、特に下級生のパワーを肌で感じたレースでした。上級生の私たちがむしろ不甲斐なかったので、次は結果を残し、トップを走り続けられるように頑張りたいと思います。

――松尾選手とのコンビネーションはいかがですか

 女子レースでは1年生から(松尾)華と組ませてもらっているので、コミュニケーションや動作の面でも乗りやすいですね。コンビネーションに関しても良好だと感じています。

――昨日と今日でメンタル面の変化はありましたか

 昨日は初戦ということで自分たちのレースをすることが課題だったのですが、2日目はライバルが絞られていたので、チームとして日大に勝つというところに焦点を当てていました。また、個人的には昨日は初戦ということで少し緊張していたのですが、今日はリラックスして自分たちのレースができたと思います。

――2日間を通して海上のコンディションはいかがでしたか

 2日間とも(風が)吹くレースでタフなコンディションではありました。ただ、いつも男子と練習している分、ボートスピードでは優位性があったので、そこは女子レースでも強みになったと思います。

――現在のスナイプチームの雰囲気を教えてください

 主力を張っていた2人のスキッパーが抜け、今年は戦力が劣ると危惧されていたのですが、下級生のやる気がすごく、下の学年がチームの雰囲気を引き上げてくれています。加えて、今年からは行動原則の1つである相互研鑽をチームで徹底することとして掲げています。各学年でお互いに学び合うというところを意識的に行っているので、そこは470チームを含めて徹底できているのではないかと感じています。

――鶴岡選手自身も意識の変化というものはありますか

 自分自身が未経験から競技を始めたので、いかに経験のあるスキッパーから学ぶかというところは意識しています。また、下級生のクルーからも日々刺激を受けることが多いので、これからもチーム内で成長環境を生み出していきたいと思っています。

――チームとしては総合3連覇がかかったシーズンとなります。個人として抱負などがあれば教えてください

 自分がというよりは、いかにチームを3連覇に導けるかということを常に考えていて、一人一人の強みを最大限に発揮できる環境をつくることが自分の役割だと思っています。みんなの力を結集させて、個の力を引き出しながらチームとして優勝をつかみ取りたいと思っています。

松尾華(スポ4=広島修道大鈴峯女)

――今日のレースを振り返って

悔しいなというのが一番あります。日大に完敗でした。最後のレースだけトップでフィニッシュできたのですが、ほぼ意地でした。最後だけはいい結果で終われたなと思います。

――クルーとのコンビネーションはいかがでしたか

ずっと2人でお互いに話しながら乗っていて、こうしたいああしたいというのも全部伝えていました。1年生から一緒にいる分コンビネーションはすごく良かったんじゃないかなと思います。

――最高学年になりましたが気持ちの変化はありますか

責任感というのはあります。後輩が頑張っている分、自分たちも頑張らないとなという思いが去年より強くなりました。

――今日はレースが始まるまでに時間がありましたが、いかがでした

とにかく緊張しないようにリラックスして頑張ろうと思っていました。みんながいてくれたので、話しながらのんびり待っていました。天気も悪く、どうなるのかとそわそわもしていたのですが、なるようになるでしょという感じでいました。

――実際に海に出てみていかがでしたか

いつも吹かない風が吹いているなと思いました。あまり(今回のような)風向で風が吹くことは珍しかったので、思ったより吹いてるなと思って出ていきました。

――昨日と比べていかがでしたか

海風な分、波の立ち方が違ったりはしましたね。

――今年の抱負は

チーム全員で全日本インカレで優勝することが一番の目標です。それを目指して日々練習を頑張っていきたいな思います。

――今後への意気込みは

選手として頑張ることももちろんなのですが、最上級生としてチームを引っ張る立場として、みんなを鼓舞していきながら頑張れるといいなと思います。

飯田澪(スポ2=山口・光)

――今日のレースを振り返って

今日は風速のアップダウンが大きくて、それにしっかり対応することができませんでした。スピードの面で相手に勝つことができなかったので、そこが敗因かなと思います。最後沈して負けてしまったので、悔しいです。けれど、収穫はたくさんあったレースかなと思います。

――収穫というのは

クローズのスピードに関してはしっかりとセールセットができれば負けることなくしっかり走っていけることが分かりました。ランニングの滑りで相手に負けていたのでそこは課題かなと思います。

――クルーとのコンビネーションは

クルーとは全然一緒にやれていませんでした。前日練習で久しぶりに乗ったという感じだったので、コンビネーションの面ではあまり良くなかったのかもしれません。けれど、同期なのでコミュニケーションをとってレースすることはできました。

――今まで470を引っ張っていた4年生が抜けましたが、意識の変化はありますか

自分が走ることによってチームが勝ちに近づくというのは自覚しているつもりです。自分が一手でも前に少しでも成長できるようにという思いです。

――チームの雰囲気は

昨年までは追われる立場という感じだったと思うのですが、今は追う立場として全体でボトムアップしていくという雰囲気で練習しています。

――レース開始まで時間がありましたが、メンタル的にはいかがでしたか

メンタルが弱いなと感じました。すごく焦って、それこそ最後のレースでもいつも通りのことができていなくて沈してしまいました。もっと落ち着いて全てのことに取り組めるようにしていかないといけないなと思いました。

――悪天候でしたが、コンディションはいかがでしたか

昨日は風が北だったのですが、今日は南でした。南への対応が課題なのかなと思いました。

――来週のレースへの意気込みは

自分は3番手で、自分が一手でも前に走ることがチームの勝利に直結してくると思います。クルーは変わりますが、早稲田の勝利に貢献できる走りができればなと思います。