【連載】全日本インカレ直前特集『Make the “Second” Legend』 第4回 市川夏未×中島捷人×永松瀬羅

ヨット

 秋のシーズン、ようやく調子を取り戻した早大ヨット部にあって、その好調ぶりを支えたのは470級の躍進だ。全国屈指の選手層を持ち、全日本学生選手権(全日本インカレ)でもクラス別優勝の大本命と目される。そんな470級を引っ張る4年生の三人、市川夏未(社4=埼玉・早大本庄)、中島捷人(スポ4=神奈川・逗子開成)、永松瀬羅(スポ4=大分・別府青山)は、全日本インカレに向けて何を思うのか。

※この取材は10月14日に行われたものです。

「オラオラバチバチしてる(笑)」(永松瀬)

終始笑顔で話す永松瀬

――最近はどんな練習をされていますか

中島 先週は早慶戦だったから、基本的には早慶戦(早慶定期戦)のための、4艇対4艇のマッチレースの練習をしていて、後は(全日本)インカレ(全日本学生選手権)を想定して、レース形式の練習をしています。

永松瀬 あとは風の傾向とかを、470チーム全体で動きを見たりとか、海面の状況とマッチングさせて、どの海面に行っても、傾向を予測できるように練習をしています。

――470チームの仕上がりは

永松瀬 春はもう・・・ね(笑)。結構やばかったんですけど、いま六大学戦(秋季六大学定期戦)や早慶戦が終わって思うのは、(全日本)インカレへの優勝に近づいているということです。

中島 結構岡田(奎樹、スポ3=佐賀・唐津西)が中心に引っ張ってくれて、岡田の技術を盗んでというか、岡田がジュニアワールド(470級ジュニア世界選手権)とかで学んできたものを、結構自分達も吸収して、全体的なレベルが上がってきたなと思います。

――チーム全体の雰囲気は

中島 (全日本)インカレも近づいてきているので、まとまってきたというか、目標まで1カ月を切ったので、そこに向けて一丸となってきてるんじゃないかと思います。

――三人共に最終学年ですが、今の心境は

永松瀬 すごく緊張しています(笑)。普段私はレースでそんなに緊張しないタイプなんですけど、今までにないような緊張が、自分の中で高まっているなとは、最近よく思います。

市川  自分は、緊張感も高まってはいるんですけど、ここまで、特に4年になってからの1年間は早くて、毎レース課題を持って取り組んで、それが終わっていくのがすごく早くて・・・。緊張しているなと感じる間もないほど早く過ぎ去っちゃう感じです。

中島 4年生になって、運営もしなくちゃいけないし、選手としても活動しているんですけど。自分は渉外という役職になって、OBOGであったり、外の方々だったりの支えがあることに、4年生になって気づいたので、そういう方々のために、勝つことで恩返しができると思うので、なんとしてでも勝ちたいと思います。

――ことしの470チームはどんな雰囲気ですか

永松瀬 例年と少し違って、練習は奎樹(岡田)を筆頭に、奎樹の技術を盗んで、どんどん前を走れるように、残りの3艇が必死に頑張っている状態で、そこで切磋琢磨(せっさたくま)できる環境であるし、女子の多いチームっていう環境がなくて、そこがいつもと違うけど、女子力はそんな高くない(笑)。

中島 女子(スキッパー)が3艇なので、キャピキャピしてるのかなと思いきや、わりとオラオラしてる(笑)。

永松瀬 オラオラバチバチしてる(笑)。それもすごく良い雰囲気なのかなと思います。

「『ポイフル』は必須ですね(笑)」(中島)

渉外担当の中島は、外部の人への感謝を絶やさない

――皆さんプライベートで仲がいい方は誰ですか

中島 同期仲良いよね。遊びにいくしね。

永松瀬 捷人(中島)と、授業一緒に取ったりとかしてて、ゼミも一緒なので、その帰りにカラオケ行ったりとか、ご飯よく行ったりとかもするし、一緒によく行動はするね。なっちゃん(市川)とご飯行ったりもするね。

市川 やっぱりキャンパスが違うと、全然会わなくて。

中島 学校のときは全然会わないもんね。あ、でも中目黒に一緒に行ったか。

市川 中目黒行った(笑)。

――何をしに行かれたんですか

中島 デート?(笑)。

永松瀬、市川 (笑)。

市川 私の保護者みたいな感じで、私の行きたい所に、付き添いで連れて行っただけっていう。

 なっちゃん(市川)が好きなモデルの、服のフリーマーケット?に行ったけど、そのモデルが女子だから、人並んでるんですけど、ほぼ女子で(笑)。男子2、3人しかいない中並んで超肩身狭いっていう。

市川 写真をその人と撮れるってなって、3人で撮るっていう(笑)。

中島 「どうぞ!」みたいな感じで言われてね、懐かしいな。

――他に仲がいい方は

永松瀬 同期以外って言ったら、私は美紗樹(田中美紗樹、スポ1=大阪・関大第一)とペアを組んで半年くらい経つので、美紗樹と整備終わりにご飯行ったりとか、ショッピングモール行ったりとか。

中島 それで言ったら俺も元津(志緒、スポ2=長崎工)と組んでるから、船の整備終わった後ご飯行ったりとか。あとは清原(駿、創理4=東京・早大学院)かな。

市川 最近川上(健太、創理3=東京・早大学院)が、(合宿所)の女子部屋の前で、スペースがないから寝てるんですけど、消灯前になると「夏未さん!夏未さん!」ってずっとうるさくて(笑)。私が忙しいのに、「ちょっとここ座って!」って言ってきて、ほんとにウザい(笑)。

永松瀬 ウザいんだね(笑)。

市川 一方的なので。「はー、座るかー」と思いながら(笑)。

永松瀬 私は須賀(偉大、教3=大阪・高槻)と絡むことが多いかも。かわいいペットみたいな(笑)。一緒にじゃれるみたいな(笑)。

中島 それだったら入江(裕太、スポ1=神奈川・逗子開成)だな。

永松瀬 入江かわいいよな~。

中島 いやいや!入江はまじでウザいから(笑)。

永松瀬 ウザいんだ!(笑)

中島 中高一緒なんですけど、逗子開成のつながりがあることをいいことに、なめてるので(笑)。平川(竜也主将、スポ4=神奈川・逗子開成)のこともなめてる。

――皆さん平日は何をされてますか

市川 結構単位がギリなので、真面目に学校に行ってます。ゼミは行ってるんですけど。

永松瀬 ゼミは先生に好かれてるから大丈夫(笑)。

中島 俺は嫌われてるんだよな(笑)。

永松瀬 同じ分だけ休んでるはずなのに捷人だけ単位がもらえない(笑)。なのに私はAが来るみたいな(笑)。

中島 元津も同じゼミに行ったんだけど、この前ゼミに行ったら「中島は全然ゼミに来ない」って言ってたらしくて、同じ分休んでるはずなのに。あれ、結局何だっけ質問?(笑)

――平日は何をされてますか

中島 平日っていうか、今まで(夏合宿で)平日がなかったからな。

永松瀬 夏合宿の間のオフは、家から出たくなかったよね。溜まったドラマを見るとか。

中島 4年になってオフの使い方が変わってきましたね。仕事ができたので、オフの日は溜まった仕事をやって潰れて、「あーあ」ってなってます。

――趣味などはありますか

永松瀬 今は寒いからやらないけど、自分の家が航空公園の近くなので、そこに音楽を聴きながら散歩しに行くっていうのが日常だったかもしれません。

中島 散歩はたまにします。趣味っていうか、こういう生活をしていると、10時半消灯の6時半起床のリズムができちゃって、オフめっちゃ寝てやろうと思っても、朝早く起きちゃって。早く起きて、二度寝する感じでもないと思ってブラブラしたりはしてます。あとは音楽を聴きながら仕事したりとかですね。

――勉強の方はいかがですか

永松瀬 まあまあ、それなりに(笑)。

市川 一応、卒業予定だからね、全員。

永松瀬 それ以上はノーコメントで(笑)。

中島 あまり掘り下げない方がいい。

――頭がいいのは誰ですか

永松瀬 頭がいいのは、捷人じゃないの?

中島 まあ一般受験っていうだけ。でも補欠合格なので(笑)。

――永松礼(スポ3=大分・別府青山)さんが成績がいいと伺いましたが

永松瀬 今期でしっかりと単位を取れば、来年はほとんど行かなくてていいみたいな。私と違う(笑)。

――いまどんな勉強をされてますか

永松瀬 スポ科(スポーツ科学部)なので、スポーツと関連する授業が多いんですけど、いまスポーツで感じるストレスとかを、どういう風に解消するかとか、逆に競技力が上がるようにするにはどうするかっていうのを習っていて、結構興味深くて楽しいです。

市川 まだ授業1回しか出られていないので、合宿が明けて。行って、面白かったなっていうのは、アメリカの・・・またこういう話すると書かれるやつでしょ(笑)。

中島 そういうキャラでいこう。知的キャラ(笑)。

市川 (笑)。アメリカの政治と、日本の政治を比べて、っていう話を、おおまかには知っていたんですけど、先生がその違いから日米の戦争がなぜ開戦されてしまったのか、っていう話まで、日本とアメリカの歴史を学ぶ授業で、インターネットとかで言われてることと、実は全く違う歴史があったということを学べる授業なので、面白いなと。

中島 秀才キャラでいこう!

市川 授業は、まじで友達が一人もいなくて、先生の話を聞くか、落書きを書いてしまったりと、それくらいです。意外と授業はちゃんと聞いてます。友達がいない分ね(笑)。

中島 僕は学校の勉強はあまりしていないんですけど、一応就職が決まったので、就職にあたって英語のスキルなども求められているので、英語の勉強を最近はしています。あとは資格の勉強とか。

――皆さん同士、お互いのイメージは。まず市川さんからお願いします

永松瀬 なっちゃんのイメージ、全女(全日本学生女子選手権、市川が大会運営委員長を務めた)になると忙しそう(笑)。いつも「アハッ」って笑ってるイメージあるな。

中島 黒が似合うよね。

市川 それきのうの服装の話じゃん!

永松瀬 イメージ・・・。一緒に居過ぎて逆に浮かばないやつ(笑)。でもとことん追究するタイプなのかなと思います。分からないことをしっかり聞いて、次の練習につなげようとしてるところをよく見るので。頑固?私もそうなんだけど、きょねん一緒に乗ってて、自分達の考えてることが違うと衝突が(笑)。なかなか解消されないみたいな。自分が合ってるって思うことを突き通そうとするのは、芯が固いんじゃないかと思いますね。

中島 意外と陸ではほんわかしてるって一面もあったりする。

――永松さんの印象は

市川 瀬羅は、おもしろいこととかを聞いて、ツボにはまって、ずっと笑ってる。自分でも笑うけど、それが周りに伝わっていく。

中島 おもしろいことを見つけて笑ってるイメージがある。

永松瀬 ツイッターとかで、おもしろ動画とかを見ると、ひとりで笑っちゃって、ストレス解消法にもなるので合宿中にもやってました。

市川 消灯の2、3分前に、横になって携帯見ながらずっと笑ってる。「そんなにおもしろいかー」って思う(笑)。

永松瀬 本当は周りにも見せたいんだけど、誰も構ってくれない(笑)。一人で笑っててくださいみたいな。

市川 おもしろいことを共有しようというか、自然とそうなってる。

中島 基本的に笑ってるよね。

――中島さんのイメージはいかがですか

永松瀬 捷人のイメージは、『優しい』がやっぱり浮かぶ。一緒にいて、言ってることとかも、やってることとかも、優しさがあって、居心地がいい!一緒に居て。(中島を見て)ムカつくその顔(笑)。自分も素直にいられる。

市川 たぶん女子からして、どの学年からでも話しやすい人間性を持ってるのかなっていう印象はあります。

永松瀬 男子も女子も、後輩も、恐らく先輩も、同期も、話しやすいから、何か相談があるときは捷人に自然と寄ってっているようなイメージはあるかな。

中島 でも相談が来ても誰かにお願いするね(笑)。「こういう相談があったよー」って。

市川 女子とのコミュニケーションが上手いよね。

中島 まあそれには理由があって、1年からずっと女子と組んでるからっていうところはある。

永松瀬 なかなかないよね。

市川 女子スキッパーと仲良くなる秘けつは、『ポイフル』を餌付けすることでしょ?(笑)。

中島 『ポイフル』は必須ですね(笑)。

永松瀬 持ってない日がないよね。

中島 何かしらお菓子を持って行ってあげると、雰囲気が良くなります。

――4年生の学年のイメージは

中島 4年になって思ったのは、3年までに結構仲良くなったので、言いたいことはしっかり言えるのかなと。そこで変に気遣うこともなく、きついことも言えるなって。仕事とか運営に厳しく言っても、仲は良いのかな、ギクシャクするってことはないのかな。

市川誰かと誰かがずっと仲悪いってことはないよね。

永松瀬 個性的かな?どうなんだろ。

市川 いやそうでもないよ。普通の人がそろってる。

永松瀬 個性的なのは1個下かな。(4年生の代は)普通過ぎてつまらない(笑)。他の学年に比べると普通過ぎてつまらないと思う。接しにくいってことはないんじゃないかなと思うけど。

「5年間、6年間の集大成」(市川)

小さい頃からワセダのヨット部を志していた市川にとって、最後の全日本インカレはまさに集大成を見せる場だ

――インカレへの思いは

中島 さっきも言ったんですけど、いままで支えてくれた方々がいらっしゃるので、それに恩返しをする意味で、まずは絶対に総合優勝をしたいと思います。

市川 自分は、中学生の頃にワセダのヨット部に入りたいと思って、自分でやりながら、大学でもヨット続けて、総合優勝とりたいなと思って(ヨット部の)門をたたいたので、4年間の集大成と言うよりは、5年間、6年間の集大成なので、絶対勝ちたいと思います。

永松瀬 私も、大学でヨット続けるってなったときに、一番にワセダに名前が出てきて、スポーツ推薦で入れなくても、自己推薦で入ることができて、そこからさまざまなことがあって、いまここでレギュラーとして出させてもらえることとか、1年生の美紗樹と組んでるんですけど、組んでですごく楽しいし、そういう環境をつくってくれている後輩であったり、OBOGさんであったり、監督とかコーチとかであったりにすごく感謝していて、そういう人たちのために、目標はもちろん総合優勝なんですけど、そこで(感謝を)表せたらいいなと思います。

――秋になって好調の470チームですが、その要因は

市川 岡田がいないレースもあって、普段の練習もそうなんですけど、女子スキッパーで切磋琢磨(せっさたくま)できている状況が、すごく成長につながっていると思っていて、それぞれの艇が、レギュラーとして全日本インカレで貢献できるような力を持てるように、毎レース毎レース努力して取り組んでいることが、少しずつですが成長につながって、最近結果が出ているのかなと、自分は思います

中島 僕はやっぱり岡田の影響が大きいと思っていて、学生トップクラスの選手ですし、ジュニアワールドでも優勝して、実力があるので、目標とする人物がしっかりとしている。僕らは岡田に追いついて追い越せるように取り組めば、学生の中で順位は必ず上がってきますし、僕らだけで解決しない課題も、岡田が答えを持っていたりするので、ここまでレベルが上がった一番大きい原因は、岡田の存在があるかなと思います。

――市川さんはことしどの大会でも安定した順位を取っていますが、その要因は

市川 安定してないかな・・・。

永松瀬 いやでも外から見て安定して思えるってことは、安定してるんじゃない。ひとつひとつのレースを見ると安定してなくても、順位としては安定してるんじゃない?

市川 まだ課題にしていることでもあるんですけど、大きな大会になると、1レース目と、最後のレースで順位が安定しないことがあるなと、自分では思っていて、それは意識しいて、レースの入り方だったり、最終レースに入るときに、ルーティンをしっかりこなすだったりとかを意識しているので、改善されているときもあれば、まだそれが完璧じゃなくて、順位を落としたときに、そこまで這い上がってこられないという課題もあるので、きょねんよりは、客観的に安定している部分はあると思うんですけど、まだまだそこが課題です。

――中島さんは、元津さんとのペアが最近好調で、岡田さんとペアを組む試合もありましたが、自分の調子についてはどうお考えですか

中島 調子が良いっていうか、この夏でレギュラーを目標にしてやってきて、その前の春イン(関東学生春季選手権)や、五大学戦(春季五大学定期戦)では、他の3艇に比べて順位がついてこなかったこともあったので、レギュラーをなんとしてでも取りたいと思ってこの夏やってきました。秋イン(関東学生選手権)だったり、六大学戦(六大学定期戦)だったりとやってきたんですけど、詰めの甘い部分やちょっとした部分で順位を崩してしまうということがまだあるので、できていたことはもちろんあるんですけど、そういった部分で他3艇に劣ってしまっている部分があるのがすごく悔しいです。

――永松さんは1年生と田中さんと組んで、何か変えていったことはありますか

永松瀬 変えていったこと・・・。まあ常に艇の上での雰囲気は良くて、ぎくしゃくするってことは一度もない。それは、悪い順位を取った時も、次のレースで持ち直すことができる要因なのかなと思います。あとは、レース中も練習中も、常に話すようにしてます。周りの状況とか、どんなコースで行くとか。どんな話でもいいので常に話すようにしています。それで最近は順位も安定してきて、ミスをできるだけ最小限に抑えられるようになってきたのかなとは思います。

――早慶定期戦後のインタビューで、田中さんは「瀬羅さんに頼りっぱなし」とおっしゃっていましたが、頼られているなと感じることは

永松瀬 頼られてるなって思うことはあるし、自分自身も美紗樹に頼っている部分はあるので、お互い信頼し合えてる仲ではあるのかなって思います。だからこそいろんなコミュニケーションが取れて、どっちがいいかという判断もできていいんじゃないかなと思っています。

――全日本インカレが開催される愛知県の蒲郡では、強風が予想されます

永松瀬 正直、私のペアは強風が不安要素で、自分自身が体重もなくて身長もなくて、自分達の艇も体力がないっていうのもあって、練習でも強風はチーム内の他の3艇に比べて遅くて、そこが私たちの中では不安なところではあります。

中島 ケイオーのような学校とは、この前の六大学戦や早慶定期戦で、そこまで強風じゃない中で戦ったので、勝てはしたんですけど、吹いてくると分からない、ケイオーがもっと走ってくるかもしれないですし、関西学院大や同志社大というのは、強風でも走ってくると思うので、そんな中で自分達が蒲郡で戦うという中で、あと1カ月くらい、強風をターゲットにしてやらなきゃいけないなと感じています。

市川 全日本個選(全日本学生個人選手権)で、結構強風で、前日練習から強風が吹いていて、その中でも同志社大が3艇全てが安定させて前を走っているところであったり、その他にも走っている大学が多くて、そういう大学は微風域でも安定して3艇まとめています。これから残り少ない時間で自分達の足りない部分を詰めていかなきゃいけないっていうのはそうなんですけど、互角か、強風以外の風域のときに、他の大学の前を走れるかっていうのが重要じゃないかなと思います。強風が予想されるんですけど、分からないです、微風が吹くかもしれないので。強風を自分達が苦手としているということもあるんですけど、微風域でまずしっかり前を走ることが重要だと思っています。

――最後に、全日本インカレへの意気込みを一言でお願いします

中島 僕らの艇はレギュラーじゃないんですけど、いつでも試合に出られるような気持ちで準備をして、かつサポートではしっかり選手を支えられるようにしたいと思います。あと、自分達が4年生として運営をしてきて、正直上手い運営をしたという自覚がなくて、そういう面で3年生など下級生に支えられたなという思いがすごくあって、それであったり、さっきも言った周りからの支援にしっかり応えることであったりのために、(全日本)インカレで勝てるための最大限の努力をして、優勝したいなと思います。

市川 全部言われたな(笑)。蒲郡の地で、過去にもワセダは3連覇を成し遂げたことがあって、自分もそれを見て憧れを抱いて、ワセダに入れて、また同じ場所で2回目の3連覇に挑戦できるということはすごく光栄に思っています。自分の兄もワセダのヨット部にいたこともあり、多くの先輩方が(全日本)インカレで、勝てたこともあったんですけど、例えば自分たちが1年生のときは負けてしまったということもありました。そういう先輩方が今でも応援してくださっているので、必ず同じ地で3連覇を成し遂げて、4年間自分達がお世話になったワセダに恩返しをするつもりで頑張ります。

永松瀬 全部言われちゃったので(笑)。まず、3連覇を目指せる環境がいま私達にあるということがすごく貴重で、いま3連覇をすれば、いままで支えてくれて、頼りない4年生に必死についてきてくれた後輩達に、4連覇、5連覇、6連覇というチャンスをつくっていけるので、感謝の気持ちを持って、優勝して、後輩たちにつなげていきたいという思いもありますし、いままで応援して、支えて下さったOBOGの方だったり、保護者の方々であったり、監督コーチ陣であったりにも、感謝の気持ちを優勝というかたちで表わせたらと思います。

――ありがとうございました!

(取材・編集 喜田村廉人、菖蒲貴司)

470級の4年生三人、最後の舞台に臨みます!

◆市川夏未(いちかわ・なつみ)(※写真左)

1994年(平6)9月13日生まれ。身長154センチ。埼玉・早大本庄出身。社会科学部4年。470級スキッパー。勉強熱心な市川選手。秀才キャラとして、ことしも興味深い授業について話してくれました。色紙には、昨年の全日本インカレで、470級が2点差で優勝を逃した悔しさをしたためて『二点』と書いてくれました!ことしはその『二点』を削り出す活躍に期待です。

◆中島捷人(なかしま・かつと)(※写真右)

1994年(平6)5月30日生まれ。身長176センチ、体重64キロ。神奈川・逗子開成高出身。スポーツ科学部4年。470級クルー。部内一の優しさを持つ中島選手。当新聞会に対しても、渉外として良くして頂いております!色紙には、その渉外業務から、支えられていると実感した方々への感謝を示すため、『恩返し』と記してくれました。

◆永松瀬羅(ながまつ・せら)(※写真中央)

1994年(平6)6月3日生まれ。身長167センチ。大分・別府青山高出身。スポーツ科学部4年。470級クルー。よく笑う姿が印象的な永松選手。就寝前にSNSを見てよく一人で笑っているとの話をよく聞きます。色紙には『繋ぐ』。3連覇の夢を、さらに4連覇、5連覇に『繋ぐ』という思いをしたためてくれました!