最終回は、DF務台慎太郎主将(スポ4=北海道・駒大苫小牧)を含む、長野県出身対談。務台主将とFW平林慶太(スポ2=北海道・釧路江南)、FW共田野安(国教1=カナダ・ジョージエリオットセカンダリースクール)は共に「やまびこバスターズ」の卒業生。長野トークを交えながら、今季全体、関東大学リーグ戦(秋リーグ)の振り返り、そして日本学生氷上競技選手権(インカレ)への思いを語る。
――右隣の人の他己紹介をお願いします
共田 平林慶太君。スポーツ科学部2年生。プレーの特徴は、僕から見ると、すごくハードワーカーだと思います。いつでも頑張って、シュートをどこからでも打つので。昔から一緒にやっていて、すごくプレーしやすいスタイルです。性格の特徴は、静かなところもあるんですけど、いっぱい話すといろいろ相談にも乗ってくれたりして。すごく優しい先輩です。
平林 務台慎太郎さん。スポーツ科学部4年生です。プレーの特徴は、小学生の時に一緒にプレーしてて、その時からスケーティングが誰よりも上手で。早稲田の中でも、スケーティングが一番上手だと思っていて。そのスケーティングを生かして、ディフェンスだったり、攻撃だったり、積極的に参加していて、ずっとチームに貢献してくれる選手だと思っています。
務台 (満足した表情)
平林 普段の性格は、練習は、ストイックで真面目だっていう印象が強いです。でも、食事の時とか、オフの時は結構ふざけてるところも多くて。自分の部屋に来て、剛さんと仲良くしてるのを見ると、結構ギャップがあって微笑ましいと思っています(笑)。
務台 国際教養学部の1年生、9月入学の共田野安です。プレーの特徴はチームに合流した夏から、どの局面に対しても、献身的にプレーできる選手です。「ハードワーク」っていうのがすごく似合うなって思います。でも、それ以外にもちゃんとルックアップして、視野の広い選手だと思いますし、センターとして、パス出しもできる。プレーの選択、やれることの幅が広い選手だなって思います。
共田 ありがとうございます。
務台 性格は、僕の野安の最後の記憶は小学校ぐらいだったので、その時とそんなに変わらないんだけど、すごく大人になったなっていう感じがあるかな。かっこよくなっちゃって、スマートな感じなんですけど、コミュニケーション能力も高いし。あと、慣れない日本語を操りながら、頑張って敬語を使おうとしているのが愛くるしいなって思います。
――では、せっかくなので長野に関することをしたいと思います。紙を配るので、長野の形を書いてください
務台 いいっすね! 新しいですね。
共田 絵とかマジで苦手なんですけど。調べていいですか?
――ダメです(笑)
務台 むずいな、縦長だよね? たしか。こんな感じじゃない?
平林 え、うまい!
共田 うまい! 僕やばいっす。
長野県。左から、務台作、平林作、共田作
――正解を見てみましょう
共田 たぶん務台さんが一番近い。
務台 長野愛強いから!
――長野のどのあたりですか
共田 諏訪のエリア、諏訪湖の周りに岡谷、下諏訪、諏訪ってあって。務台さんと僕は一緒で、下諏訪で同じ小学校通ってて、慶太くんは岡谷です。
平林 岡谷です。小学校も。
務台 で、自分は今引っ越して、岡谷に家があるので。
共田 岡谷なんですか!
務台 だから、近いです。
共田 10分くらいです。
――理想のクリスマスの過ごし方は
務台 野安は海外に行ったからかどうかわかんないけど、毎年俺らはクリスマスに試合があるから、普通のクリスマスが過ごせなくて。もし普通にプライベートでクリスマスを過ごせるならどうする?っていう。
共田 僕には去年のクリスマスはホッケーがなかったので。普通に家族と祝って、そこから友達と夜中ずっと遊びに行く、みたいな。
務台 海外のクリスマスと日本はやっぱり違うよね?
共田 あ、全然違います。日本ってKFCですよね?
務台 あ、食べるもの(笑)?
共田 何?って。 ケンタッキー?
務台 海外は何食べるところが多いの?
共田 Turkey食べるところが多いですね。Turkeyって日本語でなんだ。
平林 七面鳥。
務台 食べるんじゃない? 日本でも。
平林 1回俺見たことあるんだよね。野安の家の。小学生の時。こんなでっかい。すごかったっす。「これが本場のか…!」って。
共田 クリスマスツリーも絶対出して。
務台 サンタさんは? 来る?
共田 ちっちゃい子にはちゃんと来ます。
務台 なるほどね。
共田 慶太くんは飲みでしょ?
平林 飲み(笑)?
平林 自分も1人は嫌なんで、まあ、家族とか、友達とかとワイワイ。お喋りでもしながら過ごしたいな。
務台 外に出ず家の中?
平林 そうですね、人混みがとか得意じゃないので。
務台 彼女とじゃなく?
平林 彼女は当分いいかなって。
務台 自分は、イルミネーションを見に行ったり、スケートしたり。
共田 スケートなんですね。
務台 (娯楽として)スケートしたことある?
共田 外リンクの、いい感じのところで? したいです。
務台 したいよな!
共田 デートでしたいです。
務台 デートでスケートするのもやってみたいし、家で一緒に料理して、ホームパーティーみたいなのも。アウトドアもインドアも、どっちもやってみたいです。
――部内で付き合いたい人は
務台 誰が人気なんですか。
――今年は、務台選手は「無難だよね」って、避けられていることが多いです。殿堂入り、ともいわれていました
務台 あー(照)。
――共田選手が人気です
共田 えー!
務台 いや、多いんじゃない。
共田 なんかうれしい! …うれしい、でいいのかな?
務台 毎年消去法になるんだよね。
共田 風汰さんと付き合ってみるの、面白そうかなって。
務台 付き合って「みる」のはね。楽しいよね。
共田 絶対面白そう(笑)。
平林 僕は恵祐(DF、沼田、文2=青森・八戸)で。
共田 なんで恵祐さん!?
務台 あんなにいじられてるのに? いいの? 恵祐で。
平林 やっぱよくないか。いい感じのお腹がいいのと、性格は結構サバサバしてるんで、自分には合ってる気がします。
務台 (自分は)意外と剛みたいな人じゃないですか。
共田 え(笑)!
務台 何考えてるか分かんない感じが、落としに行きたくなるんじゃないですか。
共田 務台さんはそういう女子が好きなんですか?
務台 …そうだね(笑)。
――今年1年間、昨年に比べた意識の変化はありましたか
務台 4年目ということで、最後の年になって。去年までだったら、例えばチームが勝ったとしても、自分のプレーが悪かったら、それはちょっとあんまり納得のいく試合にはならなかったり、逆に自分のプレーの内容が良かったら、試合に負てもどこかで「収穫あったな」って思うようなこともありました。ですが、今年は4年目になって、キャプテンをやらせてもらってから、とにかくチームが勝つことを最優先に。自分のプレーもそうですけど、試合前のメンタルコントロールも。自分のことより、とにかくチームの勝利を優先するようなメンタリティーになったかなって。そこが大きく変わりました。
平林 自分は、去年はあんまり出場機会がなくて。今年の夏合宿あたりから試合で使ってもらえるようになりました。早稲田の一員として貢献できるように、自分が何ができるかっていうのをとにかく考えるようになって。去年の先輩方のビデオ見たりとかして、自分に何が足りないのかとか。自分が気持ちいいプレーだけやってたら、絶対に勝てないし、早稲田がやろうとしてるホッケーに合っていかないので。とにかく自分のしたいことを少し押し殺しつつ、自分に何ができるのかっていうのを、考えるようになったと思います。
共田 僕的には、そんなに(長く)早稲田にいないんですけど、9月24日入学で、秋リーグにもそんなに参加できなくて。試合をやっている時には、悪いゲームがあったら、「次の試合でできる」って思ってたんですけど、試合が棄権になったりして、6ゲームで終わってしまって。本当に早かったんですよね。だから、そういう面でも、1試合1試合を大切にしていくっていう意識が自分の中でできました。練習試合をやっていても、しっかり1試合1試合を大事に、ちゃんと自分がしたいプレーをして、勝てるように。インカレに向けてそういった意識を持つようになれたと思います。
チームでやっているっていう雰囲気がすごく気に入っています(共田)
神々しく照らされる共田
――カナダでプレーしていた高校の時とかと比べてどうですか
務台 それ聞いてみたい。
共田 最後にやってたリーグは、ジュニアリーグで、ジュニアリーグになると、プレーが悪ければ、いつカットされてもおかしくないっていう世界。チームメイト全員と競い合ってるみたいな感じなんですよね。その分自分のプレーをもっと主張します。早稲田に来てから、チームの中で自分の役割があって、自分がもっとうまくプレーできるか、っていうより、ラインのみんなで話し合って、どうしたら一番いいのかとかちゃんと話せて。競い合ってるというより、チームでやっているっていう雰囲気が出ていて、そこはすごく気に入っています。
――秋リーグで印象に残った試合はどの試合ですか
共田 僕は9月24日の中央戦(9月24日、△5-5)です。初ゲームで初ゴールが決められたので、そこが一番印象深いです。
平林 自分は2回目の法政戦(11月3日、●3-5)。1回目逆転負けをして、みんなでどうするかって話し合って、「セーフティーにやろう」って、あれだけ言った中で、また同じかたちで負けちゃったので。相当悔しい気持ちがあったので、印象に残っています。
務台 僕は初戦の日大戦(9月4日、◯4-2)かな。4年目、ラストの秋リーグ、なおかつ落とせない初戦っていうので、迎える姿勢や気持ちが去年と全く変わって。こんなにも緊張感のあるリーグ戦の一試合って、初めてだなって思いました。なんとか勝ち星をつけられたっていう点でも印象に残っています。
――もうすぐ引退だなと実感する気持ちはありますか
務台 意外と、夏合宿終わってから駆け足でここまで来ちゃったので。そこはあんまりないですけど、インカレの初戦を迎えたら、じわじわくるのかなと思います。
――個人として、課題はどこにありますか
務台 コーチ陣からよく指摘されるんですが、流れが悪い時に(パックを)持ち過ぎてしまうんです。「自分がどうにかしよう」と思って、裏面に出て(パックを)持ち過ぎてしまう、っていうのが、この秋リーグの期間にもあったし。そういう時こそ、シンプルなプレーを心がけて。自分のプレーは(チームに)影響が出る、みんなのお手本でなければいけないので、選択の悪いプレーをしてしまうのはよくないと思うので。流れの悪い時こそ、シンプルなプレーを心掛ける、っていうのがインカレでの課題かなって思います。
平林 自分は疲れてきたり、焦ってきたりすると、基本のプレーがおろそかになる場面があるので、パスレシーブ、一対一、体当たること、そういう基本的なことは、毎回コーチ陣から言われて、自分でもわかっていることなので。それを毎シフト続けていくことが、インカレでの課題だと思います。
共田 僕は悪い流れになってしまうと、自分も悪い雰囲気になっちゃって、ちょっと声が出なくなったり、考え過ぎちゃったりすることがあって。ちゃんと声出しもして、チームの雰囲気を変えられる、そういう選手になれるように頑張りたいと思います。
流れの悪い時間を徐々に少なくしていけている(務台)
後輩に優しく語りかける務台主将
――今のチームの状況は、どう受け止めてますか
務台 他のチームより、秋リーグ終わるのが早かったので、インカレに向けた練習ができる期間が長かった分、昨日の練習試合(12月13日、対法大、◯7-0打ち切り)もそうですし、関西遠征もそうですけど、すごく内容のいいゲームができていると思います。流れの悪い時間を徐々に少なくしていけているのかなって思うので、残り(練習試合が)2戦。今日(12月14日)と明後日にあるので、自分たちのシンプルで早稲田らしいホッケーができる時間を、もっともっと伸ばしていければなと思います。
――インカレの注目選手を1人選ぶとしたら、誰を選びますか
務台 自分って言ってもいいんだよ。
共田 いや、それは…。僕は金井真さん(FW、スポ3=北海道・苫小牧東)が注目選手だと思います。流れが悪い時でもすごく声出しをしてくれて。逆転されて、すごく雰囲気悪かった試合の時に、「おい、決めに行くぞ。絶対勝つぞ」って言って点決めてきて。すごく尊敬したんですよね。
平林 自分は林幹汰(FW、文2=東京・早実)ですね。秋リーグも一緒のセットだった時があったんですけど、僕が見てる感じ、自分の思うようにいってない場面が結構あったのかなって。それでも腐らずに声を出して練習しているとこ見ると、インカレで爆発してくるんじゃないかなと思います。はい、期待してます。
務台 僕は、林風汰(FW教4=東京・早実)かな。このインカレ前のシーズンで、やっと試合に出られるようなセットに定着できたので。昨日(の練習試合)もしっかり結果を残してますし、関西遠征でもすごくいいプレーが多かったので。やっとあいつがやってきたことが報われ出したのかなって思います。チームの流れが悪い時に、風汰のプレーで(チームを)いい方向に持っていけるような選手だと思ってるので。そういうところも期待しています。
4年生と絶対優勝したい(平林)
笑顔で語る平林
――最後に、インカレに向けたアピールポイントと意気込みをお願いします
務台 泣いても笑っても最後の公式戦。自分のアピールできるポイントは…。そんなにスキルが高いわけでもないし、これといって技が多いわけじゃなくて、自分の売りはハードワークすることとか、運動量にあるのかなって。全試合、そこを一貫して続けて、守りでも攻めでもチームに貢献できるようなプレーをして行きたいと思います。意気込みは、これまでの秋リーグで、自分たちの一番の敵は相手チームより、自分たち自身なのかなって。難しい局面になった時に、どういうようなプレーをするか。流れが悪くなった時とか、苦しい局面で自分たちのプレーを続ける。そこが一番のポイントかなって思います。一戦一戦を大事にして、自分たちのホッケーを貫いていけば、必ず勝ち進んでいくことができるって思っているので、自分たちに負けないで戦っていきたいと思います。
平林 自分もこれといった武器はあんまりないですけど、積極的にシュートを打ち続けたり、スケートを止めずに空いているゾーンに走ってパスコース作ったり。そういう基本に忠実なプレーを続けることを続けて、流れを作ることが自分の持ち味だと思っています。インカレでは、それを100%かそれ以上で続けて、チームに貢献したいです。最後、4年生と絶対優勝したいっていう思いが強いので、一戦一戦、大事に戦っていきたいと思います。
共田 アピールポイントと言っても、技術面ではそんなにないです。僕は真さん(金井)と幹汰くん(林)と一緒のラインが多いので。僕たちのラインは本当にハードワークでフォアチェックでパック取って、思いっきりやって決める、っていうラインなので、そういうところを生かしたいです。どんな流れになってもとにかくハードワーク。そういうラインとしてやっていきたいので、そこがアピールポイントですね。意気込みは、「絶対勝ちます!」 4年生と一緒にプレーできるのは最後なので、何がなんでも、悔いのないよう全部を出し切って、勝ってきます!
――ありがとうございました!
(取材・編集 田島璃子)
「SMILE WHILE YOU STILL HAVE TEETH」(アイスホッケープレーヤーは衝突により歯が折れることがよくあるため)
◆務台慎太郎(むたい・しんたろう)(※写真左)
2000(平12)年4月20日生まれ。173センチ。北海道・駒大苫小牧高出身。スポーツ科学部4年。DF。厚い人望でチームをまとめる務台選手。後輩とも仲が良く、対談では同郷の共田選手に優しく声を掛け、答えを促す場面が多く見られました。さらに、直前に対談を行ったFW林幹汰選手(文2=東京・早実)からの「むたいしね!」という悪口書かれた色紙でさえも、大事に持って帰っていました。主将として迎えるインカレでは、チームメートからの期待と信頼をエネルギーに変え、攻守で活躍してほしいです!
◆平林慶太(ひらばやし・けいた)(※写真中央)
2002(平14)年4月5日生まれ。163センチ。北海道・釧路江南高出身。スポーツ科学部2年。FW。自身の良いところについて、「ちっちゃくて可愛いところ」と答えた平林選手。クリスマスには同部屋のDF松下剛選手(商3=東京・早実)と同じく、自分に合った枕が欲しいとのこと。部屋で「良い枕が欲しいよね」と話しているのでしょう!
◆共田野安(ともだ・のあ)
2003(平15)年7月13日生まれ。176センチ。カナダ・ジョージエリオットセカンダリースクール出身。国際教養学部1年。FW。入学早々活躍を見せ、チームをもり立てている共田選手。11月上旬に実施したアンケートの備考欄には「実は僕彼女募集中です」と書いており、そのキャラクターにも注目です!