【連載】インカレ直前特集『夜が明ける前に』 第7回 FW木綿宏太副将(スポ4=北海道・駒大苫小牧)✕DF金井和(文構4=東京・早実)✕FW田中裕人(スポ2=滋賀・光泉カトリック)

アイスホッケー

 第7回は、副将のFW木綿宏太(スポ4=北海道・駒大苫小牧)、4年生のDF金井和(文構4=東京・早実)、そしてFW木綿の対談でよく登場してきたFW田中の3人。4年生の息ぴったりの掛け合いと、独特な間合いのFW田中が織りなす空気感が魅力だ。関東大学リーグ戦(秋リーグ)の振り返りと、まもなく始まる日本学生氷上競技選手権(インカレ)について伺った。

――他己紹介をお願いします

木綿 裕人、俺、政治経済学部にしておいて。

田中 (苦笑)。

金井 早稲田大学スポーツ科学部、スポーツ科学科、2年の田中裕人(スポ2=滋賀・光泉カトリック)くん。ポジションはセンター(FW)で、プレーの特徴は周りが見えていて、パスがさばける、テクニカルなプレイヤーです。性格の特徴は、ザ真面目って感じですかね。

田中 スポーツ科学部、4年生の木綿宏太さんです。

木綿 スポ科だっけ?

田中 スポ科です。ポジションはセンター(FW)で、プレーの特徴は、パスがとにかくすごくて。あとは、全体的なスキルが高いので、見本になる選手です。性格は、温厚。いろんな人に話しかけてくれるし、いろいろ答えてくれるので、優しいと思っています。

木綿 (金井に)スポ科だっけ?

金井 スポ科じゃないです!

木綿 なんていうんだっけ?

金井 文化構想学部。

木綿 ブンカコウソウ学部っていうんだっけ?

金井 そうです。

木綿 文化構想学部4年の金井和くんです。ポジションはDFで、性格は毒舌。ブラックヤマトくんです。

金井 めちゃくちゃマイナスなこと言うじゃん…。

木綿 でも、後輩にすごく優しいです。同期も仲良くて、いっぱい話をするので、「お話が大好き」です。プレーの特徴は、一生懸命で、いいシュートを打つ、っていうのが一番の魅力だと思っているので、インカレでは早く初ゴールをしていただきたいなと思います。

――今年の25日、理想のクリスマスは

金井 25って…

木綿 もう決勝は終わった!

金井 大会期間なんで、僕個人としては同期とか、チームメートで過ごす時間の方が有意義だと思ってまいす。みんなたぶん、女の人と過ごしたいとか思って…

木綿 …女の人? 言い方。

金井 彼女とは限らないでしょ。

木綿 …えええ?

田中 (にこにこ)

金井 彼女とかと過ごしたいっていうやつらもいっぱいいるんですけど、個人的には同期とかチームメートと過ごした方が楽しいので。

田中 自分も、今年に関しては、インカレがあるので。優勝して、みんなでワイワイしているのが理想なのかな。

金井 さすがです。

――もしインカレがなかったら

田中 自分も彼女と過ごしてみたいなって。できたことないので。

木綿 俺、欲張るけど大丈夫?

金井 どうぞー。

木綿 25日でしょ。優勝します、ビールかけやります。それが終わった後、彼女に直行。

金井 チームといてから、彼女?

木綿 そうそう。チームと楽しんで、彼女。もうタクシーでも何でも使って。

金井 日をまたぐ前にそれをこなすのはすごい。

木綿 タクシーで、終電逃しても行く。で、クリスマスツリー見に行って。

金井 試合よりストイックやん。

木綿 次の日ボロボロだから。

――部内で付き合いたい人は

木綿 いないな。

金井 え、真面目にこの部活、

木綿 まあ俺ぐらいしか?

金井 (無視)自分が女性だったとしても、誰とも付き合いたくない。ずっと一緒にいるせいか、いろいろなことを知りすぎている気がします。

木綿 まあ、「強いて」挙げよう。

金井 強いて、か…。

木綿 まず同期から1人ずつ削っていけばいいんだよ。

金井 同期は、まず同部屋のやつ(FW林風汰、教4=東京・早実)はないだろう。お前(木綿)は…、いや、同期だったら、務台くん(DF、慎太郎主将、スポ4=北海道・駒大苫小牧)ですかね。

木綿 (自分をアピールする)

金井 ないだろ! 散々自分の素行の悪さをひけらかしておいて…

木綿 素行は悪くない! これはカットで!

金井 3年生だって、顔だけで言ったら鵬蓉(FW、大塚、スポ3=埼玉栄)だけど…。

木綿 「だけ」ね。

金井 それ以外はないですね。

木綿 あ、ブラックヤマトだ。

金井 いや、どう考えても無理だろ。務台と鵬蓉かな。

――その2人を選んだ理由は

金井 どっちも優しいし、真面目だから。

――田中選手は

田中 えー。

金井 同期からいこうよ。

木綿 また消去法か?

金井 2年生、くせ者ぞろい。

田中 同期だったら棚橋俊太(DF、スポ2=愛知・東海)。たぶん面白いかなって。他学年だと、鵬蓉とかは、あんまり干渉してこなさそうだから、すごしやすいかなって。

木綿 俺、決まってたよ。4年なし、3年なし、2年なしでしょ。野安(FW、共田、国教1=カナダ・ジョージエリオットセカンダリースクール)。シンプルに顔がかっこいい。

金井 面食いやん。

木綿 そう!

金井 英語喋れるし。

木綿 そう! 昨日、チラシ配りしてて。で、野安、女の子の友だちが来たんだよね。その女の子と英語で喋って、英語で返していて。みんなで「うわぁ、かっけー…!」って。

金井 格差が生まれた。

――秋リーグ、一番印象に残っている試合は

金井 1週目の、東洋戦(10月15日、●3-9)。試合があんまり良くなかったのもありますし、自分がペナルティーをしたせいで、5試合出られないっていうことになっちゃって。DF陣の方には迷惑をかけることになってしまったので。本当に、1個のプレーでそういうことになっちゃったことに関しては、少し後悔しています。結果的に、「自分がいたからどうなってたか」は分かんないんですけど、DFが5人で残りの試合を戦わなくちゃいけなくなってしまったので、最高学年である立場としては、あまり良くなかったのかなと思っています。

田中 自分は2試合棄権した後の法政戦(11月3日、●3-5)。決勝リーグに行けるか決まる最後のチャンス。その試合の重みがすごくあって、そこで負けてしまったっていうのが、自分はそこまでプレーのチャンスはなくて、見てる側としても悔しいと思ったので。

木綿 自分も裕人(田中)と一緒で、2試合目の法政戦(11月3日、●3-5)。勝たなくちゃいけない一戦だったんですけど、あれだけリードしている状態で(1巡目も含め)2試合とも逆転されているわけで。メンタル的にもきつかったですし、自分も何点か失点に絡んじゃったので、後悔というか、味の悪い試合で一番印象に残ってます。

プラスの声掛けをして、流れを断ち切る(田中)

落ち着いた口調の田中

――大会を通して見つかったチームとしての課題は

金井 まずいつもコーチ陣からも言われてるような、時間帯を考えたプレーが一番の課題だと思ってます。今、挙げてくれたくれた法政戦も、上から見る中で、ピリオドの最初で失点すると流れが悪くなったりとか、失点後とか得点後にすぐ流れが変わって、そのままズルズルいっちゃったりすることが試合で何回もあるので。1つ大きな課題を挙げるとするならば、その辺かなと。

田中 パスレシーブとか、その基本的なところ。あと、和さんが言ったように、流れが悪くなった時に、戻すのに時間がかかってしまったり、そこでズルズルいってしまったり、っていうのが多いと感じたので、プラスの声掛けをして、流れを断ち切るっていうのが大事になると思います。

木綿 2人が言いたいこと言ってくれたので、違うことで。「ここ点欲しいな」とか、「ここ流れ変えるプレーしてほしいな」っていうことができる選手が少ない。いない。そういった選手が何人か出てきてくれれば、もっと楽に勝てる試合になるんじゃないかなと思います。

チームを楽にしてあげれるようなプレーができればいい(木綿)

真剣に語るFW木綿

――個人のプレーとしては、どういった課題がありますか

金井 DFとして、秋リーグの前半戦、自分の出ていたシフトの失点数は絶対数えるようにしていて。全部で2点で。あんまり納得がいかないというか、ちょっと多いかなぐらいには思っています。でも、自分の一番の課題は、早稲田のホッケースタイル的には、全員で守って、全員で攻めるようなスタイルなので、DFとしては、弱気になって下がってしまうところが何回か。言われてから前に出る、っていうことが多かったので、勇気持って、強気に前に出て、前で潰して、FWに楽な位置でつないで攻めに転換する、っていうプレーが必要なのかなって思っています。

田中 自分はずっと「強いプレー」っていうのが課題です。そこに関しては、気持ちでカバーしていかなきゃいけないなって。あとは、自分の長所であるパスとか、ある程度落ち着いたプレーっていうのが、昨年に比べると、今年はちょっと質が落ちているので。チャンスも少ないっていうのがあって。なので、自分の長所をもうちょっと生かせないと(試合に)出られないので、パスとか、冷静なプレーをもう少し心がけて、集中してやっていきたいなと。

木綿 さっき、「『ここで点が欲しい』っていう時に取れる選手」がいないって言ったんですけど、自分がならなきゃいけないと思ってるので。どの試合も1試合1、2ポイントは絡んでるんですけど、「ここぞ」っていう時に決められなかったり、パスミスをしたり、そういうところが多かったので。インカレはそういうところでしっかり決めて、チームを楽にしてあげれるようなプレーができればいいなと思います。

――新しく入団した松浦駿コーチ(平24スポ卒=北海道・釧路工)はどのような方ですか

木綿 やりやすいよね。めちゃめちゃ。

金井 選手とのコミュニケーションを大切にしてくれていて。

木綿 風汰のこと、好きな感じがすごい伝わってくる(笑)。

金井 分かるよ。

木綿 風汰の指導多いもん。例年のコーチより若いので。

金井 親近感があるね。

木綿 堤さん(広利監督、平10人卒=東京・早実)も優しいので。いい雰囲気です。

金井 コミュニケーションが取りやすいから、結果的にチームの雰囲気とか、練習につながっているかなと。

――4年生のお二人は、引退が近づいてる実感はありますか

木綿 めちゃめちゃあるよ! 

金井 めちゃめちゃある。

木綿 だって、あと3時起き、1回だけでしょ。お前(田中)はあと2年と1回だけでしょ?

田中 (にこにこ)

金井 そうやって圧かけるなって。

木綿 来週にはもうほぼ、

金井 引退してるってことでしょ。

木綿 早いね。

金井 早すぎた。

木綿 あっという間だったね。

金井 マジで秒。

木綿 ついこの間、(昨年の)インカレで負けた後の飲み会やったのに。

このチームの同期と後輩とホッケーできることを誇りに思っています(金井)

穏やかな表情で話す金井

――インカレの注目プレーヤーを1人あげてください

金井 注目プレイヤーは、真(実弟、FW、金井、スポ3=北海道・苫小牧東)かな。理由としては、リーグ戦でも、チームの流れを変えるような得点やプレー、みんなを盛り上げるようなポジティブシンキング、常に誰かを鼓舞するようなことをするので。プレーでも、プレー外でもそういうことをするやつなんで。それがインカレでも、チームをいい方向に持っていってくれるんじゃないかなと思います。

田中 共田野安くん。とにかくガツガツしたプレーをするので、球際で負けないのが得点につながる、あと、昨日の試合(法政との練習試合、◯7-0、時間による打ち切り)でも最初の2得点してて、チャンスがあれば決定力があると思うので、勝つために点を決める、っていう部分で大事になってくる人かなと。

木綿 千葉琉矢(GK、スポ3=北海道・武修館)で。夏と秋、一番悔しい思いしてるのはあいつだと思うので、(ケガで)何もできなかった分、インカレでは爆発してもらって、全試合無失点でいってもらえればいいなと思います。

――最後に、インカレに向けて、アピールポイントと意気込みをお願いします

金井 さっき課題にもあげたような、強気に前出ることや、早稲田のホッケーとしてハードにやるっていうことを意識して、守りでチームに貢献したいです。意気込みとしては、4年生はこれが最後の大会になるので、このチームの同期と後輩とホッケーできることを誇りに思っていますし、時間も残り少ないので、ワンプレーワンプレーに全力を注ぐだけだと思います。

田中 アピールポイントは、チャンスを演出したいので、そこです。意気込みはやっぱり4年生とできる最後の大会で、とてもお世話になってるので、自分含め、後輩は4年生を勝たせてあげるために、勝ってもらうために、全身全霊でやるしかないと思っています。チャンスがあった時には、しっかりと、絶対に気持ちで負けないプレーをしたいと思います。

木綿 アピールポイント…顔? 最後の大会は去年の悔しさもありますし、去年の4年生の分も頑張らなきゃいけないです。もちろん、得点に絡まなきゃいけないですけど、もっと、体を張ったプレーだったり、シュートブロックだったり。そういった、ちっちゃいことですけど、チームに貢献できるようなプレーをしっかりしていけたらいいなと思ってるんで、そこを見ていただけたらと思います!

――ありがとうございました!

(取材・編集 田島璃子 写真 荒井結月、田島璃子)

「優勝したら、彼女とクリスマス禁止な?」

 

◆木綿宏太(もめん・こうた)(※写真左)

2000(平12)年10月15日生まれ。178センチ。北海道・駒大苫小牧高出身。スポーツ科学部4年。FW。「彼女欲しいキャラ」の木綿選手。どの対談でも必ず「彼女欲しい」と言っていますが、今回も「もう決まっている、彼女」と断言していました。昨年の早慶戦直後、「彼女ができなかったら焼肉を奢る」とFW川本周平選手(スポ3=北海道・白樺学園)と約束したものの、進展はないそうです。そのぶれない姿勢で、インカレでもチームを勝利に導いてほしいです!

◆金井和(かない・やまと)(※写真中央)

2000(平12)年5月31日生まれ。176センチ。東京・早実高出身。文化構想学部4年。DF。ふざける部員をいつもにこにこと見守り、GK飯見拓未選手には(社1=東京・早実)「仏」と表現された金井選手。ですが、対談では「ブラックヤマト」が絶え間なく顔をのぞかせていました。弟のFW金井真選手(スポ3=北海道・苫小牧東)とは、お互いに「注目選手」として名前をあげており、温かい兄弟愛が感じられました。弟と一緒にプレーできる最後の公式戦、「特効の金井」がチームを力強く支えます!

◆田中裕人(たなか・ゆうと)

2001(平13)年8月27日生まれ。170センチ。滋賀・光泉カトリック高出身。スポーツ科学部2年。FW。淡々とした雰囲気が特徴的な田中選手。授業も冷静にこなしているかと思いきや、クリスマスに欲しいものは「単位」。「去年たくさん落としちゃったので」と答えていました。自身の良いところは「ヒゲの伸びが遅い」ことだそうです!