秋リーグ初戦は日大に勝利！　白星発進で上位を狙え／日大戦

　関東大学リーグ戦（秋リーグ）は、日大から逃げ切り、白星スタートとなった。ケガなどで万全なメンバーではない中、先制点は日大が獲得した。序盤はなかなか得点につながらなかったが、合宿を経て団結力を上げた早大は次第に調子を発揮。エンプティーゴールを含めた４得点を挙げ、勝利を飾った。

　春に開催された関東大学選手権（春大会）で正ＧＫを務めていたＧＫ千葉琉矢（スポ３＝北海道・武修館）がケガで欠場となり、秋リーグの早大を守るのは、ＧＫ飯見拓未（社１＝東京・早実）だ。春大会では途中出場はあったものの、フルタイムでの出場は今回が初となる。本人が「（緊張は）すごくありました」と語るように、その緊迫感は観客に伝わるほどだった。一方、日大にとっては大きなチャンスとも言えた。春大会の対戦では試合終盤の早大の２得点によって軍配はわずかに早大に上がった。虎視眈々（たんたん）と勝利を狙う日大に、早大はなんとしても勝つ必要があった。

　第１ピリオド、早大はパックを所有するものの、なかなか得点につながらない。そんな中、自陣ゴール付近で日大に取られたパックは飯見の左を通過し、ゴールへ。大きく沸く日大に対し流れをつかめず、シュート数は５－７。得点を返せないまま第１ピリオドを終えた。

　続く第２ピリオドは、徐々に得点のチャンスが増える。キルプレーの場面で日大が所持しそこなったパックをＤＦ務台慎太郎主将（スポ４＝北海道・駒大苫小牧）が拾った。それを見たＦＷ木綿宏太副将（スポ４＝北海道・駒大苫小牧）が駆け上がる。ＦＷ大塚鵬蓉（スポ３＝埼玉栄）からのアシストを受け、ＦＷ木綿がＧＫと１対１の場面を落ち着いて処理し、１－１に。さらに自陣でのフェースオフで、ＦＷ平林慶太（スポ２＝北海道・釧路江南）が獲得したパックをＦＷ川本周平（スポ３＝北海道・白樺学園）がワンタイムで叩き込み、あっという間に追い抜いた。キルプレーの場面も多かったが、長い攻撃を許さずに守りきり、試合は第３ピリオドへ。

チャンスを落ち着いて得点するＦＷ木綿

　わずかなリードで迎え、油断できない最終ピリオド。開始３分25秒、ここまで何度もゴール前にパックを運ぶも得点できずにいたＦＷ鎌田悠希副将（スポ３＝北海道・駒大苫小牧）が離れた場所からシュートを放ち、追加得点。しかし、残り時間５分46秒、ゴール裏のフェンスに跳ね返ったパックがＧＫ飯見の目の前の日大選手に渡り、１点を返される。１点差を逃げ切り、さらに得点を狙いたい。勝利を渇望する日大は６人攻撃を仕掛けるが、日大が所持していたパックをＦＷ清水朝陽（社１＝北海道・武修館）が奪った。ゴールキーパーのいないゴールにパックを流し、４点目。清水にとっては公式戦初得点となり、また早大の勝利を決定付ける１点となった。得点後にはリスペクトするＦＷ林幹汰（文２＝東京・早実）や、メンバーに入っている唯一の同期、ＧＫ飯見とその喜びを分かち合った。

笑顔で喜ぶ清水（左）と飯見

　新監督、コーチを迎え、初戦で無事勝ち点を獲得できた早大。ＧＫ飯見・ＦＷ清水の１年生やＦＷ平林の活躍、またベンチのＦＷ林風汰（教４＝東京・早実）からの熱い声かけが目立った。次戦は、その実力を確固たるものにしつつある、法大が相手だ。ここ最近の練習試合では法大にゲームの雰囲気を作られ、苦戦を強いられている。苦しい場面は互いを鼓舞し、泥くさく得点を重ねたいところだ。

（記事　田島璃子、写真　吉本朱里、水平櫻子）

コメント

堤広利監督（平10人卒＝東京・早実）

――４－２で勝利した、結果・数字をどのように受け止めていますか

　最後はエンプティーゴールがあったので、そこを差し引いたとしてかなりギリギリの試合でした。まずは勝ててよかったのかなというところです。

――ケガや体調が万全ではない選手も多く、難しいシーズン開幕戦になったと思いますが、試合前にはどのようなことを意識させましたか

　とにかくシンプルにプレーするように伝えました。リーグ初戦、そしてその第１ピリオドの立ち上がりが一番大事なので、そこで足を動かしてシンプルにプレーするようにと。

――監督という立場から試合を見て感じることはありますか

　ジュニアチームの指導の経験を長くしておりましたが、ベンチからの声の掛け方はプレーをしている時とは全然違いますので、一歩引いて、冷静に、広い視野で見ながら声を掛けるようにしています。

――久しぶりに関わる早大のチームに、懐かしさは感じますか

　そうですね、寮も含めて全てが懐かしかったですし、時が戻るような感じがします。

――夏合宿の収穫はいかがですか

　サマーカップ（大学交流苫小牧大会）が中止になってしまいましたが、かえって練習試合を多くできました。フィジカル、スキル面を含めて、良い仕上がりだと思っています。

――今後、早大をどのようなチームにしていきたいですか

　勝つだけではなく、早稲田としてのプレーに誇りを持って、クレバーでスマートなプレーをしてもらいたいと思っています。

ＤＦ務台慎太郎主将（スポ４＝北海道・駒大苫小牧）

――ケガなどで部員が万全ではない中の初戦でしたが、どのようなことを意識して試合に臨みましたか

　ＤＦを今日は５人で回したので、試合前からＦＷを結構低くまで入るということを共有していました。よく低い位置まで戻ってＤＦがつなげやすいところまで来てくれたので、今日はこのような結果になったかなと思います。

――試合前の声掛けをＧＫ飯見拓未（社１＝東京・早実）選手が担当されていましたね

　たぶんすごく緊張していたと思うんですけれども、元々気持ちのこもったプレーをする選手だと思うので、そういうところが良い方に出て、ああいう結果になったと思います。試合前も熱のこもった声掛けをしてくれたので、チームの士気も上がったかなと思います。

――試合の結果をどのように振りかえりますか

　日大は、夏の合宿で３試合やって、２勝１分けという結果でした試合前から勝ちにこだわってやっていたので、危ない時間もあったんですけれども、なんとか勝ち切れたということに今日は意味があるのではないかなと思います。

――次戦に向けての意気込みをお願いします

　法政は練習試合を２戦やって、ずっと負けていますし、力のあるチームだと思います。ここからまた１週間ありますし、今日の課題をまた修正して、良い状態で、選手もケガとかから復帰して、臨めたらなと思います。

ＧＫ飯見拓未（社１＝東京・早実）

――試合後には大きく安堵（あんど）する様子も見られました。試合を終えていかがですか

　初戦ということや、練習試合でも僅差の戦いで勝っていた相手ということもあり、緊張しました。また千葉さん（ＧＫ千葉琉矢、スポ３＝北海道・武修館）がケガをしてしまったので、そのバックアップで出るということになり重責を感じましたが、無事勝ててほっとしました。

――試合開始時の声掛けを担当していました

　まだ１年生なのでそんなに大それたことは言えませんが、少しでもモチベーションを上げて試合に臨めれば、と思い「自分が止める！」みたいなかっこいいことを言いました。でもいきなり決められてしまったので申し訳なかったです。

――緊張はありましたか

　すごくありました。第２ピリオドで一度無くなりましたが、第３ピリオドで残り５分の時に決められた時は一番緊張しました。

――清水選手の得点もありました

　朝陽（ＦＷ清水、社１＝北海道・武修館）はすごく上手でできる人、と知っていたので。春は公式戦でも得点もアシストもなかったのですが、今日は絶対やってくれるだろうと信じていました。なので、最後一番良い場面で決めてくれてうれしかったです。

――次戦に向けて、意気込みをお願いします

　自分の出来次第で試合が決まってくるので、千葉さんの分も背負って勝利に向けて貪欲に取り組みたいと思います。

ＦＷ清水朝陽（社１＝北海道・武修館）

――エンプティーゴールではありましたが、公式戦初得点おめでとうございます

　ありがとうございます。

――春も含め、ここまで何度も得点のチャンスがあった中、皆が待ち望んでいた得点だと思います

　素直にうれしいです。

――振り返っていかがですか

　結構厳しい試合になったので、決定的なゴールを決めることができてうれしかったです。また、拓未（ＧＫ飯見、社１＝東京・早実）が今日ＧＫで、勝つ試合になったので、良かったと思います。

――今後の意気込みをお願いします

　これからまだ試合がたくさんあると思うので、コンディションも含め、次の試合からも勝利に貢献できるように頑張りたいと思います。