関東大学選手権、上位4校で争われるリーグ戦の早大の初戦は中大との対戦となった。6点差で敗れた練習試合を踏まえ、善戦が期待されたが、結果は1-11と完敗。第1ピリオド(P)での連続2失点から相手の流れを断ち切れず、GKやセットの組み方を変える試みもあったが、あえなく敗戦した。
第1P、「1個ずつ積み上げて、終わったら60分がんばれたなという試合に」(内藤正樹監督、平3二文卒=北海道・釧路湖陵)という目標をもって入った早大は、序盤、両者譲らぬ攻防を見せる。しかし6分9秒、ペナルティによるキルプレーの場面、GK千葉琉矢(スポ3=北海道・武修館)が抑えたかに見えたパックはこぼれ、そのままゴールへ。中大に先制を許してしまった。得点を奪い返したい早大だが、わずかその27秒後に角度のないところからのシュートを決められ、一気に2点差に。第1Pはさらなる追加点は許さずしのいだが、苦しい状態で第2Pへと移った。
失点する早大
第2P、セットを組み換え、1セット目にFW林幹汰(文2=東京・早実)が、2セット目にFW平林慶太(スポ2=北海道・釧路江南)が、3セット目にFW林風汰(教4=東京・早実)とFW仲見颯太(スポ2=北海道・苫小牧東)が入った。しかし冒頭から流れは中大の手にあった。開始1分30秒、3分16秒と連続で失点し、点差は4点に広がってしまう。ここでGK飯見拓未(社1=東京・早実)が起用されるが、直後のキルプレーで失点。駆け上がったFW川本周平(スポ3=北海道・白樺学園)がスピードを生かして見事に1点を返すが、さらに中大が2点を重ね、スコアは1-7となった。
シュートを放つ川本
第3Pも中大の思うままに試合が展開する。途中、早大にパワープレーのチャンスがあったが、数的不利な中大が抜けて得点を重ねた。1-10と点差が開く中、さらに18分24秒、中大がダメ押しの追加点を決め、10点差のランニングタイムで試合は終了した。
運動量で圧倒され、満足のできる試合運びとはならなかった早大。次戦の相手は、優勝の大本命と言われていた東洋大を下した明大だ。試合後にDF務台慎太郎主将(スポ4=北海道・駒大苫小牧)は「この負けから何を学ぶのかを一人一人意識したい」と述べた。小さな成功を重ねながら、着実に成長し、勝利を目指していきたい。
ゴールを守る飯見
(記事 田島璃子、写真 田島璃子、遠藤香生、落合俊)
結果 | ||
---|---|---|
早大 | ピリオド | 中大 |
0(9) | 1st | 2(15) |
1(6) | 2nd | 5(19) |
0(9) | 3rd | 4(11) |
1(24) | 計 | 11(45) |
※( )内はシュート数
得点経過 | |||||
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チーム | 時間 | ゴール | アシスト1 | アシスト2 | PK/PP |
中大 | 06:09 | 鈴木 | 角丸 | 種市 | PK |
中大 | 06:36 | 小形 | - | - | - |
中大 | 21:30 | 鈴木 | 木村 | 種市 | - |
中大 | 23:16 | 畑山 | 横須賀 | - | - |
中大 | 24:05 | 大野 | 畑山 | - | PK |
早大 | 27:55 | 川本 | 沼田 | - | - |
中大 | 32:28 | 小原 | 荒木 | 角丸 | - |
中大 | 33:39 | 藤間 | 荒木 | 沼田 | - |
中大 | 50:12 | 大野 | 堤 | 権平 | - |
中大 | 53:19 | 角丸 | - | - | PP |
中大 | 55:50 | 荒木 | - | - | - |
中大 | 58:24 | 鈴木 | 種市 | 小原 | - |
※PKはキルプレー、PPはパワープレー、PSはペナルティショットを指す なお、PK/PPの表記は早大にとってPKに当たるかPPに当たるかを表記するものとする |
早大メンバー | |||||
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セット | DF | DF | FW | FW | FW |
1 | 務台 | 沼田 | 木綿 | 大塚 | 鎌田 |
2 | 棚橋 | 有賀 | 上山 | 田中 | 金井真 |
3 | 松下 | 金井和 | 林幹 | 清水 | 川本 |
4 | 林風 | 仲見 | 平林 | ||
GK千葉→飯見 |
コメント
内藤正樹監督(平3二文卒=北海道・釧路湖陵)
――練習試合を踏まえ、どのようなところを意識して試合に望むよう、選手に伝えましたか
まず、前回もそうでしたが、できる部分はある。ただ、60分できていない。残り全部いっぺんにできるわけじゃないので、小さな1シフト1シフト、1つずつ積み上げていって。駅伝と一緒で。次のセットを信じて、終わったら60分がんばれたなっていうような試合にしましょうと送り出しました。あと、反則しないように。
――試合を振り返ってみていかがですか。
前半5分、そこそこ良い入りができたましたが、結局反則から始まってしまって。4年生から反則するようじゃ良くないので。そこで点数を入れられてしまって、前回とやっていることが一緒だなと。立ち直りも遅かった。失点と失点の間は最低でも5分明けなければいけないのですが、1点目と2点目は1分経っていない。そうなっちゃうと、流れは持って行きたくても持ってこれないので。反則で点数を入れられたことと、1点目と2点目の間が極めて短いというところが、なかなか自分たちのペースに持っていけない試合になったのかなと思います。
――セットの組み方を変えていらっしゃいました
そうですね。ペースをつかむためには、いろんな変化をしなきゃいけないところもあるので。少ない人数ではありますが、セットを変えて、気分を変えてやるということで。
――GK飯見選手は初めての公式戦となりました
一生懸命頑張っていたと思います。入ったばかりで経験が少ないし、いきなりの出場だったので、戸惑ったところはあると思いますが。出来としては悪くなかったなと。まあ、投資ですね。
――次戦に向けて、まずすべきことはなんでしょうか
今日の試合の入りと一緒ですね。試合の入り自体は悪くなかったですけど、やっぱり反則からだとダメだね。反則しないこと。で、一生懸命運動することかな。運動量もこれでは足りないですね。もうちょっと運動して、相手のスピードについていけるように、短い期間ではありますけれども、立て直していきたいと思います。
DF務台慎太郎主将(スポ4=北海道・駒大苫小牧)
――今日の試合は何を目標に望みましたか
前回の練習試合の時にできていなかったフェイスオフの後のプレーと相手に攻められた時のマークの付き方を、これまでの練習でたくさんメニューに取り入れてきました。今日もそこを改善して試合に臨むことを意識していました。
――改善してきた部分に対する今日の評価は
ほとんどゼロに近いかたちで発揮できていなかったし、それ以外のプレーでも、ほぼ何もさせてもらえなかったかなという感じです。
――チーム内でうまくいかなかったことはありましたか
失点のケースも全て自分たちのミスからというのもあります。失点した後のプレーも本来はセーフティーでなければいけないのですが、「そこいっちゃだめでしょ」というプレーが多かったのが敗戦になった原因だと思います。
――チームとして、今後のリーグ戦をどのように戦っていきたいですか
今日の負けはみんなも重く受け止めると思います。終わってしまったことは仕方ないと思うので、この負けから何を学ぶのかということを一人一人意識して、明治戦までに少しずつ改善していきたいです。失点したとしても、その後のプレーをどれだけできるのかということの重要性が全員分かったと思います。メンタルもそうですし、失点した後のそういう部分を意識してやっていければと思います。