関東大学リーグ戦(リーグ戦)では惜しくも4位という結果で表彰台を逃してしまった早大。次の舞台は日本学生氷上競技選手権(インカレ)。今シーズン最後の公式戦となるこの大会に向けて練習に励むチームの様子を写真やインタビューとともにお伝えする。
※この取材は12月2日に行われたものです。
あたりが真っ暗な中、東伏見のスケートリンクからはパックを叩く音が聞こえる。午前4時から始まった早朝の練習メニューは、基礎的なことから試合の局面を想定して組まれたものもあり、普段から試合状況の意識づけを図っているという。キーパーのアップを含めたシュートの確認、2対2や3対3などの練習に取り組む中で、監督やコーチ陣も実際にリンクに乗りコミュニケーションをとりながら選手にアドバイスをしていく。この日はオフ明け数日ということもあり、真面目に取り組みつつホッケーを楽しもうという雰囲気で、時折リンクに笑い声が響いていた。
シュートを放つDF住友愛斗(教4=東京・早実)
内藤正樹監督(平3二文卒=北海道・釧路湖陵)と話すGK村上隼斗(スポ4=北海道・駒大苫小牧)
練習に励むDF大塚脩世(スポ4=長野・佐久長聖)
練習終了時に集まる選手
5時半に氷上での練習を終え、選手はリンクからウエイトルームへ移動する。選手自身が選曲した音楽をバックに、ホワイトボードに書かれたメニューを確認しながらそれぞれ数人のグループに分かれて汗を流す。氷上の真剣な様子とは違い、和気あいあいとした空気が部屋を包み仲の良さが伺えた。7時半に練習が終了し、朝ごはんの献立で盛り上がりながら、選手は寮へと帰っていった。
カメラを意識させられるDF務台慎太郎(スポ3=北海道・駒大苫小牧)と雰囲気を盛り上げるFW杉本華唯主将(スポ4=北海道・駒大苫小牧)
左からFW沼田恵祐(文1=青森・八戸)、DF棚橋俊太(スポ1=愛知・東海)、住友
仲良く会話をするFW林幹太(文構1=東京・早実)とFW大塚鵬蓉(スポ2=埼玉栄)
日向坂46の『キュン』を踊るFW北村瑞基(商4=東京・早実)
インタビューに答える杉本主将
リーグ戦での悔しさと「このチームなら上位校と戦える」という確信を心に刻みながら日々の練習に励む早大。インカレまでのカウントダウンはもう始まっている。
マネジャーさん対談
選手の活躍を支えるマネジャーさん4名にお話を伺いました!
――オフで疲れは取れましたか
一同 リフレッシュできました(笑)
――朝練の主な業務を教えてください
浅井 ドリンク作りやリンクの外に出たパック拾い、セットごとのビデオ撮影をしたりすることが氷上の仕事です。陸トレだとドリンク作りやメニューをS&Cコーチから伝えられるのでホワイトボードを使って選手に伝えます。軽い怪我だとアイシングを作るなど簡単な処置をしたりもします
仕事に取り組む様子
――早朝からの練習ですが、大変なことややりがいを感じることは何ですか
浅井 4年目で朝は慣れてきたんですけど、今選手これ欲しいんだろうなというのに言われる前に気づけるようになることが目標であり難しいところです。やりがいはそういうのがうまくはまった時であったり、私たちマネジャーは直接得点に絡むことはできず陰で支えることだけしかできないのですが、選手が活躍して試合で勝利してくれたりしたときには同じ喜びを分かち合えるので、そういうところが今まで続けてきて良かったなと思えるところです
杉林 朝苦手とかはないので、起きることに苦は感じてないんですけど、先輩を見てから行動するのではなく、これからは自分から行動を積極的にしていかないといけないので、気づきであったりを先輩からたくさん学べるように頑張っています。今は早慶戦の準備をしていて、選手やお客さんが楽しんでいただける場を少しずつ作り上げていって、ポスターなどひとつひとつ製作物ができていくのでやりがいを感じています
神谷 朝が得意なタイプではないので、最初は起きるのが大変だったんですけど、だんだん慣れてきて休日も朝起きるのが苦じゃなくなりました
村田 朝が早いし大変かなと思うんですけど、試合とかで選手が活躍していたら嬉しいし頑張ろうと思えます
――朝練の面白いエピソードなどありますか
村田 ウエイトのときに音楽流れているの、今日誰々っぽいなと思ったりすることありませんか
一同 たしかに(笑)
浅井 流す人の趣味によって変わることとか。今日はいつもの人じゃないんだって思う時もあります
陰でチームを支えている4名
――未来のマネジャーさんになる方に向けてメッセージをお願いします
浅井 やっぱり練習が早朝なので、最初はそこがネックになると思うんですけど、入ってしまえばすごく充実した学生生活を送れます。絶対後悔はしないと思うので、4年間マネジャーとして仕事を全うしてほしいなと思います
杉林 実際にマネジャーを経験して、ここでしかこのメンバーと関わることができなかったんだなと思うとこの時間はすごく貴重なものだと思います。ぜひここでしか触れられないスポーツとメンバーに出会って4年間充実させて欲しいなと思います
神谷 私は選手としてアイスホッケーをやっていて、そもそもアイスホッケーというスポーツ自体がゲーム展開も早くて面白いスポーツだと思うので、アイスホッケーというスポーツ自体にもっと親しんで関わって興味を持ってくれたら嬉しいです。その上でマネジャーはやりがいを感じることができます
村田 朝早い朝早いと言ってるんですけど、起きるのは大変ですが朝の時間だけで部活が終わるので、授業や友達と遊びに行ったり他のこともできます。もちろん部活は大切ですし充実していますが、部活以外のことも充実させることができる部活なのかなと思うので、一緒に頑張ることができたら嬉しいです
――ありがとうございました!
練習終了後コメント
内藤正樹監督(平3二文卒=北海道・釧路湖陵)
――リーグ戦が終わり、オフが明けて練習が再開しました。選手にはどのようなお声がけをされましたか
インカレに向けていい準備をしましょうということで。リーグ戦7試合ありました。試合進むにつれてプレーがそこそこできてきたのかなと。うちだけではなく他のチームもね。だいたい今回1回しかあたらなかったけれども、本当であれば2回と半分あるんですよ。もうちょっと試合したかったなというのが正直な気持ちです。せっかくいい感じで調子が上がってきたので、大会が終わってしまって残念です。いいところまできているので、優勝できなかったですけど、可能性はかなり感じているので、それをこの3週間でもう1段階あげていこうという話をしました
――基礎の部分が重要だということはリーグ戦の際のインタビューでもお話がありましたね
サッカーとかと原理は一緒でボールゲームはボールを持たないといけない。その瞬間ボールを持っている人間が試合を支配する。大袈裟で言えば命みたいなものです。そこはボールゲームの原則。これは今年だけなく毎年です
――そういった点を克服するために練習で工夫されていることはありますか
メニューに関してはコーチの方に任せてあります。試合の一部分切り取った形で試合の全体の中でも局面の状態を想定してメニューを組んでいます
――実際に監督もリンクに立って練習に参加されていましたね
できるだけ試合に近づけた練習をしないといけないので練習は練習、試合は試合ではなく、練習を試合が直結しないといけないので、試合に起こり得る場面を作り出して選手に意識づけています
――試合の結果によって、練習メニューの変更なども監督やコーチのご判断でしているのですか
われわれスタッフで話し合って、できなかったところをできるようにしないといけないので、すぐ上手くなるわけではないですが、そこは前の試合のここが良くなかったから今週はこういう練習をしましょうねという
――オフが明けて2日しか経っていませんが、チームの状況はいかがですか
リーグ戦が終わって、昨日から練習が始まり、東洋などは全日本選手権に出場していますが、うちは残念ながらそういうのがなかったので。肝になるのは準々決勝、法政とあたると思うのでそこを突破しないとなにもはじまらないです
――インカレまでにどのよう状態に仕上げていきたいですか
もちろん狙うは優勝しかない。うちだけではなくてラグビーも駅伝もみんな優勝目指して頑張っていますから。やはり基礎的な部分ですよね。野球でもキャッチボールできないと、ダブルプレーはできませんので
FW杉本華唯主将(スポ4=北海道・駒大苫小牧)
――オフが明けで数日しか経っていませんがチームの雰囲気はいかがですか
まだ2回しか練習していないというのもあって、オフ明けてまずは体を動かせるようにすることが目的なので、明日からセットも決まって、またインカレに向けてということで、チーム一丸となって固まってやっていければいいなと思います
――本日の練習メニューを教えてください
氷上練習はキーパーのアップも含めて選手それぞれがシュートの確認をやって、2対2、3対3、人数増やしてコミュニケーション取りながらやりました。普段はあまりやらないんですけど、目的は体をまず戻すことなので、みんながよりパック触って足を動かせる、かつホッケー久々やるので楽しくやろうというメニューが多かったです
――監督やコーチからどのようなお声がけがありましたか
やらなければいけないこと、パスやレシーブであったり、パックを守ること、シュートを枠に打つことなど楽しみながらもそこを意識してやってくれと言われました
――インカレまでにどのような状態に仕上げていきたいですか
リーグ戦は試合を重ねることによくなっていったというのは選手も感じていると思いますし、でもあと一歩詰めが甘かった、決めるべきところで点を入れれない、あと残り何分守らなきゃいけないところで守れないのは普段の練習から意識してやっていかないと試合だけで修正できる部分ではないので、最後の詰めというものを練習からやっていければいいなと思います
(記事 岡すなを、写真 杉原優人、田島璃子、宮島真白、落合俊)