東洋大に完敗 4位でリーグ戦を終えた

アイスホッケー

 関東大学リーグ戦特別大会(リーグ戦)最後の相手は強豪東洋大。第1ピリオド(P)先制点を許すが、その後早大が1点を返し、同点の状態で第2Pへ。しかし、相手はここまでリーグ戦全勝の強者。チャンスの場面でしっかりとゴールを決め、差を4点に広げられる。その後、1点をもぎ取ったが、最終Pでも相手の勢いは止まることなく2-7で試合は終了し、黒星で最終戦を終えた。

東洋大と張り合い同点で第1Pを終える

 第1P、開始2分で早大のペナルティーでPK(※2)の場面が訪れ、序盤からリンクに緊張が走る中、東洋大が先制点を決める。その直後、また数的に不利な状況になったが、ここではしっかりとパックを捉え、相手に得点を許さない。徐々に早大の調子も上向き、東洋大を相手にシュートを放つが惜しくも止められる。終盤、相手のペナルティーでPP(※1)となり、チャンスが訪れる。そしてこのP終了まで残り42秒。FW杉本華唯主将(スポ4=北海道・駒大苫小牧)のパスを受けたFW鎌田悠希(北海道・駒大苫小牧)が打ったシュートがネットを揺らし同点に追いつく。

この日2得点を挙げた鎌田

 1-1で始まった第2P。相手のパスを奪い、杉本主将が激しいシュートを打ったが阻止される。開始5分、東洋大のペナルティーで有利な状況となるが、ここでは点数に結びつけることができない。次は早大の反則で相手の好機を生み、ゴール前で弾いたパックを叩かれ得点を許す。その後もペナルティーが続き、人数が少ない中、FW木綿宏太(スポ3=北海道・駒大苫小牧)がシュートを放つなど攻めの姿勢を見せる。しかし、11分35秒。東洋大のシュートがゴーリーの肩をすり抜けて決まると、その直後さらにもう1点追加される。差を広げられる中、「いい位置に鎌田がいたので、パスを通して、決定機を物にできた事は良かったと思います」と試合後に語った杉本主将のアシストを受けた鎌田がこの日2得点目を挙げ、何とか1点を取り返す。

 3点を追いかける形で迎えた最終P。序盤にPPとなりチャンスをつかむが東洋大は人数が少ないとは思わせないプレーを見せる。この後、ペナルティーで相手に有利な状況を作ってしまうが、しっかりとチェックしながら得点を与えない。早大もゴール前までパスをつなぐがあと一歩のところで阻止されてしまう。しかし東洋大の流れを最後まで食い止めることができず試合終了のブザーが鳴り響き、2-7で敗北した。
 「反則から流れを相手に渡す形になってしまいました」と試合後に内藤正樹監督(平3二文卒=北海道・釧路湖陵)が言葉を残したように、ペナルティーにより相手に点数を与えてしまったことが悔やまれる内容となった。

表彰台に乗れなかったが収穫のある大会となった

 リーグ戦、優勝はすべての試合を制した東洋大。そしてこの後行われた試合で、明大を下し中大が準優勝。その明大は3位となり、それに続く4位という結果で早大のリーグ戦は幕を閉じた。
「自分たちのホッケーを全うすれば上位校にも力が通じる」(DF務台慎太郎、スポ3=北海道・駒大苫小牧)。表彰台に乗ることはできなかったがこの大会で得たものは大きい。このような確信をしっかりとプレーとして表すことができるのか。次の大会は12月後半に行われる日本学生氷上競技選手権(インカレ)。早大スケート部ホッケー部門の戦いは続く。

※1 ペナルティーによる退場で相手チームより人数が多く、数的有利な状態をパワープレーと呼ぶ。

※2 ペナルティーによる退場で相手チームより人数が少なく、数的不利な状態をキルプレーと呼ぶ。

(記事 岡すなを、写真 大貫潤太、田島璃子、前田篤宏)

※( )内はシュート数

結果
早大 ピリオド 東洋大
1(9) 1st 1(27)
1(14) 2nd 4(27)
0(11) 3rd 2(23)
2(34) 7(77)
得点経過
チーム 時間 ゴール アシスト1 アシスト2 PK/PP
東洋大 03:34 武部 大友 川岸 PK
早大 19:18 鎌田 杉本 務台 PP
東洋大 28:53 小堀 福田 石田 PK
東洋大 31:35 武部 佐藤 PK
東洋大 31:56 大久保 前田
東洋大 32:58 川岸 中島 木村 PK
早大 38:49 鎌田 杉本 PP
東洋大 55:44 武部 久米 小堀 PK
東洋大 56:27 中島 川岸 PK
※PKはキルプレー、PPはパワープレー、PSはペナルティショットを指す
 なお、PK/PPの表記は早大にとってPKに当たるかPPに当たるかを表記するものとする
早大メンバー
セット FW FW FW DF DF
鎌田 杉本 上山 務台 棚橋
林幹汰 木綿 大塚鵬蓉 大塚脩世 沼田
金井真 田中 北村 住友 有賀
川本 林風汰 金井和 松下
GK村上 B-GK千葉
コメント

内藤正樹監督(平3二文卒=北海道・釧路湖陵)

――今日の試合を振り返っていかがですか

完敗です。今の実力の差が出ました

――試合内容を振り返っていかがですか

序盤は何とかついていくことができましたが、反則から流れを相手に渡す形になってしまいました。失点はほぼPK、反則が多すぎましたね

――途中でGKを千葉選手に変更した意図をお聞かせください

試合の流れを変えるためです。野球でピッチャーを変えるのと似ていると思います

――リーグ戦全体を振り返っていかがですか

上位3校に挑戦するにあたり、前半4試合をきっちり勝ち切ることができました。そこは評価できます。ただ、優勝を口にするにはもっとハードワークしなければいけないことも分かりました。1つの1つのプレーの精度をもっと上げなければいけません

――ファンの皆様へメッセージをお願いいたします

全ての参加校、東京都連、観客の皆様のご協力のおかげで感染者を出すことなく大会を成立させることができました。まずは、大会に関わった全ての方に感謝申し上げます。残念ながら優勝はできませんでしたが、全く戦えないわけではないことも分かりました。これからの練習でもう一段階プレーの精度を上げてインカレに臨みたいと思います

FW杉本華唯主将(スポ4=北海道・駒大苫小牧)

――今日の試合を振り返っていかがですか

今日の試合は、全てPKでの失点だったのがとても悔やまれます。反則を最小限に抑えて同数で戦うことには申し分なかったので、反省点として改善していきたいです

――杉本選手のアシストで鎌田選手が2得点を挙げ、またこの2ゴール以外にも惜しいシュートがありました。得点シーンなどを振り返っていかがですか

いい位置に鎌田がいたので、パスを通して、決定機を物にできた事は良かったと思います

――7試合で優勝が決定するリーグ戦はこれまでとはまた違う緊張感があったと思います。チームの雰囲気などはいかがでしたか

試合を重ねるごとに各々の選手が役割を理解し、結果を残そうとして行く姿が見られました。春に比べて、チーム一丸となって、目標に向かって戦うことができたと思います

――リーグ戦全体を振り返っていかがですか

リーグを通して、チームが成長した事は確かです。苦しい試合もありましたが、全員で耐え切ることの難しさ、試合の流れの掴み方を理解できたと思います。しかし、結果で表すことができなかったことが、悔しいです。まだまだ成長していきたいと思います

――ファンの皆様へメッセージをお願いいたします

秋リーグ応援ありがとうございました。納得のいく順位ではありませんでしたが、ファンの皆様の応援はとても力になりました。これからも、僕たちは、優勝を目掛けて切磋琢磨していきますので、これからも応援の程よろしくお願いいたします

DF務台慎太郎(スポ3=北海道・駒大苫小牧)

――今日の試合を振り返っていかがですか

今日は東洋の優勝が決まっている中での試合でモチベーションの維持が難しいと思いましたが、みんな集中力を欠くことなく試合に挑めたと思います。ですが、ペナルティーが多くキルプレーでの失点が多かったため流れに乗れず失点してしまったことが敗因でした

――東洋大はかなりの勢いがありました。1点目のアシストも含め試合中はどのようなことを意識してプレーしていましたか

1点目の時のように自分にパックが来たらまずシュートを打つことを意識していました。枠は大きく外れてしまいましたが、結果的に得点につながったのでよかったです。また明治戦ではパックを持ちすぎてしまう局面が多くあったのでそこを改善して臨みました

――今回の大会で得たものはありますか

自分たちのホッケーを全うすれば上位校にも力が通じるということだと思います。
またセット関係なく点数が取れることも大きな収穫だと思います

――ファンの皆様へメッセージをお願いいたします

いつも応援ありがとうございます。不甲斐ない結果になってしまい申し訳ないです。
インカレこそ必ず結果を残します。これからも変わらないご声援をよろしくお願いします