早大アイスホッケー部は秩父宮杯関東大学アイスホッケー選手権大会の2回戦に姿を表した。相手は日体大。早大にとっては相性の良い相手であり、コンスタントに点を奪っていく。第1ピリオド(P)でルーキーのFW木綿宏太(スポ1=北海道・駒大苫小牧)が先制点を決めると、続く第2Pでも上級生が2ゴールを決める。最終Pこそ無得点だったもののリードを守りきり3―0で勝利。決勝リーグへの進出を決めた。
今シーズンの開幕戦となった日体大との一戦。早大は開始の合図とともに積極的に攻めていくと試合開始2分過ぎには相手選手のペナルティによりPP(※)へ突入。すると期待のルーキー木綿が数的優位の時間をものにする。「良い感じでパックが流れてきて、思った通りのコースに打てた」(木綿)と振り返ったシーンはゴール前の混戦からこぼれたパックをネット左側から打ち込むとそのままネットを揺らし公式戦初得点となった。先制点を挙げこのまま勢いづくかと思われたが、「ピリオド後半疲れているのかブレている部分があった」(FW加賀美俊介、スポ4=北海道・釧路江南)というように第1P後半は相手の攻撃的なプレーを耐える時間が続く。しかし失点は許さず1点リードで最初の20分を終えた。
2点目をマークした生江
「第2Pから少しずつ自分たちの動きができるようになってきた」(内藤正樹監督)と徐々に運動量が上がってきた第2P。開始早々、日体大のゴール前での攻防になると相手ゴーリーがずれた隙を突いてFW生江太樹(スポ3=北海道・釧路江南)がパックを押し込みゴール。2―0とさらに一歩リードする展開へ。中盤には早大に退場者が出てPK(※)となり攻め込まれる場面もあったが失点は許さず、31分11秒には4年生の加賀美がこぼれたパックを左サイドから叩き込みシュートを決める。相手チームの抗議から一時はノーゴールかと思われたが協議の末ゴールが認められ、さらに点差を広げた。3―0のまま試合は最終Pへ。一進一退の攻防を繰り広げるなか日体大のチェッキングにより第3P47分29秒にはFW澤出仁(スポ3=北海道・武修館)が負傷退場してしまう。その後PPなどもあったが好機をいかせずゲームは終了。しかし3点差を守りきり勝利。決勝リーグへ駒を進めた。
理想的な得点シーンを見せた加賀美(中央)と喜ぶ第3セットの選手たち
「まだまだ理想とは程遠い」(内藤監督)。勝利をおさめたものの課題が見つかったゲームになったに違いない。今大会でチームが目指すものは試合後選手たちが口にしたように、優勝のみ。1週間後に控えた決勝リーグにはさらなる強豪校が顔を揃えている。頂点に立つためにはいかに修正をしてワセダらしさを出してプレーできるかが問われている。
※1 ペナルティーによる退場で相手チームより人数が多く、数的有利な状態をパワープレーと呼ぶ。
※2 ペナルティーによる退場で相手チームより人数が少なく、数的不利な状態をキルプレーと呼ぶ。
(記事 新藤綾佳、写真 菅沼恒輝、細井万里男)
結果 | ||
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早大 | ピリオド | 日体大 |
1(11) | 1st | 0(8) |
2(22) | 2nd | 0(7) |
0(11) | 3rd | 0(10) |
3(44) | 計 | 0(25) |
得点経過 | |||||
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チーム | 時間 | ゴール | アシスト1 | アシスト2 | PK/PP |
早大 | 04:01 | 木綿 | 杉本 | ― | PP |
早大 | 21:23 | 生江 | 木綿 | 杉本 | ‐ |
早大 | 31:11 | 加賀美 | 伊東 | 河田 | ‐ | ※PKはキルプレー、PPはパワープレー、PSはペナルティショットを指す なお、PK/PPの表記は早大にとってPKに当たるかPPに当たるかを表記するものとする |
早大メンバー | |||||
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セット | FW | FW | FW | DF | DF |
1 | 小澤田 | 青木 | 澤出 | ハリデー | 務台 |
2 | 杉本 | 木綿 | 生江 | 大崎 | 大塚 |
3 | 伊東 | 前田 | 北村 | 草島 | 吉野 |
4 | 加賀美 | 河田 | 林 | 金井 | 住友 | GK谷口 |
コメント
内藤正樹監督(平3二文卒=北海道・釧路湖陵)
――きょうの試合の入りを振り返って
シードで昨年よりも1試合少ないので、まだ若干動きが重かった感じですね。2ピリくらいからだんだん普段の自分たちの動き、運動量を多くしてシュートを打ってリバウンドを叩きにいくということが少しはできるようになってきたかな。まだまだ理想とは程遠いですけどね。
――ルーキーの木綿選手(宏太、スポ1=北海道・駒大苫小牧)の初ゴールもありました
そうですね。いいところで決めてくれたと思います。加賀美(俊介、スポ4=北海道・釧路江南)のシュートも良かったですね。
――PPの時間が多かったですが、なかなか得点はできませんでした
練習はしているんですけど、そのへんもまだまだ精度が上がってきてないですね。あと1週間頑張ってやらないと、来週はまた強いチームなので。いい1週間にしたいと思います。
――現在のセット編成の意図は
ケガ人がいたり少し台所事情が苦しいところはありますけど、苦しいのは早稲田大学の伝統なので、いる人間みんなで頑張りたいと思います。
――決勝リーグではどのような戦い方をしていきたいですか
できることは決まってますので、今までと同じように運動量を多くしてシュートを打って、リバウンドを叩きにいくと。きょうの加賀美のようなゴールですね。あれを何回できるかというところがキーになってくると思うので、やっぱりシュート数で負けないというのが大事になります。
FW加賀美俊介(スポ4=北海道・釧路江南)
――きょうの試合を振り返って
チーム全体としては、第1ピリオド前半は足が動いていたのですが、後半からだいぶもたついたり、ピリオド間で最初は良いのですが後半疲れているのかブレてる部分があり、それがこれからの課題だと思います。個人の話をすると、第2ピリオドの前半まで出番がなく、チームの雰囲気を変えるために出してもらったと思うのですが、そこで結果を出せて、ある意味僕のような4年生であまり試合に出ていない人間がゴール決めることでチームを盛り上げたり、他の選手の刺激になるのでチームとしては役割を果たせたと思います。
――ゴールシーンを振り返って
一緒に組んでいる河田のフェイスオフが良くてそこに勢司(伊東、政経3=東京・早実)が突っ込みたまたまこぼれたのを叩いて決めることができたのでラッキーだったなと思います。
――日体大の反則や乱闘が多かったようですが気になりましたか
エキサイトするのは分かりますが、アイスホッケーをやっている以上は超えてはいけないラインがあると思うので、やはりホッケーをしなければいけないと個人的には思っています。チームとしてはそのようなフラストレーションの溜まるプレーに対して応えてはいけない、あくまでアイスホッケーをやっているという意識をしっかりと植え付けることが大事かなと思います。
――課題や収穫はありますか
ピリオドの中で雰囲気が悪いことがあると思うのですが、その中でも差が激しいと思うので常に足を動かして、ニュートラルゾーンでも細かいプレー多いと思うのですが、やはり足を動かして体でどんどん当たっていくプレーが、早稲田が他のチームに負けない要素だと思うので、そこをもう少し鍛えていきたいと思います。
――今大会の目標は
優勝です。
――ラストシーズンの抱負をお願いします
今まで3年間不甲斐ないプレーをしてきたのでチームをみてくださる先輩方や後輩たちに良い姿を見せられるように頑張っていきたいと思います。
FW木綿宏太(スポ1=北海道・駒大苫小牧)
――初の公式戦でしたが、きょうの試合を振り返ってみていかがでしょうか
得点を入れられたことはとても良かったことだと思います。ですが、後半の自分のプレーが自分としては納得がいかなかったので、次の試合はもっと改善できたらいいなと思います。
――具体的にどのような点を修正したいと考えていますか
プレーが少し軽いところがあったので、次の東洋大戦は相手もより強くなると思うのでそこを修正したいです。
――実際に試合をしてみて高校の時との違いはありましたでしょうか
スピードは高校の方があると思いますが、パワーやシュートといったスキルは大学の方が上でした。そこにもう少し対応していかなければいけないと思います。
――公式戦初ゴールを決められましたが、その場面を振り返っていかがでしょうか
いい感じでパックが流れてきて、自分の思った通りのコースに打てたかなと思います。
――今大会のチーム目標を教えてください
やっぱり優勝です。
――総当たり戦が始まりますが意気込みを聞かせてください
多分厳しい戦いになると思いますが、一戦一戦大事に戦っていきたいと思います。
――最後にルーキーイヤーとなることしの意気込みをお願いします
1年生らしく体を張って一生懸命プレーをしてチームの勝利に貢献していけたら良いなと思います。