開幕戦から一夜明け、きょうの対戦相手は開幕戦で強豪・東洋大に勝利し勢いに乗っている法政大。早大は、慶大戦で課題として挙がった『試合の入り』を意識して、関東大学リーグ戦(リーグ戦)2戦目に臨んだ。前日の反省を生かした入念なアップが功を奏し、第1ピリオド(P)に3得点を奪い取る上々の立ち上がりを見せ、試合の主導権を握る。第3Pにも3点を加えて、6-2で危なげなく勝利し、開幕2連勝を飾った。
試合開始から2分足らず、FW飛田烈(商4=東京・早実)のアシストを受けたFW生江太樹(スポ2=北海道・釧路江南)がネットを揺らす。生江は第1P中盤にも鋭いシュートを放ち、この日2点をマークした。さらに、安定した得点力を見せるルーキー・FW杉本華唯(スポ1=北海道・駒大苫小牧)がFW青木孝史郎(スポ3=埼玉栄)との連携プレーで、2試合連続となる得点を挙げる。第2Pはコンタクトプレーや反則も少なく、静かにゲームは進んでいく。しかし第2P終盤、法政大の反則が相次ぎ、プレーヤー数が5対3となる絶好のチャンスを迎える。さらなる追加点を決めたい早大であったが、数的有利の状況にも関わらず攻めあぐね、決定打を放つことができない。好機をものにできず、課題が残った。
この日も得点を挙げ、ハイタッチをかわす杉本
第3Pには早大のエースナンバーを背負う矢島雄吾副将(スポ4=北海道・駒大苫小牧)が貴重な追加点をマーク。しかし8分46秒、KP(※2)時に、法政大に得点許す。このゴールを皮切りに法政大はギアチェンジ。スピードが一段階上がり、猛攻を仕掛けてくる。スコアが4-2となるも、「気を引き締め直して、それ以上ずるずる失点を重ねなかった」とDF羽場健太(政経4=東京・早実)が語ったように、DF陣の奮闘で法政にそれ以上の得点を許さない。終盤にはFW鈴木ロイ主将(教育4=北海道・苫小牧東)がダメ押しの6点目を押し込み、勝負あり。6-2で試合終了のブザーが鳴った。
矢島はゴールへの執念を見せ、見事に今大会初得点を決めた
この日の勝利を決めたのは、選手たちが口をそろえて話したように、第1Pの3得点に違いないだろう。スタートダッシュに成功し、試合を優位に運ぶことができた。そして、「(積極的に)シュートを打とうという意識がチーム全体で意識できている」(生江)というように、攻撃陣の得点力は確実に向上している。次戦の相手、日体大は、夏の大学交流苫小牧大会で一度下している相手だ。しかし、上位校と下位校の実力差が縮まってきているディビジョンⅠ グループA、どんな相手にも油断はできない。「相手がどこであれ、チャレンジャーという気持ち」(羽場)で一戦一戦、着実に勝利をつかみとっていきたい。
※1 ペナルティーによる退場で相手チームより人数が多く、数的有利な状態をパワープレーと呼ぶ。
※2 ペナルティーによる退場で相手チームより人数が少なく、数的不利な状態をキルプレーと呼ぶ。
(記事 小林理沙子、写真 糸賀日向子、細井万里男)
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結果 | ||
---|---|---|
早大 | ピリオド | 法大 |
3(18) | 1st | 0(9) |
0(14) | 2st | 0(8) |
3(10) | 3st | 2(10) |
6(42) | 計 | 2(27) |
得点経過 | |||||
---|---|---|---|---|---|
チーム | 時間 | ゴール | アシスト1 | アシスト2 | PK/PP |
早大 | 01:49 | 9生江 | 12飛田 | - | - |
早大 | 07:27 | 19杉本 | 8青木 | 1澤出 | - |
早大 | 11:49 | 9生江 | 19杉本 | 13吉野 | - |
早大 | 45:07 | 21矢島 | 16鈴木 | 33坂本 | KP |
法大 | 48:46 | 48小西 | 67志田 | - | KP |
法大 | 51:13 | 29石田 | 86伊藤 | 81工藤 | - |
早大 | 55:57 | 16鈴木 | 17高橋 | 21矢島 | - |
早大 | 59:49 | 16鈴木 | 21矢島 | 33坂本 | - | ※PKはキルプレー、PPはパワープレー、PSはペナルティショットを指す なお、PK/PPの表記は早大にとってPKに当たるかPPに当たるかを表記するものとする |
早大メンバー | |||||
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セット | FW | FW | FW | DF | DF |
1 | 21矢島 | 17高橋 | 2北村 | 33坂本 | 25篠田 |
2 | 19杉本 | 8青木 | 1澤出 | 29ハリデー | 18羽場 |
3 | 12飛田 | 9生江 | 24河田 | 31大崎 | 13吉野 |
4 | 15伊東 | 16鈴木 | 11加賀美 | 27前田 | 23草島 | GK34谷口 |
コメント
内藤正樹監督(平3二文卒=北海道・釧路湖陵)
――今日は第1Pから3点をあげましたね
昨日の反省が生きましたね。ミーティングで1Pをウォームアップにしてはいけないと話しました。陸上のアップや氷上の試合前練習で足を動かすことが出来ていたので、1Pから動けましたね。それが3点という点数につながったことがよかったですね。
――今日はゴール前でパスカットされずに、シュートを打てるシーンが多かったですね
昨日も杉本(華唯、スポ1=北海道・駒大苫小牧)がミドルを決めてくれていたので、まずはあれをやりなさいということですね。細かいパスをつないでカットされるよりも、ブルーラインを超えたらすぐにシュートを打ちなさいと言っています。今日はそれが最初からできたところが点数に結びついたと思います。
――PP時にゴール前に密集してしまう印象を受けました
PPのときもほかの時と同じように、積極的にシュートを打っていければもう少し得点に結びつくかなと思います。
――ディフェンスが早めに相手オフェンスをつぶすことが出来ていましたね
そこはことしから加入したディフェンス出身のコーチの指導がありますね。第三セットの大崎(大祐、先理3=青森・八戸)、吉野(泰平、社2=東京・早実)は今伸びている途中の選手です。失敗もしますが、トライ&エラーをしながら成長していると思います。
――次戦の日体大戦のポイントはありますか
サマーカップではペナルティーショット合戦で勝つことは出来たんですけど、一度もリードを奪うことが出来なかったので、相手より多く動いて相手より先にこぼれたパックを取れるようにしたいですね。1回できただけでは実力があるとは言えないので、日体大相手にも今日のように動いて、そしたらそれなりの結果はついてくると思います。
FW矢島雄吾副将(スポ4=北海道・駒大苫小牧)
――きょうの試合を振り返っていかがでしたか
いつもスタートダッシュで相手に先を越されてあまり良い流れでできていないということが多かったので、試合前に1ピリオドをしっかりやろうと。その目標通りにきょうはできたので最終的に良いスコアで終われたんじゃないかなと思います。
――法大は前日に東洋大に勝っていましたが、その点は意識していましたか
法大がどういう試合をしたかというよりかは、僕らがこの週末2連戦を勝って勝ち点6を取るぞということをずっと言ってきていたので特に意識をしていたということはないですね。
――きょうは1得点2アシストの活躍でしたが、振り返っていかがでしたか
ポイントに関しては一緒に組んでいる寛伎(高橋、国教4=東京インターハイスクール)とロイ(鈴木、教4=北海道・苫小牧東)がしっかり決めてくれて3ポイントという形でした。でも個人的にあまり良いプレーができていなかったなという印象があるので、もうちょっとプレーの精度を上げていけたらなと思っています。
――FW陣の連携はいかがですか
結構長いこと寛伎とロイとずっと組んできているので、1つ目のプレーとしてはすごく仕上がってきているのかなという印象はあります。
――パワープレーの際に得点があまり決まらないという点についてはどのようなことが原因と考えられるでしょうか
パワープレーに限らずなんですけど、結構試合の中で全体的にシュートが少ない時間帯があって、そういうところでパワープレーも同じようにシュートが少なくて結果的にチャンスが少なくなっているという形だと思います。パワープレーうんぬんというよりは、チーム全体としてシュート数が少ないのが原因なのかなと思っています。
――それでは最後に来週の試合に向けての意気込みをお願いします
来週日体大(と試合)ということで、サマーカップですごく良い試合をしていて、油断できない相手だと思っています。去年は下位で、この前のサマーカップでも1回勝っているんですけど、しっかり上位校だと思って挑戦する気持ちを持ってやっていきたいと思います。
DF羽場健太(政経4=東京・早実)
――昨年はリーグ戦の2戦目で法政大に敗北しました。今年はどのような意気込みで臨まれましたか
今年のリーグって、上から下まで差がないリーグになっているので、この2連戦は落とせない試合だとチームで思っていたので、相手が法政だから、というのは特別な感情としてはなかったです。落とせないな、という気持ちで臨みました。
――昨日の東洋大戦で9得点の法政大に対して、ディフェンスはどのような意識を持っていましたか
もともと攻撃力があるチームだというのはチームの共通の認識として持っていたので、失点はできるだけ抑えようっていうのは思っていました。ただ、さっきも言ったように法政だからどうこうっという気持ちは特には持っていなかったですね。
――きょうの試合を振り返っていかがですか
昨日の試合ですごく入りが悪かったので、 きょうはチームとして1ピリからガンガン走って当たっていこうと話していたんですけど、それが言った通りできたっていうのがすごく大きかったと思っていて、それが結果にも結び付いて1ピリで3点取れたっていうのは大きかったと思いますし、楽に試合を運べたっていうのが良かったです。
――3Pには相手に連続得点を許してしまいましたが、チームに焦りなどはなかったですか
正直、全くなくはなかったです。本当にこのスポーツは流れがあるスポーツだと思っていて、あそこから全然逆転とかもあり得たと思うんですけど、キーパーの嘉鷹(谷口、社3=東京・早実)を中心に周りのところから一層気を引き締め直して、それ以上ずるずる失点を重ねなかったっていうのは収穫かな、と思います。
――ご自身のプレーを振り返っていかがですか
あまりプレーとしては、常に可もなく不可もなくという感じなんですけど、前回も今回も自分が出ている時に失点をしてしまっているので、100点はあげられないんですけど、でも夏の大会って結構ずるずる下がってしまってそれで失点とかもあったんですけど、秋のリーグ入ってからは、しっかり前につめてということができているので、徐々に良くなってきているのかなという印象はあります。
――きょうの勝敗を分けた部分は
さっき言ったように入りの部分だと思っていて、競った試合になるのはわかっていたんですけど、その中でも先に3点を重ねられたというのが非常に大きい理由かなと思っています。
――4年生として最後のリーグ戦となりますが、目標
目標は優勝しかないです。春は落としてしまっているのでえ3冠とはいかないんですけど、秋のリーグ戦とインカレを絶対に取って2冠ということで、優秀の美で終わりたいな、と思っています。
――次戦の意気込みをお願いします。
相手がどこであれ、僕らはチャレンジャーという気持ちでやっているので、次の日体大も絶対に落とせない試合になるので、最初からガンガンきょうのように走っていければな、と思います。
FW生江太樹(スポ2=北海道・釧路江南)
――開幕2連勝となりましたが、夏の成果は出せたでしょうか
夏の大会ではチャレンジすることが一番のテーマだったので、そこの大会を秋リーグに繋げられたと思います。
――生江選手自身はきょう2得点を挙げましたが、それを振り返っていかがですか
1点目は本当に烈さん(FW飛田烈、商4=東京・早実)がいいパスを出してくれて、あとは決めるだけでした。2点目はチームでシュートを打とうという(意識の)共有はしていたので、打ったら入って良かったです。
――きのうの慶大戦で5得点、きょうは6得点とチーム全体で得点力が上がっていると思いますが、オフェンスが上手くいっている理由は何だと思いますか
やはりセット間でのコミュニケーションと、(積極的に)シュートを打とうという意識がチーム全体で意識できていると思うので、そこが結果に繋がっているのだと思います。
――これからのリーグ戦への意気込みをお願いします
開幕2連勝でいいスタートを切ることができました。ここから本当に長い戦いになっていくと思うので、一戦一戦大事にして、勝利を積み重ねられるように頑張っていきたいと思います。
――次は日体大戦となりますが、次戦への意気込みはいかがでしょうか
夏の大会で苦戦している相手なので、本当に気を抜かず、自分たちからチャレンジして勝つんだという強い気持ちを持って挑みたいと思います。