【連載】新体制特集『白紙からのスタート』 第一回 鈴木ロイ主将×矢島雄吾副将×ハリデー慈英副将

アイスホッケー

4月に行われた関東大学選手権では、上位リーグに進出してい一を確保した早大。しかし、5月の第64回早慶定期戦では43年ぶりに敗れるなど、実力が拮抗(きっこう)するディビジョン1Aグループの中では盤石の体制とは言えない状況だ。 そこで、今回は主将・副将に春の戦いを振り返ってもらうと共に、秋の関東大学リーグ戦、そして全日本大学選手権へ向けての取り組みを追う。

 関東大学選手権を終え、オフシーズンの鍛錬に励む早大。今回は、鈴木ロイ主将(教4=北海道・苫小牧東)、ハリデー慈英副将(スポ4=埼玉栄)、矢島雄吾副将(スポ4=北海道・駒大苫小牧)にアイスホッケーのことや、新体制を迎えたチームについて伺いました!

※この取材は5月28日に行われたものです。

「このままじゃ勝てないと分かった」

鈴木

――新体制が始まってからしばらく経ちましたが、チームの雰囲気などはいかがですか

鈴木 新体制が始まってコーチ陣が変わったっていう所もあって、結構選手の中にも戸惑う部分も見受けられたんですけど、練習の回数を重ねるごとによって、どんどんコミュニケーションとかも取れてきて、一応春大会は4位でしたけれども、しっかり自分たちの方向性というのがある程度決まってきたかなという感じで、それほど悪くない大会だったとは思うんですけど、早慶戦で負けちゃったっていうこともあって、今はみんなガックリときている、というそういう状況だと思います。

――練習は具体的にどう変わりましたか

矢島 練習、というよりかはコーチの言うことが変わることが多くて、例えば今までだったらどんなところでもシュート、っていうよりかは、パスをもっと大事にしようとか、絶対に相手に取られないようにまずはパックを守ろうとか、そういう指示の部分で変わることは多くなりましたね。

――鈴木選手はキャプテンとして意識されていることはありますか

鈴木 昨年もアシスタントキャプテンをやっていて、1年間アシスタントキャプテンとしてチームを率いてきたっていう自信があるので、そんなにキャプテンになったから変えようというのは、自分的には特に考えないで、より下級生の見本になるように日頃の氷上練習、陸上練習、私生活の面でもストイックにこなすだけかな、と思っています。

――ハリデー選手と矢島選手から見て、鈴木選手はキャプテンとしてどうですか

ハリデー 1年生の時から印象は変わっていなくて、キャプテンになっても1年生から積み重ねてきたことがそのまま出ているなっていう感じで、本当にストイックていうのは誰が見ても、認める部分がありますでしょうし考え方や目標というのもすごく正確で、それをみんなに共有するのも上手です。あとは、3、4年生でアシスタントキャプテンをやってキャプテンになって、本当に人前で話すのが上手だな、という風に感じます。

矢島 たぶんチームで誰よりも勝ちのことを考えているんだろうなと思っていて、氷上練習や陸上練習でもそうなんですけど、日常生活からただ試合に勝てばいいっていうわけではないし、これはよく内藤監督(正樹、平4二文卒=北海道・釧路湖陵)が言っているんですけど、「勝ったあとに後ろ指を指されるような人間になるな、チームになるな。勝ってみんなに称賛されるようなチームになってほしい」と。そういうところでもやっぱりロイが一番チームの中で実践して、チームの勝利と共
に、人として良くある、みたいなところをお手本としてやってくれているので、僕らアシスタントキャプテンとしてもすごくやりやすいな、チームに対して色々言い易いなっていうのはありますね。

――ハリデー選手と矢島選手はアシスタントキャプテンとして鈴木選手をどう支えていきたいとお考えですか

ハリデー 支えるっていうよりかは、「支える」も勿論言葉としては響きが良いですけど、本当に同じ考えで同じ目標に向かって、そこらへんはしっかりと意思は統一できていると思うので、あとは後輩の前とかでこの3人が悩んでいたり、喧嘩していたり、そういう部分を一切見せないで、試合や練習の時は本当にみんなが同じ方向に向かって進めばいいっていうような環境作りをしたいと考えています。

矢島 支えるまでもないというか(笑)。でも、キャプテンにできること、できないことってたぶんあると思うので、ロイはそのできることを全てやってくれているので、そのできないことっていうのをアシスタントがフォローする、具体的に何っていうとちょっとあれなんですけど、フォローできればいいかなと思っています。

――今シーズンのスローガン「僅差が大差」に込めた思いを教えてください

鈴木 さっき雄吾の話からもあったんですけど、監督が勝って称賛されないチームにはなるな、ということで僕らは1階の部分、2階の部分という風に言っているんですけど、ワセダホッケーの建物みたいなものがあるとして、1階の部分で学業だとか私生活の面だとか、そういうところをしっかりやって、それがしっかりできた選手がやっとホッケーの話にいけるっていうところを今やっているんですけど、まず私生活のところからでも、結構だらしないところが昨年まではあったので、そういうところを変えていって、小さいことの積み重ねだと思うんですけど、スリッパだったり寮内の使い方だったり、そういうところを細かいところまで気配りが私生活からできれば、ホッケーでのちょっとの、例えば自分が疲れていてもしっかりパス出すとか、シュートをしっかり枠に飛ばせた、とかそういう本当に細かいところの積み重ねで球技スポーツというのは結果が変わると思うので、「僅差が大差」っていうのをみんなが意識して日頃の生活だったりトレーニングだったり細かい部分までしっかり意識してやれればそれが大きな結果につながると思うので、そういうところを意識してほしいという願いを込めて、そういうスローガンにしました。

――春の関東大学選手権を全体的に振り返っていかがですか

ハリデー 本当につまらない内容、というか例年通りの4位っていう感じで、進歩がないと言えばそれまでというか。僕らとしても勿論優勝を目指してやっていくつもりでしたけど、上位3校の東洋、明治、中央にはほとんど歯が立たない、というか。惜しい試合も中にはあったんですけど、結局惜しいところでも勝ちきれないというチームの弱さが出た大会だったなと思います。

鈴木 慈英からもあったんですけど、上位の3チームとどれも結構接戦の試合でしたけれでも、スローガンでもあるように「僅差が大差」というところでやっぱりそのあと一歩勝ちきれるかどうかが強いチームと弱いチームの違いだと思っていて、僕らは良い試合はできたとは思うんですけど、やっぱり良い試合をするだけじゃ意味がなくて、もう一個勝ちきる、ということを目指さないと、勝ちきれないと本当に意味がないので僕らはシーズンが始まった3月から2ヶ月間しっかりと準備してやってきたつもりだったんですけど、蓋を開けてみたら例年と変わらない4位という結果で。やっぱり優勝するにはもっともっと変えていくべきところがあるかな、と思いました。

矢島 試合をしていて思ったのがそんなにチームの技術的な差、みたいなところは正直あまりないのかなって思ったんですけど、結局は「僅差は大差」みたいな話なんですけど、気持ちのところ、本当にどっちの方が勝ちたいのか、というところでやっぱり負けているというか、僕はそうは思いたくはないんですけど、気持ちで足りてない部分があったのかな、と思っていてこれからサマーカップがあって関東大学リーグ戦(秋リーグ)があると思うんですけどそこでいかに自分たちが勝てると信じて最後までやりきるかが、できればいいのかな、と思っています。

――チームとして足りないのは技術的な面というよりもメンタル面、ということですか

矢島 まあでも技術も足りないですけどね(笑)。なんていうんですかね。

鈴木 言いたいことわかるよ。

矢島 チームとしてのレベル的にはそんなに変わらないかなと、個々のレベルは全然違うんですけど、チームとしてのレベルとして考えたら、そんなに変わらないんですけど、勝てないっていうのはそういうところにあるのかなっていう感じです。技術は天と地ほどの差があると思います(笑)。

――東洋大戦でセットを大幅に変更されていたと思うんですけど、理由などはありますか

鈴木 ひとつ言えるのは決勝リーグが2試合終わった段階で東洋大戦だけが残っていて、その東洋戦を必ず勝って3位で終わろうっていう目標をより達成しやすくするためにセットを変えたっていうことです。あくまでも勝ちにこだわったセットっていうことだけは言えます。

――春シーズンを振り返って、良かった点や収穫などはありますか

矢島 このままじゃ勝てないってわかったことですかね。ここで下手にちょっと勝っていけるんじゃないかって思っていたらこの先ずっと勝てないかもしれない、と思うんですけど、今回また昨年と同じような結果でまた4位で、やばいな、とか変えなきゃいけないなっていう気持ちになっているのが、一番得た収穫としてはあるのかな、と思います。

鈴木 僕らは春大会というよりは、直近に早慶戦があったので、春大会で4位だったことよりも早慶戦で負けたことを引きずっているというか、気にしている選手が多いと思うんですけど、まあ僕もそのうちの1人なんですけど。もしかしたら春大会4位で終わって、早慶戦で例年通りに勝っていたら、例年通りの陸トレシーズンとか夏とか過ごしていたと思うんですけど、早慶戦で負けたことによって危機感が選手一人一人にでてきて、「もっと練習したい。もっと練習しなきゃだめだ。」っていうのを本当に一人一人が心の底から思って、練習に取り組んでいるところなので、そこはある意味早慶戦に勝つっていうのは大事かもしれないんですけど、例年通り勝って例年通りの4位とか3位で終わるよりか、早慶戦負けて日本学生氷上競技選手権(インカレ)とか秋リーグ優勝した方が僕としては全然意味のあるものだと思っているので、そうなれるようにいかに早慶戦の負けを生かすかっていうところが大事になってくるかな、と思います。

ハリデー 同じ意見です。

――鈴木選手にお伺いしたいのですが、春シーズンを終えてFW陣のできはどうでしょうか

鈴木 やっぱり例年通りというか、決定力不足というのはワセダが言われていて、ことしも結構点数が、ある選手というかあるセットに固まってしまったりとか、あとは決めきるところで決めきれない。パワープレーで、一番点数が欲しいチャンスのパワープレーで決められないっていうのがあったので。全体的に決定力っていうところが早慶戦でもシュートを50本打っても一本も入らなかったので、そこがやっぱりまだまだかな、と思います。良かった点としては何だろう。

矢島 フォアチェックはちょっとは良かったかな。まあでも微妙だね。

鈴木 これがすごい良かったっていうのはないですね。

――決定力不足というのは、どうしたら解消できると思いますか

鈴木 はっきり言って決定力不足を解消するっていうのは結構難しい話で、大学生になってここから僕らがどんなに練習しても明治とかの選手くらいシュートが上手くなるっていうことはない、というか結構難しいと思うんですけど、決定力が低くても点を多く取ればいいと思うので、やっぱり点を多く取るためにはシュート数を増やすことが大事かなというのはあるんですけど、それでも早慶戦は50本も打って、1点も入らなかったというのもあるので一概にこうっていうのは難しいところではあるんですけど。

ハリデー 経験、嗅覚、勘(笑)。

鈴木 それをどう伸ばすかはちょっと難しいよね。一人一人の能力では他の大学に劣ると思うんですけど、それが上手くフォワード3人のセットとかになったときに、結局点を取れれば全然問題はないと思うので、それは今後どんどんシュートを打っていくのか、パスを大事にしてキーパーを完全に揺さぶってから打つのかというのは、ちょっとこれから色々試して、というか夏を経て、秋に良い状態で迎えられればいいかな、と思います。

――ハリデー選手にお伺いしたいのですが、DF陣の出来はいかがでしたか

ハリデー 試合を一つ一つ振り返ったりとか練習の失点シーンを全部振り返って何で失点したのか、という分析っていうのを結構大会前から徹底的にやっていて分析していたので、なんとなく失点パターンというか、ワセダがこういうときに失点するっていうのは自分らでも確立してきたものがあって、そういうときはこういう風に守った方がいいとか、あとはゴール前で徹底的に人につくとかそういうのを実行してきたので、少しは失点を防げたのかなという部分もありますけど、やっぱりふとした時に外しちゃったりとかそういう集中力と、圧倒的に足りないのはトークサポートで、声が全然足りないなって思いました。DF陣は特に、比較的静かなやつが多いと思うので、後ろから声を出してフォワードのサポートをしてあげるのもそうですし、キーパーとかも一番色々声を聞いてサポートしてあげないといけないポジションだと思うので。Dゾーンとかもそうですし、そういうのも色々あってやっぱり上級生の僕中心に声を出してサポートしてあげなきゃいけないな、と感じました。

――矢島選手は、春は第3セットで下級生と組まれていたと思うのですが、連携っていうのはいかがでしたか

矢島 それは結構僕自身も難しいな、と思っていて最初は。昨年は今2年生のFW生江(大樹、スポ2=北海道・釧路江南)とかFW澤出長い間組んでいなかった選手が多かったので、どうしようかなというのは考えていたんですけど、ひたすら「俺がこう動いたらこう動け。俺はここに出すから、お前はここに行け」みたいにひたすら伝え続けてやった結果、やっぱり1週間、2週間続けていると向こうも、FW前田(悠佑、社2=東京・早実)とかわかってきて、僕が走ったら、矢島さんはここにパックを出すなっていうのが言わなくてもわかるような関係になったりとかしてたので良かったんですけど、最後結局セット変わっちゃったりして、色々崩れちゃったんですけどね。やっぱり下級生とか上級生とか関係なく単純にワセダの選手はすごく素直で真剣にやってくれる選手が多いので、言えばちゃんと意思疎通が取れて、コミュニケーションと連携が取れるようなチームなので、特に下級生だから、というのはなくすごくスムーズに時間はちょっとかかりましたけど、連携は取れていたかなと思います。</p>

――試合を通して、第3セットの出来自体は悪くはなかったということでしょうか

矢島 出来ってなるとまたちょっと別だと思うんですけど、やりたいことははっきりしていて、それにチャレンジする姿勢はあったかなと思います。

――春の早慶戦、42大会ぶりの敗戦をどう受け止めていますか

鈴木 試合終わったときは、かなり冷静になれていない自分がいて、とんでもないことをやらかしてしまったな、というすごい恥ずかしい気持ちというか、言葉では言い表せられないような気持ちを自分で背負い込んでいたんですけど、次の日になってよく考えてみたら、別に慶應に負けているし先輩方だって全然慶應に負けているし、インカレ優勝した日本代表ディフェンスコンビの羽刕(銘、平16スポ卒 現日本製紙クレインズ)、山田(虎太朗、平16スポ卒 現王子イーグルス)、インカレ優勝した代のあのときでさえサマー大会で慶應に負けているんですよ。たまたま春の早慶戦をピックアップして42大会勝っていたのが、たまたま負けちゃったかもしれないですけど、それに関しては特に、42年間の伝統を壊した、とかそういうのは今は特になんとも思っていなくて、シンプルにその1試合慶應に負けたっていう事実だけを受け止めて反省すべきだと思いますし、42大会云々っていうのは忘れてやっぱり僕らがステップアップするにはそういう厳しい敗戦も必要かなと思いますし、さっき言ったように先輩たちの代も夏の大会で慶應に負けてから秋リーグ2位、そしてインカレで優勝を勝ちとった代なので、その代も慶應に負けていますけど、インカレ優勝したから何も言われてないわけで。僕らこのままいつも通りの成績で終わってしまったら情けないと思いますけど、汚名返上できるくらい秋やインカレで勝てばいいだけだと思うので、今はもう完全にそこにシフトできていると思います。

ハリデー 本当にロイが言ってくれた通りというか。いつまでもくよくよしてられないと思いますし、秋リーグ、インカレ優勝する道のりはもう始まっていると思うのでこの敗戦をプラスに捉えるというか、良い意味で自分の中に取り入れて目標を目指して頑張っていきたいっていう感じですね。

矢島 ロイが言ったこととちょっと似ているんですけど、早慶戦だからどうっていうより、単純に負けた、じゃあ次どうしよう、の話でしかなくて、やっぱり慶應がすごい喜んでる姿見るのはいい気分ではないですけど、試合終わったあとのベンチとか控室とかもみんなすごいどよんとしていて、みんながこんなに悔しいって思うことあるんだと思っていたくらい、良い起爆剤になるのかなと思っていて、負けたことをプラスに捉えて、これから秋、インカレで勝つためにそれをどう材料にしていくのかっていうところですかね。

――鈴木選手とハリデー選手は国際交流試合に出場されましたが、他のチームの選手と共にプレーして得たものはありますか

鈴木 他のチームと組むことに関しては長い間やってきて、国体とかでも組むことがあるので、そこに関しては別に大きな違いは無いです。でもアメリカの体の強くて大きい選手と(試合を)できたというのは僕らにとってもすごく良い経験でした。やっぱり彼らはスキルどうのこうのではなくハートがものすごく強いので、試合していても負けん気があって日本人にないくらいの絶対ここは譲らないという気持ちを全面的に出してくる選手ばかりでした。ボディチェック一つ一つが痛いですし、スティックで体も思いっきり叩かれます。でもすごくいい刺激になりました。いつも僕は下級生や他のチームに(ボディチェックを)やっている方ですが、久しぶりにやられまくって、このぐらい俺も強くならなきゃダメなんだなと思ったすごく楽しい試合でした。

ハリデー ロイも言ったようにすごくチェックとかも厳しく来られました。日本がただそれに慣れていないだけで本来あれが普通だと思うのですが、本当にボロボロになった試合でした。でもやっぱり楽しいなと感じました。すごく接戦で緊迫した試合で、最後6人攻撃を仕掛けられたときも即席チームのわりに皆守る意識がすごくありました。終わった後もすごくやりきった感があったというか即席チームを作ったわりにはすごく良い、内容の濃い試合だったなと感じました。

4年生の特徴は『影響力』

矢島

――ここからはプライベートに関してお伺いします。新体制となり、1年生も入ってきましたが1年生の印象はいかがですか

矢島 僕個人としてなんですが、駒澤(駒大苫小牧高)がようやく入ってきたなと。一個上に新井先輩(遥平、平30スポ卒)がいて、もう一個上に金子さん(立樹、平29スポ卒)や佐藤さん(秋都、平29教卒)がいたのですが、僕より下が入ってきていなかったので寂しいなと思っていました。ようやく入ってきたので個人的に(チームにいた時期は)かぶってはいないですが、嬉しいなと思いました。それと1年生5人、体のパワー、筋力的なところで大学生のホッケーに適応できていないところはまだあるなと試合などを見ていて思っていました。とはいえまだ大会も一個しか終わっていなくてこれからだと思うので、そこら辺を各々課題を持ってやってくれれば良いのかなと思います。もしかしてプライベートの方が良かったのかな(笑)。プライベートだとすごく気さくで話しやすい後輩が多いです。そうだよね?

ハリデー うん。いつも1年生は5人でいるイメージがありますね。人数が少ないっていうのもあるのか、仲良さそうですね。あとはこの時期の1年生あるあるなのですが、猫かぶっていてあまり本性を出していない人が多いと思います。

――鈴木選手から見ていかがですか

鈴木 本当にまだ見えてこないというか、まだ1年生の5人の中でどういう力関係なのかというか。

矢島 そこ(笑)?

鈴木 1年生の5人の中でのカーストがどうなっているのかなって。大塚脩成(スポ1=長野・佐久長聖)いるじゃないですか。あいつ、年齢的には今の2年生の代なんですよ。浪人して入ってきた努力家の子なんですけど、それが意外と一番いじられキャラですね。それ以外の一年生は一方的に脩成をいじっていて、脩成はいじられキャラって感じでやっています。でも他の4人がどんな感じなのか、早実の2人はマネージャーに結構ちょっかいかけてますし。

矢島 むっち(村上隼斗、スポ1=北海道・駒大苫小牧)とかい(杉本華唯、スポ1=北海道・駒大苫小牧)は大人しいよね。

鈴木 わりとそうかもしれない。むっちと杉本はやっぱり駒澤(駒大苫小牧高)出身というのもあって、先輩とは距離感を保っているというか。来てくれていいんですけど、先輩はやっぱり立てているんですよね。でも早実のヤツらはおかまいなしにマネージャーにちょっかい出したり、上級生に対して慣れが入ってきてますね(笑)。

矢島 距離を縮めるのが早いよね(笑)。

鈴木 そうだね。(距離を縮めるのが)早い、っていうのがありますね。

矢島 面白いけどね(笑)。

――期待している選手はいますか

鈴木 じゃあ僕から。僕は早実3人組を推していて、キーパーだと谷口(嘉鷹、社3=東京・早実)、フォワードだと前田(悠佑、社2=東京・早実)、ディフェンスだと草島(芳彦、教2=東京・早実)この3人を選んでいます。なぜかというと、今季入ってから僕的にすごく印象が変わったというか、氷上練習の意気込みが変わったかなというのがあります。前田と草島は去年1年生だったんですけど、2年生になってから前田はだいぶ伸び伸びと頭使ってできるようになっています。よっち(草島芳彦)も1年間は全然試合に出る機会がなかったんですけど、地道にウエイトトレーニングとかして力をつけて体も大きくして。今年は結構体ガツガツ当たりに行って、安定したDになりつつあっていい方向にあると思うので期待もしています。谷口も去年までも安定したキーパーでしたけど、どちらかというと試合は頑張る子という感じで練習はどこか気の抜けてた部分がありました。でも今年は1年生にむっちが入ってきたということもあって練習でも絶対に譲らないぞという気持ちが見えているので心身ともにいうか、技術もメンタル面もともに向上が見られたのでもっと頑張って欲しいなと思います。

ハリデー 王道になってしまうんですけどうちではハッピーセットと呼んでいて、一番長い間組ませてもらっている篠田、澤出、生江です。僕が3年生の時から、組ませてもらっている3人です。去年は1年生で入りたてというのもあったと思うんですけど、今年はもう2年生にもなったので、上級生に任せるというより自分たちでガツガツ行っていいと思います。だから点を取るところはしっかり取ってきて欲しいなと思いますね。本当に責任を少しずつ感じてきてほしいなという思いも込めて、3人には頑張って欲しいなと思います。

矢島  俺もそこら辺を挙げようかなと思っていたんですけど・・・。んー、僕ですかねやっぱり。

鈴木 いいと思う。

矢島 本田(圭佑)じゃないですけど、結局周りの奴らにも期待しているんですけど、スポーツってひたすら自分と向き合うものじゃないですか。僕3歳から(アイスホッケーを)やっていてもうすぐ20年くらいになるんですけど、それだけやってきた奴がどんな選手になるんだろうって自分でも楽しみなんです。自分がどれだけ限界に挑戦できるかって楽しみで、そういった意味で最終的に僕がどんな選手になっているかっていうのはすごく楽しみもありますね、やっぱり。

鈴木 矢島節。

――部の推しメンは誰ですか

鈴木 あー、推しメンってむずいなー。1年ぐらい経った時に早スポで自分が何を喋ってたかとか見るんだけどね、恥ずかしくなるんだよね(笑)。一時期だけなんだよね、ハマってるの。最近一週間くらいいじってる、ハマってるくらいの感覚で喋っちゃうからね。結局同期になっちゃうんだよなー。

矢島 やっぱり僕ですかね。

鈴木 推しメン、俺?

矢島 最近アイスホッケー以外にも色々と活動をしていまして、自分のことを色んな意味で楽しめる人なのかなと思っています。結構アイスホッケーをやっている人ってアイスホッケー一本みたいなところが多いと思っていて、結構僕の地元の苫小牧の人は特にひたすらアイスホッケーしかやっていないみたいな人が多くて。そういった意味で僕はちょっとその、違う楽しみ方があるよっていう推しですかね。

――編集室ですか

矢島 知ってるんですか(笑)。幻冬舎でバイトしてます。そういう楽しみ方もあるよっていう感じです。

鈴木 推しメンはひろき(高橋寛伎、国教4=東京インターハイスクール)にしておきますかね。ひろきとすごく仲良いですしね。

ハリデー 照れがすごい(笑)。

鈴木 照れじゃない(笑)。

矢島 本当みたいになっちゃう(笑)。

鈴木 最近流行りの荒野行動とかありますけど、僕らは海外で流行っている荒野行動っぽいプレイステーションのテレビゲームを最近ひろきとずっとヘッドホンとマイクセットを付けながらやってます。

ハリデー 僕は孝史朗(青木、スポ3=埼玉栄)と小澤田(匠、スポ3=東京・早実)ですかね。僕が実質3年生ということもあって学校沢山あるんですけど、一緒に学校に行く機会が多いですね。授業を一緒に組ませたというか、組んでやったというか。よく一緒にいるので、変なくだらない動画とか見てそれで笑ってやったりとかしてます。

鈴木 やったり(笑)。

ハリデー それで結構最近は良い意味で関係の近い後輩になってきたなという風に感じます。

――今の趣味はありますか

鈴木 趣味ねー。あんま変わんないよね。僕はほとんど単位とか取り終えたので残っている単位はゼミだけなんですけど。でも非参入で韓国語とか取っているので週に3、4コマくらい授業に出てます。2年生のマネージャーの杉林(歩実、文構2=埼玉・早大本庄)と文学部の授業を一緒に取っているんですけど、そのおかげで僕の中で韓国コミュニティも広がりつつあります。今も知り合いの韓国の方の息子さんにスケートを教えに行っていたというか、遊びに行っていたんですけど、韓国語を勉強したことによって輪が広がっているのですごく良いかなと思います。

ハリデー テラスハウスってご存じですか。

一同 (笑)。

ハリデー 今チームの7割、8割くらい見ていると思うんですけど、ご存知の通り・・・見てます?

――見ていないです(笑)。

ハリデー 社会現象かと思ってた。まあいいや。男女共同の3対3でシェアハウスして恋愛育んだりとか。

鈴木 それは知ってるでしょ。

ハリデー あ、それは知ってる。まあそういう番組なんですけど、それ今日の夜配信で、一番いいところなんですけど、今日。

鈴木 あ、そうだ。

矢島 あれはやばい、マジで。

ハリデー 告白したシーンでイエスかノーかっていうところで終わっちゃったんですけど、それくらいめっちゃハラハラドキドキって感じで面白くて、いいドラマっていうんですかね。

鈴木 リアリティドラマ。

ハリデー それがNetflixで配信されてるのを見てます。あと映画見たりするのがめっちゃ面白いですね。

鈴木 荒野行動は?

ハリデー あ、荒野行動。ちょっとそれ言うとどんどん陰キャみたいになっちゃうから。

鈴木 いやいや、そうだから。荒野行動しかやってないです、こいつ。

ハリデー 最近見た映画で面白かったのは『インセプション』です。ぜひ見てください。

一同 (笑)。

鈴木 『インセプション』って最近やってた映画じゃないよね。

ハリデー  じゃないけど、最近見て、感動?したというか。

――ディカプリオの映画ですか

ハリデー あー、そうですそうです。あれめっちゃ面白いです。

矢島 最近趣味ってほどじゃないですけど、これを買って。活動量計なんですけど、Apple Watchとかってスマホのちっちゃい版って感じじゃないですか。でもこれはどっちかっていうとフィットネス系です。裏がちょっと緑に光っているんですけど、心拍が測れたりとか万歩計みたいなところとか、あとカロリーどれだけ消費したかみたいなのが分かるんですよ。なんでこれを買ったかというと、僕ら朝練氷上ある時って3時起きじゃないですか。それってめちゃくちゃ体に悪いなと思って、これ睡眠のデータをとって健康管理みたいなの出来るんですよ。レム睡眠とノンレム睡眠みたいなのが分かるので、ちょっと自分の体に気をつけようみたいなのを思って趣味というか習慣にしたいなと思って。

鈴木 ずっと着けてんの?

矢島 ずっと、寝る時も着けてる。

鈴木 風呂入るときも?

矢島 防水じゃないから、その時だけ外して充電してみたいな感じでずっと使ってます。

鈴木 自分の眠りが浅いか深いかとか?

矢島 分かるんだけど。

鈴木 パソコンで見るの?

矢島 あ、スマホ。自分がとった水分の量とかも全部記入してカロリーとかも、それで管理してますね。

――自分たちの学年はどんな学年ですか

鈴木 プライベートの方がいいですか?良い方向にも悪い方向にも影響力のある4年生だと思っていて、プライベートで言うのは難しいな。なんだろうな。

矢島 なんか流行りとか作るよね。

鈴木 あー、そうだね。流行りとか僕らが喋っている言葉が皆下級生が真似しだすというか、言い回しとかを下級生を真似していて、それを見るとなんか微笑ましい感じかなと、そうそうそう。

矢島 真似してるよね、太樹(生江、スポ2=北海道・釧路江南)とか。

ハリデー (4年生が)後輩のときからそうだよね。

鈴木 あー、そうだね。

ハリデー 先輩も真似してた。

矢島 それもある。

ハリデー だから変わってないですね。

矢島 でも、よく仲良いって言われるよね。ほかの学年からも。

鈴木 仲良いだとか、個性が強いだとか。

ハリデー あとホッケーの面になっちゃうんですけど、皆頑張れる選手というか試合でここぞという時には頼れるというかそういう面では良い学年だなと思います。

鈴木 ホッケーの面になっちゃうな。ホッケーの面だったら4年生7人皆試合に出てますし、本当に氷上でもリードできますし、陸上トレーニングでも皆走れるし、パワーもあります。どのシチュエーションをとっても、陸上でも氷上でも私生活でも強い4年生というのを見せることができていると思うので、良い意味で引っ張っていけていると思います。

――チームで流行っていることはなんですか。テラスハウスとかでしょうか

ハリデー テラスハウスは結構見てるね。

鈴木 あ、俺たちだけなのかな?

ハリデー テラスハウス?

鈴木 うん。他の部活とかどうなんだろう。他の部活とかでも荒野行動とかじゃないんですか?流行っているのとか。

矢島 荒野行動は皆やってるよね。

鈴木 じゃあテラハにしとく?ホッケーの女の子出てるしね。

ハリデー それもあって。

矢島 それもあるね。いるんですよ、1人ホッケーやってる子が。

鈴木 アイスホッケーやってる女の子がいるので、俺もそれだから見てる。

矢島 ホッケーのシーンとか出てくるんですよ。

鈴木 だから自分の知り合いがテラハのメンバーに大会で会った!みたいなのとかあるんですよ。

ハリデー だからホッケー関係者というか、他大のホッケー部とかでも皆見てますね。

矢島 アイスホッケー界で流行っている感はあるね。

鈴木 確かにそれは否めない。

――矢島さんのブログとか、あとこの間交流会も開いていましたが。

矢島 なんか恥ずかしいな。そうですね、やりましたね。

鈴木 全部バレてるよ。

――活動を今やってて得たことはありますか

矢島 僕が得たというか、気付いた事なんですけど、例えば日本のアイスホッケーがこれからどうやったら強くなるかとか、もっと競技人口を増やすかとか、そういう話が結構話題に上がりがちというか考えがちだと思います。でもそれより大切なことがあるなと思って、結局いくら上手くなっても楽しくなかったら意味無いなとか、いくらやる人多くなっても周りにそれを話せる人がいないとか一緒にやる人がいないとつまらないとかいうのに気付きました。まあそれってアイスホッケーに限ったことじゃないと思うんですけど、なんかそういう自分の気付きじゃないですけど、結局楽しむことが一番なんだろうなと。アイスホッケーもそうだし、色んなことするにもそうだし。この間のスナックアイスホッケーとかまさにそうなんですけど、アイスホッケー好きな人たちが楽しめる場所を作りたいみたいな感じでやっています。特に得たことはないです。

鈴木 いや、ありますよ。恥ずかしくて話さないだけで。

矢島 分かんないですけど。楽しいな、ホッケーってって。それに気付きました。

大学ラストイヤーにかける思い

ハリデー

――それではまた、競技の話題に戻りたいと思います。夏の陸トレや合宿ってどのような部分を強化したいと今思っていますか

鈴木 今日から陸トレ期間が始まったんですけど、毎週トレーニングやって、日曜日に測定するっていうのがここから1ヶ月半くらい続きます。まずは氷上のことは一旦置いておいてというか、陸トレ期間の全体の目標として強い体を作るということを掲げています。早大の選手は体が小さくて弱い選手が多いので、そこをウエイトトレーニングでしっかりして骨格筋、筋力をつけて体重も増やして強い体を作るというのをこの1ヶ月半、2ヶ月くらいの目標でそこをみんな集中してとりあえず陸トレ期間終わるまではやって欲しいというのがあります。その後は8月からまた氷上練習、合宿が始まりますけど、今はあまり氷上でのことを話しても先の話なので。本当に体を大きく強くするというのをやってから、それが出来たらちょっと次のステップに進めるという感じです。また夏になってから選手たちもそうですし、監督、スタッフ陣とも話して氷上練習で色々試しながら良いチーム、秋リーグ勝てるチーム、優勝できるチームを作れれば良いかなと思っています。

ハリデー チームの目標はさっきロイが言ってくれた通りなので、それは自分にも繋がる部分があると思います。スピードとか速さは自分でも自信あるというかそれはまあまああると思うので、あとは本当にさらに今以上のパワーの追求というか骨格筋の量を上げたり、更に大きな体作りというのをこの夏自分の体をいじめ抜いてやりたいと思います。

矢島 僕はもう大学に入った時から高校の時からずっと体が細くて同じくらいの身長の人と比べても結構軽いので、やっぱりまずは体重を増やす必要があると思います。僕は足の速さみたいなところには自信を持っているんですけど、そことのバランスが難しいなと思っていて、スピードを落とさずに自分の中でベストなパフォーマンスを出せる体重というのを、見極めるオフシーズンにしたいなと思います。

――サマーカップでの目標は

鈴木 まだスタッフ陣とも話してないですし、選手とも話し合いしていないので、サマーカップをどんな位置づけにするかというのはこれから話し合います。だからもしかしたら一概にも優勝するという目標じゃなくて、秋リーグ優勝するためのものになるかもしれないですし、本当にそこはまだ分からないというのが今の段階での答えだと思います。

――大学ラストイヤーにかける思いをお願いします。

ハリデー ラストイヤー、みんな思っていること一緒だと思うんですけど、優勝したいという一言に片付けるのはどうかと思うので…。早慶戦も負けてこのままじゃダメだと、本当につまらない1年にしたくないと思っています。3位とか4位とかそういう例年通りの結果じゃちょっと不満なので、そこはどんな形であれチームの戦い方をしっかり確定してやっぱり優勝したいと思います。

矢島 さっき楽しむことが、みたいな話だったんですけど、僕ら部活動をやるにあたって一番楽しめることって勝つことだと思うんですね。やっぱりアイスホッケー3時とか朝早い時間から起きてやってるんでどうせなら最高に楽しんで終わりたい、ラストイヤーにしたいと思うので、答えは一緒なんですけど優勝して一番楽しめる形で終わりたいなと思います。

鈴木 僕はもう本当に2人と一緒なんですけど、自分はキャプテンでもありますし、周囲からの今年の早大ならやってくれるんじゃないかという期待もありますし、早大を優勝させなきゃいけないという色々なプレッシャーみたいなものもあります。でも良い意味でそういうのを無視してというか、一人一人が自分が優勝したいからっていう理由でいいと思うので、良い意味で周りが言ってくることとかを無視して一人一人が優勝したいという欲に向かってチャレンジしてくれればというか、もちろん僕もそうですけど。やっぱり一番は僕が優勝したいということですね。必ず優勝したいと思います。

――ありがとうございました!

(取材・編集 糸賀日向子、小林理沙子、佐々木一款)

『白紙からのスタート』

◆鈴木ロイ(すずき・ろい)(※写真中央)

1996(平8)年4月15日生まれ。175センチ。北海道・苫小牧東高出身。教育学部4年。
韓国語を勉強しているという鈴木選手。練習後も韓国人留学生との会話に挑戦しました!何事にもストイックに取り組む主将が率いるチームの躍進に注目です!

◆ハリデー慈英(はりでー・じえい)(※写真左)

1996(平8)年8月29日生まれ。183センチ。埼玉栄高出身。スポーツ科学部4年。動画サイトで映画やドラマを見るのが趣味のハリデー選手。ホッケー部門の「お兄さん」が、ホッケー女子の恋愛を温かく見守っています。

◆矢島雄吾(やじま・ゆうご)(※写真右)

1996(平8)年8月17日生まれ。177センチ。北海道・駒大苫小牧高出身。スポーツ科学部4年。
一番期待している選手は自分!20年の集大成を大学ラストイヤーにぶつけ、最高の結果へ導きます!