田中今季初ゴール!坂本復帰弾!5得点快勝で法大に雪辱

アイスホッケー

 二次リーグ初戦で好スタートを切った早大は、この日法大と対戦。一次リーグで敗れている上に、今季は練習試合でも一度も勝てておらず、もはや格下とは言えない相手だ。前節の東洋大戦でも、ゲームウィニングショットまでもつれる接戦を演じた法大。波に乗る天敵を封じたのは、GK谷口嘉鷹(社2=東京・早実)だった。好セーブを連発し、31本のシュートを浴びながらも1失点に抑える。FW陣もその踏ん張りに応え、5-1と快勝した。

 日体大戦の第3ピリオドで6得点。前節のその勢いは、1週間経っても衰えてはいなかった。10分9秒、まずはDFハリデー慈英(スポ3=埼玉栄)が右サイドから押し込み先制。そして、チームをさらに盛り上げたのは2点目のゴールだった。FW小澤田匠(スポ2=東京・早実)のパスを受けたDF大崎大祐(先理2=青森・八戸)が強烈なロングシュートを放つと、ゴール前に構えていたFW田中創一郎(政経4=東京・早実)がそれに合わせネットを揺らす。今季の関東大学リーグ戦(リーグ戦)、ここまでチームの29得点中、第3セットで奪ったゴールは0。「やっと出たなとホッとしています」。待ちに待った1点に、最上級生としてこのセットを引っ張る田中は胸をなでおろした。その後も追加点を挙げ、3―0で第1ピリオド(P)を終えた。

今季の公式戦初ゴールを決めた田中

 第2P、まずはFW鈴木ロイ副将(教3=北海道・苫小牧東)が5試合ぶりのゴールを決め4点目を奪う。そして26分14秒、今度はその鈴木のアシストを受けたDF坂本之麿(社3=青森・八戸工大一)がミドルシュートを放ち、相手ゴールを突き刺した。今季のリーグ戦初めてのフル出場で、復帰初ゴール。「素直にうれしい」と喜びをあらわにした坂本の元に、それを称える仲間たちが駆け寄った。点差は5点に広がったが、まだ油断するわけにはいかない。第2P後半と第3P、法大FW陣が早大ゴールに襲い掛かる。DF陣は守りの意識でゴール前を固めたが、何度も隙を抜かれピンチが続いた。この危機を救ったのが谷口。1点こそ失ったが、特に今季失点の多かった第3Pでは好守を貫き、新守護神と呼ぶにふさわしい働きを見せた。

早くも復帰初ゴールを挙げた坂本は笑顔を見せた

 攻守がかみ合い、法大にようやく雪辱を果たした早大。谷口の奮闘はもちろん、鈴木が「第3セットが勢いづくとチームとしても勢いづく」と語るように、惜しいシュートが続いていた第3セットで得点できたことはこの日最大の収穫だ。坂本が加わり第3セットに攻撃の意識が増したことが、その要因と言えるだろう。価値ある連勝で、早くも昨季の5勝に並んだ。まずは来週、日大、慶大との連戦を勝ち切り、再び上位争いに食い込みたい。

(記事 川浪康太郎、写真 冨田千瑛)

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結果
早大 ピリオド 法大
3(15) 1st 0(10)
2(10) 2nd 1(9)
0(8) 3rd 0(12)
5(33) 1(31)
※( )内はシュート数
得点経過
チーム 時間 ゴール アシスト1 アシスト2 PK/PP
早大 10:09 ハリデー 澤出
早大 13:04 田中 大崎 小澤田
早大 15:40 澤出 矢島 ハリデー PP
早大 23:09 鈴木 澤出
早大 26:14 坂本 鈴木 矢島
法大 土田 鈴木 福島
※PKはキルプレー、PPはパワープレー、PSはペナルティショットを指す
 なお、PK/PPの表記は早大にとってPKに当たるかPPに当たるかを表記するものとする
早大メンバー
セット FW FW FW DF DF
飛田 鈴木 矢島 羽場 新井
青木 生江 澤出 篠田 ハリデー
田中 高橋 小澤田 坂本 大崎
瀨戸 前田 伊東 吉野 野村
GK谷口
関東大学リーグ戦ディビジョンIグループA順位表(10月22日時点)
順位 校名 勝点 試合数 GWS勝 GWS負
明大 22
中大 21
東洋大 20
早大 15
法大 10
慶大
日体大
日大
コメント

工藤哲也監督(昭63社卒=青森・八戸)

――大きい1勝でしたが、振り返って

結果として5-1で勝てたことはよかったです。きょうに関しては嘉鷹(谷口、社2=東京・早実)に助けられた部分が大きくて、まだまだ課題は残っています。

――今季法大とは相性が悪かったですが、変えてきた部分はありますか

法大に合わせるというよりは、シュートをたくさん打っていくなどうちのホッケーをするということを再確認してきました。

――第3セットで得点したことも大きかったのではないでしょうか

ようやく第3セットで取れたことはチームの活性化につながると思います。逆に言えば失点も第3セットでしているので、そこに関しては修正してほしいです。

――前回の試合から勢いがありますが、チームの雰囲気は

うちはそんなに強いチームではないので、やることを徹底して、一つ一つのプレーに集中する、あるいは声を掛け合うということをチームとして共有できてきているのかなと感じています。

――きょうは守備面もよかったのでは

キーパー中心に守るという意識を持ってできていましたが、危ない場面も多かったので、これから修正していかないと今後勝ち切るのは難しいと思います。

――来週は2試合ありますが、そこに向けた意気込みをお願いします

来週は3日間で2度試合がありますが、そこできっちり勝ち点を取れるように、練習に集中していい準備をしたいです。

FW田中創一郎(政経4=東京・早実)

――きょうの試合を振り返って

一次リーグで法大に負けてしまっていて、それ以降順位争いに食い込めていなかったので、きょうはまずそのリベンジを果たすということができてよかったです。

――田中選手自身は今季初ゴールとなりました

小澤田匠(スポ2=東京・早実)がDFにいいパスを出してくれて、ゴール前で自分と相手DFが混戦になっていました。相手に倒されながらでしたがなんとか大崎くん(大祐、先理2=青森・八戸)のシュートを、角度を変えて打つことができました

――夏の大会から惜しいシュートが続いていましたが、早く決めたいという思いは強かったですか

今季はずっと第3セットは大きくメンバーも変わらずにここまでやらせていただいている中で、得点での貢献ができていなかったので、やっと出たなとホッとしています。

――前回の試合から勢いが続いていますが、チームの雰囲気はいかがですか

マロ(坂本之麿、社3=青森・八戸工大一)が帰ってきて、よりオフェンシブになれているかなと思います。もちろん第3セットの役割としては守りが第一というのがあるのですが、その中でゴールを狙えるセットにもなってきたので、これからも狙っていきたいです。

――主力の4年生が少ない中ですが、どんな思いで戦っていますか

そうですね…。4年生というチームを引っ張る立場で、試合にも出させてもらっているので、チームを引っ張るという意味でも誰よりも泥臭い姿勢を見せようと意識しています。それがチームのためにも、もしかしたら出ていない4年生のためにもなるかもしれないので、そういった思いでこれからもプレーしたいです。

――最後に、次の日大戦へ向けた意気込みをお願いします

日大も一次リーグでは勝ってはいるのですが、明大に勝っていて油断できる相手ではないので、しっかりミーティングして対策をとって臨みたいです。

FW鈴木ロイ副将(教3=北海道・苫小牧東)

――きょうの試合を振り返って

きょうの試合のよかったことは、今季一度も勝てていなかった法大に対して勝ち切れたということです。キーパーがきょうは本当に頑張ってくれて、すぐ座ってしまってから上を抜かれて失点するということが最近よくあったのですが、みんなですぐ座らないようにということを言って、31本シュート打たれましたが1点に抑えてくれてよかったです。プレーヤーに関しては5点取りましたがあまり満足していなくて、決してうちがやりたかったホッケーは徹底できていなかったので、そこはもう一度確認してきたいです。

――ご自身は5試合ぶりのゴールとなりました

最近ゴールから遠ざかっていて、自分でもそろそろゴールが欲しいなと思っていたので、きょう決められてホッとしています。

――中大戦から第1セットに矢島雄吾選手(スポ3=北海道・駒大苫小牧)が加わりましたが、手応えはいかがですか

雄吾は脚もありますし、シュートへの意識が強い選手で、あいつがパックを持ったらとりあえずシュートを打ってくれるので、僕らはあいつのことを信じてゴール前に向かえば、点につなげてくれると思っています。セットの状態もいいですし、もっともっとセット間でのコミュニケーションを増やして、第1セットでの得点を増やしていきたいです。

――第3セットでも得点を決めましたが、FW陣全体の調子はどう感じていますか

第3セットは今季ほとんどゴールを決めていなくて、第3セットのメンバーもそろそろ決めないとやばいなと言っていたのですが、最近はシュートへの意識も高まってきていますし、マロ(坂本之麿、社3=青森・八戸工大一)が復帰して加わったことで、全体的に攻撃力が増したことがきょうの得点につながったと思います。第3セットが得点してくれると、チーム全体がすごく盛り上がるので、これからもシンプルなプレーでどんどんシュートを打って、1試合1点でも取ってくれるとありがたいです。

――坂本選手が復帰してから勢いがついているように見えるのですが、いかがでしょうか

やっぱりマロが復帰したことによって第3セットが勢いづいて、第3セットが勢いづくとチームとしても勢いづくので、その点はいい流れだと感じています。

――来週は2試合ありますが、そこに向けた意気込みをお願いします

来週の日大、慶大は一次リーグでは勝っているのですが、前回も1点差、2点差のゲームで決して楽に勝てる相手ではないです。ここからワセダのホッケーを徹底して、相手がどこであろうと60分間通してしつこいまでに自分たちのホッケーをして、試合が終わった時に勝っていることが理想だと思うので、来週しっかり勝ち点6を取れるように、チーム一丸となって頑張ります。

DF坂本之麿(社3=青森・八戸工大一)

――きょうの試合全体を振り返っていかがでしたか

きょうはチームとして、第1ピリオド(P)からガンガン走っていこうと共有していました。結果として、第1Pで3点決められましたし、最初から試合の流れをつかめていたかなと思います。

――本日は復帰後初のフル出場となりました

最初から出るのはケガして以来初めてだったので、まずは自分自身プレーを楽しもうと決めていましたし、結果として得点も決められたのでそれは素直にうれしいです。

――お話にもあったように、きょうの試合ではロングシュートを決められました

そうですね、ロイ(鈴木、教3=北海道・苫小牧東)からいいパスが来たので積極的に打っていこうと思って、結果的に運がいいかたちで入ったんですけれど、ケガして以来初めてのゴールなのでほんとに素直にうれしいです。

――今回の得点は第3セットでの久しぶりの得点でしたが

第3セットはリーグ戦では点を決めていなかったと思うのですが、自分がセットに入ることで何か変わればと思ってプレーしてきました。第1Pでも決めてくれましたし、個人的にも点を決めることができたので、それはよかったと思います。

――新井遥平主将(スポ4=北海道・駒大苫小牧)が前回の試合後、坂本選手が帰って来て流れが変わったと仰っていましたが

それは新井さんの優しさだと思いますけど(笑)。だけど、結果的にそうなっていたということは個人的にもうれしいですし、まだまだ貢献していかなければいけないなと思います。

――最後に、次戦に向けて意気込みをお願いします

勝ちが絶対に必要なので、チームとしても個人としても全力を出し切って、ワセダらしいホッケーをして、絶対勝ち点3を取りにいきたいです。