7位に終わった関東大学選手権(選手権)から約4カ月。北の大地で、大学交流戦苫小牧大会(サマーカップ)が幕を開けた。全国から集まった15校で頂点を競うこの大会は、9月に開幕する関東大学リーグ戦(リーグ戦)の前哨戦とも言える重要な大会だ。初戦の相手は大東大。昨季のリーグ戦ではグループBの覇者に輝いており、格下とはいえ侮れない相手だった。この日は第1ピリオド(P)で3点を奪い試合の主導権を握ると、そのまま逃げ切り5-2で勝利。勢いのある大東大を退け、白星スタートを切った。
1月の日本学生氷上競技選手権で対戦した際は、第1Pで無得点と立ち上がりに苦しんだ早大。この日は早めに仕掛けた。7分1秒、数的有利のパワープレー(PP)を生かし先制に成功する。その後すぐに追いつかれるが、FW生江太樹(スポ1=北海道・釧路江南)のゴールで勝ち越すと、ピリオド終了間際にはまたしても生江がネットを揺らしリードを2点に広げた。第1Pのシュート数は大東大の7本を大きく上回る25本。先手必勝で圧倒し、理想的なゲームメイクを見せた。
殊勲の2得点をたたき出した生江
第2P序盤、FW鈴木ロイ副将(教3=北海道・苫小牧東)がこの日2本目のゴールを決め1点を追加。このまま早大優位で試合は進むと思われたが、大東大も反撃に出る。数的不利のキルプレーのピンチで2失点目を喫すると、その後もパックがポストに直撃するなど危なっかしい場面が続いた。それでも、初戦のスタメンに抜てきされたGK草島邦彦(社4=東京・早実)を中心に守りを固め、なんとか最少失点でしのぐ。第3Pも無失点に抑えると、最後は鈴木がハットトリックを決める豪快な一撃を放ちとどめを刺した。5-2。前回の対戦と同じスコアで大東大を下した。
圧巻のハットトリックを見せた鈴木
この日は5得点のうち、4得点がPPでの得点。ハットトリックの鈴木は「PPのセットのみんなで取った点」、2得点の生江は「自分で取ったゴールというよりはチームで取ったゴール」とゴールシーンを振り返る。夏合宿で重点的に取り組んできたPPの練習が実を結んだかたちだ。あすの相手は日体大。選手権では敗れており、今大会の第一関門となる。ここでリベンジを果たし、頂点への道を突き進みたい。
(記事 川浪康太郎、写真 見延可菜)
結果 | ||
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早大 | ピリオド | 大東大 |
3(25) | 1st | 1(7) |
1(17) | 2nd | 1(7) |
1(13) | 3rd | 0(2) |
5(55) | 計 | 2(16) | ※( )内はシュート数 |
得点経過 | |||||
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チーム | 時間 | ゴール | アシスト1 | アシスト2 | PK/PP |
早大 | 7:01 | 鈴木 | 新井 | - | PP |
大東大 | 9:40 | 酒井 | 馬場 | 佐藤 | - |
早大 | 18:10 | 生江 | 澤出 | 矢島 | - |
早大 | 20:00 | 生江 | 矢島 | 篠田 | PP |
早大 | 22:12 | 鈴木 | 飛田 | 青木 | PP | 大東大 | 28:36 | 日高 | 茂木 | 馬場 | PK | 早大 | 55:27 | 鈴木 | 青木 | 新井 | PP | ※PKはキルプレー、PPはパワープレー、PSはペナルティショットを指す なお、PK/PPの表記は早大にとってPKに当たるかPPに当たるかを表記するものとする |
早大メンバー | |||||
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セット | FW | FW | FW | DF | DF |
1 | 飛田 | 鈴木 | 青木 | 羽場 | 新井 |
2 | 矢島 | 生江 | 澤出 | 篠田 | ハリデー |
3 | 田中 | 高橋 | 小澤田 | 吉野 | 大崎 |
4 | 瀨戸 | 前田 | 伊東 | 田村 | 野村 | GK草島邦 |
FW鈴木ロイ副将(教3=北海道・苫小牧東)
――白星スタートとなりましたが、振り返って
この遠征で練習試合をしてきたのですが、一度も勝てることなく大会に臨んだので、みんな不安な気持ちでのスタートでした。きょうは無事に勝ち切ることができてほっとしています。
――ご自身はハットトリックを決めましたが、心境は
自分が最終的にゴールを決めることになったのですが、あれはPP(パワープレー)のセットのみんなで取った点だったので、非常にいいかたちができたと思います。
――PPの練習は重点的に行ってきたのですか
そうですね。PPは合宿中からかなり密に話し合って何度も練習してきたのでよかったです。
――第1セットの出来はいかがでしたか
みんなサポートする気持ちがあったので、パックを多く支配することができて、優位にセットとして動けていました。
――夏合宿ではどのようなことに取り組んできましたか
基本的な体力をつけるというところからしっかり走り込んで、あとは集中力が足りないというところが課題だったので、そこに重きを置いて取り組みました。
――あしたの試合に向けた意気込みをお願いします
日体大には春負けてしまったので、必ずリベンジするという強い気持ちを持って、一人一人闘志あふれるプレーで勝ちをもぎ取りたいと思います。
FW生江太樹(スポ1=北海道・釧路江南)
――第1セットの2ゴールを振り返ってどう感じますか
自分が取ったゴールというよりはチームで取ったゴールでしたし、時間もいい時にゴールできたと思います。合宿中なかなか勝ちきれない状況が続いていたので本当によかったと思っています。
――そこからの第2セットの出来はどうでしたか
敵どうこうの前に自分たちのホッケーをやる事が大事だとミーティングでも言われていたので、反省点はありますがその点に関してはチーム内で声を掛け合ったり出来ていてよかったですし、次の試合にもつながっていくと思います。
――初めて参加する大会の雰囲気はどうでしたか
チームとしては負けが続いていたのですが雰囲気は悪くなかったですし、チーム全体でこっからやらなきゃいけないという意識がありました。
――夏合宿ではどのような事に取り組んでいましたか
うちのチームは他に比べて早くから合宿を始めていましたし、強度の高いトレーニングや走り込みもしてきました。頑張ってきたという自信はみんな持っていると思いますし、あとはそれをリンクで出し切るだけだと思っています。
――最後に明日への意気込みを教えてください
相手がどこであっても勝つという目標は変わらないので、今までやってきたことを信じてあしたに向けてしっかり休んで準備してチーム一丸となって頑張っていきたいと思います。