【連載】インカレ直前特集『嵐のあとに』 第1回 田中創一郎×羽場健太×矢島雄吾

アイスホッケー

 記念すべき2017年一発目の連載に登場していただくのは、この3選手。関東大学リーグ戦(リーグ戦)で、共に第3セットで活躍したFW田中創一郎(政経3=東京・早実)とFW矢島雄吾(スポ2=北海道・駒大苫小牧)。そして昨年度から躍進を遂げ、守備陣の欠かせない存在となったDF羽場健太(政経2=東京・早実)だ。リーグ戦を終え、それぞれどのような収穫と課題を感じているのだろうか。

※この取材は12月13日に行われたものです。

「チームのために相手に嫌がられるプレーをする」(田中)

田中

――この3人での対談ということを聞いときの印象はいかがでしたか

矢島 チームの中で頭がいい人と悪い人を合わせたらどうなるのかなと(笑)。

田中 僕と健太は高校も学部も部屋も一緒ということでなんとなくは分かるのですが、そこに矢島が食い込んできたなというか(笑)。朝のストレッチのときにこの三人で固まって話していることが多いというのを見て組まれたのかなという感じです。

――田中選手と羽場選手は同部屋ということですが、プライベートで遊ぶことはありますか

田中 全くないですね。

羽場 遊ぶことはないですね。基本的にこの人はずっと主務の仕事をしているので。あんまり遊んでいるのは見たことがないです。

田中 この人は基本的に寝るか飲んでいます(笑)。

――主務、副務はどういった仕事をされているのですか

田中 基本的に裏方の仕事なのですが、部を回していく上で必要になる仕事を二人で協力してやっています。すごく大雑把な言い方をすると、自分が仕事をやっている中で発生するお使いとかを頼んでいます。例えば、「郵便局に行ってきてくれ」とか「これ学校に持っていって」とか。そういったことを任せています。

羽場 田中さんの雑用をしています(笑)。

矢島 俺らから見ると主務、副務っていうと早慶戦のイメージが強いですね。

田中 早慶戦の運営を自分たちとマネージャーで協力してやっています。大部分はマネージャーが働いてくれているのでそんなに仕事があるわけじゃないですけど、紗季ちゃん(MG高山紗季、人2=群馬・前橋女)から仕事を振られて企業との交渉などをしています。

――矢島選手はプライベートではどなたと仲が良いですか

矢島 同部屋の高橋寛伎(FW、国教2=東京インターハイスクール)とは仲いいですね。でも僕は一人でいるのが好きなタイプで、一人で新宿とか原宿に行くことが多いですね。

――3人の他己紹介をそれぞれにしてもらいたいのですが、まず田中選手はどんな人ですか

羽場 よく言われるのは無表情だとか、ロボットみたいとか。あまり感情を表に出さないと言われていますが、実際はいろんなことを思っているように見えます。あとは頭がいいなというのは常々感じます。

矢島 僕はホッケーでセットが長いこと一緒だったので、一緒にやっていて、監督やコーチに言われたことに忠実にプレーするなという印象はあります。言われたことをしっかりやる、従順なイメージです。

――頭がいいというのはどういった部分から感じるのですか

矢島 勉強の部分が大きいんじゃない?ホッケーはうまい人たくさんいるけど、勉強は創ちゃん断トツだよ。内心思ってるんじゃないですか?「スポ科ばかだなー」って(笑)。

羽場 僕は直属の後輩で経済学科で一緒なんですけど、いろいろ勉強のこととか助けてもらってるし、尊敬する先輩で、感謝してもしきれないです。

田中 ほんとに思ってる(笑)?

――羽場選手はどんな人ですか

田中 自分が副務になる人間を(羽場選手に)指名したんですけど、それはなんでかというと、この人は高校のころからずっと一人暮らししているんですよ。自分だったら高校で一人暮らしをしていたら勉強するわけないなって思うのに、ちゃっかり成績取っていて。コツコツやる真面目な人間だなと思っています。あと、今の2年生は個性が強い人がたくさんいる中で、彼は従順で、言ったことを文句言わずにやってくれるのはすごく助かってます。いろんなデンジャーゾーンは矢島くんが知っていると思います(笑)。

矢島 ちょっと待って、それ俺にふるの(笑)?まあ個人的には、おしゃれだなと思います。服の話とかするんですけど、よくZOZOTOWNやアマゾンプライムの箱が羽場さん宛に届いて、おしゃれだなという印象です。

――別の対談で、羽場選手の検索履歴はおしゃれなカフェで埋まってると聞いたのですが

矢島 それはなんのために調べたんだろうね・・・。

田中 なんのためだろう。

羽場 いやまあ・・・。

矢島 自分で話すの一番酷かもしれない(笑)。

羽場 まあ、ある女性を誘おうかなと思っていて。誘えたり誘えなかったりいろいろあるんですけど。

矢島 それ以上は深すぎて帰ってこれなくなりそう(笑)。

――矢島選手はどんな人ですか

羽場 趣味が多彩だなと思います。服もそうだし、自転車とかオーディオとかいろんなものにこだわりが強いと感じていて。ホッケーのプレースタイルも『走る』みたいなこだわりがあります。

田中 全部言われた(笑)。矢島と高橋が同じ部屋に住んでるんですけど、多分一番物多いよね?

矢島 多いですね。テレビはもちろんとして、ネットフリックスもあるんですよ。電子レンジとかポットとかトースターとか炊飯器とかいろいろあって、そこに来たらとりあえず生活できちゃうから、みんな集まるんですよね。

田中 好きでいろんな物集めたり買ったりしてるんでしょうけど、寮という限界ある空間にいながら、突き詰めようとしてるなと思います。

羽場 あと女性関係がちょっと・・・。こだわりが強い。

一同 (笑)。

――どういったこだわりですか

羽場 若干ストライクゾーンが他人とは外れてたりするかな、とか。

矢島 ある意味こだわりだよね。意図してそういう子を選んでるつもりはなくて、この子かわいいねって他の人に見せると、「こだわってるね」って言われます(笑)。

――ホッケー部門の中での推しメンはどなたですか

羽場 僕は大石(FW大石浩之、教1=東京・早実)ですかね。初心者で高校から始めて大学でも今一生懸命やってるんですけど、意識高くトレーニングに取り組んでいます。試合の前とかもウエイトしていて、日に日に体が分厚くなっていくのが目に見えて分かるくらいです。

矢島 丸太みたいだよね。

羽場 どんどん球体に近づいていく(笑)。体重も僕より重いと思います。本当に努力家なので、いつか花開くんじゃないかと思って見てます。

矢島 僕は新井遥平さん(DF、スポ3=北海道・駒大苫小牧)が好きです。地元が一緒で、中学のときに同じチームになって、高校も同じで家も近かったので一緒に帰ってたりしていました。あの人はイケメンなんですけど彼女ができないんですよ。高校のときからずっと「彼女できないんですか?つくったら楽しいですよ」という話をするんですけど、あと一歩のところまでいってやめちゃうんですよね。そういうところが好きなんです。イケメンで女の子とも話せるのに、彼女つくらないんですよ。

田中 理想が高いんじゃない?

羽場 つくれないじゃなくてつくらないだよね。

矢島 つくらないなんだよね。そういうところがかっこいいなと思います。

田中 自分は松本さん(DF松本逸輝、商4=滋賀・光泉)を推しますね。松本さんはリーグ戦でセットを組むことが多くて、その中で話したり、早慶戦の仕事を手伝ってくれたり、誰に対しても親身に相談に乗ってくれるし、その上で芯が通っていると感じますね。自分がどうしたいというのを持っていて、それに基づいていろんなアドバイスをしてくれるので尊敬しています。

――ホッケー部門での面白いエピソードを教えてください

田中 健太が、格地(DF格地龍太郎、スポ3=埼玉栄)とか高橋と飲みにいくことがあるんですけど、酔ってる時はめちゃめちゃうるさいんですよ。なんて言ってたっけ、この前?

羽場 「あいつだけは許さねえ」って。

田中 「あいつだけは許さねえ」って騒ぎ立ててました(笑)。

矢島 僕の部屋は寮のど真ん中で階段上がってすぐの部屋なので、誰かが騒ぐと迷惑被ってるんですよ。僕らの部屋、トイレにも行きやすいし食堂にも行きやすくて人が多いので、新宿って呼ばれていて。一応二人部屋なんですけど、多い時は7、8人部屋にいるんですよ。

田中 椅子が豊富だよね。くつろげるようにできてる部屋だよね。

矢島 ソファーじゃなくて座椅子なんだよね。座椅子、いいよね。

田中 なに、「座椅子いいよね」って。

一同 (笑)。

矢島 僕の部屋は僕らがいなくても人がいることが多いですね。ある意味実家暮らしみたいです。

「ゴール前で負けない、1対1で負けない」(羽場)

羽場

――秋シーズン全体を振り返っていかがですか

田中 全体を振り返ると、チームとしてやらなきゃいけないことができなかったなという印象が強いです。自分は3年目なのですが、ここ3年間で一番勝ち点を取れなかったんですね。その理由としては、自分たちより上位のチームに対して勝ち点が取れなかったというのもありますし、順位が下のチームに一敗したり一分けしたりというのが多く重なってしまったというのもあります。自分たちが普段の練習でやっていて試合でもやらないといけないことができていたら、こういう結果にはならなかったと思っています。点数取るべき人が取るべきところでちゃんと取るとか、守っているときはこういうことを心掛けなくちゃいけないからこういうプレーはしちゃいけないよねというのを分かっていてやっていたら、シンプルな話得点は増えるし、失点は減るので、その点ではもったいないリーグ戦だったかなと思います。あとはケガ人が多かったなという印象ですね。

羽場 僕は昨年は全く試合に出ていなくて。ベンチにも入らなかったし、ただビデオだけ撮っていた人間だったのですが、ことし初めてベンチに入らせてもらったり、 試合に出させていただいたりしたのですが、やはり見える景色は全然違いました。その中で、チームとして惜しいな、あと一歩足りないなというのを感じる秋シーズンでした。上位校に対してもそんなぼろ負けの試合はしていないけど、やはり大事な局面で失点して競り負けるとか、格下相手でもそうなのですが、結局勝ち切ることがなかなかできないリーグ戦だったなと思います。第1ピリオド(P)とか勝って折り返しても、第2Pで追い付かれて第3Pでその勢いのままやられるという展開を何度も何度も
見てきて、「あ、またか」と思っていました。その度にチームのベンチの中の雰囲気も悪くなって。「ああやばい、また繰り返すな」と思っていたら、結局やっぱり負けてしまって。気持ちの面は大きかったと思いますし、追い付かれたところで、味方同士で鼓舞し合って踏ん張ってもう一回リードしようというところがあまり見られなかったというのが、今回のリーグ戦の結果に大きくつながっているかなと思います。結果としては4位ですけれど、5位6位の日体大、法大が自滅して、他のチームのおかげで4位になれたので、あまり喜べる順位でもないし、そもそも4位という順位も僕らの力で取った感じがしないので、いろいろと課題の残るリーグ戦になったと思います。

矢島 ワセダは上位校にも、下位校にもいい試合をするとよく言われているのですが、すごく波があるなと思いました。上位校にいい試合できる実力を下位校との試合で出せたら、大幅に点差が開いて勝てると思うのですが、下のチームとやっても点差がない試合をしてしまうのはどこかで気持ちのゆるみがあったからだと思います。僕の個人的な印象なのですが、去年は石川さん(DF石川貴大前主将、平28スポ卒=現H.C.栃木日光アイスバックス)といいう引っ張ってくれる人がいたのに対して、ことしはいい意味でも4年生が多く個性があって、仲はいいのですが、まとまりはなかったのかなと思います。第3Pに逆転されて追い上げられないとか、そういうところにチームとして一つの目標に向かってみんなで頑張るといった雰囲気が感じられなかったと思います。インカレ(日本学生氷上競技選手権)は一試合負けたら終わりですし、そういうところでみんなでまとまっていかないと厳しいので、いい課題が見つかったリーグ戦になったのかなと思います。

――去年は第3Pに強いワセダというイメージがありましたが、途中負けていても追い付ける雰囲気づくりができていたのですか

田中 第3Pに強いというのは、サマーカップくらいから秋の序盤にかけての何試合かで、第3Pに立て直して勝った試合が何試合か重なったことがチームとして自信になったというのがあります。「うちは第3P強いんだ」というのをチーム全体として感じるようになりました。そういうモチベーションの変化があると、やっぱり思い込みの力ってすごいなと。

矢島 すごい思い込みだと思っていた。

田中 チーム全体がそう思っているから、結果も出ていたと思います。

――では、ことしのワセダのチームの強みを挙げるとしたら何がありますか

羽場 第1Pはめっちゃ良くなったよね。

矢島 立ち上がりはね。前まで悪かったのが、悪くなくなったよね。

田中 去年は「第3P追い上げよう」という話をずっとしていたけど、ことしは立ち上がりというずっと話をしていて。それは改善されたかなと思ういます。

矢島 あとは4年生が多いということじゃないですか。結局最後勝つチームって勝ちたいという気持ちが大きいチームだと思っていて。4年生のために頑張るという気持ちがやはり最後の大会では大きくなって、4年生が多ければ多いほどその気持ちも大きくなると思います。4年生ももちろん頑張るでしょうし、4年生が多いというのはチームにとってすごくいいんじゃないかと思います。

――羽場選手は試合に出るようになって気づいたことや収穫はありますか

羽場 今まで高校は早実で試合をしていて、本当に大学の1部リーグは全然次元の違うところでホッケーをやっているというイメージでした。プレースピードから何から何まで全然違うというところで(試合に)出してもらって、ある程度プレーができるようになったというのは自信にはなりました。そういうのって実際やらないと何もできないので、上位校とも戦ってスピードに慣れたというのは大きな収穫だと思います。

矢島 焦んなくなったよね。1年生のときはプレッシャーきたら焦っているイメージあったけど、今すごく落ち着いているように見える。

――お二人から見て、他に羽場選手の変化はありましたか

田中 シュート強くなったよね。

矢島 俺もそれ今言おうと思った。法大戦(〇6-3)のとき、すごかったよね。

田中 積極的になったっていうんですかね。シュートを多く打ってくれるようになって、FWからするととても助かります。

――羽場選手自身で練習面や意識面で変化したこともあったのでしょうか

羽場 ハリデー慈英(DF、スポ2=埼玉栄)が抜けて、リーグ戦の序盤で大崎大祐(DF、先理1=青森・八戸)がケガで抜けて、DFに本当に人がいなくなっちゃって。もう後ろで見ていて「頑張れ」って言っている場合ではないのかなと思って、自分がやらなきゃというのは少しずつ思うようになりました。

――リーグ戦では田中選手と矢島選手が組んでいた第3セットが得点を挙げるなど活躍する場面が目立ちました

矢島 3つ目って結構ずっと同じメンバーでやっていて、松本さんが引っ張ってくれていたイメージが強いです。しょっちゅうミーティングしていて、「3つ目はこういう仕事をするんだぞ」と言うのをすごく徹底的に話していました。ワセダの3つ目としてやるべきことをやった結果が、得点であったり、反則を取ってくることであったりにつながったかなと思います。

田中 自分と矢島と高橋の3人がワセダの3つ目に求められるプレーに合っていたかなとちょっと思っています。運動量が多く、めちゃめちゃ走ってめちゃめちゃアタックというプレーが合っていて、それをその3人で話しながらうまいことやっていたのは良かったのかなと思います。

――それぞれの個人の収穫と課題はありますか

矢島 収穫は、今まで僕は一人でパックを持って一人で中まで行くプレーが多かったのですが、周りをもっと使えるようになったのかなと思っています。最後の東洋大戦(△3-3)とかは2セット目で、2年のロイ(FW鈴木ロイ、教2=北海道・苫小牧東)と1年の青木孝史朗(FW、スポ1=埼玉栄)とやっていたのですが、周りも使うし自分も使ってもらえるプレーをできるようになったのは大きいかなと思っています。中学や高校のときは自分一人である程度はできたのですが、大学レベルになってくると一人じゃできないことが多くて。そういうセットゾーンでの連携がうまくなったのかなと思います。同時に、課題として個人的に足が遅くなったなと思いました。それをもともと同期だった中大の人とご飯に行ったときに「雄吾、足遅くなったよね」と言われて。自分でも思っていたのですが、他人から言われて、やっぱりそうだよなと。インカレに向けて強化したいと思います。

――お二人はいかがですか

羽場 挙げだしたら本当にキリがないのですが、圧倒的にパワー不足だなというのはリーグ戦を通して感じました。シュートも打つようになったと言われましたが、打ってもあまり強いシュートではないなと思いました。守りの面でもゴール前で競ったときに圧し負ける時も多かったり、コーナー詰めに行っても体で負けてしまうことが多かったです。やはりもっとウエイトをつけて、力強いプレーをできるようにならなければとリーグ戦を通して感じました。今まで知る機会がなかったので、試合に出るようになって体をつくらないといけないなと強く感じました。

田中 収穫という点だと、健太も言っていましたが自分も上位校の人たちと比べたら圧倒的に体ができていないなと思っていたんですけど、上位校との試合に出ることが多くなって、まずはビビらなくなったなと思いました。それは体ができてきたからなのか、慣れてきたからなのかわからないのですが、臆することはなくなったなと思います。雄吾の周りを使うという話がありましたが、自分は周りが見えていなくて、1つのプレーに集中しすぎて周りが見えなくなるのは課題ですし、自分が強みにしている走って当たってというのももっとできるんじゃないかなと思います。改善点はいっぱいあるんですが、その分伸びしろがあるんだと思ってやっていきたいです。

――チームの改善点はありますか

矢島 セットを回すテンポが遅いなって思います。全体的に一つ一つのセットの出る時間が長くて、海外のトップリーグなどは30秒ごとに代わったりするのに、うちは1分半とかで長くて。ホッケーは疲れる前に変わるのですが、長すぎると次出るときまでに回復できないときもあります。そういうのでちょっと流れが悪くなって、さらにペナルティーも重なり、疲れているときに失点してしまうなどもあったので。ペナルティーで流れが変わってしまうことも多かったので、セットの運営はもっと改善の余地があると思います。

田中 セットを短く回していこうという話は毎試合していて、最初のうちはできているのですがだんだんできなくなって。一回長くなっちゃうとさっきも説明してくれた通り悪循環になってしまいます。入りが良くて第3Pが良くないというのもそこから来ているのかもしれないですし、そこは改善できますね。

「チームが勝てるためのプレーをする」(矢島)

矢島

――インカレのトーナメント表を見て率直な印象はありますか

田中 去年インカレに負けた直後に抽選をしたのが自分なんですけど、ある程度は分かっていた部分があって。ベスト4になるためにメイジを倒さないといけないですし、その前に2試合やらないといけないことも分かっていたので、そこまで驚きはなかったです。驚いたって言ったらダブルヘッダーじゃないっていうのはありました。

――2回戦で対戦が予想される大東大の印象はいかがですか

矢島 リーグ戦の入れ替え戦でケイオーに負けた大東大には絶対負けたくないですね。

田中 試合を見ていると思うんですけど、大東大って乗ったら怖いかなと思います。大東大みたいな1部Aではないチーム相手には、少なからず気持ちのゆるみがあると思っていて、そこを突かれたら取返しのつかないことが起きかねないので。

羽場 簡単に足元すくわれると思います。

田中 去年の関学大戦だって相当危なかったので、心してかからないといけないなというふうに思います。

――準々決勝での対戦が予想される明大の印象はいかがですか

矢島 メイジは、独特なホッケーをするんです。組み立て方というか。

羽場 ベースが個人技だからね。

矢島 去年とかだったら、個人で来て終わりだったんですけど、個人技が組み合わさってはまってきているみたいな。やっかいです。

田中 去年は自分の中でも上位3校の中だったらメイジと一番いい試合をしていた印象があって。というのも今の話にもあったように、個人技でガンガンくる印象だったんですね。それってシンプルな話1対1で負けなければ問題ないんです。だから、去年はすごくやりやすいなって思っていたんですけど、ことしはそれだけじゃなくて、多彩になったというか。チームの中での力が去年より上がっていて、正直苦手です。

――皆さんが思うインカレのキーパーソンはどなたですか。ちなみに堰合選手(DF堰合芳貴、社4=青森・八戸工大一)は羽場選手を挙げていました

一同 おー!

――その思いを受けていかがですか

羽場 最上級生がそうおっしゃってくれているのなら頑張らなきゃなというのは本当に思いますし、同時にすごくプレッシャーも感じます。4年生最後の大会なので、簡単に言うようであれですけど命かけてでも本当に全力でプレーしなきゃなと感じます。頑張りたいと思います。

――では、キーパーソンを挙げてください

田中 秀至さん(GK遠藤秀至、社4=東京・早実)かな。

一同 そうなんだよね。

矢島 良くはないけど、秀至さんに頼りきっている部分があって。

田中 秀至さんに頼りきるのは駄目だし、自分たちも秀至さんを身を呈して守らないといけないんですけど、それでも秀至さんには期待してしまうし、絶対的なキーパーだと思います。

――お二人も遠藤選手でしょうか

羽場・矢島 そうだよね。

矢島 FWで言ったら青木孝史朗が1年生で唯一出ているので、若い力を発揮してくれればなと思います。彼のプレースタイルは好きなので、どんなプレーしてくれるのかなという期待があります。

――インカレまでに何を重きを置いて練習していきたいですか

羽場 今季リーグ戦を通して反則が多く、PK(キルプレー)で守り切れなくて失点する場面が多かったので、やっぱり守りの面でPKを強化しないといけないなというのは感じます。あと、去年に比べたらPP(パワープレー)での得点も少なかったかなと感じるので、そこはうまくPPとPKの両方を練習して、スペシャルプレーの成功率をあげていけたらなと感じます。

――インカレに向けた個人のアピールポイントはありますか

羽場 僕はできることが少ないので、出たら失点しないように全力で守ることに専念したいです。パワーをつけて、ゴール前で負けない、1対1で負けないということだけはしっかりやって、やれることを全力でやりたいなと思います。

矢島 去年は1年生だったので自分のできることをただひたすら全力でやっていたのですが、ことし2年生ということで自分たちも引っ張らないきゃいけないという気持ちを持たないといけないと思っていて。チームのためや、上級生のために勝ちにこだわってプレー選択をしていかないといけないと思っています。1年生のころは結構自分勝手なプレーをやっていたなと思うんですけど、2年生になって勝ちたい、勝たなきゃという気持ちが大きくなってきて。どうやったらチームのためになるのかということに重きを置いて試合に臨みたいなと思います。

田中 自分は、相手に嫌がられるプレーをするというのを自分の中で決めていて。パックを持っている人にしつこく絡みにいって取ったり、体に当たったりというのは、確実に相手に嫌がられるだろうし、チームのためにもなるし、それが勝ちにつながると思います。その持ち味を100%発揮できるような練習を積んでいきたいと思いますし、それをインカレで発揮してチームに貢献できたらいいなと思います。長らくタイトルから遠ざかっていて、一番大きいタイトルがインカレなので、これで勝てばいいのかなと。一番大きいタイトルを取って終わりたいと思います。

――最後にインカレに向けた意気込みをお願いします

羽場 前シーズンのチームよりことしのチームの方が深く関わっているというのを感じますし、月並みの表現ではありますが、だからこそこのチームで一試合でも長くやりたいなという思いがあります。まずは全員が一試合一試合全力でやって、最後はタイトルを取りたいなと思います。

矢島 僕は自分らしく走って、見ていて楽しいようなプレーをしたいです。インカレの開催が地元の苫小牧で、おそらく親も見に来ると思うので、自分がこれくらいできるんだよというのを親孝行のつもりで全力でやりたいなと思います。

田中 4年生とは長い付き合いでいろいろお世話になっているというのもありますし、苫小牧の開催で見に来てくれる方がたくさんいらっしゃると思うので、その方たちに最高の結果を見せられるように練習を頑張って、最終的に最後の舞台では笑って終われるようにしたいと思います。

――ありがとうございました!

(取材・編集 加藤佑紀乃、川浪康太郎、冨田千瑛)

サブタイトルは~2017年早稲田の年~です!

◆羽場健太(はば・けんた)(※写真左)

1996(平8)年4月26日生まれ。180センチ、75キロ。東京・早実高出身。政治経科学部2年。背番号『18』。普段はシャイだという羽場選手ですが、取材に真剣に応じてくださいました。そんな羽場選手がクリスマスプレゼントに欲しいものは『返信』。心当たりある方は、今すぐ返信してあげてくださいね!

◆矢島雄吾(やじま・ゆうご)(※写真中央)

1996(平8)8月17日生まれ。177センチ、70キロ。北海道・駒大苫小牧高出身。スポーツ科学部2年。背番号『1』。競技において、『スピード』に強いこだわりを持っている矢島選手。高校の同級生にスピードが落ちたことを指摘されたときは、相当ショックを受けたそうです。インカレの地で、早大の誇る韋駄天がゴールに駆け抜ける姿を期待しています!

◆田中創一郎(たなか・そういちろう)(※写真右)

1995(平7)年7月31日生まれ。177センチ、75キロ。東京・早実高出身。政治経済学部3年。背番号『9』。感情があまりないと言われることが多いという田中選手。クリスマスプレゼントに欲しいものは『感情』だそうです。インカレでは優勝して、喜びを大爆発させちゃってください!