日大に辛勝。リーグ戦も終盤へ

アイスホッケー

 5連敗を止めた慶大戦での完封勝利の流れに乗り、チームを勢いづけたい早大。約2週間ぶりとなる関東大学リーグ戦の相手は日大だった。早大は第1ピリオド(P)で先制に成功し、結果は4-1で勝利。しかし工藤哲也監督(昭63社卒=青森・八戸)は「勝ちはしたが、内容的には良くなかった」と辛勝を振り返る。順位で見れば格下とも言える日大との対戦であったが、押される場面が目立った。

 一進一退の戦況の中、味方の好アシストを受けたDF堰合芳貴(社4=青森・八戸工大一)がシュートを放ち、数的有利なパワープレーの場面で先制を決めた。早大らしい試合運びができないながらも、続くFW金子聖(スポ4=埼玉・立教新座)のゴールで2点目を追加する。第2Pに突入し、攻めに徹したい早大であったが、チャンスをつかめない。「早大の悪いところは相手にペースを合わせてしまうこと」(金子聖)と選手も自覚するように、ペースは日大側が握っていた。第2P終盤は守備陣の隙を縫われ、失点を許した。

慶大戦に引き続き、この日も得点を挙げた金子聖

 悪い流れを修正したい早大は、第3Pで立て直しを図る。開始30秒、FW青木優之介(スポ4=埼玉栄)とFW瀬戸公大(スポ3=北海道・白樺学園)のパック運びを受けて、FW寺井敏博副将(国教4=米国・チョートローズマリーホール高)がゴールに成功。連携プレーで3点目を挙げた。終盤に日大がGKを下げ6人攻撃に移ると、試合終了10秒前、FW矢島雄吾(スポ2=北海道・駒大苫小牧)が人のいない敵陣を駆け、エンプティゴールを決めた。

好アシストで得点に絡んだDF格地龍太郎(スポ3=埼玉栄)

 一勝を得たゲームであったが、選手たちの口からは「自分たちでつらいゲームにしてしまった」(GK遠藤秀至、社4=東京・早実)と反省の言葉が出た。課題点を再認識した早大は、シーズン終盤に向けてより一層のチーム改善に取り組む必要がある。次戦からは上位校との対戦が続く。より高い順位を意識する上で、これからが踏ん張りどころと言えるだろう。

(記事 廣田妃蘭、写真 冨田千瑛)

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関東大学リーグ戦
早大 ピリオド 日大
2(19) 1st 0(5)
0(8) 2nd 1(12)
2(13) 3rd 0(12)
4(40) 1(29)
※( )内はシュート数
得点経過
チーム 時間 ゴール アシスト1 アシスト2 PK/PP
早大 07:36 堰合 寺井 新井 PP
早大 16:30 金子聖 格地 鈴木
日大 39:15 江良 沖津 皆川
早大 40:30 寺井 瀬戸 青木優
早大 59:50 矢島
※PKはキルプレー、PPはパワープレー、PSはペナルティショットを指す
 なお、PK/PPの表記は早大にとってPKに当たるかPPに当たるかを表記するものとする
早大メンバー
セット FW FW FW DF DF
寺井 瀬戸 青木優 坂本 新井
鈴木 青木孝 金子聖 堰合 格地
田中 高橋 矢島 松本 羽場
飛田 田村 加賀美太 志村 野村
GK遠藤
関東大学リーグ戦ディビジョンIグループA順位表(11月13日時点)
順位 校名 勝点 試合数
中大 31 11 10
明大 28 11
東洋大 27 11
早大 16 11
法大 10 11
日体大 11
日大 11
慶大 11
コメント

工藤哲也監督(昭63社卒=青森・八戸)

――試合内容を振り返っていかがですか

勝ったのは良かったのですが、内容的にはリーグ戦を通して良くなかったゲームのうちの一つかなと思います。

――具体的にはどういった点でしょうか

シンプルにホッケーをやっていこうという話をしていたんですけど、どちらかというと細かいプレーが多かったです。チーム、セットというよりは個人プレーが少し多かったかなという感じです。

――チームの動きはいかがでしたか

2週間くらいゲームが空いてしまったので、立ち上がりなどは良くなかった部分があって。きっちり足を使ってという話は共有したはずだったんですけど、特に第2Pは完全の相手のペースでやられたので、そういったところはやっぱり気を付ける必要があるかなと思います。

――きょうはなぜ金子立樹主将(FW、スポ4=北海道・駒大苫小牧)がいらっしゃらなかったのでしょうか

肩を脱臼して。残りのリーグ戦は出れなくなってしまいました。1か月ほどは完治に時間がかかると思います。

――今回良かった点はありますか

強いて言えばなんですけど、点数の上では後半戦は第1Pは先制点を取って、失点ゼロということは続いているので、そういった部分は良かったと思っています。

――第2P終盤にはタイムアウトを設けていました。どういった話をしていたのですか

完全に流れを日大に持っていかれていたので、そこをもう1回修正して、まず落ち着いて自分たちのペースでやっていこう、と。あとは当たりにいくところで当たりに行かなかったりとか、パスレシーブが悪いところがあったりして。負けている訳ではなかったので、まず全体的には落ち着いて、きっちり修正していこうという話はしていました。

――上位校戦までに取り組んでいきたいことを教えてください

きょうは個人で戦っていた部分があったので、そこは各セットの役割とか自分の役割を再認識して、連携プレーを強化していきたいと思っています。

FW寺井敏博副将(国教4=米国・チョートローズマリーホール高)

――試合内容を振り返っていかがですか

立ち上がりを良くすることを意識して、第1Pは2―0終わったんですけど。第2Pは継続できず、1失点してしまって。結構流れが相手に持っていかれてしまったので、内容的には悪い試合だったかなと思います。

――第1Pは思うような展開ができたということでしょうか

PP(パワープレー)で決めることはできたんですけど。もうちょっとシンプルにやっていこうと言って、それができていなかったので、内容としては良くなかったと思います。

――金子立樹主将(FW、スポ4=北海道・駒大苫小牧)が不在という中、ゲームキャプテンとして意識したことはありますか

立樹がいないので、チームが勝つために声掛けだったりとか細かい部分は言ったんですけど、特に気にしていないです。

――前節から時間が空いていましたが、力を入れていたことはありますか

2週間空いたので、練習ではパスレシーブの強化だったり、シンプルにやっていったりと、個人のファンダメンタルな部分が多い練習でした。そこでいかに試合で生かせるかという練習をやっていました。

――きょうの試合ではパワープレーやキルプレーの場面が何回かありました

PK(キルプレー)も良く防げていましたし、PPも1点入れることができたので、良かったと思います。

――4ー1というスコアについてはいかがですか

スコアだけ見たら意外と近い試合で、正直もう少し離したいなという気持ちだったんですけど、勝てて良かったです。

――良かった点はありますか

第2Pの悪い流れから第3Pで無失点で勝ち切ることができたので、良かったと思います。

――課題点についてはいかがですか

いっぱいあると思うんですけど、次上位校と当たるときにシンプルにワセダのホッケーができれば勝てるチャンスはあると思うので、やっていきたいと思います。

――5連敗を喫していた法大戦後、チームミーティングを開いたと伺いました。チームでどのような話をしたのですか

今後どうしていきたいかとか、チームの方針とか、個人個人自覚持ってこういうことやろうといった話をしました。4位というのが目標なので、4位になれるよう頑張ろうということを話しました。

――上位校との対戦で意識したいことはなんでしょうか

スピードが速い選手やテクニックがうまい選手も多いので、ロースコアに持ち込んで勝つことを意識したいです。

GK遠藤秀至(社4=東京・早実)

――試合全体を振り返っていかがですか

立ち上がりに先に点を取れたのは良かったのですが、その後なかなか追加点が取れず、細かいミスで自分たちから流れを放してしまって。もっと楽に勝てた試合だったと思うのですが、自分たちでつらいゲームにしてしまったと思います。

――日大はカウンターが多いチームに見られましたが、実際戦ってみてどうでしたか

ワセダのFWが全員攻めに入りすぎていたのを(日大が)見て、そこをうまく突かれたというか。ワセダの弱点といいますか、きょう悪かったところを突かれました。他の大学のときはFWもしっかり守りの意識もできていたと思うのですが、きょうはFWがあまり守りに意識がいっていなかったかと。(FWが)パックを持って攻めることができていたので、それで攻めに意識がいきすぎていて、カウンターを相手に許してしまったのではないかと思います。

――第2Pでのタイムアウトでは何を話されたのでしょうか

流れが悪かったので、もう一回気を引き締めていこうということと、あとはプレーの細かいことです。こう変えた方がいいんじゃないかというところ、悪かったところなどを話していました。

――第3Pでは連続して数的不利なキルプレーのピンチがありましたが、どのようにチームに響きましたか

キルプレーこそ多かったですけど、相手にやりたいことやらせずに守り切れていたと思うので。それで多少良い流れに持っていけたんじゃないかなと思います。

――ゴールから見たチーム全体の動きはどう感じられましたか

第3Pは良かったのですが、その前の第1P、第2Pはちょっとプレーが雑だったり、集中してない部分もありました。あとは、シンプルにできるところを自分たちで難しくしてしまっていたかと思います。試合としては良くなかったですけれども、第3Pでしっかり立ち直せたので、そこは次につながる良いところだったかなと思います。

FW金子聖(スポ4=埼玉・立教新座)

――きょうの試合内容を振り返っていかがでしょうか

相手のペースに少し合わせてしまっていて、本来の自分たちの積極的に足を動かしてゴール前を狙うというプレーができていなかったなかったように感じます。

――前回も「ワセダの悪い所は相手にペースを合わせてしまうところ」とおっしゃっていましたが、やはり今回もそういった場面があったのでしょうか

そうですね。

――戦う前の日大の印象はいかがですか

フィジカルプレーかあるチームなので、しっかりフィニッシュチェックであったりとか、自分が相手に体を預けて、次の動きを封じるということをやってきたのですが、あまりよくできなかったのかなと思います。

――実際に対戦してみてうまくいかない部分がまだあったということでしょうか

そうですね。入りの部分がふわっとしてしまい、気持ちが入ってないところがあったので、練習以前に気持ちの準備ができていないということがあったと思います。

――前回の試合から少し時間が経っていますが、その間に意識して取り組んできたことはありますか

2週間も空くと試合感覚が少しなくなってきてしまうので、練習では5対5だったり、実際の試合に向けた練習を取り組んできたのですが、特に作戦などで意識したことはないです。

――ご自身の得点シーンを振り返っていかがですか

DFからのシュートをしっかりゴール前で相手のキーパーから見えないようにするということを心掛けていたので、それが試合で実践できてよかったです。

――前回の慶大戦に続き、きょうも得点を挙げていました。金子選手自身、調子が上がっているなと感じるところはありますか

まぁ、そうですね。きょうに関しては足がまだ動いてなかったので、もう少し動かしてチームに貢献できるプレーをしたいなと思います。

――チームが5連敗を喫した際、ミーティングをされたと伺いました。金子選手はどんなことを発言されたのでしょうか

チームの雰囲気自体は悪くないのですが、何か流れを変えなくてはいけないと感じでいたので、普段の練習後の陸上トレーニングとかはもう少しぴりっとして、やるときはやると、休むときはみんな楽しくしようという話をしました。

――次戦から上位校との対戦が続きます。強化していきたいことを教えてください

きょうの第3Pでみんなが実践できていたフィニッシュチェックだったり、相手に速くつめるプレーをしっかりすることと、上位校になってくると3番手、4番手、5番手の全ての選手を使ううまいプレーをしてくるので、そこに対応できる練習をしていきたいと思います。

DF格地龍太郎(スポ3=埼玉栄)

――試合全体を振り返っていかがですか

先制点を挙げることができて、試合の入りは自分が見た限り悪くはないかなという感じだったんですが。第2Pで決定機をあまり決めきれなかったりとか、相手に多くシュートを打たれたりとかで、中盤はけっこうつまずいて相手に流れをつくられてしまいました。そこをみんなでしっかり立て直して、第3Pで引き離して勝つことができたので、課題は残るかたちでしたが、勝てて良かったかなと思います。

――本日はアシストもされていましたが、振り返っていかがですか

DFはロングシュートというか、相手のキーパーから遠いところからのシュートが多いので、その分直接入るということが少なくて。だから自分のシュートを触ってくれるFWがいるのはうれしいし、それでアシストをつけてもらえたって感じなので。あれは入れてくれた19番の金子さん(FW金子聖、スポ4=埼玉・立教新座)に感謝かなと思います。

――本日の守備陣の動きはいかがでしたか

最初の試合の入りと中盤で相手の体に当たって相手を止めることが少なくて、それで相手に流れに乗られたところが多くて。第2Pが終わったあと、ちゃんと体当たっていこうっていうことをみんなで話し合いました。そこから立て直してみんな体当たれて、結果として1失点で抑えられたかなと思います。

――第2Pは攻め込まれる場面が多くありましたが、意識されたことはありますか

シュートを打たれることが多かったんですけど、キーパーの遠藤さん(GK遠藤秀至、社4=東京・早実)が相手の1発目のシュートは止めてくれていたので。リバウンドを拾ってクリアするということに重点を置いて、相手に2発目3発目を打たせないということは自分の中では結構意識していました。

――きょうの良かった点、悪かった点をそれぞれ教えてください

個人的には自分がプレーしている最中には失点がなくて、無失点で終われて、なおかつアシストを1個つけられたのは大きな収穫かなと思っています。チームで悪かった点は最初で先制できて流れに乗れたのに、第2Pで相手に流れを渡してしまったところなど、相手を圧倒しきれなかったことかなと思います。次当たる時は、1試合を通してワセダが圧倒しているなという試合をしたいと思います。

――前回の対戦から日が開いた試合となりましたが、チームで話し合われたことなどありましたか

前回がやっと連敗を抜け出せたという試合だったんですけど。日が開いてしまうのでみんなで勝ったことを思い続けて、日大戦では連勝して流れに乗り、勝つ試合の感覚を忘れないようにしようということはみんなで言っていました。

――次戦に向けた意気込みをお願いします

次戦からは上位校との戦いで、きょうまでで2連勝した相手とはレベルが一つ二つ変わってくるので。一次リーグは負けてしまっているのでしっかり勝って、できるだけ上位を狙っていけたらなと思います。

FW瀬戸公大(スポ3=北海道・白樺学園)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

この前の試合は勝ったんですけど、それまで負けが続いていて、チームの雰囲気はあまり良くありませんでした。キャプテン(FW金子立樹主将、スポ4=北海道・駒大苫小牧)がけがをしてしまったんですけど、みんなでカバーして頑張ろうとして勝てたので、それは良かったと思います。

――第1セットでの起用でしたが、どのような気持ちで試合に臨まれましたか

普段キャプテンが出ているところということで、責任を感じました。みんながカバーしてくれて、自分のやりたいプレーができました。

――3点目で好アシストをされていましたが、ご自身で振り返っていかがですか

第2Pで点を取られたので、第3Pで流れを変えたいと思っていました。青木さん(FW青木優之介、スポ4=埼玉栄)からパスがきて、自分で決めようかと思ったんですけど、寺井さん(FW寺井敏博副将、国教4=米国・チョートローズマリーホール高)がいいところに走ってくれて、そこに流したら打ってくれたので良かったと思います。

――日大の印象はどうでしたか

自分たちが押されていた場面もありましたし、力の差はないと思います。順位は少し下になりますが、他のチームとあまり差はないと思います。互角くらいだったという印象でした。

――相手は粘り強いディフェンスをしていたと思いますが、戦ってみていかがでしたか

向こうは、守りから良い攻めという流れだったと思います。自分たちは中に入っていけなくて外から打つシーンもあったので、日大の守りにやられていた部分はあったと思います。

――相手GKの守りはどうでしたか

結構いいチャンスでも、止められてしまうことがあったという印象です。

――良かった点や課題があれば教えてください

自分たちのチームとして、ニュートラルゾーンとか危ないゾーンでの、簡単なプレーや軽率なプレーが多かったです。もう少し大事に、慎重にプレーすることが課題だと思います。それは守りにつながってくると思いますし、攻めは攻めで近すぎたり打つべきところで打てなかったりしていたので、もっとゴールに集められるようにすることも課題だと思います。良かった点は、キャプテンがいない状態でも、チームみんなで盛り上がっていけた点で、これは次にもつながっていくと思います。