選手が氷上で活躍するには、彼女たちの存在が欠かせない。2年生のときに最高学年のマネージャーに就任した熊田なつみ(文構3=神奈川・鎌倉女学院)、ことしから加入した小山友梨乃(教3=神奈川・鎌倉女学院)、そして朝3時からチームを支えている高山紗季(人2=群馬・前橋女)。陰の功労者である三名に、普段は知ることができないマネージャー業のお話、選手の知られざる素顔、そして早大アイスホッケー部の魅力を語っていただいた。
※この取材は5月18日に行われたものです。
「芯はみんな熱い」(熊田)
熊田
――マネージャーになった経緯を教えてください
高山 私は、高校3年生のときにアイスホッケーの国体が地元の群馬でやっていて、それをたまたま見て感動して。マネージャーをやろうとは思っていなかったのですが、勧誘されたので考え始めて入ったという感じです。
熊田 私はスケート部フィギュア部門の主将をしていた姉(熊田のぞみ=平27文構卒)にフィギュア部門の主務をやらないかと誘われて。それでスケート部にフィギュア部門の主務として入ったことで、ホッケー部門の人とも知り合うようになり、ホッケー部門にマネージャーが足りないという話を聞いて、フィギュア部門の主務と両方兼ねるようになったことがきっかけです。マネージャーというよりは、最初はお手伝いという感じで入りました。
小山 私は3年ですが、ことし入ったばっかりで。なつみ(熊田)が中高一緒で、早慶戦に誘ってくれる機会があり、そこで初めて見てみてすごく面白いなと思ったことがきっかけです。私はサークルなどに何も入っていなかったのですが、「足りないから入らない?」と誘われ、入りました。
――具体的な仕事内容についてお伺いします。皆さんの間で役割分担などはあるのですか
熊田 私と友梨乃(小山)は横浜の方に住んでいて東伏見に行くのが遠いし、私はフィギュア部門の仕事もあるので、東伏見に行かなくてもできる仕事を中心にやっています。広報の仕事をメインで行っていて、あとは試合のときや早慶戦の運営、遠征と合宿には帯同しています。紗季ちゃん(高山)は東伏見に住んでいるので、普段の練習の方をメインでやってくれています。
高山 朝練と、そのほかの早慶戦と合宿などは一緒です。
――普段の練習ではどのような仕事をされているのですか
高山 主に飲み物づくりです。測定のときは記録を図ったりとか、ティッシュなども練習中に使うので、それを準備したりとか。あとプロテインを選手が飲むので、そういった細かいものを準備しています。
――試合のときはどのようなことをしているのですか
小山 選手の写真を撮って、あとは広報用のフェイスブックに載せるための写真を撮ったり。
熊田 飲み物をつくるのはいつも通りで、あとはツイッターの速報をやっているのと、試合にOBの方や保護者の方がいらっしゃるので、ワセダの関係者の受付で選手のお話をしたりしています。
――早慶戦の運営はどのようなことをしているのですか
高山 ポスター,チケット,パンフレット,チラシは、デザインから発注まで全てマネージャーが決めています。特にデザインは一から考えているので、すごく大変です。
――仕事が大変で、全てを投げ出したくなることはありますか
熊田 めっちゃある。
高山 ありますね・・・。
熊田 早慶戦の前は本当に大変なんですよ。冬の早慶戦はワセダが主幹なのですが、(昨年度)主幹をやるのが初めてだったので、不安で不安で寝れなくて。仕事が終わらないのもそうだし、夜中4時くらいに(高山さんと)二人で「やばいねー!」って言って(笑)。そのままほとんど寝ずに当日行って、朝からてんやわんやみたいな。終わってからも安心できなくて、心臓のドキドキが止まらなかったです。
小山 今のところ二人がすごくやってくれて、全然役に立ててないというか、そこまで仕事の大変さを味わえていないので、まだやめたいと思ったことはないです。これから思うかもしれません(笑)。
高山 朝練は氷上練習だと朝2時半に起きなきゃいけないんです。体力がついていかないし、やめたくなったことはありましたね。
――何時に寝ているのですか
高山 自分のこともあるので、なんだかんだ11時になってしまうことが多いです。朝練が終わって、授業前に少し寝るようなサイクルにしていました。前は花小金井に住んでいて、自転車で通わないといけなかったので、そのときが一番つらかったです。でも今は氷上練習を見ていることが楽しいと思えるようになったので、そうは思わないです。
――マネージャーをやっていて、やりがいやうれしさを感じることはありますか
高山 試合に勝ったときは、一緒に氷上には立てないのですが、同じチームとして一緒に戦っているので一番うれしいですね。
熊田 試合に勝ったときとか、点が入ったときはマネージャーで一緒にいたら飛び跳ねて喜んでいます(笑)。選手って点を入れると、ベンチのみんなが並んでいるところに来て、ゲンコツでハイタッチみたいのをしていくんです。でも、その横のリンクサイドにいる私たちには、ガッツをしてくれないんですよ(笑)。だから三人で、カベをドンドン叩いて(笑)。
高山 気づいて!ここでもやっているんだよ!って(笑)。
一同 (笑)。
熊田 たまに優さん(FW青木優之介、スポ4=埼玉栄)とかやってくれるよね。昨年の法政戦の残り9秒で決勝ゴールを決めたとき(接戦制し白星発進!/関東大学リーグ戦)にやってくれました。
――試合のとき、マネージャーの皆さんが祈るしぐさをしているのがかわいいと早スポの間で話題です
熊田 あそこまでくると祈るしかないですし、頑張ってほしいんですけど、どうしようもないって感じです。あとは、若干手が寒いっていうのもある(笑)。
一同 (笑)。
――リンクは寒いですが、寒さ対策はどうしているのですか
熊田 日光のインカレ(日本学生氷上競技選手権)の会場がすごく寒いということで、昨年の頭くらいに黒いジャンパーを監督たちがつくってくださったのですが、その前までは本当に寒かったです。
高山 朝練のときは寒いのですが、試合のときは自分の中ですごく燃え上がっていて、全然寒くないです。寒いんですけど・・・(笑)。
熊田 寒いときと寒くないときがあるよね。
――心がポカポカしているのですね
熊田 こっちもアドレナリンが出ていて(笑)。でも、邪魔しちゃいけないかなとか思って、選手にはそこまで「頑張って!」とかあまり言えなくて。余計内側で盛り上がって熱くなっちゃうみたいなのはあります(笑)。
――始めたばかりということですが、小山さんは何かやりがいを感じたことはありましたか
小山 マネージャーは別に試合に出るわけではないのですが、今回初めての早慶戦で、親や友達が結構見に来てくれて。そこで「楽しかったよ。」と言ってくれたのが、すごくうれしかったです。
高山 もう一つありました(笑)。選手に「ありがとう!」と言われるのがすごくうれしいです。
一同 あー!
熊田 こないだ、わざわざ言ってくれたときあったじゃん。
高山 ありましたね。
熊田 早慶戦のあとに、「今回早慶戦でいろいろ頑張ってくれたマネージャーに、お礼を言おう!ありがとうございました!おつかれさまでした!」みたいなのをやってくれる場があって。そのときはすごくはずかしくて、「いいよいいよ!」とか言うんですけど(笑)。内心では、「ありがとうって思ってくれているんだー!」ってうれしくなっています。
高山 やっぱり言ってくれないと分からないので、言ってくれたときはすごくうれしいです。
――マネージャーをやっている上で心掛けていることはありますか
小山 部の顔ではありませんが、大人の方と関わることが多く、マネージャーがしっかりしていないといけないところがあると思っていて。私はまだまだ関わっていないのですが、これからやっていく上で言葉使いや振る舞いをもっと大人らしくしていけるようになっていければいいなと思います。
熊田 外部の方に対して心掛けていることは同じような感じです。選手に対しては、選手は競技をすることが一番で、ホッケーをしに部に入っているので、競技をしていない私たちは選手が競技に集中できるように、見えないところまでいかに心を配れるかが大事だと思っています。私たちは、マネージャーの仕事ができることが当たり前で、できないと失敗したということで目立つだけなので、きちんとやることをこなしてプラスアルファでなにができるかということをいつも考えて行動しています。
高山 私は入った初期のころから一人で朝練に行くことになったので、きちんと自分の役割をこなすことを心掛けています。プラスのことをもちろんしないといけないけれど、その前に自分の仕事はちゃんとやろうと思っています。
「チームに貢献できるように」(小山)
小山
――入部したときと今では、チームの印象は変わりましたか
熊田 変わりましたね。最初は試合を普通に見ていたので、防具とかで顔が見えないじゃないですか。それで実体が分からなかったので(笑)。すごく速くて、エクサイティングなスポーツをやっている人たちを見て、漠然とかっこいいなと思っていたのですが、実際に人として接してみるとそれぞれ個が強くて、面白い人たちでした。初めはクールなイメージだったんですけど、身近で話すようになって感じ方は変わりました。
小山 私も一緒ですね。最初は本当にかっこいいなと思っていて。漠然とスポーツをやっているかっこいい人たちというふうに感じていたのですが・・・(笑)。今は、本当に面白いしふざけているイメージです(笑)。すごく気さくで優しかったので、すぐなじませてくれたのはとても感謝しているのですが、やっぱり面白いです。
――高山さんは所沢キャンパスの新歓で勧誘されたのですか
高山 そうです。飛田烈(FW、商2=東京・早実)に勧誘されました。そのときは結構ちゃらいと思っていて、早慶戦を見たときもみんなで盛り上がっているイメージが強く、結構やばい・・・って思っていたのですが(笑)。
一同 (笑)。
高山 みんな本当に優しくて、しかも結構人見知りの人も多くて、それに驚きました。
――ことしの4年生が率いるチームの雰囲気はいかがですか
熊田 4年生は人数も多く、個性的な方もそろっているし、明るくて元気というか無邪気な方が多いので(笑)。すごく楽しませてくれますし、マネージャーのこともすごく気遣ってくれます。私も年度が上がって今3年なので、チームの見方が変わってきているのもあるかもしれませんが、ことしの4年生はすごくチームのことを考えてくれているなと思っています。チーム全体も4年生の個性に合わせて、明るくって気さくなチームというか、みんなで仲良く頑張っているイメージがあります。
高山 朝練に出ていて感じるのは、みんながすごく楽しそうにやっているなということです。ふざけているとかではなくて、集中をすごくしているけど、その中でも楽しそうにやっているな、と。チームワークはいいなと思っています。
――特に個性的な方を挙げるとしたら
高山 秋都さん(FW佐藤秋都、教4=北海道・駒大苫小牧)がパッと。
熊田 ベンチで一番声を出している方です。以前行った4年生のインタビューで、『ホッケー×(笑)=俺のプレー』といったことを書いてくれて(笑)。プレーの面白さや技術に対し、人一倍敏感なイメージがあります。
高山 物知りで『歩く辞典』と言われていて。細かい情報をすごく教えてくれます。
熊田 トシさん(FW寺井敏博副将、国教4=米国・チョートローズマリーホール高)かなあ・・・。トシさんってホッケーへの熱がすごくて、アメリカ生まれのホッケープレーヤーみたいな感じで。ベンチやロッカールームでは、後輩に「お前あっちはこうだっただろう!」とか、すごく熱く指導している印象があるのですが、オンとオフの切り替えがすごくて。オフになると・・・無邪気(笑)?
一同 (笑)。
熊田 私が一番すごいなって思うのは、チームラインとかで他の人へのいじりとかがすごくて(笑)。なんて言うんだろう・・・人をいじることでコミュニケーションを取っているというか。それ全体でチームが明るくなっているというのはあります。
小山 今回の早慶戦でキーパーのクニ(GK草島邦彦、社3=東京・早実)が先発で出ていて、途中で交代になったじゃないですか。クニがベンチに帰ってきたときに、一番最初にクニのところに行って、頭ポンポンってしたのがトシさんで、優しくて感動しました。
――チームラインが活発に動くのですね
熊田 私が一番面白いと思うのは、毎日寮のご飯のメニューが送られてくるんですよ(笑)。きょうのご飯はこれこれです。で、星いくつみたいな(笑)。寮のご飯当番の1年生が主観で決めるんですよ。これは俺的には星いくつ、みたいな感じで(笑)。
高山 確かに、それが一番驚いたかもしれない(笑)。いきなり今日のご飯のメニューが来て、星?!みたいな(笑)。
一同 (笑)。
――ことしチームを率いる金子立樹主将(FW、スポ4=北海道・駒大苫小牧)の印象はいかがですか
小山 私は入部して、まず韓国遠征に行ったんですけど、そのときに立樹さんがマネージャーだけに飲み物やお菓子を買ってくれたりしてくれて、優しいなという印象を受けました。
――ことし主将になってから印象は変わりましたか
高山 その前から副将をやっていたので、そのままキャプテンになる方だなと思っていました。本当にマネージャーのことをすごく気遣ってくれて、声を掛けてくださるのでとても優しいという印象と、あとはすごく面白いです。
熊田 立樹さんは、優しいなっていうのが一番の印象です。入ってすぐのときは、あまりしゃべらなかったんですけど、翌年立樹さんがアシスタントをつけ、だんだんチーム全体のことを見て、私たちにも「マネージャーで大変なことあったら言ってね。」とか言ってくれて。すごくチーム思いの方なんだなと思います。
――熊田さんと小山さんにお聞きします。同学年の3年生の印象はいかがですか
熊田 いい人たちだよね(笑)。
一同 (笑)。
熊田 自分がいるからかもしれないのですが、一番学年的にいいと思っています(笑)。一番普通なんだけど、一番普通じゃない。でもやっぱ普通なのかなって(笑)。ことしからは割と出ているのですが、3年生は出場機会に恵まれなかったり、出れる人が結構固定されていたりして。紗季ちゃんの代は、入学したときからスター選手がそろっていて、いきなり試合に出ていたりしたのですが、私の学年はあまり恵まれない選手が多かったんです。でも、だからこそマネージャーとか裏の業務をやっている人などが、どういう風にベンチでサポートしているのかというのを見てきている学年だと思うので、そういうところで一番心強いし、一番声を掛けてくれます。とても同期に恵まれたなと思います。
小山 私は、入って一番最初に声を掛けてくれたのが3年生でした。一人とかじゃなくて3年生みんな一緒に声を掛けてくれて、同学年がいい人たちばっかりで良かったなって思います。
――では、高山さんにお伺いします。2年生の印象を教えてください
高山 2年生は本当に仲がいいですね。同期内ですごく仲が良くて、誕生日のときは絶対一人ずつみんなでお祝いします。あと4年生と一緒で本当に個性が強いので、一緒にいて話を聞いているだけですごく楽しいのと、同期がプレーしている姿を見れるので、それはとてもうれしいです。
――マネージャーだからこそ知る、氷上だけでは分からない選手の魅力を教えてください
熊田 散々ふざけて面白いことばっかり言っているんですけど、相当な努力を今までしてきているなというのを入って感じています。私はずっと同じ競技を長くやってきたことはないし、日本のトップレベルのところまで行ったことがないので、そこまでいった努力がどれほどあるのかというのを全然想像できないのですが、ずっと小さい頃からホッケーをやってきて、ホッケーだけを考えて寮に入って、ホッケーの仲間と一緒に朝早く起きて、ホッケーのために練習をして、っていうホッケーのために生きている人生みたいなところで、芯はみんな熱いんだろうなって思っていて。すごく尊敬しています。
――マネージャー同士の印象を伺っていきます。まず、小山さんからお二人の紹介をお願いします
小山 なつみは中高の同級生で、中学1年生のときに出席番号が隣だったんです。そこからずっと仲が良くて、6年間毎朝一緒に学校に通っていました。すごくしっかりしているんですよ。本当に頭も良くて、毎朝一緒に行ってなつみの宿題を写すというのが日課でした(笑)。
一同 (笑)。
小山 なんだかんだすごく尊敬しています。でも中身は面白くて、一緒にいて楽しいです。
――高山さんへの印象はいかがですか
小山 最初入ったとき、私の方が年上なのに後から入るということで、どうやって接していいんだろうと思っていたのですが、初めて会ったときからすごく気さくに話しかけてくれて、明るくてかわいいって感じです。今も本当にいい子だなって。紗季ちゃんで良かったなって思っています。
――熊田さんはお二人の印象はいかがですが
熊田 友梨乃は一緒だよね。友達になったきっかけが、地理の授業で地図塗りをしたときで。色鉛筆を持ってこなきゃいけなかったのに、友梨乃が忘れて隣に座っていた私に、「色鉛筆貸してくれない?」って顔を真っ赤にしながら言ってきたんです(笑)。最初はシャイなんだなと思っていたのですが、しゃべり始めると口が達者で。人の特徴を捉えるのがうまいから、「あの人なになにに似てる!」とかすぐ言うんですよ(笑)。毒舌だけど、確かに間違ってないところもまた面白くて、かれこれ何年も一緒にいますね。
――高山さんに対してはいかがですか
熊田 紗季ちゃんは、烈が勧誘した最初のときは、礼儀正しそうだなって思ったのが印象的です。私が他部門の仕事もやっているから、忙しいっていうことをすごく分かってくれていて。自主的に自分の仕事を確立していってくれたなというか、私の手の回らないところがあるのを紗季ちゃんがサポートしてくれて、優しくて、かわいくて、ちゃんと仕事もできて・・・。
高山 なんかすごい褒めてくれる(笑)。
熊田 でも、面白いよね。二人でドジして、ヤバイヤバイって焦るのが、後から思えばすごくいい思い出です(笑)。遠征先で絶対1個はドジするもんね(笑)。
高山 そうですね(笑)。
熊田 一緒にマネージャー業務をここまでつくり上げてこれたのも紗季ちゃんのおかげなので、信頼している存在です。
――高山さんからもお二人の印象をお願いします
高山 なつみさんは本当に優しいです。朝練でお会いしてなかったので、初めて会ったのが部員総会で、入部してから一ヶ月くらい会ってなかったので、変なことしないかとかすごく心配していて(笑)。でもなつみさんから話し掛けてくださって安心しました。一緒に仕事を始めてからも、本当に仕事ができるので頼ってばっかりなんです。頼れるお姉さんという感じで、将来上司になってほしいなって個人的には思っています(笑)。
一同 (笑)。
高山 私がドジをしても、本当に落ち着いていて、すごく対応してくれて・・・。
熊田 内心めっちゃ焦ってるから(笑)。「またやらかしたー!」って(笑)。
一同 (笑)。
熊田 それを見せないほど素晴らしくて、しっかりしている存在です。
――小山さんについてはいかがですか
高山 友梨乃さんも、またすごく優しくて。私はすごく抜けているのですが、そこを一緒に楽しんでくださるという感じなんです。私に付き合ってくれる本当に優しい先輩で、入ってくれたばかりなのですが、私もサポートしてもらっているというくらい。二人とも大好きです。
――チームの推しメンを教えてください
小山 格地(DF格地龍太郎、スポ3=埼玉栄)は、面白くて面白くて笑っちゃいます(笑)。
熊田 あれは本当にすごい(笑)。お笑い芸人だよね。
小山 面白いことをずっと言っていて。ベンチに入っても、ヤジが面白くていちいち笑っちゃいます。
熊田 アジフライのやつがさ(笑)。
高山 なつみさんがはまっちゃったギャグがあって(笑)。
熊田 それだけ聞くと何も面白くないんですけど(笑)。昨年の日光合宿のとき、ご飯にアジフライが出てきたんです。(「いちろうさんの牧場で、イーアイ イーアイ オー」のリズムに合わせて)「アジフライが動き出す、イーヤーイーヤーヨー」っていう歌があって。寮では誰か一人が歌い始めたら、「イーヤーイーヤーヨー」のパートをみんなで合唱するっていうのが決まっているらしいんですけど。
高山 そこが面白いですよね(笑)。
熊田 それが3年生のルーティーンらしくて(笑)。それを知らないままに日光合宿でアジフライが出てきて、いきなり一人が「アジフライが動き出す」とか言って「え?」とかその時点で思ったのに。
熊田・高山 「イーヤーイーヤーヨー」って(笑)。
一同 (笑)。
熊田 その後、ご飯を食べながらずっとはまってしまいました(笑)。
――この面白さを字に起こしたときに伝えられるかが心配です
高山 そうなんですよね(笑)。
熊田 今でもたまにいじられます。「なっちゃんがこないだ笑い転げていたの、なんだっけ?」「アジフライ~!」みたいな感じで(笑)。
一同 (笑)。
高山 「お前の才能、面白いことだけだよな。」ってトシさんが(格地選手に)言ったんですよ。でも他のみんなが「それってめっちゃ良くない?」って(笑)。
一同 (笑)。
高山 というくらいみんなからも面白いって思われています。
熊田 3年生って固まるとすごいチームワークを発揮するんです。プレーとかの意味じゃなくて、笑いを起こすコミュニケーションが出来上がっていて(笑)。なので、3年生はみんな推しメンです(笑)。
――4年生と2年生は個性が光る中、3年生は全体的な魅力があるのですね
熊田 3年生は一見影が薄いけど、実はすごいみたいな感じがあります(笑)。
「ワセダ愛がみんな強い」(高山)
高山
――プレーヤーとしてではなく、見ている側として感じるアイスホッケーの魅力を教えてください
熊田 私はカナダにいたときに、ちょうどソチ五輪がやっていて、カナダ代表が出ている試合をホームステイ先で一緒に見たんです。そのとき、みんながテレビにかじりつくように見ていたのが印象的なのですが、日本はそうではないのがすごく悔しいなと思っていて。それが早慶戦を頑張る原動力になっていたりします。リンクサイドで見ていて、フェンスにぶつかってくるときとかスピード感が本当にすごいです。あと、「めっちゃ変!」ってこないだ誰かに言われたのですが(笑)。パスが通るとき、パックがシュポっていってスティックの先っぽにはまる音がするんですけど、その音がすごく好きで(笑)。それを聞くと、「あ!つながった!」ってうれしくなるんです。すごく小さくて速いパックがつながるのが、ひとつひとつすごくいいなと思いっています。あと、風を切って滑っていくとき、ユニフォームがヒラヒラしているのを見ると、すごいスピードで行っているんだ、かっこいいなって思います。
高山 初めて見たとき、アイスホッケーという名前は知っていたのですが、競技を見たことがなく、それがどういうスポーツか知らなくて。でも見てみたら、スピード感と、体当たりしていく迫力にくぎ付けになってしまったんです。それまで、こんなに迫力があるスポーツを見たことなかったので、「痛い!」と思ったのですが(笑)。でも、ぶつかってまでいく熱意に心を打たれてしまって。リンクを滑るだけでも私はよろよろしてしまうのに、それに加えてパックを扱ういろんな技術が集結していると考えると、感動するし、そこも魅力だなと思います。
小山 私も初めて見に行ったとき、アイスホッケーという名前しか知らなかったのですが、見てみたら試合の展開も早いし、好守の入れ替えが本当に素早くて。パックも小さくてすぐどこかに行ってしまうので、目が離せないし、一回見たらまた見たいなと思うのがすごく楽しかったです。あと冬の早慶戦のとき、知っている選手がいたのでリンクウォーク(※試合後に観客もリンクに上がれるイベント)で写真を撮ってもらったのですが、実際横に並んでみたらスケート靴ですごく身長が盛れていて(笑)。
一同 (笑)。
小山 本当に大きくて、防具も付けていると、がたいもすごく良くてかっこいいなと思いました。そういう格好も魅力だと思います。
――他のチームにはない、早大アイスホッケー部の魅力はありますか
熊田 やっぱり、チームワークかな。
高山 そこですかね。
熊田 圧倒的に他のチームの方がスター選手がいる中で、自分のスキルに頼り過ぎず、チームで戦っていくスタイルが魅力だと思います。ホッケーの詳しいことは分かりませんが、それは見ていて感じます。
高山 自己推薦で入ってきたロイ(FW鈴木ロイ、教2=北海道・苫小牧東)とマロ(DF坂本之麿、社2=青森・八戸工大一)が言っていたのですが、自分たちはワセダに入りたいという気持ちがすごく強くて、その気持ちが強かったから入れたんだなって話をしていて。ワセダ愛がみんな強いじゃないかなっていうのは思いました。
小山 他のチームがどうかというのはまだ分からないのですが、入ってびっくりしたのは本当に仲がいいんだなということです。体育会系ってすごく上下関係が厳しいというイメージがあったのですが、実際入ってみて2年生が4年生にフランクに話していたり、4年生もそれを楽しんでいたりして。家族みたいに一緒に生活をしているし、チームワークや仲の良さが隣で見ていてすごくいいなと思います。
――最後に、マネージャーとしてことし1年間の抱負を教えてください
熊田 私は2年のときにいきなり最高学年のマネージャーになってしまい、どうしようというのがあったのですが、紗季ちゃんと昨年二人三脚でやってきて、ことしは中学のときから信頼している友梨乃も入ってくれたし、すごく周りに恵まれているなと思っていて。今は私が仕事を二人に分担して、それプラス個人で考えてもらうという感じでやっているのですが、私が主幹でやるんじゃなくて少しずつシフトしていって、二人にそれぞれ考えてもらい、足りない部分を私が補助していくというふうにしていこうと考えています。経験的な部分を少しずつ引き継いでいって、自分がやってきたことを伝えていく年にしていきたいと思います。
小山 私は仕事の全貌を把握してないこともいっぱいあるし、まだまだ言われたことしかできていないので、一刻も早く仕事を覚えて自立して行動し、チームに貢献できるようにしたいと思います。
高山 昨年は自分の仕事をきちんとこなすことと、部活に慣れていくことに精一杯だったので、なつみさんから受け継いでいったことを自分からできるようになっていき、一歩先に行動できるようになりたいと思います。
――ありがとうございました!
(取材・編集 冨田千瑛、中村ちひろ)
リーグ戦では、選手たちがマネージャーの元にもハイタッチする姿を見られるでしょうか!
◆熊田なつみ(くまだ・なつみ)(※写真中央)
1995(平7)年7月20日生まれ。神奈川・鎌倉女学院高出身。文化構想学部3年。スケート部のホッケー部門のマネージャーとフィギュア部門の主務を兼任し、忙しい生活を送っている熊田さん。最近は生ハムを食べに行くことにはまっているそうです!
◆小山友梨乃(こやま・ゆりの)(※写真左)
1995(平7)年7月26日生まれ。神奈川・鎌倉女学院高出身。教育学部3年。今年度から入部した小山さんからは、早くチームに貢献したいという気持ちがとても伝わってきました。マイブームは、愛猫に霧吹きをかけてあげることだそうです!
◆高山紗季(たかやま・さき)(※写真右)
1996(平8)9月10日生まれ。群馬・前橋女高出身。人間科学部2年。群馬国体でアイスホッケーに一目ぼれしたエピソードを教えてくれた高山さんですが、その試合にはなんと同期のハリデー選手と1年生の青木孝選手が出場していたそうです!とても運命的なものを感じます!