優勝を目指す中、4位に終わった関東大学選手権(選手権)。この結果を選手たちはどのように受け止めているのだろうか。今回は個性が光る4年生の中から、社会科学部所属のGK遠藤秀至(社4=東京・早実)、DF志村慎次朗(社4=東京・早実)、DF堰合芳貴(社4=青森・八戸工大一)の三選手にお集まりいただき、その心境に迫った。
※この取材は4月13日に行われたものです。
「100パーセント以上のパフォーマンスを」(遠藤)
遠藤
――お互いの印象をお聞きしていきます。まず、遠藤選手はどのような方ですか
堰合 秀至(遠藤)はチームでは秀ちゃんと呼ばれていて、チームの中では結構ツンデレキャラですね。
遠藤 訳が分からん。
志村 オンとオフがしっかりしていると言いますか。ずっと一緒にいるんですけど、あんまりよく分からないですね(笑)。
――遠藤選手と志村選手は高校時代からの付き合いですよね
志村 高1から一緒ですね。今も同部屋で過ごしているのですが、動物で例えるとしたら猫かな(笑)。そんな感じです。ただやることはしっかりやってくれるので、頼りになる存在だと思います。
――堰合選手の印象はいかがでしょうか
遠藤 変人ですかね。
堰合 どういう意味で?
遠藤 最初はおとなしいやつだと思っていたら、そんなことはなかったという。陸トレとか練習の最中も、どういう意図があるかは分からないのですが、全然関係ないことを急にしゃべりだしたりして。その場の空気を和ませようとしているのか、ただ単に適当に発言しているのか分からないのですが、そういうことを言って周りの人を楽しませていますね。最初は、八戸から来てめちゃめちゃ静かでおとなしいやつだなと思ったのですが、最初のイメージとは全然違う感じです。
志村 今は静かなキャラに見えますが、全然そんなことはないです。多分この三人の中では一番うるさいので。
――ちなみに、どういったことを発言されるのですか
志村 あんまり言えないですね(笑)。
堰合 普通ですよ。
志村 普通じゃねえよ。
遠藤 突拍子もないことを急に言い出して。
志村 全く関係ないことを言い出します。会話のキャッチボールをしているときに、全く関係ないことをぶっこむという、そんな感じですね。
――志村選手の印象はいかがですか
堰合 志村は一番真面目だと思います。チームの仕事とかでも一番真面目にやっていると思うので、僕らはすごく真面目だなと思っています。
志村 なにそれ(笑)。
遠藤 周りの人は真面目って言うのですが、僕から見ると心配性というか。常に不安なのか分からないのですが、準備とかも人の倍くらいかけてやるんですよ。真面目だとは思うのですが、心配だからやっているという感じがしますね。どこかへ行くときとかも、僕とかだったら駅に着いてから住所を携帯のアプリに入れて行くのですが、志村の場合は前の日に調べてグーグルマップで道順を見ながら確認していたりして、準備をしっかりしていますね。試験勉強とかでも、みんながまだやっていないのに一人でやっていたりします。
志村 就活の自己PRに使おうかな(笑)。
――チーム内の推しメンはどなたですか
志村 世間一般から見たらハリデー(DFハリデー慈英、スポ2=埼玉栄)ですかね。推しメン・・・誰だろう。
堰合 野村(DF野村光平、人3=米国・ウッドブリッジ)は、ことしからDFにコンバートしたということもあって、面白いプレーをしてくれるので、見ていて面白いですね。私生活では僕の絡みに唯一しっかり回答してくれるというか、構ってくれます。まんさいって呼んでるんですけど、推しメンです。
志村 推しメンはあまりいないですね。みんなキャラが濃いので、どの人と絡んでも面白いです。
遠藤 プライベートだと、松本(DF松本逸輝、商4=滋賀・光泉)が唯一の関西人でいじっていて面白いし、しゃべっていて楽しいですね。ホッケーでは、同じ長野出身の青木兄弟を小さいころから知っているので、推します。特に弟の孝史朗(FW青木孝史朗、スポ1=埼玉栄)ですかね。優之介(FW青木優之介、スポ4=埼玉栄)は黙っていてもやってくれると思うのですが、孝史朗はもっとやれると思うので、個人的に応援というか、もっとやってほしいなという気持ちです。
――部員同士で、プライベートで遊びに行くことはありますか
遠藤 この前、堰合と立樹(FW金子立樹主将、スポ4=北海道・駒大苫小牧)と優之介で・・・。
志村 あったね、それ(笑)。
遠藤 大会(関東大学選手権)が終わったあとに行われた打ち上げで、立樹がディズニーランドに行きたいと急に言い出して。雰囲気だけでもいいから味わいたいと言って、その場でいた四人で行く流れになって、その話になった3日後に行きました。
「縁の下の力持ちのような役割を」(志村)
志村
――そんなことしの4年生はどのような学年ですか
志村 キャラが濃すぎてね。
遠藤 学年のカラーがどうとかいうより、個人個人がいろいろな色なので。
志村 十人十色?
遠藤 まとめてうちの学年はこう、というよりはおのおのが好き勝手やっているし、好き勝手発言しています。それでもホッケーに対しては真面目だし熱いものを持っているので、チームとしてはまとまっているのですが、ホッケー以外だと全然まとまりがなくて、お互いが好きなことを好き勝手にしゃべっている感じですね。
――チームをまとめる金子立樹主将はどんな存在ですか
堰合 立樹はチームの中でもいい経験とかつらい経験とかを一番味わってきて、いろんな視点から物事を考えられる選手です。4年生が個性が強い中でも立樹がいるおかげで、試合ではけじめをつけてリードしてくれるような主将かなと思います。
志村 4年生はキャラが濃い人ばかりで、そこをまとめられるのは発言力、説得力がある立樹だけなのかなと思います。
遠藤 ホッケー面では、キャプテンになってから頑張ってプレーで引っ張っていってくれているし、チームをまとめようと控え室でも発言をしてくれています。昨年Aマークを付けたときくらいから変わって、チームのために動くようになって。ことしはCマークを付けて責任感があると思うのですが、チームのことを考えて行動しているので、すごくいいキャプテンだと思います。
――新入生の印象はいかがですか
堰合 ことしの1年生は経験が浅いのかなという印象があります。もちろんホッケーをやってきた年数が短いということもありますが、例年代表経験がある選手が2,3人はいた中、ことしはそんなにいないという状況なので、もっと経験を積んでいかなければいけない選手が多いという印象です。
志村 昨年に比べてまともというかしっかりした1年生が多いという印象です。これから陸トレ期間が始まるのですが、みんな意識高くやってくれると思うので、そういった面でチームの底上げにつながるかなと思います。
遠藤 自主トレをしている姿をよく見るのですが、もう少し我を出してほしいというか、まだ自分を出し切れていないのではないかなと。ホッケーの面でも私生活の面でも遠慮している部分がある気がするので、上下関係は気にせずどんどん自分を出してきてほしいです。
――特に期待している選手はいますか
遠藤 僕は孝史朗ですね。
堰合 僕は河田(FW河田隼弥、教1=東京・早実)です。一緒にウエイトパートナーを組んでトレーニングをしているのですが、僕たちより筋力はあるので、それがホッケーとうまくかみ合えばいい選手になるかなと思います。
志村 僕は小澤田(FW小澤田匠、スポ1=東京・早実)ですかね。ちょっと生意気ですが、一緒にやっていてプレーしやすいので期待しています。
――皆さんは社会科学部に在籍していますが、社学の選手同士で仲が深まったりすることはあるのですか
堰合 ほかの人たちよりは親しくなると思います。草島(GK草島邦彦、社3=東京・早実)とか坂本(DF坂本之麿、社2=青森・八戸工大一)とか。学部の後輩なので、ほかの学部の人たちよりはというのはあります。
志村 1年生に谷口(GK谷口嘉鷹、社1=東京・早実)というのがいるのですが、環境表現論という授業を取っていて。授業で写真を撮るんですよ。その写真をいちいち自分に確認してきて、「志村さんこれがいいですかね?」とか聞いてくるんです。そんなの自分で決めろよという話なんですけど(笑)。そういう絡みが多くなったかなと思います。
「ラストシーズンに懸ける思いは強い」(堰合)
堰合
――選手権は4位という結果になりましたが、振り返ってみていかがですか
志村 満足できる結果ではないと思います。昨年と同じ結果なので、まだまだチームを変えていかなければいけないなと思いました。
堰合 チームで掲げた目標を達成できなかったのですが、ことしのチームとしては良かった部分も悪かった部分もあったので、今後の課題として陸トレでこういうことをしないといけないなということを感じました。
遠藤 優勝するつもりで大会に臨んだのですが、結果としては4位となり、大会を通して課題が見えました。しっかりと改善して秋リーグ(関東大学リーグ戦)、インカレ(日本学生氷上競技選手権)につながるように、これから練習を考えていければなと思います。
――課題とは具体的に何ですか
遠藤 簡単なミスで相手にパックを取られて危ない場面をつくったりしていたので、もう少しコミュニケーションをうまく取っていくことです。あとは入りが悪い試合があったので、もう少し試合の前の準備を工夫して、一番いい状態で試合に臨めるようにしていければなと思います。
堰合 良かった部分は、チームの中にスーパースターがいない中でも、負けてはいけない試合ではしっかり勝つことができた部分です。良くなかった部分は、一対一を負けないとか、決定力という点で決めるところを決められなかったりしたので、基礎的な筋力アップなどをもう一回見直さないといけないと思いました。
――スーパースターがいないというお話が出ましたが、昨年の守備の要であったDF石川貴大前主将(平28スポ卒=現日光アイスバックス)が抜けた状況となりました。その点に関してはいかがですか
堰合 DFの選手が結構抜けてしまって、現在のチームでは比較的若い人たちが多くて、その分経験があまりない選手が多かったりするのですが、言い訳にはならないので、そこはコミュニケーションを取ってワセダらしいホッケーができるように練習しています。
――遠藤選手にお伺いします。後ろから見ていて、守備についてどのような印象をお持ちですか
遠藤 今まで試合に出ていた選手については、そんなに危ないなと思う場面はなかったのですが、昨年試合に出ていなかった1年生などは、まだ大学のホッケーに慣れていない部分が出てしまっていたり、スピードや体の当たりの面で大学のホッケーにあまりついていけず、ミスをしてしまっている印象を受けました。あとはコミュニケーションを取れなくて、普通にやっていればできるプレーがコミュニケーションミスでうまくいかなかったりしたので、そこはもう少し改善できるのではないかなと思います。
――DFが多かった昨年の4年生が引退したのに対し、新入生はFWの選手が多く入ってきましたね
堰合 今までワセダのDFは引いていたという印象を受けている選手が多かったのですが、そういったイメージを塗り替えるいい意味でフレッシュな1年生が入ってきたので、ワセダのDFでも攻撃に参加できるようになってきたかなと思います。
――最終学年を迎えましたが、心境の変化はありますか
志村 僕は15年くらいホッケーを続けているのですが、最後の年なので、レギュラーで出て、チームの勝利に貢献できたらなと思います。
堰合 一試合一試合が学生としても自分としても最後になるかもしれないので、そういった意味でラストシーズンに懸ける思いは強いと思います。
遠藤 僕が1年生のときに(ワセダが)インカレで優勝しているのですが、他の学年はまだ優勝を経験したことがないので、今後もっとワセダの選手が活躍していくためにも、後輩たちに優勝をという経験を味わせてあげたいし、自分も最後の年なので、優勝して終わりたいと思っています。
――3月には韓国遠征(対高麗大戦)がありましたが、振り返ってみていかがですか
志村 とにかく体が強かったですね。日本の選手と違って背も高いですし、体もがっちりしていました。これから陸トレ期間なので、そういったところを目指して頑張っていきたいと思います。
堰合 シーズンの違いというのもあると思うのですが、志村が言っていたように、基礎的な体の部分では自分たちは今劣っているのかなと思いました。
遠藤 個人個人で見てもスキルがある選手、うまい選手もいて、ワセダに比べて体も強かったり足も速かったりしましたが、高麗大戦ではいい試合ができていたと思うので、日本の大学と試合をするときでも、ワセダにしかない強みを生かしてやっていければなと思います。
――チーム内での自分の役割について、それぞれどのように考えていますか
志村 僕は基本後輩にガツガツ言うタイプではないので、相談に乗ってあげたり、縁の下の力持ちのような役割を果たしていきたいなと考えています。
堰合 僕も強引にまとめるタイプではないので、試合に出ている側としては、後輩もできるだけ自分のプレーができるように配慮していくという点で、リラックスできる環境をつくれるように心掛けています。
遠藤 僕はGKなので、一番後ろから見ていて良かったところやダメだったところをピリオドの合間に個人やチームに伝えるようにしています。次の試合、次のピリオドではもっといいプレーができるようになればと思って、そういうことをやっています。
――陸トレ期間に入りますが、何を意識して取り組んでいきたいですか
志村 横に動いたときに軸がぶれるので、この陸トレ期間で体幹トレーニングをしっかりやっていきたいと思います。
堰合 上半身の筋力をつけたいです。陸トレシーズンが7月ぐらいに終わるのですが、試合は8月や9月にあるので、オフの時期もしっかりトレーニングをしていきたいと思います。
遠藤 僕は上半身のトレーニングを重点的にやっていきたいと思っています。試合で、最初の方はいいのですが、後半になってくると疲れが残ってくるので、動きが落ちないようにトレーニングしていきたいと思います。あとは、一試合を通して常に100パーセントで動けるようにスタミナをつけていきたいと思います。
――最後にリーグ戦に向けて意気込みをお願いします
志村 少し前に遠藤が言ったのですが、優勝したことがあるのは自分たちの代だけで、その優勝経験を後輩に味わせたいので、頑張っていきたいと思います。
堰合 目標を優勝としている限り、一試合一試合が負けられない試合になるので、ひとつひとつ積み上げて優勝できるように頑張っていきたいと思います。
遠藤 秋リーグは長い期間続くので、波ができてしまうと思うのですが、毎試合いいパフォーマンスで臨めるように、陸トレ期間から体づくりをしていきたいです。秋リーグ全体を通して、常に100パーセント以上のパフォーマンスを発揮できるようにして、優勝を目指したいと思います。
――ありがとうございました!
(取材・編集 川浪康太郎、佐藤諒)
社会科学部(SSS)と皆さんのお名前をかけた驚きの発想です!
◆遠藤秀至(えんどう・しゅうじ)(※写真左)
1994(平6)年4月23日生まれ。168センチ、69キロ。東京・早実高出身。社会科学学部4年。最近は野球にはまっているという遠藤選手。野球マンガ『MAJOR』を持っている後輩の部屋に遊びに行ったり、プロ野球を見に行ったりすることもあるそうです!
◆堰合芳貴(せきあい・よしき)(※写真中央)
1994(平6)年5月31日生まれ。177センチ、77キロ。青森・八戸工大一高出身。社会科学部4年。ことしは第1セットで活躍している堰合選手。DFの要として頼もしい存在ですが、普段は面白いことを言ってチームを楽しい雰囲気に包みこんでいるようです!
◆志村慎次朗(しむら・しんじろう)(※写真右)
1994(平6)4月29日生まれ。169センチ、65キロ。東京・早実高出身。社会科学部4年。実家でたくさん猫を飼っているという志村選手。同じ愛猫家のマネージャーの小山さんとよく猫のトークで盛り上がるそうです!