またも勝ち星を挙げられず。全日本選手権への切符も逃す

アイスホッケー

 激闘の末、引き分けで終わった明大戦からわずか2日。早大は強豪・中大との試合に臨んだ。関東大学リーグ戦(リーグ戦)未だ無敗の相手に対し、「自分たちがしっかり土をつけよう」(DF石川貴大主将、スポ4=埼玉栄)と意気込みは十分。しかし数的不利なキルプレーのピンチが多く続き、その中で失点を重ねていってしまう。第3ピリオド(P)では早大ペースに持ち込むも、2-5で試合終了。上位2チームに与えられる全日本選手権への出場権を失ってしまった。

 「反則を取られて、人数が少ない中で失点するという流れを止められなかった」(工藤哲也監督、昭63社卒=青森・八戸)。試合開始わずか34秒でペナルティーを招いた早大。これ以後、第2Pまでに計6回のキルプレーの状況下で4点を献上してしまう。固い守備が自慢の早大だが、数的不利な状態では強豪相手には歯が立たず。逆に数的有利なパワープレーのチャンスでは、中大の固い守りを突破することができず苦しい時間帯が続いた。しかし39分8秒、ゴール裏から受けたパックをFW鈴木ロイ(教1=北海道・苫小牧東)がゴールに叩き込み待望の1点目を獲得。1-4で第2Pを終えた。

激しく競り合うFW矢島雄吾(スポ1=北海道・駒大苫小牧)

 第3Pでは早大らしいプレーが展開された。序盤こそ失点するも果敢にゴールに迫り、相手ゴールを脅かしていく。そして42分1秒、FW寺井敏博(国教3=米国・チョートローズマリーホール高)がゴール前の混戦の中、パックを押し込み2点目を得た。しかし、その後は追加点を挙げられず。またも中大に敗北を喫した。

悔しい幕切れとなった

 今回の結果により、リーグ戦の最終順位は3位または4位になることが決定した。引き分け以上で3位、負けると4位となる次節、東洋大と対峙(たいじ)することになる。「来季のリーグ戦のためにもいい順位を残したい」(石川)。長期間に及んで行われたリーグ戦もついに最終戦。春の関東大学選手権、そして一次リーグで敗れている因縁の相手に早大はどんな戦いを見せてくれるだろうか。雪辱を果たし、最後は笑顔で締めくくりたい。

(記事 中村ちひろ、写真 落合修平)

関東大学リーグ戦
早大 ピリオド 中大
0(6) 1st 2(19)
1(8) 2nd 2(18)
1(15) 3rd 1(7)
2(32) 5(60)
得点経過
チーム 時間 ゴール アシスト1 アシスト2 PK/PP
中大 01:33 坂本 古橋
中大 17:21 鈴木 坂本 中島 PP
中大 22:20 鈴木 蓑島 中島 PP
中大 34:32 古橋 笹渕 PP
早大 39:08 鈴木 金子立
中大 45:27 中島 鈴木
早大 52:01 寺井 青木 高橋
※PKはキルプレー、PPはパワープレー、PSはペナルティショットを指す
 なお、PK/PPの表記は早大にとってPKに当たるかPPに当たるかを表記するものとする
早大メンバー
セット FW FW FW DF DF
青木 高橋 寺井 新井 石川
矢島 金子立 鈴木 ハリデー 松本
金子聖 坂本龍 田中 坂本之 堰合
佐藤 瀬戸 飛田 斜森
GK遠藤
関東大学リーグ戦ディビジョンIグループA順位表(11月24日時点)
順位 校名 勝点 試合数
中大 35 13 11
明大 32 13 10
早大 26 13
東洋大 25 13
法大 13 13
日体大 10 13
日大 13 10
慶大 13 11
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コメント

工藤哲也監督(昭63社卒=青森・八戸)

――立ち上がりから思うようなプレーをさせてもらえませんでした

立ち上がりからしっかりこちらのペースに持ち込もうと話していたのですが、反則を取られて、人数が少ない中で失点するという流れを止められませんでしたね。きょうの5失点のうち4つはそういうかたちでした。中大のように力のあるチームに対してはキルプレーで守ることはなかなか難しいのですが、残念です。

――なかなか立て直すこともできなかったのでしょうか

一昨日の試合が終わって一日空き、迎えたきょうの試合だったので、全体的に動きが悪かったとは思います。ですがそれは相手も同じなので、そういったプレーを繰り返さないように指示をしたつもりだったのですが、少し思うようなことができなかったですね。

――逆に第3Pでは攻め込む展開となりました

もう一度うちがやりたい足を使ったホッケーをしようということと、中大にはここ数年勝てておらず、また負けて終わらないよう意地を見せてやろうということで臨みました。まずは10分くらいで2点差に追いついて、そこから点を取る作戦を色々考えていこうとは話をしたのですが。まあ、第3Pに関しては倍以上シュートを打てていましたし、ゴールに向かう気持ちも出ていたので、良かったと思います。

――やはりきょうの敗因はキルプレーだったのでしょうか

余計な反則も多かったですし、そこは次に向けての反省ですね。

――最終戦である東洋大戦への意気込みをお願いします

リーグ戦最後の試合ですし、東洋大にも勝てていないので、今の順位よりも下げないようにうちらしいプレーをして、いいかたちでリーグ戦を締めくくりたいと思います。

DF石川貴大主将(スポ4=埼玉栄)

――明大戦から間に1日しかありませんでしたが、気持ちや体力面は上手く調整できましたか

僕らの前の試合で明大が勝ったため優勝はなくなったので、追うものが全日本選手権出場という目標しかなくなりました。試合前からそれを追い求めよう、自分たちができるパフォーマンスを100%出して、まだ無敗の中大にしっかり土をつけようという話をしていたので、気持ち的にはすごく高いモチベーションでできました。体力面ではどのチームも同じですが、中1日というのはすごく厳しいものがありましたが、最後まで走りきることはできたんじゃないかなと思っています。

――強豪・中大との対戦でしたが、どのようなプレーをしようと考えていましたか

まず前回ロースコアな試合ができましたが点数は取れなかったので、まずいい守りをして前回できなかったスコアというところをしっかり取って勝とうという話をしていました。でも結果終わってみたら、相手のパワープレーで終わってしまって、キルプレーでの失点が最後まで響いてしまって、とても残念でした。

――第1P、第2Pは苦しい展開となりました

やはりペナルティーが多かったところ、そのペナルティーを一つ一つ消化しないで失点してしまったことがきょうの原因の全てであるのではないかと思います。

――第3Pではシュート数で中大を大きく上回りました

やはり攻めないと勝てないし、多少のリスクを背負ってでも1点1点返すしか勝てないということだったので、DFもチャンスがあれば積極的にジャンプアップしていこうとか、FWもDFにパックが当たっているときはゴール前でプレッシャーをかけていこうとか、当たり前のことなのですが、当たり前のことをより精度の高いものにしていこうとしました。それが相手の倍近くシュートを打つことにつながったのではないのかと思います。

――きょうのワセダは足が動いていましたか

第1P、第2Pは特にペナルティーが多い中でなかなかペースをつかむことができなかったのですが、第3Pはイーブンの状態だったり、パワープレーの時間が長くて自分たちが走ってホッケーできたとは思います。

――ペナルティーが多くなった理由は考えられますか

仕方ないハイスティックはありましたけど、きょうはスティックからのペナルティーが多く、また相手のフットワークに対応できないかったところだと思います。ペナルティーに関してはいくらでも改善することはできるので、来週までに改善していきたいと思います。

――2―5というスコアについて

ポジティブに考えれば(人数が)5対5の状態では2―1で勝っているし、プレーの精度を上げていけば今後勝つチャンスは多いに増えていくと思います。まずペナルティーをしないということが大切だと思うので、ペナルティーを減らしていかに5対5の状態でやるか、それ以上にパワープレーのチャンスを作っていくかがカギになってくると思うので、そういったところを改善していきたいと思います。

――次は東洋大戦です。どのように戦いたいですか

ことしはまだ東洋大に勝っていないですし、リーグ最終戦で3位になるか4位になるかっていう試合なので、来季のリーグ戦のためにもいい順位を残して、いいようにらいねんリーグ戦を回っていけるように最後勝って終わりたいと思います。

――リーグ戦最終試合への意気込みをお願いします

東洋大とはもしかしたらことし最後の試合の可能性もあるので、そういったところでことし勝っていない相手に勝ってリーグ戦を締めくくりたいと思います。