矢島が決勝ゴール!三連勝を果たす

アイスホッケー

 関東大学リーグ戦(リーグ戦)10戦目。日体大と対峙(たいじ)した早大は、DF新井遥平(スポ2=北海道・駒大苫小牧)のシュートにより先制。中盤には一時逆転を許すが、地力の差を見せつけすぐに同点へと追いつく。最後はFW矢島雄吾(スポ1=北海道・駒大苫小牧)が勝ち越し弾をたたき込み、連勝を3に伸ばした。

 序盤からゲームが動いた。開始30秒、FW寺井敏博(国教3=米国・チョートローズマリーホール高)からパスを受けた新井がそのまま相手ゴールネットを揺らす。幸先良く1点目を奪取したが、その後はなかなか追加点を挙げることができない。それどころか第1ピリオド(P)終盤には守備陣の間を抜かれ、失点を喫してしまった。続く第2Pは激しい点の取り合いとなる。21分46秒、数的不利のキルプレーの場面ながらFW鈴木ロイ(教1=北海道・苫小牧東)が得点に成功。再びリードした早大だが、ここで日体大の反撃に合う。26分16秒にシュートを決められると、その16秒後にまたもや失点。これに負けじと、早大攻撃陣も奮起した。相手のペナルティーによりパワープレーの好機を得ると、FW金子立樹副将(スポ3=北海道・駒大苫小牧)がゴール前よりスティック一閃。パックが勢い良くゴールへと突き刺さり、3-3。同点に追いついた。

先制点を手にした新井

 勝負の第3P。勝ち点の関係上、引き分けで終わりたくない早大はパワープレーの好機などで相手ゴールを脅かす。しかしながら、放たれるシュートはことごとく相手GKに阻まれてしまった。1点が遠い、もどかしい時間が続く。停滞ムードに陥ったチームの流れを変えたのは、矢島だった。47分、持ち味である俊足を生かし、ゴール中央より一気に敵陣へと攻め上がる。「きょうは調子が良かったので、自分らしさを出せたかなと思います」(矢島)。スピードに乗りつつ打ち放ったパックは見事ゴールネットを揺らし、値千金のシュートを決めた。これが決勝点となり、4-3で勝利。三連勝を成し遂げた。

決勝打を放った矢島

 「ことしはイレギュラーで、体に負担がかかるような日程になっているので、正直に言って大変でした」(DF石川貴大主将、スポ4=埼玉栄)。ハードスケジュールながらも、白星を手にした早大。その中で「(攻撃面は)一次リーグに比べると改善されてきています」と工藤哲也監督(昭63社卒=青森・八戸)が語る通り、収穫もあったようだ。リーグ戦制覇に向け、今週の日大との一戦も絶対に落とすことはできない。

(記事 落合修平、写真 又坂美紀子)

関東大学リーグ戦
早大 ピリオド 日体大
1(12) 1st 1(9)
2(18) 2nd 2(11)
1(13) 3rd 0(9)
4(43) 3(29)
得点経過
チーム 時間 ゴール アシスト1 アシスト2 PK/PP
早大 00:30 新井 寺井
日体大 17:41 中村 山本 相澤
早大 23:43 鈴木 高橋 PK
日体大 26:16 松野 須藤 上村
日体大 26:32 山本 沢崎
早大 39:49 金子立 青木 寺井 PP
早大 47:28 矢島
※PKはキルプレー、PPはパワープレー、PSはペナルティショットを指す
 なお、PK/PPの表記は早大にとってPKに当たるかPPに当たるかを表記するものとする
早大メンバー
セット FW FW FW DF DF
青木 金子立 寺井 新井 石川
田中 高橋 鈴木 ハリデー
金子聖 坂本龍 矢島 松本 堰合
加賀美 瀬戸 佐藤 斜森 坂本之
GK遠藤
関東大学リーグ戦ディビジョンIグループA順位表(11月8日時点)
順位 校名 勝点 試合数
中大 26 10
明大 25 10
早大 24 10
東洋大 22 10
法大 10
日体大 10
慶大 10
日大 10
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コメント

工藤哲也監督(昭63社卒=青森・八戸)

――きょうは接戦となりました

ここ数試合失点が多かったので、本来早大が目指しているロースコアのゲームをすることを目標としていました。ですが、相手も良いプレーをしていたので。接戦になってしまうのは仕方ないかな、とは思います。

――選手たちに疲労の色は見られましたか

はい。今週は変則的なスケジュールで三試合あったので、披露はあったと思います。ですが、それは相手も同じなので。そこを言い訳にしないよう指示を出しました。

――なかなか第1Pを無失点に抑えるのは難しいですか

難しいですね。当然相手があってのことですし、守りに関してもしっかりと指示も出していますが、相手がそれを上回っていましたね。

――攻撃面に関してはいかがですか

ゴールに向かう姿勢が選手たちの中についてきていますね。枠を外したシュートもまだまだ多いですが、一次リーグに比べると改善されてきています。

DF石川貴大主将(スポ4=埼玉栄)

――接戦になりましたが、相手の印象は

前の試合のときから何となく雰囲気でわかっていたのは、ボードなどを使って、チップに次ぐチップで自分たちのパックを後ろに出してきて、そこからいいプレッシャーで攻撃してくるということです。最初の一次攻撃だけで点数を取ってくるようなチームということだったので、DFはパック処理などで苦戦しないようにしようと言っていたのですが、まんまとやられてしまった失点もあり、なかなか厳しい試合になってしまったのが少し残念です。しかし、攻撃に関しては、スコアにはなかなかつながらなかったものの、速いプレッシャーからいい攻撃ができたのではないかと思います。

――この1週間で3試合を消化されていますが、疲労はありましたか

そうですね。どのチームもそうですが、やはりことしはイレギュラーで、体に負担がかかるような日程になっているので、正直に言って大変でした。

――先制点がありましたが、きょうの立ち上がりはいかがでしたか

いいプレッシャーからパックを取っていい攻撃ができていて、それが結果的に最初の1点につながりました。ただ、その後なかなか点数が生まれず、シーソーゲームの展開になってしまったことは残念です。先制点を取っていい攻撃ができていたということはよかったのではないかと思います。

――第2Pで連続失点がありましたが、その原因は何だと思われますか

連続で失点して逆転まで持っていかれてしまったのですが、気持ちの切り替えというか、流れを変えるようなプレーができなかったのかなと思います。セーフティに行くところはセーフティに行くなど、もう少し変えていかなければならなかったのですが、相手の勢いに押されてしまい、そのままこっちも受け身になってしまったことが、連続失点の場面では残念でした。

――同点で迎えた第3Pでは何を意識されましたか

まず1点取ってしっかり守り勝とう、大量得点はいらないから1点を大事にしようということで、得点も失点も1点にこだわってプレーしていきました。

――4-3というスコアについて

得点はぼちぼち取れていると思うのですが、ブレイクアウェイ(相手プレーヤーから抜け出てGKと1対1になった状態)などのチャンスもあったので、正直あと2、3点は欲しかったですね。失点に関しては相手の思いのままにやられたものがほとんどだったので、そこはもう少しDFとFWのギャップや、DFとGKのコミュニケーションをしっかり取るなどして、次は失点しないようにしていきたいです。

――来週の日大戦に向けて意気込みをお願いします

日大戦までは1週間空くので、コンディションを整えて、どの試合でもそうですがベストな状態で戦えるように、いい準備をしていきたいです。

FW矢島雄吾(スポ1=北海道・駒大苫小牧)

――ゴールシーンを振り返っていかがですか

あ、入っちゃった、みたいな感じでした。狙って打ったシュートではなかったので、入ればいいかなくらい(の気持ち)だったんですけど、結果入ってよかったです。苦しい時間帯だったので、あそこで決められたのは大きかったかなと思います。

――持ち味である足の速さを生かしたゴールだったと思いますが、いかがでしたか

きのう久々にしっかり刃も研いできて、きょうは調子が良かったので、自分らしさを出せたかなと思います。

――一次リーグと同様に、日体大と接戦になりましたがどう思いますか

立ち上がりはまあまあ良かったんですけど、予定よりも多くシュートを打たれてしまいました。もうちょっと守る意識を高めていかないといけないのかなと思います。

――これまでの試合でも、今試合でも存在感を示していましたが、ご自身ではどう思いますか

僕は、存在感を出していかないといけないプレーヤーだと思います。プレーの特徴も、走ることなので。これからはもっともっとアピール出来るように頑張っていきたいと思います。

――次の日大戦に向けて、意気込みを聞かせてください

前回の日大戦は、結構危ない試合だったので、最初からスタートをしっかりよく決めて、勝ち切りたいと思います。