優勝の望みは絶たれたものの準優勝を目指し関東大学秋季リーグ戦(リーグ戦)を戦うワセダの、残り3試合目の相手となったのは慶大。池田一騎(スポ3=北海道・駒大苫小牧)と青木優之介(スポ1=埼玉栄)がともに2ゴール2アシストの活躍を見せ、格下の相手に10-3という大差での勝利を挙げた。
先制点が欲しいワセダは、第1ピリオド(P)開始直後から相手ゴールを攻め得点の糸口を探る。1分41秒、相手選手がペナルティーを受けると、ゴール裏を使って堰合芳貴(社1=青森・八戸工大一)、池田とパスをまわし、最後は青木がゴール手前からシュートを決め先制。最初に訪れたパワープレーのチャンスをしっかりとものにした。その後も5分49秒に松浦晃(人4=北海道・釧路工)が自陣近くでパスを受け取ると、ゴールまで一人で持ち込み鋭いミドルシュートを放ち2点目を追加する。試合は早くもワセダペースになるかと思われたが、13分50秒に勝田貴之(国教4=アメリカ・ライ高校)がペナルティーを取られキルプレーのピンチを迎えると、相手に守備の隙をつかれて1点を失う。しかし、直後に勝田がゴールを決め3-1で第1ピリオドを終えた。
安定したドライブを見せる青木
続く第2Pは、ワセダのゴールラッシュとなった。23分41秒、池田のゴールを皮切りに、26分53秒にも青木のこの試合2点目のゴールが生まれる。ピリオド中盤には、相手が連続してペナルティーを受けパワープレーの状況が続くと、ワセダは攻撃的なセットを組み積極的にゴールを狙った。このチャンスで追加点を挙げることはできなかったが、32分34秒に森田哲朗(教3=東京・早実)のゴールが決まる。さらに、ピリオドが終わるかに思われた40分ジャスト、松浦の絶妙なパスを受けたのはケガで2試合欠場していた三浦亮(教3=青森・八戸商)。落ち着いてゴールを決めると、7-1とリードを大きく広げ試合を決定づけた。
第3Pに入っても、ワセダは攻撃の手を緩めない。41分25秒に寺井敏博(国教1=米・ヴランズウウイッグ高)のパスを受けた松浦がゴールを決めると、42分42秒には池田がドリブルで相手をかわしゴール付近まで持ち込み、キーパーのタイミングを外した技ありのシュートを決め9-1とする。攻撃陣の活躍で試合の流れを作ったが、試合終盤に守備の甘さが露呈してしまった。57分6秒、相手のカウンター攻撃に対応できず失点すると、59分37秒にはGK中川悠輔(教2=東京・早実)が裏をとられて失点。それでもワセダは最終的に10-3で勝利を収めた。
フェイスオフに臨む羽刕(左)、と中川
大差での勝利となったが、高いレベルを目指す選手達はこの結果に満足することはできない。格下を相手に3失点してしまったことで、守備面に不安が残る試合となった。しかし、10得点した攻撃陣に関しては、羽刕銘主将(スポ4=北海道・駒大苫小牧)も「いますごく調子がよい」と言う1年生の活躍が目立つなど、収穫が多かった。残り2試合は実力の拮抗(きっこう)する相手との対戦となるが、ワセダらしいチームワークの良いプレーを発揮して、連勝でリーグ戦を締めくくって欲しい。
(記事 高田麻里、写真 尹眩晶)
関東大学リーグ戦 | ||
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早大 | ピリオド | 慶大 |
3 | 1st | 1 |
4 | 2nd | 0 |
3 | 3rd | 2 |
10 | 計 | 3 |
得点経過 | |||||
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チーム | 時間 | ゴール | アシスト1 | アシスト2 | KP/PP |
早大 | 02:05 | 青木 | 池田 | 堰合 | PP |
早大 | 05:59 | 松浦 | 加賀美 | 羽刕 | - |
慶大 | 14:58 | 9 | 11 | - | KP |
早大 | 15:52 | 勝田 | 青木 | 堰合 | - |
早大 | 23:41 | 池田 | 青木 | 堰合 | PP |
早大 | 26:53 | 青木 | 池田 | 勝田 | - |
早大 | 32:34 | 森田 | 金子立 | 坂本 | - |
早大 | 39:59 | 三浦 | 松浦 | 羽刕 | - |
早大 | 41:25 | 松浦 | 寺井 | - | - | 早大 | 42:42 | 池田 | 堰合 | - | - |
慶大 | 57:06 | 11 | 19 | 12 | - |
早大 | 58:22 | 加賀美 | 石川 | 寺井 | - |
慶大 | 59:37 | 11 | 19 | - | - |
メンバー | |||||
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セット | FW | FW | FW | DF | DF |
1 | 勝田 | 池田 | 青木 | 山田 | 堰合 |
2 | 松浦 | 寺井 | 加賀美 | 羽刕 | 石川 |
3 | 坂本 | 森田 | 金子立 | 龍ノ口 | 清 |
4 | 三浦 | 横町 | 佐藤 | 斜森 | 松本 | GK中川(60分) |
コメント
DF羽刕銘主将(スポ4=北海道・駒大苫小牧)
――きょうの試合を振り返って
10点取れましたが、3点失点してしまったのが反省点かなと思います。
――3失点に関して、守備の甘さが目立ったと思います
3点とも防げる失点ではあったと思うので、これから練習していきたいです。
――GKは、遠藤秀至選手に(社1=東京・早実)に代わって、中川悠輔選手(教2=東京・早実)が出場しましたが、どういった采配ですか
このところ遠藤が出ていたので、慶大戦は中川でいこうというコーチの考えでした。2人とも使いながら、良い循環を目指していこうという意図だと思います。
――中川選手の動きに関してはいかがでしたか
プレーヤーのミスもあったと思いますし、GKとしてのミスもあったと思います。中川にはそこを克服していってほしいです。
――1年生の活躍が目立っていました
いますごく勢いがあるので、このままがんばっていってほしいと思います。
――三浦亮選手(教3=青森・八戸商)のケガは順調に直っていますか
そうですね。次の東洋大戦に出場する予定ではあります。
――次戦が日曜日と間があいていませんが、どのように調整していきますか
東洋大も走ってあたってくるハードワークなチームなので、自分たちも負けないように良いコンディションに持っていきたいと思います。
――残り2戦となりましたが、意気込みをお願いします
2試合とも負けられないので、チーム一丸となってがんばりたいです。
FW池田一騎(スポ3=北海道・駒大苫小牧))
――きょうの試合を振り返って
10点取って勝つことはできたんですけど、3点取られてしまったということは、まだ守りに問題があるということです。この後東洋大、明治大と戦うにあたって、このままでは失点が多くなって負けてしまう可能性が高いので、しっかりと一回一回の練習で守備を整えなおして、次の東洋大戦に向けて頑張っていきたいと思います。
――自身の2ゴール2アシストの活躍について
ゴールできたのは非常に嬉しいですけど、まだチャンスはあったので、もう少しスコアリングを高めていければなと思います。
――先制点のアシストの場面を振り返って
ゴール裏を使った攻撃だったんですけど、練習してから試合で初めて実践してうまくいったので、これからは攻撃のレパートリーに加えて、相手を翻弄できるようにしたいです。そういった意味で良いアシストだったと思います。
――第3ピリオドのゴールがとても華麗でした!
ゴール前でフェイントをかけた時に、相手が中に寄ったので、外に逃げる時に回っちゃいました(笑)。その後は、バックハンドでキーパーがタイミング取りづらいシュートを打てたので良かったです。
――きょうの試合では第1セットの得点が多かったことについて
ワセダの看板セットとしてずっとやってきて、得点が少ないとチームの流れも良くないですし、そういう責任を背負ったなかで得点できているっていうのは良いことだと思います。
――前回の慶応戦ではゴールがありませんでしたが
特に苦手意識などは無いです。たまたま運が悪かったかな、という感じなのですが、そこから練習などでスコアリングをより意識してやってきた結果が、きょうの得点につながったと思います。
――次の東洋大戦に向けての意気込みをお願いします
これから2位を決めるために、全日本選手権がかかってくるなかで、きょうのワセダの勝利で東洋大はその可能性が薄くなったということで、モチベーションが自分たちより高くないと思うので、こっちはモチベーションをキープして、全日本行きを決められるようにしっかりと勝っていきたいと思います。
FW青木優之介(スポ1=埼玉栄)
――きょうの試合を振り返って
きょうも負けられない試合だったので、勝てて良かったです。
――得点シーンを振り返っていかがでしたか
先輩からいいパスをもらえたので、決められて良かったです。
―― 慶応の印象はいかがでした
夏負けてるってこともあって、よく走るチームなので、こっちも負けられないように走って行こうと思ってました。
――プレー中意識してるのはありますか
とりあえず一年生なので、ガツガツよろうと思ってます。
――第一セットの調子はいかかですか
みんな走っていった、いい感じだと思います。
――東洋大戦に向けてひとこと
一回目は勝っているんですけど、強いチームですし、負けられない相手なので、頑張っていきたいです。