快勝も課題残す

アイスホッケー

 関東大学リーグ戦(リーグ戦)4戦目となるきょうの相手は格下の専大。今季より1部に昇格したフレッシュなチームである。リーグ戦連覇の為にも、確実に勝ち星をあげたいところだ。試合は序盤からワセダが主導権を握り、ルーキー青木優之介(スポ1=埼玉栄)が3得点を決めるなどの大活躍もあり7-1で快勝。しかしながら、前戦同様不要なペナルティが多く、課題も残る試合となる。

先制ゴールを決めた松浦

 第1ピリオド(P)開始後、しばらくは両校とも決定的なチャンスを得ることがない展開が続く。試合が動いたのは9分。三浦亮(教育3=青森・八戸商業)からアシストを受けた松浦晃(人科4=北海道・釧路工業)が、ゴール前にひしめく相手ディフェンス陣の間を縫うように押し込んで先制した。直後の11分に松浦は早くも追加得点に成功。さらに12分15秒、青木がリンク中央からパックを運び、そのままゴールを奪う。その後もワセダは攻撃の手を緩めない。12分37秒に青木、勝田貴弘(国教4=米国・ライ高)がパスを繋ぎ、最後は池田一輝(スポ3=北海道・駒大苫小牧)が勢い良くシュート。4点目をもぎ取り、ワセダペースで第1Pを終える。

2ゴールなど活躍をみせた青木

 第2Pもワセダの得点から始まる。開始11秒、青木の速攻でスコアは5―0に。5分には山田虎太朗(社4=北海道・駒大苫小牧)と池田からの、相手ディフェンス陣をもろともしない絶妙なパスを受け青木が6点目を生み出す。青木はこのゴールできょう3得点と大活躍。第3Pでは会場中が凍りつくアクシデントが発生する。選手同士の小競り合いが乱闘寸前まで発展、試合が10分近く停止した。これにより三浦、青木がラッフイングで2分間、池田がダブルマイナーペナルティー4分間、寺井がアンスポーツマンライフコンタクトで10分退場することになる。ワセダはこの危機を乗り越えられず、5分38秒にこの日唯一となる失点を許してしまった。それでも16分には池田が追加点をあげ、7-1のスコアで試合を終える。

 勝利したものの、きょうもペナルティ数が多い試合となってしまった。青木が「もっと冷静になって考えれば反則は少なくなった」と語るように、不必要なペナルティを減らしていかなければならない。次の相手は中大戦。きょねんのインカレ、そして今春の関東大学選手権を制した強敵である。「自分たちのプレーでチャレンジしていきたい」という山田の言葉通り、いま一度気を引き締めてワセダは次戦に臨む。

(記事 落合修平、写真 大口穂菜美)

◆結果

○早大7-1専大

◆コメント

草島武彦監督(昭62教卒=東京・早実)

――きょうの試合を振り返って

スコアだけ見れば快勝でしたが、みんなが感じているように後味の悪い試合でした。やはりベンチマイナーを取られるのはもってのほかですし、我々も反省しなければなりません。試合前には相手に対するリスペクトが一番大切だと話している中で、ああいうのが出てしまったのは非常に残念です。もちろん、審判のジャッジの問題もありますが、それ以前に暴言やベンチマイナーがあったのは反省です。

――きょうもペナルティーが多かったですが

結局は危険なペナルティーはしっかり取ってもらわないと試合が荒れてしまう部分はあります。ただきょうも無失点、各ピリオドでの被シュート数を5本以内に抑えようと言っていた中で、それができなかったのは反省です。きょうは格下の専大相手だったから何とかなりましたが、次戦以降強豪とやるときは注意しないと勝てないと思います。きっちり修正して臨みたいです。

――次戦は首位・中大との一戦ですが

次戦は新横浜での戦いなので、コンディションをしっかり整えて臨みたいと思います。

羽しゅう銘主将(スポ4=北海道・駒大苫小牧)

――法大戦と比べるとセットが変わりましたが、その意図は何ですか

もう少し個々人の役割をしっかりと認識するために変えました。

――実力差がある相手でしたが、ペナルティの数が多くなってしまいました

過剰にハードなチェックなど、不必要なプレーも多かったです。相手がどうこうとかじゃなく早大サイドの問題です。

――きょうの試合ではベンチマイナーペナルティも課せられましたが

怪我が伴う場面では、味方を守る為にもアピールできるところはアピールをしたいと思っています。ただ、きょうのように過剰だとペナルティになってしまうので、気をつけたいです。

――4名がペナルティとなったプレーについてはどうですか

実は僕もあまり見てなかったのですが、試合の終盤ということもあり、我慢すべきプレーだったのではないかと思います。

――次戦の中大戦に向けて

きょうみたいな試合はしていられません。もう一度気を引き締め直して次戦に臨みたいと思います。

松浦晃(人4=北海道・釧路工)

――きょうの試合を振り返って

先週法政に負けて、また一からやり直すという意味で、セットも変わりましたし、みんなしっかりコミュニケーションを取って、良い入りができればいいかなと思ったんですけど。まあ最初から点数取れて良い形で入れはしたんですけど、途中いろいろジャッジの問題もあったり、ホッケー以外のところで集中力が無くなった部分もあったので、それは反省点かなと思います。

――ジャッジの問題という言葉がありましたが、第3ピリオドでのジャッジについて詳しく教えていただけますか

審判のジャッジと僕らが見てる相手のプレーが噛み合わない部分があって。やっぱり見え方も違うかもしれないですけど、ジャッジのレベルが低いっていうのをすごく感じるのはしょうがないと思います。

――きょうのペナルティの多さもジャッジよるものがあったと感じますか

そうですね。自分たちのプレーというよりは相手のプレーっていうのもありますけど、そのジャッジに対するイライラが、相手に対する厳しいチェックだったりっていうとこからつながってくるので。やっぱり良いジャッジをしてくれないと選手も試合に集中できないと思うので、もう少しレフリーに勉強して欲しいなというのが選手の思うところです。

――次の中央大戦は優勝をかける大切な試合だと思いますが、意気込みは

まだ中央は負けてないですし、ここでしっかり中央に勝たないと、中央が首位を独走して僕らが2敗になってしまうので、絶対に負けられないです。新横ということでコンディションも作りづらいと思うんですけど、しっかりコンディションを作って、中央に勝てたらいいなと思います。

山田虎太朗副将(社4=北海道・駒大苫小牧)

――きょうの試合をふりかえって

どんな試合でも一貫して自分たちのプレーをすることが大事だと思いますし、きょうはそういう部分でいつも通りのプレーができなくて、ペースを乱していた部分があったので、そういうところは反省しなくてはいけないと思います。

――ベンチマイナーペナルティなどペナルティーが多かったですが

どんなジャッジに対しても自分たちのプレーを変えてはいけないと思いますし、淡々とやるべきことをやることが、結果につながると思うので、きょうの試合に関しては反省すべきことだと思います。

――人数的に不利な場面が多かったですがDF陣の動きはいかがでしたか

人数が少ない中でよく我慢して守っていたとは思いますし、FWもよく4人でやっていたと思いますが、ピンチは少ない方が良いと思うので、なるべくそういう場面にならないように注意していくことが大事だなと思います。

――第3ピリオドの序盤に競り合いがありましたが

ゴール前は戦争だと思うので、その中で生まれたちょっとした小競り合いだったんですけど。仕方がなくはないですけど、気を付ければ防げることだと思いますし、ああいう熱くなる場面もホッケーの魅力だとは思うんですけど、冷静にプレーすることも大事だと思うので、その後に起こったこととかは不要だったと思いますね。

――前の試合からセットの変更がありましたが

フレッシュな感じでまた新しく気分を変えてやることができたので、そういう意味では成功だったとは思います。これからどうなっていくかはわからないので、セットもチームも作り直して次の試合に臨みたいと思います。

――次戦の中大戦に向けて

中大はおととしから全日本学生氷上選手権(インカレ)で優勝してことしの春の大会でも優勝したチームで、大学の中でも1、2番のチームだと思うので、そこに対して胸を借りるつもりで自分たちのプレーでチャレンジしていけたらなと思います。

勝田貴之(国教4=米国・ライ高)

――きょうの試合を振り返って

きょうは、いままでに当たった他のチームよりは少しだけ戦力が低いチームだったのですが、あまり油断しないで、いつも通りのホッケーをしようという意気込みでした。

――きょうの自身のでき具合はいかがでしたか

僕のセットのパワープレーで2点くらい決めることができて、それは一つの目標だったので、そのように活躍できて良かったなと思っています。

――チームとして、きょうのプレーで良かったところはどこですか

ディフェンスで意識して、失点を1点に抑えたことも良かったと思いますし、点数を入れたのも一つです。一人一人が頑張っていたので、チーム力も良かったです。

――第3ピリオド途中の、4名がペナルティとなった状況を教えてください

話に聞くと、池田(一騎、スポ3=北海道・駒大苫小牧)が専大の91番とごちゃごちゃしてしまって、三浦(亮、教3=青森・八戸商)が止めに行ったら、他の選手も入ってごちゃごちゃになってしまって、小さい乱闘みたいになったんです。

――ここまでの関東学生リーグ戦(リーグ戦)を振り返って、早大の課題は

今シーズンはきょねんよりは全然良いのですが、スタートがまだ少し時々遅くて点を入れられて、流れがつかめないという状況があったので、スタートが本当に大事だと思いますし、スタートから集中して、絶対に最初の点は取るという意識で試合に入ることが一番の課題だと思います。

――中大戦に向けての意気込みをお願いします

中大戦は大事な試合だし、リーグ戦で優勝するために勝たなくてはいけない試合なので、今週1週間しっかり練習して絶対に勝ちたいと思います。

FW池田一騎(スポ3=北海道・駒大苫小牧)

――専大相手の試合でしたがいかがでしたか

もっと自分たちの反則が減ればチャンスもあったと思うし、もう少しスコアを出せたかなという感じです。

――2得点に絡む活躍でしたが個人的にはいかがでしたか

もう少しスコアできたかなという感じです。

――ペナルティを一度に取られた時の状況はどのような感じだったのですか

相手がプレーとは関係がないところで後ろからど突いてきたので、それにちょっといらっとしてど突いたら、相手がやってきたのでやるしかないなと。

――ペナルティで人数が減った影響はありましたか

点差が離れていつもは3つでセットを回すのですが、4つ目のアイスタイムが少なくなってしまったことには、すごく申し訳なかったかなと思います。それが影響していたので、本当に申し訳ないなと思います。

――次戦の中大戦に向けての意気込みをお願いします

中大は秋リーグに向けてしっかり用意していると思うので、こっちも後1週間しっかり準備して臨みたいなと思います。

青木優之介(スポ1=埼玉栄)

――今日の試合を振り返って

1・2ピリオドは皆動けていてよかったんですけど、途中で試合が荒れちゃって修正しないといけない点があったので、反省して次に生かしていきたいなと思いました。

――ペナルティが多く出た状況について

反則だと思っても反則とられないこともあったのですが、もっと冷静になって考えれば反則は少なくなったと思います。

――そういった試合内容についてチームとしての反省は

試合後のミーティングでこういう試合はよくないってなったので、次回からは直していきたいと思います。

――1年生ながら4得点をあげる活躍でしたが

先輩方がいいパスをしてくれたので結果がついてきたんだと思います。

――1セットとしての出場について

先輩方が本当に動いてくれて、やりやすいというか、自分自身のびのびとやることができています。

――先輩との連携はうまくいっているということですか

はい。

――来週の中央大戦に向けての意気込みをお願いします

一戦いっせん大事に戦っていきたいと思います。全力で頑張りたいです。