関東大学対抗戦も残すは3試合となった今日。熊谷ラグビー場にて、慶大との一戦が行われた。最初に主導権を握ったのは明大。WTB安田昂平のビッグゲインから好機を作ると、試合開始早々から得点を重ね、47ー14で前半を終える。順調と思われた明大だったが、後半は思うように得点が伸びない。リードを広げることはできなかったものの66ー40で勝利を収め、対抗戦開幕5連勝となった。
慶大のキックオフで試合を開始すると、最初のトライは2分に生まれる。開始直後に安田のビックゲインで敵陣へと切り込んでいき、SH萩原周、FB秋濱悠太がつないで、最後は今試合で対抗戦初スタメンをつかんだWTB海老澤琥珀が左大外でトライ。さらに続けて3分にも自陣から安田のゲインでボールを運ぶと、サポートに回った萩原が余裕を持ってCTB平翔太に渡し、平がゴールポスト中央へ運んだ。理想の形で2連続トライをあげた明大は、この後14分にモールトライ、19分にCTB廣瀬の独走トライ、25分にはSO伊藤耕太郎のオフロードパスを受けたPR床田淳貴もインゴールへ。立て続けにトライを奪い、前半終盤まで得点を伸ばして47ー14で試合を折り返した。
インゴールへ倒れ込むFL福田
後半に入ると慶大の反撃に苦しめられる。後半10分、先制点は明大が奪う。ディフェンスを乗り越えて独走した平は今試合で計3トライを決めた。しかしこの後は慶大の攻撃時間が続き、明大は目立ったミスこそなかったものの得点につなげられない。25分、明大の敵陣スクラムから慶大のペナルティーを誘い、萩原がタップキックですぐにスタートすると、そのままゴールポスト右へ飛び込んだ。さらに27分にハイパントキックのこぼれたボールを平がキャッチすると、すぐにスピードに乗ってハーフラインからトライラインまで駆け抜けた。この明大の連続トライでペースを取り戻していくかのように思われたが、終盤にも連続トライで点差を縮められ、66ー40で終えた。

計3トライを決めたCTB平
前半は明大らしさを全面に出したプレーで慶大を圧倒していたものの、後半に流れを持っていかれる展開になってしまった。今試合を「勝って反省できるというのは我々が大事にしているところ」(神鳥監督)と冷静に振り返り、次戦の帝京大戦への準備を進める明大。試合を通して「自分たちの波」(廣瀬主将)を作り出し、いざ昨年の王者との全勝対決に挑む。
(記事 濵嶋彩加、写真 西川龍佑)
コメント
※記者会見より抜粋
神鳥裕之監督
――試合を振り返っていかがですか
本日はどうもありがとうございました。今日の試合はうーんという感じですかね(笑)。最初の入りは非常に良く、最初の10分で相手の勢いを止めて、自分たちのラグビーをしようという形で入ったのですが、慶應大学さんも簡単にはいかない相手だとわかってはいましたが、不用意なトライがあったりとか、簡単にトライを許してしまったりする場面が多く、相手が息を吹き返す時間帯をたくさん作ってしまったということは大きな反省だと思います。勝って反省できるというのは我々が大事にしているところですので、次の帝京戦に向けてしっかりとレベルアップして挑みたいと思います。
――次戦の帝京大はセットプレーがかなり強みにしていますが、どのように対抗していこうとお考えですか
我々はセットプレーのところでしっかりと戦いたいということをシーズン当初から準備してきているので、相手がどうこうというよりかは明治のスタイルを帝京大学さんにもぶつけるということができれば、当然チャンスはあると信じています。今まで積み上げてきたものをしっかり出すということを試合までにやっていきたいと思います。
CTB廣瀬雄也ゲームキャプテン
――試合を振り返っていかがですか
本日はどうもありがとうございました。まず伝統ある明慶戦で勝利することができ嬉しく思っています。前半自分たちのやりたいラグビーができ、いい形で前半を終えることができましたが、後半自分たちの波に乗れずに、慶應さんのプライドに対して後半だけ見ればスコアでも負けていると感じますし、僕も含めて選手達は納得のいく試合ではなかったと思います。監督も言ったように勝って反省できたことはすごくいいことだと思うので次の帝京戦に向けて今日出た反省を生かして挑みたいと思います。
――ノーホイッスルトライを2本取れたことについて、チームではどのような状況でしたか
慶應さん相手に対して自分たちが用意したもの、1年間春から積み上げてきたモメンタムのアタックのところでしっかりトライまで持っていくことができたのはとてもいいことだと思いますし、チームの雰囲気としてもいい入りができたと思いますが、そこで満足せずに自分たちがやりたいことをやっていこうという話はしていたと思います。
――最上選手が一時退場し、チームとして一人少ない状況でしたが、その場面はいかがでしたか
一人少ない状況でしたが、そこでパニックになると相手の波に乗られてしまうので、一人少ない状況でも自分たちがやるべきことは変わりませんし、みんなで同じ絵を描いてしっかりやれたことが、前半の点数につながったのではないかなと感じます.。
| 関東大学対抗戦 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 明大 | スコア | 慶大 | ||
| 前半 | 後半 | 得点 | 前半 | 後半 |
| 7 | 3 | T | 2 | 4 |
| 6 | 2 | G | 2 | 3 |
| 0 | 0 | P | 0 | 0 |
| 0 | 0 | D | 0 | 0 |
| 47 | 19 | 計 | 14 | 26 |
| 66 | 合計 | 40 | ||
| 【得点】▽トライ 海老澤、平(3T)、為房、廣瀬、福田、秋濱、伊藤耕、萩原 ▽ゴール 廣瀬(8G)、平(1G)、伊藤利(1G) | ||||
| ※得点者は明大のみ記載 | ||||
| 関東大学対抗戦Aグループ星取表 | ||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 帝京大 | 明大 | 早大 | 慶大 | 筑波大 | 立大 | 青学大 | 成蹊大 | |
| 帝京大 | * | 11/19 14:00
秩父宮 |
◯36-21
5T4G1PG |
12/2 14:00
秩父宮 |
◯73-0
11T9G |
◯83-0
13T9G |
〇80-0
12T10G |
〇117-5
19T11G |
| 明大 | 11/19 14:00
秩父宮 |
* | 12/3 14:00
国立 |
◯66-40
10T8G |
◯40-21
6T5G |
◯97-7
15T11G |
〇87-7
13T11G |
〇93-12
15T9G |
| 早大 | ●21-36
3T3G |
12/3 14:00
国立 |
* | 11/23 14:00
国立 |
〇38-35
6T4G |
〇64-7
10T7G |
◯54-17
8T7G |
◯70-7
10T10G |
| 慶大 | 12/2 14:00
秩父宮 |
●40-66
6T6G |
11/23 14:00
国立 |
* | ●18-21
3T1PG |
〇28-21
3T2G3PG |
◯31-20
4T4G1PG |
◯46-16
7T4G1PG |
| 筑波大 | ●0-73
0T0G |
●21-40
3T3G |
●35-38
5T5G |
〇21-18
3T3G |
* | 12/2 14:00
熊谷 |
11/19 14:00
AGF |
〇73-7
11T9G |
| 立大 | ●0-80
0T0G |
●7-97
1T1G |
●7-64
1T1G |
●21-28
3T3G |
12/2 14:00
熊谷 |
* | 〇28-10
4T4G |
11/19 11:30
AGF |
| 青学大 | ●0-80
0T0G |
●7-87
1T1G |
●7-87
1T1G |
●20-31
4T4G |
11/19 14:00
AGF |
●10-28
1T1G1PG |
* | 12/2 11:30
熊谷 |
| 成蹊大 | ●5-117
1T0G |
●12-93
2T1G |
●7-70
1T1G |
●16-46
2T2PG |
●7-73
1T1G |
11/19 11:30
AGF |
12/2 11:30
熊谷 |
* |
※秩父宮は秩父宮ラグビー場、国立は国立競技場、熊谷は熊谷ラグビー場、敷島は群馬・アースケア敷島サッカー・ラグビー場、小田原は神奈川・小田原市城山陸上競技場、大和は神奈川・大和スポーツセンター競技場、駒沢は駒沢オリンピック公園陸上競技場、AGFはAGFフィールド。