集中切らさず青学大を圧倒 初戦を白星で飾る

ラグビー明大

 待ちわびた関東大学対抗戦の幕開け。暗い雲が浮かぶ秩父宮ラグビー場で、明大は青学大との一戦に臨んだ。先制トライを挙げ、敵陣で試合を有利に進めた前半。トライライン直前でのミスで得点を逃す場面があったものの、ディフェンスの穴を突く攻撃で主導権を握り35―7で試合を折り返す。後半はアンストラクチャーの場面で強みを見せ、ビッグゲインを量産。8本のトライを挙げ、最終スコアは87―7。対抗戦初戦で好調なスタートを切った。

 序盤から敵陣で攻撃を継続した明大。8分にゴール前でのスクラムからWTB安田昂平が直接パスを受け、カットアウトで相手を抜き去り先制点を奪った。しかしその後、自陣でのボールロストからトライを献上し振り出しに戻される。再度得点を狙うが、青学大のプレッシャーに押されミスが起こり、点が動かない時間帯が続いた。ウォーターブレイクの直後、ラックでのこぼれ球に反応しターンオーバーに成功すると、オフロードでゲインし22メートルラインまで侵入する。ディフェンスの戻りが遅くなったのを見逃さず、SH萩原周が持ち出してトライラインを駆け抜けた。流れをつかんだ明大は縦の突破と横の展開で緩急をつけた攻撃で揺さぶり、得点を重ねる。39分、青学大のペナルティーからゴール前20メートルでラインアウトを獲得。萩原がボールを受け取ると、冷静に空いているスペースを走り去りトライ。35―7で前半を終えた。

軽快なステップで前進するSH萩原

 ノーホイッスルトライから始まった後半。キックで自陣深くまで押し下げられるものの、ランでディフェンスをかいくぐり大きく前進。最後は外でWTB西川賢哉が走り切りトライを決める。13分には自陣から攻撃を仕掛け、一度の攻撃で2回キックパスを成功させゲインラインを押し上げる。ゴール前に迫るとオフロードを受けた安田がタックルを受けながらもグラウンディング。本試合では自陣からアンストラクチャーで攻める場面が多く見られた。29分にもキックの蹴り合いの後、FB池戸将太郎が切り返しでタックラーをかわし力強いランを見せる。反応して走りこんだPR中山律希とPR富田陸がパスを繋いで得点し、点差を広げた。試合終了間際には途中出場のSH登根大斗、SO伊藤利江人がダメ押しのトライを挙げ、結果は87―7。大差で青学大に勝利した。

力強くゲインするPR為房慶次朗

 初戦を白星で飾った明大。「縦の明治」らしい果敢な突破に、グラウンドの横幅を大きく使った展開を混ぜた攻撃で青学大のディフェンスを翻弄した。ロングキックとパワフルな走りでチームを引っ張った池戸が「良くないところを修正して、次につなげていけたらなと思います」と話すように、対抗戦を通してより精度を上げていけるか。次節の成蹊大戦、更なる成長に期待が高まる。

 (記事 原旺太 、写真 西川龍佑)

コメント

※記者会見より抜粋

神鳥裕之監督

――今日の試合を振り返っていかがですか

 試合全体を通して、プレー全体の精度で雑な部分があったりしたので、一戦一戦重ねながらレベルアップしていって、チームとして成長していけたらなと思います。今日はありがとうございました。

――1年生を含めて、初出場の選手もたくさんいましたが、彼らの動きを振り返っていかがですか

 緊張していた部分もあったと思いますが、利江人(SO伊藤利江人)もすぐトライをとっていて上手くプレーできていたと思います。経験をしっかり積んでレギュラー選手を驚かすような存在になってほしいなと期待しています。

――重戦車として名の知れているFWについて、今年もう一度見直して練習していたと思いますが、今日のセットプレーを振り返っていかがですか

 選手に聞かないと分からない部分がありますが、芝の状態がうまく絡まなかったのか、スクラムも行きづらそうなところがあったり、ラインアウトもモールを組む前のムーブでミスがあったり、まだまだ思い描いてる姿に辿り着いていないというのが正直なところです。しっかりと明治のプライドを試合を通じてアピールできるチームにしていければと思います。

――(池戸選手の話より)『オフザボール』にフォーカスしていたということですが、その理由は

 明治の選手たちはスキルも高いですし、能力も高いので、各試合でその力をいかに発揮させるかという点が大事になってきます。目に見えない努力や、一つのボールに対する執着など、一つ一つの小さい努力の積み重ねが最後の勝負を分けるという価値観の元で、そのテーマにしました。それは夏合宿の帝京戦でも我々が学んだことでもありますし、もう一回見つめ直そうということをチームに意識させました。

FB池戸将太郎

――試合を振り返っていかがですか

 今日はありがとうございました。やっぱり開幕戦で秩父宮というのもあって、緊張感もあり最初の20分間は青学のプレッシャーに押されるシーンがありました。しかし、いつもと違う展開になったところで、集中を切らさずに切り替えてプレーするところができたのは、前半良かったと思います。後半も入りの部分で前半できなかったところをしっかりやっていこうというところと、この試合でフォーカスしていた『オフザボール』という点でボールを持っていない時の、裏のコールやプレーというのが良かったところも多かったので、やってきてることは間違ってないと再認識できました。良くないところを修正して、次に繋げていけたらなと思います。

――最初の20分間、相手のしつこいタックルなどでミスもあったかと思いますが、その間どのような声かけをしていたかなど教えていただけますか

 青学さんの鋭いタックルは想定していなかったわけではなかったです。何が悪かったかというと、みんな焦っていて自分たちが春夏やってきたことを出し切れていませんでした。焦りの部分がミスにつながって悪循環になっていたので、焦らずに敵陣に入ってしっかり得点して帰るというのを意識していました。落ち着いて得点も重ねられるようになってからは、自分たちのやりたいラグビーができるようになりました。自分たちが春夏やってきたことをうまくいかなくても出し切ろう、チャレンジしようと声を掛け合っていました。

 

関東大学対抗戦
明大 スコア 青学大
前半 後半 得点 前半 後半
35 52
87 合計
【得点】▽トライ 安田(3T)、萩原(2T)、伊藤耕、西野(2T)、西川、廣瀬、富田、登根、伊藤利 ▽ゴール 廣瀬(6G)、伊藤耕(1G)、池戸(1G)、伊藤利(3G)
※得点者は明大のみ記載
 
関東大学対抗戦Aグループ星取表
  帝京大 明大 早大 慶大 筑波大 立大 青学大 成蹊大
帝京大

11/19 14:00

秩父宮

11/5 14:00

秩父宮

12/2 14:00

秩父宮

10/15 13:00

森エンジニアリング桐生スタジアム

10/1 15:00

熊谷

9/17 15:00

敷島

9/9 15:00

駒沢

明大

11/19 14:00

秩父宮

12/3 14:00

国立

11/5 14:00

熊谷

10/1 13:00

いわきグリーンF

10/15 13:00

大和

○87-7

13T11G

9/9 15:00

駒沢

早大

11/5 14:00

秩父宮

12/3 14:00

国立

11/23 14:00

国立

9/24 12:30

秩父宮

9/10 15:00

熊谷

10/14 13:00

セナリオH三郷

10/1 13:00

足利ガスグラウンド

慶大

12/2 14:00

秩父宮

11/5 14:00

熊谷

11/23 14:00

国立

9/9 12:30

駒沢

9/17 12:30

敷島

9/30 14:00

小田原

10/22 13:00

ウエスタンデジタルスタジアムきたかみ

筑波大

10/15 13:00

森エンジニアリング桐生スタジアム

10/1 13:00

いわきグリーンF

9/24 12:30

秩父宮

9/9 12:30

駒沢

12/2 14:00

熊谷

11/19 14:00

AGF

11/5 11:30

熊谷

立大

10/1 15:00

熊谷

10/15 13:00

大和

9/10 15:00

熊谷

9/17 12:30

敷島

12/2 14:00

熊谷

11/5 11:30

秩父宮

11/19 11:30

AGF

青学大

9/17 15:00

敷島

●7-87

1T1G

10/14 11:30

セナリオH三郷

9/30 14:00

小田原

11/19 14:00

AGF

11/5 11:30

秩父宮

12/2 11:30

熊谷

成蹊大

9/9 15:00

駒沢

9/24 15:00

秩父宮

10/1 13:00

足利ガスグラウンド

10/22 13:00

ウエスタンデジタルスタジアムきたかみ

11/5 11:30

熊谷

11/19 11:30

AGF

12/2 11:30

熊谷

※秩父宮は秩父宮ラグビー場、国立は国立競技場、熊谷は熊谷ラグビー場、敷島は群馬・アースケア敷島サッカー・ラグビー場、小田原は神奈川・小田原市城山陸上競技場、大和は神奈川・大和スポーツセンター競技場、駒沢は駒沢オリンピック公園陸上競技場、AGFはAGFフィールド。