最終盤までもつれる大接戦 春季大会からの成長を見せるも筑波大に惜敗

ラグビー慶大

 2023関東大学対抗戦(対抗戦)は駒沢オリンピック公園陸上競技場、慶大対筑波大の一戦で開幕した。春季大会では17ー61と大差で敗れ、リベンジに燃える慶大。前半は、キックを積極的に用いて多くの時間を敵陣でプレーすることに成功する。前半を8ー7と1点リードで折り返したものの、後半は筑波大の粘り強いディフェンスに苦しめられる展開となった。2つのトライでリードを得ていた慶大だったが、試合最終盤に筑波大にラインアウトモールでのトライを許してしまい、18ー21で敗北。対抗戦の初戦を勝利で飾ることは叶わなかった。

 試合開始早々から繰り広げられたキック合戦は互角の勝負となり、今試合の展開を象徴するようだった。試合が動いたのは8分、慶大はハーフライン付近で得たラインアウトで筑波大のペナルティーを誘うと、PGを選択。WTB上野知和が落ち着いて決め、先制点を挙げる。慶大は終始、ハイパントキックによる空中戦にこだわりを見せた。17分、敵陣22メートルライン左でのラインアウトを得た慶大だったが、ペナルティーを重ねてしまう。一気に陣地を取られ、ゴール前ラインアウトを献上。筑波大の力強いラインアウトモールを一度は押し返すも、ゴールラインをこじ開けられ失点を許す。しかし36分、ハイパントキックの流れから筑波大ゴール前10メートルの位置でラインアウトを得た慶大はHO中山大暉のピックゴーでゲインを取ると、最後はSO山田響のパスを受けたWTB上野がインゴールを駆け抜けた。このまま前半を終え、慶大は8-7で1点リードの状態で後半に向かうことに。

先制トライをあげ祝福を受ける上野(写真右)

 後半も先に試合を動かしたのは慶大だった。8分、左サイド敵陣ゴール前5メートルの位置のスクラムを得た慶大は、筑波大FWを強くプッシュし、アドバンテージを獲得。再開後のSO山田のキックパスにWTB永山淳が反応すると、そのまま右隅にトライ。点差を広げる。後半開始からリードを広げた慶大だったが12分、筑波大にインターセプトからトライを許し13ー14と逆転される。しかし、24分には敵陣ゴール前5メートルで獲得したラインアウトでモールを組み、その後は早いテンポでフェーズを重ねると最後はWTB永山がディフェンスの隙間を強引に突破し、インゴールをこじ開けた。スコアを18ー14とし、慶大は再びリードを得る。さらに31分には筑波大のペナルティーからゴール前まで前進。しかしここではゴールラインを割ることはできず、リードを広げられない。36分、慶大はペナルティーを重ね、ゴール前まで侵入を許すと、自陣ゴール前5メートルでのラインアウトモールを押し込まれ試合終盤に失点。筑波大が時間を使ってそのままノーサイドとなった。スコアは18ー21と僅差での敗戦で対抗戦の初戦を終えた。

チャンスを有効に活かし、途中出場ながら2トライをあげた永山

 「夏合宿、初日からみんなで筑波を意識してやってきた大事な試合でした。」と青貫浩之監督が語るように、慶大はこの初戦にフォーカスを置いて練習してきた。結果は僅差での敗戦となったが、春季で大差をつけられて敗北した筑波大相手に同トライ数と、夏での大きな成長を見せた慶大。対抗戦はいまだ初戦が終わったばかり。残る6試合での慶大の修正と成長に期待したい。

(記事 村上結太、写真 戸祭華子)

コメント ※記者会見より抜粋

青貫浩之監督

――今日の試合の振り返りをお願いします

 本日はありがとうございました。今日の筑波さんとの一戦は、本当に大事な試合ととらえて、8月3日からの山中湖での夏合宿初日からみんなで筑波を意識してやってきた大事な試合でした。6月の春季大会で40点以上の大差をつけられて負けた相手でした。かつ(筑波大は)本来慶応がやらなければいけない細かい積み重ねが本当にできているチームで、我々がやらなければいけなかったことを、やられて負けたということもあったので、本当に筑波さんには絶対に勝ちたいという思いで、 6月の敗戦をこの1か月間バネにしてやってきました。(今日は) 3点差と非常に悔しい結果に終わりましたが、選手はよく成長してくれて、本当に素晴らしいパフォーマンスを見せてくれたと思っています。菅平、山中湖でやってきたことを発揮して、いいパフォーマンスをやってくれました。ただ、3点届かないというのが今の慶應の実力ですので、これから対抗戦は続きますが、ベストパフォーマンスを尽くして成長していきたいと思っております。

――今試合は青貫監督自身の初めての対抗戦で采配を振るった感想をお聞かせください

 監督として初めて臨んだ対抗戦でどうなるんだろうという思いがありました。試合中、勝ったり負けたり、リードした、リードされたりする時に、自分はどんな心境なんだろうなっていうことを試合前は思っていました。で、そこで結構不安になって、夜の寝つきも悪くなったりして(笑)。ですが、今日は特に前半の入りが本当に良くて、自分が心配したことは本当に無駄だったと思いました。本当に試合中は安心して見ていられて、ピッチ上の23人から本当に勇気を自分自身もらった試合だったと思います。

――BKに負傷退場が相次いだことについて

 ラグビーですので、ある程度はケガが出るということは想定をしていました。ただ、想定以上に脳しんとうなどがBKに相次いだことは、結果論かもしれませんが、選手登録についても少し今回の試合で反省すべき点だったという風に思いました。 今回の試合にたらればがあれば、もう少し(BKの)リザーブを増やしておけばというの感じています。

PR岡広将主将

――今日の試合の振り返りをお願いします

 青貫監督がおっしゃる通り、春にすごく大きな学びを与えてくれた相手に対しての開幕戦ということで、非常に夏合宿あたりからフォーカスして、春シーズンが終わってからひたすら筑波さんを目標に頑張ってきました。今、力が及ばないのが現状ということで、非常悔しい結果なんですけども、もう一度、この現状を受け止めて、次の試合に向かっていければと思います。

――ハイタックルのルール変更については、どのように感じて対策していましたか

 (ルール変更が)発表された次の日から意識して練習してきました。いろんな人に協力いただきながら、2人目がどの高さで入ればハイタックルを取られるのかのすり合わせはしてきました。特に、慶應はディフェンスが主体のチームなので、そういった話し合いは頻繁(ひんぱん)に行いました。

関東大学対抗戦
慶大 スコア 筑波大
前半 後半 得点 前半 後半
10 14
18 合計 21
【得点】▽トライ 上野、永山(2T)▽ゴール 上野
※得点者は慶大のみ記載
 
関東大学対抗戦Aグループ星取表
  帝京大 明大 早大 慶大 筑波大 立大 青学大 成蹊大
帝京大

11/19 14:00

秩父宮

11/5 14:00

秩父宮

12/2 14:00

秩父宮

10/15 13:00

森エンジニアリング桐生スタジアム

10/1 15:00

熊谷

9/17 15:00

敷島

9/9 15:00

駒沢

明大

11/19 14:00

秩父宮

12/3 14:00

国立

11/5 14:00

熊谷

10/1 13:00

いわきグリーンF

10/15 13:00

大和

9/9 15:00

秩父宮

9/9 15:00

駒沢

早大

11/5 14:00

秩父宮

12/3 14:00

国立

11/23 14:00

国立

9/24 12:30

秩父宮

9/10 15:00

熊谷

10/14 13:00

セナリオH三郷

10/1 13:00

足利ガスグラウンド

慶大

12/2 14:00

秩父宮

11/5 14:00

熊谷

11/23 14:00

国立

9/9 12:30

駒沢

9/17 12:30

敷島

9/30 14:00

小田原

10/22 13:00

ウエスタンデジタルスタジアムきたかみ

筑波大

10/15 13:00

森エンジニアリング桐生スタジアム

10/1 13:00

いわきグリーンF

9/24 12:30

秩父宮

9/9 12:30

駒沢

12/2 14:00

熊谷

11/19 14:00

AGF

11/5 11:30

熊谷

立大

10/1 15:00

熊谷

10/15 13:00

大和

9/10 15:00

熊谷

9/17 12:30

敷島

12/2 14:00

熊谷

11/5 11:30

秩父宮

11/19 11:30

AGF

青学大

9/17 15:00

敷島

9/9 15:00

秩父宮

10/14 11:30

セナリオH三郷

9/30 14:00

小田原

11/19 14:00

AGF

11/5 11:30

秩父宮

12/2 11:30

熊谷

成蹊大

9/9 15:00

駒沢

9/24 15:00

秩父宮

10/1 13:00

足利ガスグラウンド

10/22 13:00

ウエスタンデジタルスタジアムきたかみ

11/5 11:30

熊谷

11/19 11:30

AGF

12/2 11:30

熊谷

※秩父宮は秩父宮ラグビー場、国立は国立競技場、熊谷は熊谷ラグビー場、敷島は群馬・アースケア敷島サッカー・ラグビー場、小田原は神奈川・小田原市城山陸上競技場、大和は神奈川・大和スポーツセンター競技場、駒沢は駒沢オリンピック公園陸上競技場、AGFはAGFフィールド。