対抗戦開幕 快勝も課題の残る試合に

ラグビー慶大

 夏の暑さも残るような秋晴れとなった北海道・月寒屋外競技場。北の大地で慶大は関東大学対抗戦が開幕試合、日体大戦を迎えた。試合の立ち上がりには少々苦しんだものの後半は立て直し、最終スコアは43ー8。見事白星発進となった。

 日体大ボールで試合が開始された直後、慶大は大きく前進を許す。前半2分、慶大のオフサイドによりPGを献上し、日体大に先制点を奪われる。その後、左右への展開する流れの中でFW陣を中心に体を当て突破を試みるも、栗原徹監督が「日体大さんのひたむきなタックルがあることは分かっていた」と振り返ったような堅守に阻まれる。日体大の鉄壁を突破できたのは21分、敵陣5メートルライン付近のラインアウトモールから。最後はNO・8福澤慎太郎が中央左のインゴールをこじ開ける。28分にもラインアウトモールからフッカー酒井貴弘がねじ込んだ。しかしその後は規律面での乱れもあり、流れをつかむには至らず12−3で前半を終えた。

21分、今試合慶大初得点となるトライをするNO・8福澤慎太郎

 「一人一人が勝負してチャレンジすることを話し、チーム全体でチャレンジしていくことを意識した」(SH小城大和)。後半は一転慶大リードの試合運びに。最初の得点は2分、敵陣左5メートルでの付近でのスクラムから。右へボールを素早く展開し、最後は後ろから走り込んできたWTB今野椋平がトライ。続く15分にもマイボールラインアウトからモールで勢いよく押し込み、またもや酒井が追加点を挙げる。その後もWTB佐々木隼、そしてWTB大野嵩明がそれぞれ大外を駆け抜け中央に回り込むようにして悠々とグラウディング。日体大との点差を着実に広げていく。終盤に差しかかった41分、CTB百田啓人がディフェンスのギャップをつきトライ。終わってみれば43―8と大差で開幕戦を勝利した。

強靭なフィジカルで突破を試みるLOマプスア

 相手の好守と出だしの早い動きに苦しめられた前半。一方後半は、「日体大さんがモールを嫌がっていることを感じ、モールにこだわり続けた結果」(小城)と、ラインアウトモールから得点を量産する慶大の強みは見られた。しかし、初キャップを迎える選手が多いなか、鬼門の初戦を勝ち切ることができたのはチームにとって大きいだろう。これから課題の修正に期待だ。

(記事 戸祭華子、写真 森田健介)

コメント ※記者会見より抜粋

栗原徹監督

――試合を振り返って

 試合は点数では計り知れないほど慶應としては苦しみました。日体大さんのひたむきなタックルがあることは分かっていましたが、想像以上の圧力で非常に勉強になりました。幸い勝つことはできましたので、前向きに今日の試合を反省しながら次戦の立教大戦に向けて頑張りたいと思います。

CTB鬼木崇

――試合を振り返って

 試合の立ち上がりの10分は多くの初キャップの選手たちがいる中で、相手の出出しの速い動きに苦しめられた時間が多かったのですが、前半の風下を耐え切って後半の風下でエリアをとってディフェンスしていく自分たちのかたちをやることで試合をコントロールすることができたのではないかと思います。最初の方はいろいろうまくいかないことも多かったと思いますが、その課題を次の立教大戦に向けて修正していきたいと思います。

SH小城大和

――試合を振り返って

 北海道という地で試合ができたことを非常にうれしく思いますし、母校の生徒たちに応援してもらい、名前入りの横断幕を作って貰うなど、慶應のラグビー部は非常に幸せものだなと思います。試合の振り返りとしては、前半は受けてしまい、浮ついた時間が多かったのですが、風下で我慢する部分をゲームメイクとして伝えていくべきだったと反省しています。後半は一人一人が勝負してチャレンジすることを話し、チームとしてもチャレンジしていくことを意識したことでテンポが出始めうまくいった理由なのかなと思います。

――SHとして何か心がけている部分はありますか

 自分としてはまだまだスキルや判断力の部分でまだまだ足りない部分は多いのですが、チームの戦術やゲームコントロールの部分で決められたことを遂行することや、慶應の強みであるモールやディフェンスを今後もチームの主軸としてやっていきたいと考えています。

――今日のご自身の評価は

 前半はラインアウトモールがうまくいかない時間が続き、チームの中ではモールをフェイクにしてボールを出す選択肢も出ていましたが、日体大さんがモールを嫌がっていることを感じ、モールにこだわり続けた結果トライを取れるように修正されていった部分が今日の成果かなと思います。

関東大学対抗戦
慶大 スコア 日体大
前半 後半 得点 前半 後半
12 31
43 合計
【得点】▽トライ 福澤、酒井(2T)、今野、佐々木、大野、百田 ▽ゴール 永山(4G)
※得点者は慶大のみ記載
関東大学対抗戦Aグループ星取表
  帝京大 早大 明大 慶大 日体大 筑波大 青学大 立大
帝京大

11/6 14:00

熊谷

11/20 14:00

秩父宮

12/3 14:00

秩父宮

10/16 13:00

大和

〇45―20

7T5G

8T6G

〇88-0

14T9G

早大

11/6 14:00

熊谷

12/4 14:00

国立

11/23 14:00

秩父宮

〇102-0
16T11G

〇23-17
2T2G3PG

〇38-3
6T4G

〇31-7
5T3G

明大

11/20 14:00

秩父宮

12/4 14:00

国立

11/6 11:30

熊谷

〇74-0

12T7G

〇33-22

5T4G

〇70-27

10T10G

〇88-0

14T9G

慶大

12/3 14:00

秩父宮

11/23 14:00

秩父宮

11/6 11:30

熊谷

〇43-8

7T4G

〇16-12

1T1G3PG

〇48-10

7T5G1PG

〇43-7

5T4G1PG

日体大

10/16 13:00

大和

10/2 14:00

熊谷

9/18 12:30

敷島

●8-43

1T1PG

12/4 14:00

熊谷

11/19 14:00

江戸川

11/5 14:00

熊谷B

筑波大

10/2 14:00

江戸川

9/18 15:00

敷島

●22-33

5T4G

10/16 13:00

小田原

12/4 14:00

熊谷

11/5 11:30

熊谷B

11/19 11:30

江戸川

青学大

9/17 16:00

秋葉台

●8-38

1T1PG

10/16 11:30

太田

10/2 11:30

熊谷

11/19 14:00

江戸川

11/5 11:30

熊谷B

12/4 11:30

熊谷

立大

9/11 15:00

秩父宮

10/23 13:00

新潟

10/2 11:30

江戸川

9/17 12:30

秋葉台

11/5 14:00

熊谷B

11/19 11:30

江戸川

12/4 11:30

熊谷

※秩父宮は秩父宮ラグビー場、国立は国立競技場、熊谷および熊谷Bは熊谷ラグビー場、敷島は群馬・アースケア敷島サッカー・ラグビー場、新潟は、新潟市陸上競技場、月寒は北海道・月寒野外競技場、江戸川は江戸川区陸上競技場、秋葉台は秋葉台公園球技場、太田は群馬・太田市運動公園陸上競技場、小田原は神奈川・小田原市城山陸上競技場、大和は神奈川・大和スポーツセンター競技場、駒沢は駒沢オリンピック公園陸上競技場。