青学大にリベンジ果たす

ラグビー慶大

 昨年の関東大学対抗戦(対抗戦)。慶大にとってまさかの敗北だった。気迫あふれる青学大に手痛い敗戦を喫し、対抗戦の優勝争いから後退したあの試合から約1年。慶大はリベンジに燃えていた。対抗戦第2戦、雪辱を晴らすべく青学大との一戦に挑んだ。前半から相手のミスを突き、大きなリードを奪い26―0で折り返すが、後半は攻め手を欠き停滞する時間も見られた。後半は攻め込まれるも、38―7で勝利し、対抗戦2連勝。昨年のリベンジを果たした。

 試合開始早々から相手のミスからチャンスを作るなど、慶大ペースで始まったこの試合。開始4分に相手スクラムでターンオーバーを誘発し、CTB川原健太郎のロングパスを受けたWTB浦野龍基が右サイドを駆け抜け先制点を挙げる。さらに直後には中央をWTB関東申峻が突破し、約50メートルの独走トライ。決定力のあるバックス陣が躍動し、リードを広げる。ディフェンス面でも集中力を見せ、得点を許さない。終了間際にもフォワードがじわじわ前進し、最後はSH宮澤尚人が抜け出し26―0とリードし前半を終えた。

オフェンスの起点になる宮澤

 後半もロック白子雄太郎とNO・8森川翼とのコンビネーションから追加点を奪いさらに得点を積み重ねる慶大。しかし、その後は自陣に攻め込まれる時間帯が続く。13分にはラインアウトモールから突破を許し失点。「低いタックルに入れずに高いタックルで受けてしまった」とフランカー木原健裕主将が語るように、相手の攻勢に飲まれ、苦しい展開となった。20分に関東が今大会6トライ目を挙げ加点するも、その後は強力バックス陣も鳴りを潜めノーサイド。38―7で勝利したものの、後半のスコアだけ見れば12―7と、次戦への課題を多く残す結果となった。

ラインアウトの精度が次戦に向けてのキーポイントになる

 「勝ったということはよかったんですけど、内容については多々反省がある」と和田康二監督が振り返るように、ラインアウトなどのセットプレーの精度や、ディフェンスの組織力などに課題を残したこの試合。次戦の相手は強豪・筑波大だ。「次の筑波大戦が本当にヤマ場となっている」と木原が語るように、上位進出には負けられない試合になるのは間違いない。2週間後、慶大の真価が問われる試合となりそうだ。

(記事 東哲也、写真 稲満美也、副島美沙子)

関東大学対抗戦
慶大 スコア 青学大
前半 後半 得点 前半 後半
26 12
38 合計
【得点】▽トライ 浦野、関東2、川原、宮澤、白子 ▽ゴール 矢川(4G)
※得点者は慶大のみ記載
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コメント

和田康二監督

――きょうの試合振り返っていかがですか

昨年度青学大さんには敗戦したということもありますので、その雪辱ということをテーマにきょうは挑みました。勝ったということはよかったんですけど、内容については多々反省がある試合でしたので、青学大さんの激しい気迫、厳しいディフェンス、思い切りのいいアタックに受けてしまった時間帯もありました。ただ、勝って反省できるというのは前向きに捉えて次の筑波大戦に向けてチーム一丸となってやっていきたいと思います。

――次の筑波大戦まで2週間ありますが、何を優先的に強化していきたいですか

まずはセットプレーのところがきょうもラインアウト中心に、クリーンボールが何個あったかという感じになってしまったのでそこが一つと、後はブレイクダウンのところでここも青学大さんの激しい絡みというところもあったんですけど、そこでの球出しのところ、オフェンスもディフェンスもブレイクダウンのところ。後は何よりも筑波大さんは個々にいい選手が揃っていますので、ディフェンスを組織的に、個人がいいタックルができるかそういったところになってくると思います。

フランカー木原健裕主将

――きょうの試合振り返っていかがですか

きょねんの借りを返そうと臨んだ試合だったんですけれども、勝ったことに関してはよかった、満足はしていないですけど。まあやはり青学大さんの時間が途中であって、そこで低いタックルに入れずに高いタックルで受けてしまった、そこが一つの反省点かなと思っています。次の筑波大戦が本当にヤマ場となっていると思うので、課題のディフェンスの部分から修正していきたいと思っています。

――よかった時間帯というのは具体的にどのような部分ですか

前半に関しては26―0で折り返して、(相手にトライを)一本も取らせないということで、0点に抑えたということがよかったと思うんですけど、後は最初バックスで外に展開して、詰めてくれる人に対してラインを深くして、バックスのいい当たりができたところはよかったと思っています。