後半で日大Cを突き放し大勝! さらなる高みを目指して

ラグビー男子

 予想外の晴天に恵まれた日大稲城グラウンドにて、早大Cは日大Cとの一戦に臨んだ。CTB金井奨(人4=群馬・太田)の先制トライをはじめとし、前半序盤こそはリードをつかんだものの、セットプレーや激しいブレイクダウンの攻防に苦戦し、徐々に追い上げられる。逆転を許し19-21で前半を折り返した。しかし修正を見せた後半は、前半序盤に見せた勢いを取り戻し、立て続けにトライを演出。ダウンしやすい後半戦ではあるが、早大Cの底力を発揮し、66-28の38点差でノーサイドを迎えた。

 前半序盤は敵陣深くで攻撃を継続した。9分、22メートルラインでのマイボールラインアウトから素早いパスワークでNO・8鈴木風詩(社2=国学院栃木)が前へ。その後ラックからパスを受けたSO吉岡麟太朗(スポ2=東京・本郷)をアシストした金井がインゴール右隅に飛び込んだ。続く11分には、相手のハイパントから一気に敵陣22メートルラインに侵攻。早大Cの連続アタックの末、プロップ百枝樹生(スポ2=東京・国学院久我山)が空いたスペースに走り込み、トライ。その後も早大Cの追加点や日大Cの攻撃をジャッカルで阻んだシーンを含め、早大ペースで展開されるかと思われた。だが、激しいブレイクダウンの攻防で優勢に立てず、試合は拮抗(きっこう)した展開へと変わる。20分、22分には自陣で粘り強くディフェンスを固めたものの、ディフェンスラインの綻びを突かれ被トライ。25分以降もスクラムで劣勢となり、なかなか敵陣に踏み入れることができなかった。一時敵陣でのチャンスをつかんだが、34分にはゴールライン直前での相手ボールスクラムからモールで押し込まれてしまう。序盤につかんだリードを瞬く間に奪い返され、19-21で前半を折り返した。

 

スペースを走り込みインゴールに向かうプロップ百枝

  ハーフタイム明けには、好プッシュを連発した早大C。後半2分、自陣10メートル付近で日大Cのこぼれ球に反応したSH糸瀬真周(スポ1=福岡・修猷館)が左にパスを回し、CTB金子礼人(法1=福岡・西南学院)がビッグゲイン。そのまま相手を寄せ付けない好走を見せ、左中間に独走トライを決めた。続く5分にも、抜け出した吉岡からFB五十嵐心之介(社3=埼玉・早大本庄)、金井へと左サイドのタッチライン際でパスがつながり、金井が左中央にグラウンディング。吉岡のコンバージョンも成功し、スコアは33-21に。その後もFWとBKの連携で自陣から大きく飛び出し、早大Cは好機を得た。15分にはWTB溝井颯太朗(スポ2=北海道・函館ラサール)が40メートル近くを走り抜ける独走トライを挙げ、続く21分にも敵陣22メートル付近のラックからボールを持ち出した糸瀬が個人技でS字を描くように切り込みインゴールへ。33分には相手にトライを許したが、試合終了間際には速いパス回しに15人全員が反応し、じわじわと敵陣へ攻め入る。激しく突き進む攻撃を後半に出場したSH桝谷連太郎(スポ2=北海道・函館ラサール)がフィニッシュさせ、試合はノーサイド。終わってみれば38点もの得点差をつけ、66-28で早大Cは勝利を手にした。

 

ゲームキャプテンを務め、躍動したCTB金井

 一時は逆転を許したものの、後半だけで7トライの躍動を見せた。ブレイクダウンの攻防で苦しんだ前半であったが、ディフェンス強化の成果が所々で見られるなど、後半は今試合のテーマである『コリジョン』を体現するゲーム展開となった。「赤黒を着ることが目標」(百枝)、「上のチームに食い込めるように」(溝井)というように選手の今後の目標は明確だ。上のチームへ割って入るべく、次なる猛アピールの場へ。「現状に満足している人はいない」と今試合でブレイクした金井が話すように、目標を実現するために一人一人が着実に課題を達成し、勝負の夏へ挑む。

(記事 谷口花、写真 松平将太朗、安岡隼人)

コメント

CTB金井奨ゲームキャプテン(人4=群馬・太田)

――本日ゲームキャプテンとして意識したことはどんなことですか

 キャプテンが先頭に立って引っ張らないといけないと思っていました。チーム全体で勝ちたいという思いが強かったので、やはりそこはチームのことを考えて声を出そうというのは決めていました。

――今日の試合テーマは

 コリジョン、コンタクト、ディフェンスのところで前に上がるというのを意識してやっていました。

――特にフォーカスしていたところはどんなところですか

 ディフェンスの部分で前に出るというところは、帝京大戦で出た課題だったのでそれを一週間全員でしっかりと練習してきました。

――個人のトライシーンを振り返っていかがですか

 内側がいい仕掛けをしてくれたのでそれについていっただけなのですが、そこにしっかりとサポートに入ることができてよかったのかなと思います。

――チームの課題と収穫はいかがですか

 最後しっかり勝ち切れたということ、特に後半暑い中でしっかり戦えたというのは素晴らしい収穫かなと思います。課題としてはこの勝利で終わりじゃないと思うので、一人一人が赤黒を目指していくことです。ここからシーズンがまだありますし、しっかり一人一人が成長できるように、ここから練習でどれだけハードにできるかだと思うので、そこは全員でやっていこうと思っています。

――最後に夏に向けて意気込みを聞かせてください

 自分も含めてチーム全員今の現状に満足している人はいないと思うので一人一人レベルアップできるように練習していきたいと思います。

プロップ百枝樹生(スポ2=東京・國學院久我山)

――今日の試合を振り返って

 春シーズン最後ということで、今までディフェンスとセットプレーのところにフォーカスしてやってきたのですが、ディフェンスではまあまあ通用するところも感じられた一方、セットプレーではかなりペナライズされてしまったので、その点が反省点かなと思います。

――トライシーンを振り返って

 あれは、空いていたところに走ってスタンドのパスを受けて走っただけなのですが、大学に入ってからああいったかたちでトライしたことがなかったので、気持ち良かったです。

――後半セットプレーに改善が見られましたが、何を意識して後半に臨みましたか

 相手がかなり深くまで一回下がってから、横から入ってきてる印象を受けたので、浅く組んで相手を下に押しながら、そのまま前に出るということを意識していました。

――今日の試合の収穫と課題を教えてください

 収穫に関しては、特にディフェンス面ではまあまあうまく動けたのではないかなと感じていて、タックルの精度の向上などが見られたのでそこは良かったかなと思います。セットプレーに関しては前半からかなり課題が残ったので、そこは今後修正していきたいところです。

――夏に向けて強化していきたいところは

 まずは増量と、あとはスクラムでの体の使い方だったりっていうところだと思います。

――今後の意気込みをお願いします

 最終的には赤黒を着ることが目標なので、夏、秋とステップアップして、赤黒を着られる選手になれるように頑張ります。

WTB溝井颯太朗(スポ2=北海道・函館ラサール)

――今日の試合を振り返っていかがですか

 前半あまり自分達のやりたいことができなくて、拮抗してしまったのですが、後半持ち直すことができて良かったと思います。

――トライを振り返っていかがですか

 内からしっかりフォワードが牽引して、外が余るという早稲田のアタックができたことがうまくいった要因だと思います。

――個人のプレー振り返っていかがですか

 ヒットのところではうまくいってよかったのですが、ブレイクダウンであったり、タックルであったり、その辺りが課題として残ったので、次の試合までに修正したいと思います。

――春シーズン全体を振り返っていかがですか

 練習を積み重ねてここまで来たので、残りのシーズンもこのまま落ちることなく、上にあがり続けることができたら良いなと思います。

――今後の意気込みをお願いします

 とにかく、上のチームに食い込めるように、自分の強みを磨いたり、弱みを克服していこうと思います。

 

ジュニア春季オープン戦
早大C スコア 日大C
前半 後半 得点 前半 後半
19 47 21
66 合計 28
【得点】▽トライ 金井(2T)、真田、木村、金子、糸瀬(2T)、溝井、小野、桝谷 ▽ゴール 吉岡(7G)、鳥海(1G)
※得点者は早大のみ記載
早大メンバー
背番号 名前 学部学年 出身校
大木 裕太 法4 東京・早大学院
真田 稜大 教1 東京・早実
百枝 樹生 スポ2 東京・国学院久我山
松下 慶伍 教3 東京・早実
佐土原 脩 文構3 埼玉・早大本庄
宮本 大生 文構3 埼玉・早大本庄
深堀 雅聡 スポ2 福岡・東筑
鈴木 風詩 社2 国学院栃木
糸瀬 真周 スポ1 福岡・修猷館
10 吉岡 麟太朗 スポ2 東京・本郷
11 溝井 颯太朗 スポ2 北海道・函館ラサール
12 ◎金井 奨 人4 群馬・太田
13 金子 礼人 法1 福岡・西南学院
14 木村 晴 スポ3 北海道・函館ラサール
15 五十嵐 心之介 社3 埼玉・早大本庄
リザーブ
16 西野 直樹 法4 東京・早大学院
17 川村 駿太 法4 東京・函館ラサール
18 山野 裕都 教3 東京・早実
19 江島 航 法4 北海道・函館ラサール
20 小野 史裕 スポ2 東京・本郷
21 桝谷 連太郎 スポ2 東京・本郷
22 三浦 称児 人3 大分舞鶴
10′ 鳥海 雄図 教3 東京・早実
23 米重 颯己 スポ4 北海道・函館ラサール
15′ 和田 遼 社4 埼玉・早大本庄
※◎はゲームキャプテン、監督は大田尾竜彦(平16人卒=佐賀工)