15トライを挙げる猛攻をみせ、玉川大に圧勝した!

ラグビー男子

 梅雨の訪れを感じさせる蒸し暑さのなか、早大Dは玉川大と対戦した。ボールキャリーで着実に前へと進み、テンポの良い攻撃を展開した前半。早大ペースで試合は進み、43ー0と無失点で試合を折り返した。後半、中盤に入り思うように攻撃できない場面はみられたものの、春に鍛え上げたセットプレーやフィジカルで相手を圧倒する。終始攻撃の手を緩めることなく猛攻し、後半だけで8トライを挙げた。結果、95ー5と大差をつけて勝利した。

 開始6分、SH桝谷連太郎(スポ2=東京・本郷)がボールを持ち出し、ディフェンスのギャップを抜けると、次々に相手をかわす。そのサポートに入ったフランカー折戸健介(法2=東京・早実)が桝谷からパスを受け、そのままインゴールへと駆けた。これが先制点となり、早大Dは継続的なアタックで勢いに乗る。前半15分には、SO茂木陸生(社3=埼玉・早大本庄)が素早く前に出る相手ディフェンスの隙を突き、チャンスを生む。そこからBKがテンポよくつなぎ、最後はWTB和田遼(社4=埼玉・早大本庄)がトライを決めた。その後も、ゴールライン付近のラインアウトからモールを形成し、フランカー梅澤未遊(法4=東京・早大学院)が押し込むなど、FW、BKともに躍動する。前半終了間際には、NO・8山本竜大(教1=東京・早実)が力強いゲインをみせ、山本からフッカー西野直樹(法4=東京・早大学院)、西野から桝谷へとオフロードパスを細かくつなぎ、最後は桝谷がフィニッシュ。敵陣での継続的なアタックが奏功し、前半を43ー0で折り返した。

 

パスをつなぎインゴールへ向かうSH桝谷

 後半開始早々、テンポの良いアタックからFB吉松立志(スポ4=宮崎・高鍋)が得点を挙げるなど、早大Dが勢いそのままに攻め込む。だが直後に早大Dがノックオン。自陣22メートルで相手ボールのスクラムを与えてしまう。このスクラムから相手にトライを許し、初失点。この後2トライを加えた早大Dであったが、中盤には自らのミスやペナルティーによって、相手に攻め込まれる我慢の時間が続く。試合はしばらく均衡を保った。だがここで早大Dが、ラインアウトを起点に大外までボールを展開し、相手陣地に侵攻していく。じわじわとゴールラインへと詰めていき、最後は折戸がスピードに乗ってインゴールへ飛び込んだ。その直後に折戸が再びトライを挙げるなど、FWが積極的なドライブで前へ前へと突進する。早大Dが攻める姿勢を貫き通し、モールトライなどでさらに得点を追加すると試合の主導権を握った。相手に1トライを献上したものの、最終スコアは95ー5、玉川大を大きく引き離し勝利を収めた。

 

攻守共に躍動しハットトリックを決めたロック折戸

 FWの強いボールキャリー、セットプレーでの優位、BKの継続的なアタックなど早大Dが要所で力を発揮した。その結果、計15トライを挙げ、春シーズンを締めくくるにふさわしい圧勝を遂げた。「全員がコンタクトの局面で前に出て、結果的に大量得点で勝利できた」と梅澤が振り返るように、一人一人のコンタクトに対する意識が、勝利につながったといえる。だが、「ミスでボールを失ってしまう」(梅澤)、「もっと丁寧なプレーを」(CTB鳥海雄図、教3=東京・早実)と成長につながる課題はまだまだ見受けられる。春シーズンもまもなく閉幕だ。上のカテゴリーへと駆けあがるべく、闘志を燃やす選手たち。赤黒をつかむため、ここで止まってはいられない。梅雨が明ければ、昇格に向け研鑽(けんさん)する『熱い』夏が始まる。

(記事 山田彩愛、写真 谷口花)

コメント

フランカー梅澤未遊ゲームキャプテン(法4=東京・早大学院)

――今日の試合のテーマは

 試合のテーマは週の最初から『コリジョン』で、コンタクトで強化した部分を出していこうという話をしていました。

――テーマは達成されましたか

 そうですね。全員がコンタクトの局面で前に出て、結果的に大量得点で勝利できたということで、ある程度は達成できたのかなと思います。

――今日の試合を振り返って

 テーマのコンタクトの部分では、一人一人が前に出れていたものの、相手のジャッカルに対してペナルティになってしまったりと自分たちのミスでボールを失ってしまう場面が多かったのでそこは反省かなと思います。

――初めてのゲームキャプテンどんなことを意識して臨みましたか

 個人的には、圧倒的に引っ張るタイプではないのでとにかく盛り上げることを意識していました。そのためにポジティブな声かけをできるようにしていました。

――後半の流れが悪くなったところではどんなことを声かけされたのですか

 プレーが悪いかたちで止まってしまった時って必ずスクラムとかがあると思うので、そういうときにFWでスクラムから取り返そうという声かけをしました。

――今日のFWのプレー振り返っていかがですか

 フィールドプレーはコンタクトの部分で強いキャリーで前に出ることができたのが良かったと思います。スクラムも前半の途中からどんどん押せるようになってきて、ペナルティーが何回も取れていたという部分で収穫があったかなと思います。こだわっていたモールの部分でも結果が最後に出せて良かったかなと思います。

――これからの意気込みを

 今日出たメンバーはチームとしては一番下のカテゴリーになってしまうので、今日出た試合のメンバーで上に上がっていくことです。個人としてもラストイヤーということで、1つでも上のチームで活躍できるように、練習していきます。

ロック若松泰佑(文構2=東京・早実)

――今日の試合を振り返っていかがですか

 この1週間取り組んできたことの中に、ディフェンスでしっかり前に出て相手にプレッシャーをかけるということがあったのですが、少ないディフェンスのチャンスをしっかり上げ切って仕留めることができたという点では練習の成果を出せたので良かったと思います。アタック面でもコンタクトシチュエーションでセカンドワーク、サードワークで全員がしっかりと前に出られていたのでよかったと思います。

――収穫はいかがですか

 個人的にモールでしっかりと取り切れた回数がほとんどだったのでそれが収穫で、今年特にFWはセットプレーにフォーカスしてやっているので、このまま夏も秋もモールで相手を圧倒できるように頑張っていきたいと思います。

――個人のプレーでよかった点は

 個人的にはセカンドワークを今日も意識していて、セカンドワークでしっかりと仕事ができたのでよかったと思います。

――春シーズン全体を振り返っていかがですか

 強い帝京や東海を相手にCDは勝てていないので、それを夏にやり返せるように、残りの時間で準備して頑張っていきたいと思います。

――最後に今後の意気込みを

 まだまだ下のチームで赤黒が見えていない状態なので、ここからしっかり体も頭も鍛えて、秋には赤黒を着て対抗戦に出られるように頑張っていきたいと思います。

SO茂木陸生(社3=埼玉・早大本庄)

――今日の試合を振り返っていかがですか

 春シーズン最後の試合ということで、このシーズンチームで取り組んできたことをしっかりと出そうというモチベーションで臨みました。

――タックル良かったですね、個人で意識したことは

 個人的には最近ずっとやってきたコンタクトの部分、タックルもディフェンスもしっかり前に出て自分から仕掛けるというところを意識していました。今日は何本か自分から仕掛けられたところがあったので良かったと思います。

――今日の試合での収穫は

 過去の試合では結果は勝てていても内容がそこまで良くない試合が続いていたので、そういう意味では今回は内容もしっかりとこだわることができて結果もついてきたという感じだったのでそこが収穫だと思います。

――春シーズン全体を振り返って

 個人的なところで言うと、副務と選手の両立というところでリーダーシップとラグビー面でもしっかりと成長するというところを目標としてやってきたので、引き続き選手としてもスタッフとしても成長していけるようにこれからも頑張っていきたいです。

――個人としての今後の意気込みを

 まだまだここで満足できるようなカテゴリーではないので、赤黒を目指して、まずは夏合宿、試合にたくさん出て成長していきたいと思います。

CTB鳥海雄図(教3=東京・早実)

――今日の試合を振り返って

 全体を通してセットプレーやブレイクダウンのところで良いプレーはありました。後半の途中で、ちょっと流れが良くないところがあったのですが、そこでどういう声かけをして、チームの雰囲気を良くしていくのかということが課題だと感じた試合でした。

――BKのアタック継続が光っていましたね

 全体的には、継続できて良いプレーも多かったです。ところどころで簡単なハンドリングミスであったり、大外のブレイクダウンでターンオーバーされてしまったりというところもありました。良かったところは良かったのですが、丁寧なプレーをするというところに課題があります。

――キックの手応えは

 途中から茂木と(スタンドオフを)変わったときのタッチキックは良かったかなと思います。コンバージョンは途中で精度が落ちてしまった部分があったので、そこはもう少し練習したいです。

――収穫ともっと向上していきたい部分は

 手応えを感じた点としては、ボールキャリーの部分と球離れのところです。向上させたい部分は、途中でチームの雰囲気が悪くなった時に自分も含め、周りとどういうプレーをしていくのかということが課題だと思うのでそこをしっかり修正したいです。

――これからの意気込みと目標を

 春シーズンは終わってしまいますが、ここから秋シーズンに向けて、自分は上がっていくしかないので1つでも上のチームでプレーできるように、また頑張っていきたいと思います。

 

ジュニア春季オープン戦
早大D スコア 玉川大
前半 後半 得点 前半 後半
43 52
95 合計
【得点】▽トライ 折戸(3T)、門脇、和田(2T)、梅澤、後藤(2T)、岡村、桝谷、吉松(2T)、山下、山本 ▽ゴール 鳥海(10G)
※得点者は早大のみ記載
※◎はゲームキャプテン、監督は大田尾竜彦(平16人卒=佐賀工)

早大メンバー
背番号 名前 学部学年 出身校
後藤 良太 文3 東京・早実
西野 直樹 法4 東京・早大学院
門脇 浩志 スポ2 神奈川・桐蔭学園
岡村 圭悟 スポ2 東京・本郷
若松 泰佑 文構2 東京・本郷
折戸 健介 法2 東京・早実
◎梅澤 未遊 法4 東京・早大学院
山本 竜大 教1 東京・早実
桝谷 連太郎 スポ2 東京・本郷
10 茂木 陸生 社3 埼玉・早大本庄
11 米重 皓己 商2 北海道・函館ラサール
12 鳥海 雄図 教3 東京・早実
13 田尻 遥也 文2 埼玉・早大本庄
14 和田 遼 社4 埼玉・早大本庄
15 吉松 立志 スポ4 宮崎・高鍋
リザーブ
16 下間 元貴 スポ3 秋田
17 蜂谷 謙介 基理3 東京・早大学院
18 下村 勇貴 文2 東京・早実
19 飯田 開登 教3 愛知・千種
20 山下 広一朗 創理1 東京・早大学院
21 井上 泰志 スポ2 福岡・東筑
22 北田 琢麿 スポ1 埼玉・川越東
22′ 玉川 皇一 創理1 東京・青山学院
23 荒田 明彦 商1 北海道・函館ラサール
23′ 高栁 壮史 創理1 東京・早大学院